更新日:2026/05/23

40代がキャリアに悩む理由とは?キャリアデザインのポイントや企業としての取り組みを紹介

40代がキャリアに悩む理由とは?キャリアデザインのポイントや企業としての取り組みを紹介 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

40代は一般に、豊富な社会人経験や磨いてきたスキルを活かし、企業を支える中核人材としてマネジメントや技術・ノウハウの継承が期待されやすい年代です。一方、体力や健康面の変化を意識しはじめたり、所属企業における役割や処遇の見通しが変化したりすることで 、働き方や今後のキャリアを見直す契機が生じやすい時期でもあります。本記事では、40代の従業員が陥りやすいキャリアの悩みやその背景を整理したうえで、納得感のあるキャリアを形成するために個人がもつべき視点と、ミドルシニアの活躍を推進するための組織のあり方を考えます。

 

0140代のキャリアに関連する社会の変化と法改正

日本では少子高齢化が進み、生産年齢人口の減少が続いています。また、テクノロジーの発展を背景に産業構造も変化しており、企業には人材の生産性向上や継続的な能力開発が求められています。こうした環境変化を受け、政府も労働者一人ひとりの生産性向上や、高年齢者の就業機会の確保に向けた施策を進めています。

少子高齢化の進行

日本では少子高齢化が進む中、生産年齢人口は今後も減少することが予想されています。総務省が公表した「労働力調査」によると、2026年3月時点の就業者数のうち、15~64歳は6,815万人、そのうち45~64歳は2,886万人で、15~64歳の就業者に占める45~64歳の割合は42.3%でした。この割合は経年で上昇傾向にあり、企業におけるミドル層以上の人材活用の重要性は高まっていると考えられます。

▶︎参照:労働力調査|総務省

高年齢者雇用安定法の改正

高年齢者雇用安定法の改正

少子高齢化の進行や寿命の伸びを背景に、日本では年齢を重ねても長く働き続けられる環境の整備が、政府によって進められています。高年齢者雇用安定法では2013年の改正時に、希望者全員が65歳まで働けるよう、企業に雇用確保措置を講じることが義務付けられました。加えて2021年の改正では、70歳までの就業機会確保が企業の努力義務とされています。

Schoo for Businessの授業『40代からの安心キャリアプラン入門』に登壇する安彦守人先生は、2021年法改正のポイントとして「65歳以上の働き方が多様化」している点を紹介しています。改正により設けられた「創業支援等措置」では、雇用によらない選択肢として、高年齢者と継続的に業務委託契約を締結する制度や、事業主または出資・委託先の団体などが行う社会貢献事業に従事できる制度が示されました。一方、これらはあくまで「企業が取り得る選択肢」であり、全ての企業で同じ制度が導入されるわけではありません。働き手の観点では、勤め先がどのような制度を導入し、就業規則や運用として定めているのかを把握したうえで、自身の働き方を検討する必要があります。

ジョブ型人事とキャリア自律の推進

高年齢者に対する雇用機会の確保と同時に、政府は日本企業の競争力を維持・向上させる観点から、各企業の実情に応じた「ジョブ型人事」の導入を後押ししています。ジョブ型人事とは、企業における職務の内容を明確に定義し、その職務を遂行できるスキルや経験を持つ人材を採用・配置・評価する人事制度のことです。ジョブ型人事においては、職務ごとに必要となるスキルが明確になりやすいため、従業員は自身のスキルギャップを把握し、リスキリングに向けた行動を取りやすくなると考えられています。近年はテクノロジーの発展速度が著しく、過去に積み上げてきた経験や知識だけで将来にわたって組織への価値貢献をし続けられるとは限らず、よりキャリアを自律的に考える必要性が高まっています。

▶︎参照:ジョブ型人事指針(令和6年8月28日)|内閣官房・経済産業省・厚生労働省

 

0240代が陥りやすいキャリアの悩み

40代は、心身の変化やライフステージの節目を迎えやすいことに加え、職業人生の長期化やリスキリング、キャリア自律への要請など、働き方やキャリアをめぐる環境も大きく変化する時期です。ここでは、40代の従業員に生じやすい代表的な悩みを解説します。

心身と環境の変化によるアイデンティティの危機

40代は、体力の衰えや健康面の不安を意識し始めるほか、親の介護や子育ての一段落など、家庭内での役割変化に直面する場合もあります。また仕事面でも、昇進や役割の見通しが変化し、これまでの延長線上では今後のキャリアを描きにくいと感じる人もいます。こうした背景から生じる、人生中盤における価値観のゆらぎや葛藤、自分のあり方を問い直す心理状態は、心理学の領域で「中年の危機(midlife crisis)」と呼ばれています。

「人生100年時代」に向けたキャリア設計の悩み

65歳までの雇用確保措置や70歳までの就業機会確保の努力義務など、長く働き続けるための制度整備が進むなか、40代は職業人生の後半を見据え始める重要な時期です。従来の日本では、「終身雇用」や「メンバーシップ型雇用」など、企業主導で配置や育成が行われ、従業員は定年まで同じ企業で働き続けることを前提としやすい雇用慣行が広く見られました。そのため現代の40代は、キャリアに対するマインドセットの転換や行動を求められることで、戸惑いを感じる人も少なくありません。

