公開日:2022/03/11
更新日:2024/06/26

DXリテラシーとは?社内教育で行うべき研修内容を紹介

DXリテラシーとは?社内教育で行うべき研修内容を紹介 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

DXリテラシーは、組織の中でDXを推進する上で必要なスキルです。本記事では、 DXリテラシーの概要や特徴、また社内教育で行うべき研修内容について解説します。

 

01DXリテラシーとは?

DXリテラシーとは「DXを正しく理解して活用できること」を意味します。デジタル技術を活用することによる仕事や生活の変化を意味するDigital Transformation(デジタル・トランスフォーメーション)と、物事を正しく理解して活用できることを意味するリテラシーを合わせた言葉です。

DXリテラシーが求められている理由

企業でDXを推進する際は、従業員のDXリテラシーが成功の鍵を握っているといっても過言ではありません。 社内のDXリテラシーが低い状態でDXを推進しようとしても、DXを行うための「手段」と「目的」をはっきり定めることはできないでしょう。また、数多く存在するデジタルツールから最適なものを選択できなかったり、曖昧な目的設定のまま推進した結果、中途半端な結果に終わってしまったりすることもあります。DXを確実に成功させ、事業を発展させるためにも、従業員のDXリテラシーを高める取り組みが重要と考えられているのです。

ITリテラシーとの違い

ITリテラシーとは、ITへの知識を有してそれを使いこなせる状態を指します。DXとITの違いは、「手段」と「目的」にあります。まず、IT化とは組織の生産性向上のためのデジタル技術を導入することが目的です。一方で、DX化とはデジタル技術の導入などの過程を経て、組織を変革することが目的です。つまり、IT化はDXにおける手段のひとつであるといえます。

 

02経済産業省が定義するDXリテラシー標準とは

DXリテラシー標準とは、DXリテラシーに必要なスキルや知識を体系的にまとめたもので、経済産業省がまとめたものです。

DXリテラシー標準が策定された背景

経済産業省はDXリテラシー標準が策定された背景に『働き手一人ひとりが「DXリテラシー」を身に着けることで、DXを自分事ととらえ、変革に向けて行動できるようになる』としています。ビジネス環境が変化する中で、社会全体のDXが加速しています。その中で、人生100年時代を生き抜くためには、組織・年代・職種を問わず、働き手一人ひとりが学び続けることが重要とされているのです。

DXリテラシー標準の定義

DXリテラシー標準は以下の4項目で定義されています。

  • 1.マインド・スタンス
  • 2.Why(DXの背景)
  • 3.What(DXで活用されるデータ・技術)
  • 4.How(データ・技術の活用)

ここではそれぞれについて解説します。

マインド・スタンス

社会変化の中で新たな価値を生み出すために必要な意識・姿勢・行動を定義しています。DXを推進するためには、テクノロジーや社会環境に適応しようとする姿勢が重要です。具体的に挙げられているマインド・スタンスとして、組織内外とのコラボレーションや、常識にとらわれない発想などがあります。

Why(DXの背景)

DXの重要性を理解するために必要な、社会、顧客、ユーザー、競争環境の変化に関する知識を定義しています。急速に進化する現代のビジネス環境におけるDXの必要性を学習項目として挙げています。

What(DXで活用されるデータ・技術)

ビジネスの場で活用されているデータやデジタル技術に関する知識を定義しています。具体的にはビッグデータやIoT技術、人工知能、ブロックチェ-ン技術、セキュリティ技術などが挙げられます。

How(データ・技術の活用)

ビジネスの場でデータやデジタル技術を活用する方法や留意点に関する知識を定義しています。データ・デジタル技術の活用事例や、セキュリティ、コンプライアンスを学習項目として挙げています。

▶︎参考:DXリテラシー標準 ver1.0|経済産業省


 

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03DXリテラシーの向上が社内にもたらす変化

従業員のDXリテラシーが向上されることで、企業は「業務効率化・利益改善」「人手不足の解消」「情報セキュリティへの意識向上」「多様な働き方の実現」など、あらゆる恩恵を受けられます。ここからは、DXリテラシーの向上が社内にもたらす変化について見ていきましょう。

業務効率化・利益改善

DXへの取り組みの中で、業務の見直しや棚卸しを実施することで、業務自動化の実現や無駄な作業の削減につながります。また、DXにより分散していた業務やデータを統合し、売上への貢献度が高い業務へリソースを投下することで、生産性を向上させることもできます。

経費削減

ビジネスの展開においては、あらゆるコストの発生が避けられませんが、諸々のコストを上回る売上を作らなければ、会社の存続も危うくなります。経費は、完全になくすことはできないものの、削減を実施することで、短期的かつ効率的に利益率を改善させることができます。最新のデジタル技術や、データ分析を導入することで、売上や利益を落とさずに、コストカット効果も期待できることでしょう。

