グローバルリーダーに求められるスキルとは?育成の施策例も紹介

グローバルリーダーとは海外でもリーダーとして活躍できる人材のことで、グローバル化や国内市場の縮小に伴い、ニーズが高まっています。本記事では、グローバルリーダーに求められるスキルや、グローバルリーダーを育成するための施策例を紹介します。
- 01.グローバルリーダーとは
- 02.グローバルリーダーの必要性が高まっている背景
- 03.グローバルリーダーに求められるスキル
- 04.グローバルリーダーを育成する施策例
- 05.まとめ
01グローバルリーダーとは
グローバルリーダーとは、国内にとどまらず、海外でもリーダーとして活躍できる人材のことです。近年、IT技術や交通手段の発達からヒト、モノ、情報が世界中を行き来するようになり、急速にグローバル化が進みました。そこで求められるのが、高い語学力とコミュニケーション能力を持ち、国内外でリーダーとして活躍できるグローバルリーダーの存在です。世界的な目で見れば、まだまだ異文化理解やグローバル化が進んでいない日本において、グローバルリーダーは貴重かつニーズの高い人材だといえるでしょう。
言語の壁を超えて活躍できる人材とは
グローバルリーダーとなるためには、言語の壁を超えて、国内外で活躍できるためのスキルセットが必要です。まずグローバル人材には、ビジネスレベルの語学力やコミュニケーション能力、積極性、協調性、使命感、異文化理解などさまざまな能力・資質が求められます。そしてグローバルリーダーには、それに加えて教養・課題発見能力・解決能力、リーダーシップなどリーダーとしての能力が要求されます。
02グローバルリーダーの必要性が高まっている背景
近年多くの企業が、グローバルリーダーの育成を課題に掲げています。その背景には、日本市場の縮小や世界経済のグローバル化の進展が挙げられます。
国内市場の縮小
様々なニュースでも取り上げられている通り、日本は少子高齢化によって人口が減少しており、財務省資料によると2023年推計では、2100年には人口は半減するとされています。このような予測の元、国内市場も当然縮小が予測されており、現状国内市場をメインに事業展開してる企業にとっても、海外市場への展開が必要な状況となっています。
ビジネスにおけるグローバル化の進展
また、ビジネスにおけるグローバル化が進展したこともグローバルリーダーの必要性が高まっている理由の一つです。IT技術や物流の発展により、情報やモノが海を渡って自由に行き交うようになり、ビジネスにおけるグローバル化は急速に進みました。 急速なグローバル化は、日本にとって新しい市場を獲得するチャンスでもあるとともに、海外企業との競争の激化も意味します。実際に世界経済に占める日本のGDP割合は低下が予測されており、企業が成長を維持していくためにはグローバル化への対応が欠かせなくなっています。
03グローバルリーダーに求められるスキル
前述の通り、グローバルリーダーには、①グローバル人材としてのスキル、②リーダーとしてのスキルの双方が求められます。次では、グローバルリーダーに求められる以下の6つのスキルについて解説します。
- 1.多様な人材と意思疎通するコミュニケーション力
- 2.チームメンバーを導く統率力
- 3.多様性を受け入れられる柔軟性
- 4.人を育てて組織をまとめるマネジメント力
- 5.急速に変化する環境に対応できる順応力
- 6.未知の困難へ大胆に立ち向かう革新力
1.多様な人材と意思疎通するコミュニケーション力
グローバルリーダーは、言語や文化、価値観の違う多様な人材とコミュニケーションを取る必要があります。そのため、コミュニケーション能力はグローバルリーダーの必須スキルといえるでしょう。 背景となる文化や価値観の違う人同士のコミュニケーションでは、ちょっとした言い回しやことばの選択ミスで誤解を生んだり、相手を不快にさせてしまうことがあります。そういった事態を防ぐために、言語だけでなく文化や政治、ビジネス慣習についての理解も大切です。また、固定観念にとらわれるのではなく、個人としての意見や価値観を尊重する姿勢も大切です。
2.チームメンバーを導く統率力
