公開日:2023/10/06
更新日:2024/01/26

グループダイナミクスとは?活用するメリットや注意点を解説

グループダイナミクスとは?活用するメリットや注意点を解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

企業で売上を伸ばし利益を上げるには、従業員ひとりの力では充分な成果を出すことができません。従業員一人ひとりの力を伸ばし、ひいては企業全体の能力を高めるために、グループダイナミクスという考え方に注目が集まっています。 本記事では、グループダイナミクスの概要や活用するメリット・活用方法などを詳しく解説します。

 

01グループダイナミクスとは

グループダイナミクスとは、集団に属する個人の行動や意志が集団に影響を与え、集団の行動や意志も個人に影響を与えるという、相互作用を示した言葉です。 一例として、企業でチームの中にどのようなタイプのリーダーを配置するかによって、チームの雰囲気や意思決定が変わってくるケースが挙げられます。支配的なリーダーであれば、従業員の士気が下がり、反対に民主的なリーダーがいるとチームの雰囲気が明るくなる傾向があります。

心理学者レヴィン氏が提唱した集団力学

グループダイナミクスは、ドイツの心理学者であるクルト・レヴィン氏が提唱した、集団力学についての理論です。この理論は、もともとアメリカで研究されていましたが、レヴィン氏が研究し、個人と集団の相互関係について理論化しました。 ダイナミクスを日本語に訳すと、動力学と言われます。グループダイナミクスを直訳すると集団力学と表され、個人や集団の能力向上を目的として、世界中で活用されています。

グループダイナミクスの考え方

グループダイナミクスの考え方は、集団凝集性・すなわち集団の団結力と大きく関係しています。団結力が強くなると、集団ならではの高い効果や持続性が期待できます。仲間意識が強まり、より円滑なコミュニケーションや生産性の高い仕事ができるケースも少なくありません。 一方で、集団の力に抑圧されると個々の意見が出しにくくなったり、正論を述べても集団の意見に押されたりする可能性もあります。集団の方向性はリーダーのタイプに大きく左右されるため、これがリーダーのタイプによりチームの雰囲気が変わると解説した理由です。

グループシフトとの関連性

グループシフト(集団傾向)とは、同じ考え方や意見を持つ人たちが議論すると、方向性がより極端に現れる現象を指します。慎重なタイプの人たちが議論した結果は保守的となる一方で、大胆な考え方の人が多いと結論もより攻撃的になるといった傾向です。 普段は、節度を守って発言できる人であっても、集団に入ると過剰に同調してしまう現象は、グループシフトの作用によるものと考えられます。グループシフトは、グループダイナミクスが悪い方向に進むと陥り得る現象です。

 

02グループダイナミクスを活用する4つのメリット

グループダイナミクスの活用により、個人の力を企業の生産性向上につなげることで、企業にとって大きなメリットが得られます。主なメリットとして、以下の4つが挙げられます。

  • 1:企業に対する従業員のエンゲージメントが高まる
  • 2:日々の業務に対するモチベーションが向上する
  • 3:従業員同士が協力し合える風土が醸成される
  • 4:企業やチーム全体の生産性がアップする

1.企業に対する従業員のエンゲージメントが高まる

グループダイナミクスが良い方向に働くと、集団の団結力が高まり、集団にとどまりたいと考える従業員が増えてきます。つまり、企業で長い間働きたいという従業員のエンゲージメントが高まる現象です。エンゲージメントが高まった企業は、従業員同士の一体感や協力関係などが強まり、さらなる好循環を生み出します。

2.日々の業務に対するモチベーションが向上する

グループダイナミクスを通して、集団が個人に与える好影響はとても大きいものです。集団のなかで多様な考えや意見があることを学び、従業員本人の視野が広がることで、業務に対するモチベーションが向上します。その結果、従業員が成長し、集団のパフォーマンスもさらに上がります。

3.従業員同士が協力し合える風土が醸成される

グループダイナミクスの実現には、個々の従業員が共通の目標に向かって取り組む姿勢が重要です。従業員が団結し結束が強まると、お互いに協力しようという風土が自然に生まれます。集団の連帯感も強まり、より良い企業経営が実現可能です。

4.企業やチーム全体の生産性がアップする

グループダイナミクスは、個人が持つ能力をチーム全体に提供できる点が大きなメリットです。反対に、集団の高いパフォーマンス能力に個人が影響を受ける場合も多く、お互いがレベル向上を目指して取り組んでいきます。これは、企業やチーム全体の生産性向上に直結する行為であり、目標達成に向かう企業が一丸となって成長することができます。

 

03グループダイナミクスの効力を高める3つの方法

グループダイナミクスの効力を高めるためには、従業員がグループダイナミクスの意義を理解し、行動に移すことが重要です。一方、具体的にどのように行動していけば良いのかが分かりづらいものです。ここでは、効力を高める3つの方法を解説しますので、ぜひ実践してみてください。

