公開日:2022/08/31
更新日:2022/11/10

組織文化はなぜ必要?企業にもたらす効果と作り方を解説

組織文化はなぜ必要?企業にもたらす効果と作り方を解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

組織文化とは、組織の構成員間で共有されている組織全体の行動原理や思考様式のことです。組織文化が浸透すると、風通しの良い職場環境の構築やスピード感のある意思決定に役立ちます。本記事では、組織文化の定義や組織文化の重要性について解説しています。

 

01組織文化とは

組織文化とは、組織の構成員の間で共有されている信念や価値観のことを意味します。組織文化は、提供するサービスや顧客への対応など、その組織における全ての行動に通じています。組織内だけでなく外部からの企業イメージにも直結するため、組織を作り上げるうえで非常に重要な要素といえます。

組織文化が注目される背景

ビジネスは、日々決断の連続です。特に現代は、社会状況を取り巻く変化のスピードが速いだけに、意思決定が遅れたことが致命的になることも決して0ではありません。 この点、組織文化が明文化されていれば、社員共通の指針として機能することができます。万が一、判断に悩むことがあったとしても、組織文化に立ち返れば、思い込みや偏見による判断ミスを防ぐことが可能となるのです。 さらに、組織文化の浸透は、社員全員が同じ目標に向かって行動できるようになる効果にも期待できます。人材の安定的な確保を考えるうえでも、組織文化の在り方は重要だと考えられているのです。 このように、優れた組織文化を持つことは、従業員だけでなく、組織全体にも多くのメリットをもたらします。そのため、現代では業界や会社規模を問わず、多くの企業から組織文化に対する注目が集まっているのです。

組織風土との違い

組織文化と似た言葉に「組織風土」があります。組織風土とは、組織を構成するメンバー間で明確化され、共通認識となっている独自の価値観やルール、考え方を意味します。 一方で組織文化は、組織のあるべき姿を明確にするためにつくられるルールや考え方などを指します。自然に定着していく組織風土と異なり、組織文化は意図的に構築される点が両者の大きな違いです。

 

02組織文化の重要性

企業の様々な要素に影響をもたらす「組織文化」ですが、良い形で機能した場合には、企業側は多くの恩恵を得ることが可能になります。具体的にはどのようなメリットなのか、以下で一つひとつ詳しく見ていきましょう。

  • 1.社内共通の価値観を共有できる
  • 2.スピード感のある意思決定ができる
  • 3.企業のブランディングに有効である
  • 4.風通しの良い職場ができる
  • 5.人材を確保しやすくなる
  • 6.競合他社との差別化になる
  • 7.チームワークの強化

1.社内共通の価値観を共有できる

企業ビジョンに基づいた組織文化を従業員に周知徹底することで、従業員は企業の目指すべき方向性を深く理解し、それに沿った行動をとることが可能となります。これによって業務の生産性が向上し、経営層が目指す事業計画の実効性も高まるでしょう。

2.スピード感のある意思決定ができる

企業の経営環境は、働き方の多様化や少子高齢化の進行など、様々な要因により大きく変化しており、それに伴って企業と従業員のあり方も変化させていかなければばらない状況にあります。 VUCA(Volatility・Uncertainty・Complexity・Ambiguity)ともいわれる先の読めない時代において、状況に応じた迅速な判断ができない企業は、競争力を保つことができません。予期せぬ事態に陥ったりトラブルが起こったりした際、意思決定するための重要な指標となるのが、組織文化なのです。 反対に、企業の中にしっかりとした共通認識があれば、あらゆるシチュエーションにおいてスピード感のある意思決定が行えるでしょう。

3.企業のブランディングに有効である

目指す組織文化を自社サイトなどで公開し、実践していくと、顧客からの企業イメージ向上につながります。ただし、組織文化を掲げているだけの状態で、行動規範などと反する行為が行われていた場合、反対に企業イメージを損ねてしまうため注意が必要です。組織文化を掲げるだけでなく、浸透させてこそ価値につながるということを念頭に置いておきましょう。

4.風通しの良い職場ができる

良い組織文化の醸成は、風通しの良い職場環境の構築にも大きく寄与します。組織文化が浸透することで従業員は自社に対する愛着が高まり、エンゲージメントが向上します。結果として、健全な人間関係や高いモチベーションを育むことにつながり、風通しの良い働きやすい職場を作り出せるのです。

5.人材を確保しやすくなる

組織文化の定着は、優秀な人材の確保にも好影響をもたらします。採用活動において、従業員が組織文化を体現する振る舞いが行えていれば、自然と求職者に組織文化を伝えられます。 また、常日頃から外部に向けて自社の組織文化を発信することで、それに魅力を感じる人材を募ることが可能になります。その結果、自社に合った人材を集めやすくなるのです。

6.競合他社との差別化になる

組織文化は、理念や行動指針から形成されるため、組織独自の判断軸として機能し、差別化をもたらします。そして、理念や行動指針に基づいた意思決定の連続が、その組織らしさを社会に印象づけ、他社との違いを具体的にしていく作用があるのです。