グローバルリーダーとして活躍するには、リーダーとしての資質も求められます。その最たるものが、チームメンバーを導く統率力です。 リーダーには、周囲を巻き込み、引っ張っていく力が求められます。しかし、チームメンバー一人ひとりの意見や価値観を無視し、ただ強引に引っ張るだけではチームワークが乱れて、チーム全体としての力は低下してしまうでしょう。そのため、リーダーにはチームメンバー一人ひとりの能力や資質を見極めて、その力を最大限生かせるように計画・牽引していくことが求められます。
3.多様性を受け入れられる柔軟性
グローバルリーダーとして活躍するには、多様性を受け入れられる柔軟性が必要です。違う国、違う文化に飛び込めば、日本の価値観では考えられないような出来事、考え方に出会うかもしれません。しかし、そんなときに「自分には理解できないから」と拒絶してしまえば、グローバルリーダーとして活躍することはできません。グローバルリーダーには、異文化や価値観を理解して、多様性を受け入れられる柔軟性が求められるのです。
4.人を育てて組織をまとめるマネジメント力
リーダーに求められる能力として、マネジメント力があります。リーダーとしてチームを統率し、ひとつのチームとしての能力を向上させるには、チームメンバーの個性を把握し適材適所に配置できるマネジメント能力が必要です。それに加えて、グローバルリーダーとして国や文化が違う人々をまとめるには、日本人のみのチームにおけるマネジメント以上に高いマネジメント能力が求められます。 時に、仕事観の違いからうまく統率できずチームワークが取れないこともあるかもしれませんが、メンバーの文化的背景も含めて理解して、根気強く信頼関係を構築しチームとしてまとめていくスキルが必要になります。
5.急速に変化する環境に対応できる順応力
グローバルリーダーには、日々更新されていく情報や世界情勢、トレンドを貪欲に学んで、順応していく力が求められます。グローバル化したビジネス市場における情報量は膨大であり、移り変わりの速度も非常に早いです。そんなグローバル社会の第一線で活躍するには、強い知的好奇心と、不確実性を飲み込んで今後の展開を予測し、業務を遂行する能力が求められます。加えて、古い情報や知識・過去の成功経験にとらわれず、新しい情報を柔軟に吸収して順応していく力も必要です。
6.未知の困難へ大胆に立ち向かう革新力
グローバルリーダーの資質は海外事業を展開する上では常に必要とされますが、特に新しく市場を開拓するシーンや企業として初めて海外展開するシーンでは、困難や不確実性に立ち向かう力が重要となります。グローバル展開を進めるプロジェクトは国内事業と比べても不確実性が高くなりやすく、未知の困難に直面する場合もあるでしょう。グローバルリーダーには、未知の困難に直面したときでも、チームの中心として大胆かつ冷静に問題に立ち向かえる革新力が必要です。
04グローバルリーダーを育成する施策例
人材の流動性が高まる昨今、人材獲得の競争も厳しくなっています。そのため、企業がグローバルリーダーを担う人材を求める場合、すでにグローバルリーダーとしての能力がある人材を採用するだけでなく、社内での人材育成をしていく必要があります。グローバルリーダーを育成する施策の具体例として、次の5つがあります。
- 1.留学や通信教育など語学を学ぶ制度を整える
- 2.キャリア開発プランにグローバル人材の育成を組み込む
- 3.海外支社と日本支社とで人材交換を行う
- 4.グローバルマインドセット研修・リーダーシップ研修の実施
1.留学や通信教育など語学を学ぶ制度を整える
グローバルに活躍するためには高い語学力が必要です。特に、世界の共通語としての英語を操る力は必須のスキルと言えるでしょう。一方、EF Education First社が毎年発表している▶︎「EF EPI(English Proficiency Index)英語能力指数」の2022年調査によると、日本の英語力は111カ国中80位と相対的に低い水準にあります。そのため、グローバルリーダーの育成のためには社員が語学力を高めるための支援をすることが重要です。 世界で通用するレベルまで語学力を向上させるには、現地で身に付けるのが一番の近道です。海外MBAなら、高い語学力に加え、世界水準の経営学も身に付けられます。また、国内でも学習できるよう通信教育などで語学を学ぶ体制も整えることが重要です。
