タイムマネジメント研修とは|必要な理由や研修の流れを紹介

組織全体の生産性を向上させるためには、役職や職種に限らず、適切なタイムマネジメントが求められます。そのうえで、タイムマネジメント研修の導入を考えるも、何から取り組んでいけば良いのか、どのような研修が効果的であるのか悩む担当者の方は多いのではないでしょうか。この記事では、タイムマネジメント研修の内容から導入までの流れを解説していきます。
01タイムマネジメント研修とは
タイムマネジメント研修とは、業務における時間の使い方や優先順位の付け方を習得するために実施される研修のことです。働き方改革の影響もあり、生産性向上が求められる中で、タイムマネジメント研修の需要も高まっています。
また、タイムマネジメント研修には、メンバー向けの研修と、管理職向けの研修の2つがあります。前者は自身のタイムマネジメント能力の向上を目的とし、後者は戦略的にメンバーの業務配分や目標管理を行えるようにすることを目的として実施されます。
タイムマネジメントとは
タイムマネジメントは、時間を効果的かつ効率的に活用することを指します。これは、個人や組織が与えられた時間内で目標を達成し、重要な仕事や活動に集中するためのスキルや方法論です。
タイムマネジメントには、日常のスケジュール管理、優先順位の設定、目標の設定、時間の割り当て、作業の計画、集中力の向上、そして時間の無駄遣いを減らすための技術やツールが含まれます。効果的なタイムマネジメントは、ストレスを軽減し、生産性を向上させ、バランスの取れた生活を送る手助けとなります。
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02タイムマネジメント研修が必要な理由
タイムマネジメント研修が求められている背景には、日本の労働人口に関する問題など、様々なものがあります。この章では、タイムマネジメント研修が必要な理由について詳しく紹介します。
働き方改革への対応
タイムマネジメント研修が必要な理由には、働き方改革への対応があります。働き方改革で重要視されていることの1つは、労働時間による評価からの脱却です。
これまでのような労働集約型で長時間働いた人が偉いという考え方から、仕事は成果で評価するのが望ましいという考え方にシフトしてきています。しかし、成果で評価する考えを積極的に取り入れ、組織全体のパフォーマンスを向上させるためには管理職だけでなくメンバーも含め、組織の全員がタイムマネジメントの考え方を身に着け、実践する必要があります。
そのため、社内の共通言語を作るためにタイムマネジメント研修を実施する企業が増えているのです。
生産性の向上
タイムマネジメント研修が必要な理由には、生産性の向上もあります。前述したように働き方改革を実現するには、生産性の向上が必要不可欠です。そして、人口減少に伴う人手不足もあり、生産性の向上はさらに求められるでしょう。
そのため、自身の業務に優先度を適切につけ、不要な業務を削り、付加価値の高い業務に時間を割くためのフレームワークや考え方を、タイムマネジメント研修で習得する必要があるのです。
ワークライフバランスの実現
タイムマネジメント研修が必要な理由には、社員のワークライフバランスの実現もあります。近年、働き方改革が見直され、残業時間の短縮、従業員一人ひとりの仕事とプライベートの両立を推進する企業が増えています。ウェルビーイングという言葉や考え方も普及し始め、より一層この流れは強まるでしょう。
従来の日本企業の考え方では、残業時間の多さを美徳としているようなところがありました。しかし現在では仕事とプライベートを両立させることで結果的に会社、個人が好循環なサイクルを生み出すことができるとわかってきています。
働き方の多様化
近年、テレワークやフレックスタイムなど、働き方の多様化が進んでいます。このような働き方では、短い時間で高いパフォーマンスを出していく必要があるため、自己管理能力や時間管理能力がより重要になっています。そのため、タイムマネジメント研修は、様々な働き方に適応するためのスキルを身につけるのに役立つことができます。
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03タイムマネジメント研修を行う目的
それぞれのレベルや役割に応じて、タイムマネジメント研修は異なる焦点と内容を持ちます。ここでは、「新入社員向け」「メンバー向け」「管理職向け」それぞれの目的について解説します。