情報セキュリティへの意識向上

何年も活用している基盤システムが老朽化したり、現在社会の流れに対応していなかったりすることで、レガシーシステムと化してしまうところを、DX化で脱却することができます。 経済産業省のDXレポートによると、国内企業の約8割が老朽化した既存システムを放置しており、企業のIT予算のうち約8割がその維持費に費やされていることがわかっています。DXを実現することで、レガシーシステムから脱却し、時代の流れに即したシステム構築へと進むことができます。

多様な働き方の実現

ITツールを活用することで、テレワークが可能になり、不測の事態や従業員のやむを得ない事情の中でも事業を続けることが可能になります。テレワークに移行したこと自体はDXとはいえません。しかし、テレワークに移行した中で、働き方を最大限に活かすためのデジタル改革が必要になってきています。また、それらへの取り組みを通じて多様な働き方を実現できる点もメリットです。

 

04社内のDXリテラシーを高めるステップ

社内のDXリテラシーを高めるステップ

社内のDXリテラシーを高めるにはどうすればいいのでしょうか。前述した経済産業省のDXリテラシー標準をもとにすると、以下の4つのステップで進めていくことができます。

  • 1.必要なマインド・スタンスの浸透方法を検討する
  • 2.DXの必要性や方向性を示す
  • 3.社員にデジタル技術などを学べる機会を提供する
  • 4.DXを実現するためのツールや留意点を示す

ここでは、それぞれのステップについて詳しく解説します。

1.必要なマインド・スタンスの浸透方法を検討する

DXリテラシー標準に記載されているマインド・スタンスを参考に、自社の組織や社員がすでに持っているもの、今後伸ばしていく必要があるものを特定します。特に、伸ばしていく必要があるマインド・スタンスを浸透させるには、組織風土や構造などを変革しなければならない可能性もあります。そのため、社内に浸透させるために、どのような手段を採る必要があるのかも、同時に検討します。

2.DXの必要性や方向性を示す

外部環境の変化により、自社がどのような影響を受けているのか、今後どのような影響が出そうなのかを検討します。そして、自社の状況を踏まえたうえで、DXの必要性や方向を社員に示します。このステップを踏むことで、DXの必要性を経営層だけでなく、社員にも認識させることができます。

3.社員にデジタル技術などを学べる機会を提供する

DXの方向性を示せれば、次に自社にとって必要なデータやデジタル技術が何なのか、どのように活用していくのかを検討します。そして、自社にとって重要度が高いもの、まだ活用できていないが、今後活用していくことになるものから、社員に学んでもらう環境を提供します。

4.DXを実現するためのツールの活用事例や留意点を示す

データやデジタル技術の活用方法について、活用事例を紹介しながら共有していきます。そうすることで、社員が自分たちでデータなどを活用するイメージが沸きやすくなり、DX化が進めやすくなります。社内に活用事例がないという場合は、どのような活用方法が考えられるかを検討し、共有することが大切です。また、データの取扱いに注意しないと、情報漏洩などのリスクもありますので、ツールなどの使用に関する留意点を共有することも必要です。

 

05DXリテラシーを高めるべき人材

DXリテラシーは、もはや全社員に必須のスキルと言えます。三井不動産やサッポロホールディングスを筆頭に、多くの企業では全社員を対象としたDX人材育成施策がすでに動き始めています。DX推進人材に求められるスキルとしては、業務スキルをベースにIT基礎知識や企画立案のスキル、リーダシップ、デザイン思考、デジタル技術などが挙げられます。ここでは、DXリテラシーを高めるべき人材について説明します。

管理職

リンクアカデミーが2021年に行った、企業のDX推進における課題に関する調査によると、DX推進を阻害する人的要素は、「管理職のシステム企画・推進・対応能力(ITリテラシー)不足」が4割を占めているとわかりました。管理職は業務内容や活動領域も多岐に渡ることから、最もDXリテラシーを高めるべき人材といえます。

新入社員

従業員間でスキルに大きな幅が生じていると、業務効率の低下を招きかねず、人材育成に費やす時間も莫大なものとなってしまいます。 そのため、従業員のデジタル技術スキルの足並みを揃えるためにも、新入社員こそDXリテラシーを身に付けていくべきだと考えられます。

IT事業部の従業員

IT事業部の従業員は全社的なITシステムの構築を担い、DX化において非常に重要な役割を担っています。各事業部間が円滑に連携し、ITシステムをブロックボックス化させないためにも、IT事業部の従業員のDXリテラシー育成は、必然であるといえるでしょう。

 

06DXリテラシー向上のポイント

社内のDXリテラシーを向上させるためのポイントは主に以下の4点があります。

  • 1. DXの目的・目標を社内に共有する
  • 2. 社内のDX関連のルールを制定する
  • 3. 共通のマニュアルを作成する
  • 4. プロの業者に研修を依頼する