労働市場とスキルのミスマッチ

テクノロジーの進化により、多くの企業がDX推進やAI活用による生産性の向上を課題に掲げています。このような背景の中、特に過去の業務経験の延長で評価されてきた従業員ほど、将来的に需要が高まるスキルと現在保有しているスキルにギャップが生じやすくなっています。「自分のスキルが時代遅れでは」という不安は、キャリアの自信喪失や再学習への意欲低下につながるリスクがあります。

仕事へのやりがいの喪失

企業におけるポストや役職は上位になるほど少なくなるのが一般的です。そのため、キャリアの中盤に差しかかる40代の社員のなかには、組織内で昇進・昇格の可能性が限られていると感じる「階層プラトー」に直面する人もいます。特に、仕事における昇進や昇給をモチベーションの源泉としてきた人ほど、階層プラトーによってやりがいを見出しにくくなる可能性があり、組織への貢献意欲やエンゲージメントの低下につながるおそれもあります。

業務のマンネリ化

昇進や異動による役割・環境の変化が少なく、担当業務の新規性や裁量、学習機会が限られる場合、同じ業務を長年続けるなかで挑戦や成長の機会を感じにくくなることがあります。このように、仕事に新規性や多様性が乏しくなり、成長実感を得にくくなる状態は「内容プラトー」と呼ばれます。内容プラトーはモチベーションやエンゲージメントの低下につながり得ると考えられています。

▶︎関連記事:キャリアプラトーとは?陥る原因と抜け出すための対策を徹底解説


 

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03幸せなキャリア形成に必要な視点・マインドセット

人生100年時代の到来により、キャリアは組織に委ねるものではなく、自分で描くべきものへと変化しています。ここではSchoo for Businessの授業を参考に、幸せなキャリア形成に必要な視点やマインドセットについて解説します。

自律的なキャリアデザイン

自律的なキャリアデザイン

Schoo for Businessの授業『キャリアのコンパスを持とう』に登壇する大坂谷勇輝先生は、近年のキャリアを取り巻く環境として「自律的にキャリアを考えられる時代」となってきたことを解説しています。その背景として次の3点が紹介されています。

  • ・VUCA時代の到来:変化が激しく未来を予測するのが難しい時代であり、キャリアについても絶対的な正解が見出しにくい
  • ・健康寿命の延伸:人生100年時代といわれる中、長期的な職業人生やセカンドキャリアを考える必要性が高まっている
  • ・メンバーシップ型からジョブ型への移行:従来よりも、職務に必要なスキルや経験、適性が重視されるようになってきている

自律型キャリアに必要な3要素

自律的なキャリア形成を考える上で参考になる理論として、モチベーションに関する「自己決定理論」があります。この理論では、人には「自律性」「関係性」「有能感」の3つの心理的欲求があるとされています。キャリア形成においても、自らの志向性や価値観を踏まえて意思決定でき、能力を発揮できると感じられ、周囲とも協力関係を築けるような仕事を選び担えることが、個人の満足度やキャリアへの納得感につながりやすいと言えるでしょう。

キャリアとウェルビーイングの統合

キャリアとウェルビーイングの統合

Schoo for Businessの授業『人生の軸から描く、これからのキャリアデザイン』の第1回授業では、人生の豊かさを左右する4つの要素として、キャリア発達研究者のサニー・ハンセン氏が提唱した「4つのL」の考え方を紹介しています。4つのLとは、「仕事(Labor)」「愛(Love)」「学習(Learning)」「余暇・自由時間(Leisure)」のことであり、これらを人生全体のなかでバランスよく捉えることが充実したキャリアや人生を考えるうえで重要だとされています。つまりキャリアを考えるうえでも、仕事だけではなく、私生活や家族関係、学習、趣味といった要素も含めて、人生全体の視点から捉えることが大切だと言えるでしょう。

 

04ミドルシニアの活躍を促す組織づくり

人生100年時代を迎え、ミドルシニア層の活躍は企業にとってますます重要なテーマとなっています。年齢を重ねることによる身体的な変化だけでなく、働く目的や価値観が多様化する中で、ミドルシニア層の経験と意欲をいかに引き出すかが組織の成長にも直結します。以下では、組織的な視点で、ミドルシニアの活躍を促すポイントについて解説します。

組織としての期待の明確化

組織としての期待の明確化

Schoo for Businessの授業『ミドルシニア躍進のための組織作り』に登壇する木下紫乃先生は、組織でミドルシニアの活躍を推進するために、まず組織としての期待と支援体制を明確にすることが重要だと解説しています。組織として、どのような活躍をしてほしいのかが曖昧である場合、ミドルシニア層の従業員は働き方や役割に対して迷いを抱きやすく、実際の行動と期待がずれる要因にもなるでしょう。仮に、働き方やスキルの変革を伴う新たな役割期待を伝える場合であっても、その背景や目的を明確に伝え、必要な支援や学習機会をあわせて示すことで、本人が前向きに受け止めやすくなります。