新入社員向け
新入社員向けのタイムマネジメント研修の主な目的は、仕事に慣れる段階で効果的な時間管理のスキルを身につけさせることです。新入社員は、業務内容や職場の文化に慣れるために多くの情報を吸収する必要がありますが、その中で時間を効率的に使い、業務遂行に必要なスキルを習得することが重要です。具体的には、基本的な時間管理の原則やツールの使い方、優先順位の付け方、タスクの管理方法などが挙げられます。
メンバー向け
メンバー向けのタイムマネジメント研修の目的は、個々のメンバーが自己管理能力を向上させ、効果的に業務を遂行することです。メンバーは日常業務の中で多くのタスクやプロジェクトに対処しなければなりませんが、それらを効率的にこなすためのスキルを磨くことが重要です。メンバー向けの研修では、時間の使い方の改善、優先順位の付け方、ストレス管理、デッドラインへの対処など、実践的なスキルを身につけるための内容が重視されます。
管理職向け
管理職向けのタイムマネジメント研修の目的は、リーダーシップを発揮しながら、チームや組織の業績を最大化するための時間管理スキルを身につけることです。管理職はチームの方向性を示し、成果を達成するためにリソースを最適化する責任があります。管理職向けの研修では、目標設定と優先順位の管理、効果的な会議の進行方法、部下のタイムマネジメントを支援する方法など、リーダーシップと組織のパフォーマンス向上につながるスキルが重視されます。
04タイムマネジメント研修を行うメリット
タイムマネジメント研修を行うメリットは、主に以下の4つが挙げられます。
- 1:業務時間を短縮できる
- 2:仕事の効率が上がる
- 3:スケジューリングがしやすくなる
- 4:重要なことを後回ししなくなる
いずれも、主に生産性の向上を背景としたメリットと言えるでしょう。この章では、タイムマネジメント研修を行うメリットについて詳しく紹介します。
残業時間を短縮できる
タイムマネジメント研修を行うメリットの1つ目は、残業時間の短縮につながるということです。これを企業側の視線で見てみると企業にとって人件費の高さは悩みの種ですが、残業時間を短くすることでコストカットにつなげることができます。
また社員の視線で見てみると長時間労働のストレスから解放され、ワークライフバランスが整うのです。 このようにタイムマネジメント研修を行い、残業時間を短縮することは企業、社員双方にメリットをもたらします。
仕事の効率が上がる
タイムマネジメント研修を行うメリットには、仕事の効率が上がることも挙げられます。タイムマネジメント研修では時間と業務の見直しを行うため、仕事の優先順位が明確になり効率良く業務を行うことができるようになります。また業務を見直し、本当に必要かどうかを判断してスリム化することもできるでしょう。
スケジューリングがしやすくなる
メリットの3つ目はスケジューリングがしやすくなることです。タイムマネジメント研修では1日の時間の使い方だけではなく、週、月、年単位での時間の使い方を見通して考えるためスケジュールの立て方に変化が生まれます。 急な予定が入ったとしてもあせらずスケジュールを組み替えられるため、心のゆとりもできるでしょう。
重要なことを後回ししなくなる
4つ目のメリットとして、「重要なことを後回ししなくなる」が挙げられます。タイムマネジメント研修を受けることで、重要なタスクに集中し、それらを優先的に処理する習慣が身につきます。時間を管理するためのスキルを習得することができるので、重要な仕事を後回しにすることなく、適切なタイミングで取り組むことができます。これにより、業務の成果や品質が向上し、結果として組織や個人の目標達成に貢献することができるのです。
05タイムマネジメント研修のカリキュラム例
タイムマネジメント研修では実際にどのようなことを学ぶのでしょうか。ここでは、基礎編・実践編・応用編の3つに分類して学ぶ内容を紹介します。
基礎編:タイムマネジメントの基本概念、優先順位付けの技術
タイムマネジメント研修の基礎編では、時間の使い方を見直し、効率的な業務遂行の土台を作ります。まず、時間管理の基本概念を学び、限られた時間を最大限に活用するためのマインドセットを構築します。次に、タスクの優先順位を決定する「アイゼンハワーマトリクス」などのフレームワークを活用し、緊急度と重要度を考慮した業務の整理方法を習得します。これにより、重要な業務に集中し、生産性を向上させるスキルを身につけることができます。