7.チームワークの強化

明確な組織文化があれば、従業員は同じ価値観や判断基準に立てるため、連帯感が生まれやすくなります。結果的に、社員間のコミュニケーションがスムーズになり、情報共有や連携が活発化していくことにも期待ができます。

 

03組織文化の作り方

組織文化の作り方は、以下の4ステップです。

  • 1.企業のビジョン・戦略を描く
  • 2.企業のビジョン・戦略を共有する
  • 3.ビジョンに則った行動を促進する
  • 4.成果をフィードバックして文化を根付かせる

以下では、組織文化の作り方の手順について詳しく説明します。

1.企業のビジョン・戦略を描く

まずは、企業の将来的なビジョンを明確にし、それを実現するための戦略を練ります。この際、自社の課題や目指したいカルチャー、そのために必要な戦略など、より具体的に見直すことが重要です。組織文化単独で考えるのではなく、事業戦略と紐づけて描きましょう。

2.企業のビジョン・戦略を共有する

組織文化の浸透をトップダウンのみで進めようとすると失敗するリスクが高まります。組織文化の浸透には現場の納得と理解、協力を得ることが不可欠です。組織文化を浸透させたい理由や、それによって組織がどう変化していくのか、将来的なビジョンや戦略を経営層自らが社員に説明することで、納得感を得やすくなります。

3.ビジョンに則った行動を促進する

企業のビジョンや戦略への理解が得られるようになったら、さらにその理解が浸透するようにビジョンに沿った行動を従業員に促進します。社員に定着していく取り組みをしなければ、どれだけ良い組織文化が作成できても、浸透することはありません。研修の実施や、社内広報の掲載、トップからの啓蒙活動などを行い、組織文化が浸透するよう、注力してください。

4.成果をフィードバックして文化を根付かせる

企業文化を根付かせるには、企業文化に沿って取られた言動の評価を実施することも欠かせません。そのため、企業文化に共感して業務を遂行する従業員を適切に評価できるように、企業文化作成と並行して、会社の評価基準を見直しましょう。 さらに、短期的な成果や小さい成果をもとに、企業文化の浸透をさらに盛り上げ推進していきます。また、成功パターンが見えてきたら、社内アンケートなどを実施して、その結果を目に見える形でフィードバックし、さらなる定着化につなげます。

 

04組織文化を作るときの注意点

組織文化を作るときには、いくつかのポイントに留意する必要があります。後々、「こんなはずじゃなかった」「当初の想定からズレてしまっている」と後悔しないためにも、ここで組織文化を作るときの注意点について理解を深めておきましょう。

  • 1.客観的な視点をもってビジョンを描く
  • 2.多様な人材を集めて意見を募る
  • 3.従業員が組織文化を意識する場をつくる

1.客観的な視点をもってビジョンを描く

企業ビジョンを描く際には、そのビジョンは世の中に必要されているのか、抽象的すぎないか、自社が本当にやるべきことなのかなど、客観的な視点をもって描くことが肝要です。今後の企業の方向性を見極めたうえで、ビジョンを据えましょう。

2.多様な人材を集めて意見を募る

企業文化を作る際には、多様な人材を集めて意見を募るのがおすすめです。従業員が持っている個々の考え方であったり、それぞれが望んでいる将来像をヒアリングしたりして、より良い組織文化作成のための意見を募ると良いでしょう。これにより、従業員は自分たちに意見を述べる機会があり、尊重してもらえていると感じます。

3.従業員が組織文化を意識する場をつくる

組織文化を醸成するためには、従業員が組織文化を意識する場を設けることが大切です。そのため、全社的なコミュニケーションが取れる機会を意識的に作りましょう。そうすることで、社員一人ひとりの組織の一員としての意識を高めることができます。 また、社員同士のつながりを密にすることも必要です。社内でのイベントを計画してみたり、常日頃のコミュニケーション方法を工夫したりして、組織文化を従業員に浸透させましょう。

 

05組織文化醸成について学べるSchooのオンライン研修

Schoo for Businessは、国内最大級8,000本以上の講座から、自由に研修カリキュラムを組むことができるオンライン研修サービスです。導入企業数は2,700社以上、新入社員研修や管理職研修はもちろん、DX研修から自律学習促進まで幅広くご支援させていただいております。

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Schoo for Businessの特長

Schoo for Businessには主に3つの特長があります。

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組織文化醸成に関するSchooの講座を紹介

Schooは汎用的なビジネススキルからDXやAIのような最先端のスキルまで、8,000本以上の講座を取り揃えております。この章では、組織文化に関する授業を紹介いたします。

多文化チームで働く職場デザイン

この授業では、多様なバックグラウンドを持つ人材が集まる組織において成果を出すための、マネジメントの考え方やポイントを学びます。

 
  • 株式会社An-Nahal 代表

    2019年高度外国人材を切り口に企業のダイバーシティ&インクルージョン推進を人材・組織開発の面から支援する株式会社An-Nahalを設立。創業前はグローバル人材育成分野における制度・研修の設計、新規事業開発、フリーランスコンサルタントとして世界銀行や国際機関との教育関連プロジェクト、またNPOにて難民申請者の就労支援にも携わる。世界経済フォーラム(ダボス会議)任命のGlobal Shaperとして横浜を拠点に、多文化共生、教育など幅広いテーマでプロジェクトに取り組む。ボストン拠点のフィッシュファミリー財団Japanese Women’s Leadership Initiativeのフェロー。