方針に沿った人材投資

方針に沿った人材投資

木下先生は授業において、企業の人材投資は若手や中堅社員向けが多く、40代後半以降の非管理職に対しては支援が少なくなりやすい現状を解説しています。しかし、この層の従業員に対しても活躍を期待するのであれば、相応の支援を行うことが重要です。特に環境の変化に適応するには、学び直しやリスキリングの機会を設けることも求められます。必要な研修や業務機会の提供など、方針に沿った育成支援を行うことは、組織としての期待やコミットメントを示すことにもつながります。

ロールモデルの構築

ロールモデルの構築

授業では、社内で提示するミドルシニア・シニア社員のロールモデルを多様化することの重要性も解説しています。例えば、課長・部長・役員といったポストは数に限りがあり、すべての人が昇進を前提とした単線的なキャリアアップを目指すことは現実的に困難です。役職の有無にかかわらず、組織や周囲に貢献し活躍している人材をロールモデルとして可視化していくことが、多くの従業員がやりがいを持って働く組織づくりの土台となります。


 

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05キャリアデザインに役立つSchoo for Business

Schoo for Business

オンライン研修/学習サービスのSchoo for Businessでは約9,000本の講座を用意しており、DXほか様々な種類の研修に対応しています。

受講形式 オンライン
(アーカイブ型)
アーカイブ本数 9,000本
(新規講座も随時公開中)
研修管理機能 あり
※詳細はお問い合わせください
費用 1ID/1,650円
※ID数によりボリュームディスカウントあり
契約形態 年間契約のみ
※ご契約は20IDからとなっております
 

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40代のキャリアに役立つ講座を紹介

以下ではSchoo for Businessの講座から、40代のキャリアに役立つキャリアプランや組織作りに関する講座を紹介します。

人生の軸から描く、これからのキャリアデザイン

人生の軸から描く、これからのキャリアデザイン

終身雇用の前提が崩れ、自らキャリアを描く転換期にあるビジネスパーソン向けに、キャリアを仕事だけではなく人生全体の視点から捉え直す力を養います。授業では、「ライフキャリアレインボー」「キャリアアンカー」などを通じて価値観を言語化し、人生全体を起点としたキャリアの方向性を見出す発想を身につけることを目指します。

人生の軸から描く、これからのキャリアデザインを詳しく見る

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40代からの安心キャリアプラン入門

40代からの安心キャリアプラン入門

本コースは、「70歳定年時代」に備えるため、40代の今から始めるべき対策を学びます。65歳以上の働き方が広がる一方で、不利な雇用条件を提示されるリスクなど、シニアの働き方の二極化が指摘されている現状を踏まえます。講師は、50代以上に特化した人材紹介・派遣を提供する株式会社シニアジョブ広報部部長の安彦守人先生です。受講者が「その時」になって慌てずに済むよう、キャリアプランの安心な設計を目的としています。

40代からの安心キャリアプラン入門を詳しく見る

※研修・人材育成担当者限定 10日間の無料デモアカウント配布中。対象は研修・人材育成のご担当者に限ります。

ミドルシニア躍進のための組織づくり

ミドルシニア躍進のための組織づくり

少子高齢化と労働力不足が見込まれる中で、組織の中核を担う40歳以上のミドルシニア層をさらに躍進させるための組織づくりの考え方を学びます。本授業は、人材育成に関わる人事担当者やマネジメント層を対象とし、ミドルシニア層が置かれている状況を理解した上で、彼らが活躍できる組織をつくるための具体的な打ち手を講じる視点を得ることがゴールです。

ミドルシニア躍進のための組織づくりを詳しく見る

※研修・人材育成担当者限定 10日間の無料デモアカウント配布中。対象は研修・人材育成のご担当者に限ります。

なんとなく学んでいないのメカニズム

なんとなく学んでいないのメカニズム

不確実性の高い時代に、組織内でより良いリスキリングを実践し、それを業務で活用できる仕組みについて学びます。日本人の「学び」への反応が薄いという課題を背景としています。学習ゴールは、学びとキャリアが直結していることを自覚し、組織開発を考えられるようになることです。講師は、著作『リスキリングは経営課題』を持つ、株式会社パーソル総合研究所の上席主任研究員、小林祐児先生です。

なんとなく学んでいないのメカニズムを詳しく見る

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06まとめ

40代は、社会構造の転換期と人生の折り返し地点が重なる世代です。従来のキャリアモデルが通用しにくい中で、自分の価値観や強みを見つめ直し、自律的にキャリアをデザインする姿勢が求められます。同時に、企業側も明確な方針を示し、ミドルシニア層への人材投資やロールモデルの提示を通じて、経験を活かせる環境を整える必要があります。変化を恐れず、学び直しと挑戦を続けることこそが、これからの時代を豊かに働き抜く鍵となるでしょう。

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この記事を書いた人
Schoo編集部
Editor
Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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