実践編:1日のスケジュール作成、ツール活用法
実践編では、学んだ知識を実際の業務に適用するために、1日のスケジュールを設計する方法を学びます。時間の使い方を可視化し、最適なスケジュールを組むことで、業務の効率を向上させることができます。また、Googleカレンダーなどのデジタルツールを活用し、タスク管理を行う方法を実践します。これにより、業務の抜け漏れを防ぎ、チームとの情報共有を円滑に行うスキルを習得できます。
応用編:組織での時間管理戦略、チームマネジメントにおける活用
応用編では、個人の時間管理だけでなく、組織全体の生産性を向上させるための時間管理戦略を学びます。例えば、会議の効率化、無駄な業務の削減、業務プロセスの最適化などの手法を活用し、組織全体のタイムマネジメントを強化します。また、チームマネジメントにおける活用として、メンバーの業務進捗を把握し、適切な業務配分を行うことで、チーム全体のパフォーマンスを向上させる方法を学びます。これにより、組織全体の生産性向上につながります。
06タイムマネジメント研修の流れ
研修の成果には、「研修前の意識付け」が4割・「研修プログラム」が2割・「研修後のフォロー」が4割の影響を与えるという『4:2:4の法則』が存在します。タイムマネジメント研修においても実施するだけでなく研修前に参加者へ時間管理に対する課題認識の明確化、課題に即した研修内容を提供する、研修後における振り返りを行うことが重要となります。
正しい知識をインプットする
タイムマネジメント研修では、正しいタイムマネジメント手法を学ぶことが重要なステップとなります。時間管理の基本原則や効果的な手法を学び、曖昧な自己流の方法に頼るのではなく、科学的根拠に基づいたスキルを学び、自身の現状と比較し、「何ができていて、何が不足しているのか」を内省することで、研修内容の実践に向けた動機づけを促すことができます。
ワークショップやディスカッションを行う
研修の一環として、学んだことを実務でどのように活かすかを具体的に検討するプロセスを取り入れましょう。研修参加者とワークショップやディスカッションを通じて、研修内容を振り返り、自分の業務の中でどのように実践するのかを考え、具体的な行動計画を詰めていきましょう。
ワークショップやディスカッション内容として以下があります。
- ・研修の感想を共有
- ・研修の不明点や疑問点を相談
- ・タスクを重要×緊急の4象限に分類するなどのワークショップ
実務で活かせているかの確認・振り返り
研修後には、実務に活かせているのか振り返る機会を設けましょう。具体的には、上司との定期的な面談や研修受講者との実践してみて気づいたことを共有するなどの方法があります。研修で学んだ内容や実務での活用計画を他者と振り返ることで、気づきを深めるだけでなく、実行可能性を高めるための具体的なアドバイスを得ることができます。また、第三者の視点からフィードバックを受けることで、自分では気づけなかった改善点や新たなアイデアを発見する機会になります。
07タイムマネジメント研修の選び方
タイムマネジメント研修の実施にあたって、外部の研修サービスを利用することを検討されている場合もあるかと思います。ここでは、研修サービスを選ぶ際の比較ポイントについて解説します。
オンライン研修と対面研修の比較
タイムマネジメント研修には、オンライン研修と対面研修の2つの形式があります。オンライン研修は、移動の手間がなく、自宅や職場から受講できるため、時間とコストの節約につながります。また、録画コンテンツを活用すれば、復習がしやすい点もメリットです。一方、対面研修では、講師との直接的な対話やグループワークを通じて、実践的なスキルを深めることができます。企業の目的や受講者の学習スタイルに合わせて、最適な研修形式を選択することが重要です。
コストパフォーマンスの高い研修の選び方
研修を選ぶ際は、コストパフォーマンスを考慮することが重要です。費用が高い研修が必ずしも効果的とは限らず、受講者のスキル向上につながるかが重要なポイントです。例えば、基礎的な知識を習得する目的であれば、比較的低コストなeラーニング形式が適しています。一方、業務に直結する実践的なスキルを磨きたい場合は、ワークショップ形式の研修を選ぶのが効果的です。また、受講者のニーズに合ったカリキュラムが提供されているかも確認しましょう。