2.キャリア開発プランにグローバル人材の育成を組み込む
グローバルリーダーの人材プールを充実させるには、社内でも継続的に人材育成ができる仕組みを整える必要があります。そのためには、中長期でのキャリア開発プランにグローバル人材の育成も組み込むことが大切です。 グローバル人材育成に必要な要件を検討したうえで人材マネジメントシステムと連動させて、グローバルリーダーの候補となる人材にフェーズに応じた育成や質の高い経験を積んでもらうことなどが考えられます。
3.海外支社と日本支社とで人材交換を行う
すでに海外に拠点を持つ企業の場合、海外拠点と日本拠点で人材交換を行い、異文化交流をするのもよいでしょう。海外拠点に出向した社員が経験を積めるのはもちろんのこと、日本で海外の人材を受け入れることによって、日本国内で勤務する社員の異文化理解が促進できます。
4.グローバルマインドセット研修・リーダーシップ研修の実施
グローバル人材育成の一環として、グローバルマインドセット研修やリーダーシップ研修などの活用も考えられます。グローバルマインドセットとは、どこでも、だれとでも仕事で成果を挙げられる人の行動や思考の癖のことです。リーダーシップ研修とあわせてグローバルマインドセット研修も実施することで、海外に行っても活躍できるリーダーの育成ができます。
グローバルマインドセット育成研修 ー世界のどこでも活躍できる人材になるためにー
Schooでは、現場の第一線で活躍する講師が授業を行うオンライン研修サービスを行っています。次の授業では世界で活躍する人材になるために必要な考え方を学べます。

世界を舞台に活躍するためには、語学力だけでなく、日本とは異なる他の多様な文化を受容し、広い視野で考え、動くことが必要です。 「グローバルマインドセット育成研修 ー世界のどこでも活躍できる人材になるためにー」と題したこの授業では、以下を目的とした授業を行います。
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BBT大学経営学部准教授/株式会社JIN-G代表取締役社長
Enjoy Your World!を理念に国境・国籍・業界の垣根を超えて活躍するビジネスパーソンを増やすために、大学教授や企業経営をしている。世界人材マネジメント協会の東アジア地区の代表を務めるなど日本の人材マネジメントを世界に広めつつ高めていく活動にも従事。主な著書に「リーダーに強さはいらないフォロワーを育て最高のチームをつくる」(あさ出版)がある。
グローバルマインドセット育成研修 ー世界のどこでも活躍できる人材になるためにーを無料視聴する
実践のためのリーダーシップ理論 -伝統と最先端-
このコースでは、リーダーシップについて伝統的な理論から最先端の理論までを学び、ビジネスで活用できる状態になることを目指します。

組織で働く全ての人々が、発揮する機会を持っているリーダーシップ。このコースでは、リーダーシップを「全ビジネスパーソンのための必修科目」と捉え、代表的な考え方や事例を学びます。 先人たちの研究や理論を自身と紐づけ、確固たる武器としてのリーダーシップを形づくりましょう。
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立教大学統括副総長/立教大学経営学部教授/博士(経営学)
慶應義塾大学法学部卒。慶應義塾大学大学院経営管理研究科修士・博士課程修了後、山梨学院大学、米国・オレゴン大学客員教授を経て現職。2014-2017年の間、立教大学経営学部長。2014-2020年の間、立教大学リーダーシップ研究所所長。
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■資料内容抜粋
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・自己啓発への活用方法 など

05まとめ
グローバルリーダーは語学力やリーダーシップ、柔軟性などさまざまなスキルを持ち合わせた、グローバル社会で今求められている人材です。グローバルマインドセット研修やリーダーシップ研修を実施し、グローバルリーダーを育成できる体制を整えましょう。