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組織に変革をもたらすマネジメント入門

この授業では、書籍「すべての組織は変えられる」の出版を記念して、 年間数百社におよぶ企業の組織変革を支援する リンクアンドモチベーションの基幹技術「モチベーションエンジニアリング」の エッセンスを大公開します。

 
  • 株式会社リンクアンドモチベーション 取締役

    慶應義塾大学法学部卒業後、株式会社リンクアンドモチベーション入社。 2010年 中小ベンチャー企業向け組織人事コンサルティング部門の執行役員に当時最年少で着任。同社最大の事業へと成長させる。 2013年 成長ベンチャー企業向け投資事業立ち上げ。HR Techを中心にビズリーチ、ネオキャリア、あしたのチーム、Fond, Inc.(旧AnyPerk)など20社近くに投資。 2016年 組織改善クラウド 「モチベーションクラウド」立ち上げ。国内HR Techの牽引役として注目を集めている。 2018年 株式会社リンクアンドモチベーション取締役就任。 著書に「すべての組織は変えられる〜好調な企業はなぜ『ヒト』に投資するのか〜」(PHPビジネス新書)。

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どっちを重視?会社のビジョンと人のやりがい

この授業では、2名の講師のディスカッションを通じ、理想的な組織の在り方やビジョンと組織の関係性について考えていきます。

 
  • 中央大学国際経営学部 准教授/Malz株式会社代表

    博士(経営管理)。防衛大学校卒業後、ダラス大学経営大学院にてMBA(国際経営学)取得。日本能率協会コンサルティングの後、GMアジア太平洋地域事業開発マネジャー、スント日本代表、アディダス戦略企画部長、クイックシルバー戦略企画ディレクター、DCシューズ北アジア地域統括マネジャーなど20年以上にわたり企業で勤務。中央大学ビジネススクールにてMBA(戦略)およびDBA取得。博士号取得後は、筑波大学国際室、立教大学ビジネススクール特任教授を経て現職。現在も、中央大学国際経営学部の他、中央大学と立教大学のMBAコースで授業を担当している。
  • 米国アドラー大学院修士号 講師/講演家/メンタルコーチ

    日本人では数少ない「米国アドラー大学院修士号」取得者。東京大学大学院修士(専門は臨床心理)。病院での心理カウンセラーや、福祉系専門学校の心理学講師を歴任。1995年 阪神淡路大震災で両親を亡くしたことを機に、一念発起して渡米。アドラー心理学をベースに600種類以上の心理学やボディワーク、瞑想を習得後、数々の手法を統合。アメリカでは、小学校や州立刑務所、精神科デイケアなどに、コーチングを初めて導入した。2001年 ニューヨークテロ直後、日本に帰国。北京オリンピック金メダリスト、メジャーリーガーなどのトップアスリートや有名俳優、上場企業経営者をコーチング。産業、医療福祉、教育、政治、芸能など各業界のリーダーや、起業家もサポート。「現場変革リーダー養成コース」を主宰。

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06まとめ

組織文化は仕事のやり方だけでなく、業績にも大きな影響を与える概念です。特に、ビジネス環境が大きく変化している現代においては、組織文化の必要性や関心が高まっています。ビジネス社会を勝ち抜くためにも、企業は現状に満足することなく、今一度、組織文化を見直す必要があるでしょう。ぜひ、本記事を参考に組織文化に対する理解を深め、従業人が働きやすい職場環境の構築につなげてください。

【無料】心理的安全性の作り方〜統率から自走への組織変革法〜|ウェビナー見逃し配信中

心理的安全性の作り方〜統率から自走への組織変革法〜
 

組織の根幹を蘇らせ、健全な組織状態を作るための「心理的安全性の作り方」をテーマにしたウェビナーのアーカイブです。人事界隈で、組織の心理的安全性を確立するための方法論は広まっています。しかし、多くの企業が背景の理解もないまま、枠組みをそのまま組織に当てはめるような小手先の施策だけ行い、組織状態が改善されない事例を聞くことが多い現状です。本セミナーでは、同氏の調査・分析内容と、組織の機能不全の原因と組織づくりの方法をお話しいただきます。

  • 登壇者:斉藤 徹 様
    ループス・コミュニケーションズ 代表取締役

    1991年、日本IBMを退職、ICT技術を活かしてベンチャーを創業。携帯テクノロジーが注目され、未上場で時価総額 100億円超。その後、組織論と起業論を専門として 学習院大学 客員教授に就任。幸せ視点の経営講義が Z世代に響き、立ち見のでる熱中教室に。現在は ビジネス・ブレークスルー大学 教授として教鞭をふるう。2018年には、社会人向け講座「hintゼミ」を開講。卒業生は 600名を超え、三ヶ月毎に約70名の仲間が増えている。

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