研修を選ぶ際のチェックポイント
研修を選ぶ際には、いくつかのチェックポイントを押さえることが大切です。まず、研修の対象者や目的に合致しているかを確認します。次に、講師の実績や専門性を調査し、質の高い指導が受けられるかを見極めます。また、実践的なワークが含まれているか、受講後のフォローアップ体制が整っているかも重要なポイントです。さらに、企業の研修予算やスケジュールに合致しているかを確認し、最適なプログラムを選択することが成功の鍵となります。
08タイムマネジメント研修|Schoo for Business

Schooでは約9,000本の授業を保有しており、タイムマネジメント研修に関する授業も多く揃っています。その上、自己啓発にも効果的な内容の講座を毎日配信しているため、研修と自己啓発の両方に対応することができるシステムになっています。
研修と自己啓発を掛け合わせることにより、誰かに要求されて学ぶのではなく、自発的に学び、成長していく人材を育成することが可能になります。ここでは、Schooの具体的な活用方法と、特徴、さらにはどのようなメリットがあるのかを解説します。
受講形式 | オンライン (アーカイブ型) |
アーカイブ本数 | 9,000本 ※2023年3月時点 |
研修管理機能 | あり ※詳細はお問い合わせください |
費用 | 1ID/1,650円 ※ID数によりボリュームディスカウントあり |
契約形態 | 年間契約のみ ※ご契約は20IDからとなっております |
Schoo for Businessの資料をダウンロードする
Schooのタイムマネジメント研修の特長
Schoo for Businessのタイムマネジメント研修は、eラーニングで効率よく学べるという点が特長です。好きな時間・場所で受講できるので、普段の業務で忙しい社員の方でも、隙間時間で研修を受講してもらうことができます。また、倍速再生も可能なので、より短時間で効率的に知識のインプットが可能です。
また、生産性向上や業務効率化に関するコンテンツが豊富という点も、Schooの特長です。タイムマネジメント研修を実施して、解決したい課題はタイムマネジメントができる社員を増やすことではなく、組織全体の生産性向上を高めることではないでしょうか。その解決したい課題に対して、タイムマネジメントという側面だけでなく、RPAを用いた業務効率化など多角的にアプローチすることができます。
タイムマネジメントに関するコンテンツ一覧
研修内容 | 時間 |
デキる人は知っている 引き算仕事術 | 1時間 |
仕事が早い人が「やらないこと」 | 50分 |
感情と向き合ったタスク管理 | 1時間 |
タスクを見極める3つの思考法 | 1時間30分 |
「仕事が終わらない」をなくすグローバル時短術 | 1時間30分 |
仕事の無駄時間を減らすタイパ術 | 2時間 |
10分で学ぶデキる若手の仕事術 | 1時間 |
忙しすぎるあなたへ 自分時間の取り戻し方 | 1時間 |
もう残業しないための仕事ハック | 45分 |
定時ダッシュのオニが教える タスク管理術 ~抽出・処理・整理・実行~ | 45分 |
「時間割」で仕事の効率は劇的に上がる | 1時間 |
仕事はダンドリが9割〜業務完遂プロジェクトの計画指南〜 | 1時間 |
1秒でも早く仕事を終えたい人のビジネスチャット活用術 | 3時間 |
いい加減な人ほど生産性が上がる「超効率ハック」 | 2時間 |
意志が弱くても回せる『ズボラPDCA』 | 1時間 |
仕事が速い人は「これ」しかやらない | 1時間 |
効率化オタクに教わる生産性UP術 | 1時間 |
460時間労働「元社畜」が教える仕事術 | 1時間 |
思考と行動のマネジメント術 | 1時間 |
仕事の成果につながる時間仕組み術 | 1時間 |
AI分析でわかった「トップ5%社員」に共通する時間術 | 3時間 |
09まとめ
タイムマネジメントは目標達成のために時間を有効活用するビジネススキルですが、研修を行い適切に実践できるまでをサポートすることで働き方改革が実行でき、ワークライフバランスも整えられるなどさまざまなメリットをもたらすことがわかりました。 ぜひ自社に合った形で積極的に取り入れて、仕事の効率化を少しずつ推進していきましょう。