DXの目的・目標を社内に共有する

DXリテラシーを向上させるためには、DXの目的や目標を社内で共通認識として持っておく必要があります。なぜ、社内のDX化を推進したいのか、DX化によりどのような効果をもたらせたいのかといったDX導入の目的や目標が明確化されていなければ、期待通りの効果は得難くなるでしょう。そのため、DX化を進める際には、DXの目的・目標を定め、社内に共有することが重要です。

社内のDX関連のルールを制定する

DXを推進するうえでは、企業・部署全体として、重要書類や機密事項にはアクセス権限を管理するなど、情報の持ち出しを簡単にできないようにすることが欠かせません。 ただし、システム担当者があまりに細かくルールを制定してしまったり、過保護にサポートをしてしまったりすると、従業員はDXリテラシーを高める必要性を感じなくなるため注意が必要です。

共通のマニュアルを作成する

DXに着手したものの、どこに向かっているかわからないようであれば失敗してしまいます。DXの推進を決定したら、最初に目標を決めることが重要です。その際には共通のマニュアルを作成し、それにしたがって進めるようにしましょう。 マニュアルの策定にあたっては、どの分野でどのような価値を生み出すか、そのためにどのようなビジネスモデルを構築するかを明確にしておきます。目標を達成するためのステップを着実にこなしながら、段階的に進めていきましょう。

プロの業者に研修を依頼する

最近では、DX、AI、RPA、IoTなどさまざまなテーマで企業・法人研修が行われています。プロの業者は、DXに関係する専門知識に長けているだけでなく、効果的な研修の進め方も熟知しているため、受講者がより真剣に聞く体勢に入ることができます。 また、社外研修には、社内とは異なる価値観に触れることによって、それまでになかった発想や刺激、スキルを得ることができるといったメリットもあります。

 

07Schoo for BusinessのDX研修

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オンライン研修/学習サービスのSchoo for Businessでは約8,500本の講座を用意しており、DXほか様々な種類の研修に対応しています。

受講形式 オンライン
(アーカイブ型)
アーカイブ本数 8,500本
※2023年5月時点
研修管理機能 あり
※詳細はお問い合わせください
費用 1ID/1,650円
※ID数によりボリュームディスカウントあり
契約形態 年間契約のみ
※ご契約は20IDからとなっております
 

Schoo for Businessの資料をもらう

DX研修では、診断結果から自動で学習内容を推奨してくれる機能だけでなく、実務で使えるスキルを身につける3ヶ月の学習プログラムまで用意しており、組織全体のDXスキルを底上げすることが可能です。

特長1. DXスキルを診断・結果に応じて学習のレコメンド

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「DXスキル診断」で社員のDXスキルを可視化することができます。100問ほどの質問に回答することで、社員一人ひとりの強みや課題が明らかになります。

また、この診断結果に基づいて自動で学習コンテンツをレコメンドする機能も備わっています。学習内容は、経産省のデジタルスキル標準に準拠しています。

※DXスキル診断の利用に、追加料金は一切かかりません。Schoo for Businessの利用者は無料でこの機能をお使いいただけます。

特長2. 実践的なDXスキルが学べる

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Schooの学習動画では、第一線で活躍するビジネスパーソンが講師を務めています。そのため実践的なスキルが身につく研修を実施することが可能です。

また、データ分析・ITリテラシーなどスキル毎にカリキュラムもご利用いただけます。カリキュラム作成に時間を割く余裕が無いという方でも、簡単に研修を開始できます。

※DXカリキュラムの利用に、追加料金は一切かかりません。Schoo for Businessの利用者は無料でこの機能をお使いいただけます。

Schoo for Businessの資料をもらう

 

08まとめ

従業員のDXリテラシーが向上していくことで、業務効率化や生産性の向上に大きく寄与します。また、DXによってこれまでとは違う種類のビジネスモデルを構築すれば、新たな顧客層を獲得し、競争力を強化できます。ぜひ、本記事を参考にして自社の強みも活かしながら、DXリテラシーの向上を目指しましょう。

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経済産業省の商務情報政策局 情報技術利用促進課でDXリテラシー標準化の検討会を行っている同課の金杉 祥平氏をお招きし、「経済産業省が取り組むデジタル人材育成プラットフォーム」について語っていただいたウェビナーのアーカイブです。デジタル人材要件の定義や、リスキリングするための構造化された項目、さらに経済産業省で構想している人材育成プラットフォームについてもお話しいただいております。

  • 登壇者:金杉 祥平様
    経済産業省 商務情報政策局 情報技術利用促進課 課長補佐(企画)

    2006年に経済産業省に入省。過去には、再生可能エネルギーの推進、家電製品の安全基準の整備、電気事業制度のルール整備、福島第一原子力発電所の廃炉推進に従事し、2021年5月から現職。情報技術利用促進課では、地域企業・産業のDXの実現に向けて、デジタル人材の育成を推進するため、デジタル知識・能力を身につけるための実践的な学びの場を提供する「デジタル人材育成プラットフォーム」の制度設計を担当。

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この記事を書いた人
Schoo編集部
Editor
Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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