1.グループにおける行動規範を作成する

最初に、グループで話しやすい雰囲気を作るために、ルールとなる行動規範を作成します。グループダイナミクスでは、リーダーだけが話し、従業員全員が発言することが難しくなる場合があるためです。 行動規範を作成すると、従業員一人ひとりが積極的に発言や行動ができるようになります。話しやすい場にするため、全員が意見を述べる・個々の意見を否定しないなどのルールを設定するのも重要です。できるだけ、決定事項や規則は誰でもいつでも見られるよう明文化し、配布や掲示などをしておきましょう。

2.チームビルディング研修を実施する

グループ内で団結力を高めるためには、チームビルディング研修を通じてチームワークを疑似的に体験すると効果的です。団結力が高まった状態とは、グループ全員が同じ方向を向き、意思疎通やコミュニケーションがスムーズにできる状態を指します。 チームビルディング研修を通じて、役割を主体的に果たす重要性や、全力で取り組みグループ全体で協力する大切さなどを体感します。一人ひとりが明確な役割を持ち、役割を果たさないとチームの目標が達成できなくなるため、チームへの貢献方法を従業員一人ひとりが考えるきっかけになるでしょう。

3.SMARTの法則に基づいて目標設定を行う

チーム・部署の目標を設定した後に、従業員一人ひとりの目標を設定すると、グループダイナミクスの効果をさらに高められます。この時、SMARTの法則を用いると、団結力が高まり質の高い目標が設定可能です。スマートの法則とは、以下の5つの頭文字を取った言葉です。

上記のうち、特に重要なのはRの要素です。設定した目標が、企業やチームの目標やビジョンと関係しているかは、グループダイナミクスの効力を高めるのに欠かせません。

  • 1.グループにおける行動規範を作成する
  • 2.チームビルディング研修を実施する
  • 3.SMARTの法則に基づいて目標設定を行う
    • S(Specific…具体的)
    • M(Measurable…目標の達成度合いが計測できる)
    • A(Achievable…達成できる)
    • R(Related…関連している)
    • T(Timebound…期限がある)
 

04グループダイナミクスにおける3つの注意点

グループダイナミクスのメリットを最大限に活かすためには、注意点を踏まえておくことが重要です。特に、企業やチームの生産性向上を目的として、これからグループダイナミクスを導入しようと考えている場合は、ここで紹介する3つの注意点を理解しておきましょう。

  • 1.会議では少数派の意見も取り入れるようにする
  • 2.従業員へリスクマネジメントの教育を行う
  • 3.複数のタイプのリーダーを配置する

1.会議では少数派の意見も取り入れるようにする

「グループシフトとの関連性」の項で解説したように、グループシフトはグループダイナミクスが悪い方向に進んだ結果起こる状況です。ひとつの意見に偏ると起きやすくなるため、会議や打ち合わせにおいては少数派の意見もまんべんなく取り入れることが重要です。意見交換を活発にするため、まずは意見を出すよう心がけましょう。 会議の前にヒアリングシートを記入しておき、シートを元に発表していくと全員が意見を出しやすくなります。簡単な質問から始め、少しずつ掘り下げていくと、従業員の考えがスムーズにまとめられます。

2.従業員へリスクマネジメントの教育を行う

グループシフトにより、集団における意思決定が極端な方向に偏ると、過激な結論が出たり想定外の方向へ話し合いが進んだりするリスクが起きやすくなります。この状況では、グループダイナミクスがかえって企業の生産性を低下させるおそれもあるのです。 このような事態を防ぐには、従業員に対してリスクマネジメントの教育が必要です。リスクマネジメントとは、起こりうるリスクを回避するため、事前に対策を講じる取り組みを指します。

3.複数のタイプのリーダーを配置する

リーダーシップのタイプは、主に以下の6つがあると言われています。

部署やグループ内に複数のタイプのリーダーを配置すると、従業員が意見を出しやすくなり意見の偏りも防げます。配置するリーダーのタイプは、メンバーの性格や部署の状況に合わせて選ぶのがおすすめです。 例えば、テレワークが多い部署では、リーダーが強力にグループを引っ張る方法では対応できないでしょう。コーチ型や民主型のリーダーを選定し、メンバーのやり方を注視する方法も選択肢のひとつです。一方で、若手従業員が多いグループでは、積極的に組織を引っ張る実力型やビジョン型が適しています。


 

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05まとめ

本記事で紹介してきたように、グループダイナミクスは従業員個人と集団の相互作用により、さまざまな影響を与える現象です。グループダイナミクスを上手に活用すると、社内でのコミュニケーションが円滑化し、生産性向上にもつながります。 一方で、偏った意見のまま話し合いを進めてしまうと、思わぬ方向に進んでしまう可能性もあるため、十分な配慮が必要です。

従業員と企業双方のパフォーマンスを向上させ、企業の成長を加速させるために、グループダイナミクスの活用を積極的に進めていきましょう。

 

この記事を書いた人
Schoo編集部
Editor
Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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