風通しの良い職場とは?重要性と心理的安定性を高める15の施策を解説

風通しの良い職場とは、意見や情報が自由にやり取りでき、社員が安心して発言できる環境を指します。心理的安全性が高く、信頼と尊重の文化が根付いていることが特徴です。本記事では、風通しの良い職場の特徴や重要性、具体的な改善施策について解説します。
01風通しの良い職場とは?意味や特徴について
職場における「風通しの良さ」とは、ただ表面的に仲の良い職場ではなく、情報の流れがスムーズで、誰でも臆することなく意見や事実を伝えられる状態を指します。風通しの良い職場では、意見交換が活発になり、新しいアイデアが生まれやすくなることや、異変やトラブルを早期に検知できるなどの効果が期待できます。
風通しの良い職場の特徴
風通しの良い職場では、以下のような特徴があります。
- ・心理的安全性が高い
- ・積極的な発信や改善提案が奨励されている
- ・会社の方針やルールが明確で公平性が高い
- ・情報の透明性が高く、共有も早い
心理的安全性が高い
Schoo for Businessの授業『チームの心理的安全性を高める』に登壇する田中弦先生は、心理的安全性を「組織の中で自分の考えや気持ちを誰に対してでも安心して発言できる環境」と紹介しています。例えばチームの中で自分一人が異なる意見を言っても、むやみに否定されたり罰せられたりしないと信じられる環境であり、風通しの良い職場の特徴の一つです。
積極的な発信や改善提案が奨励されている
風通しの良い職場では、積極的な発信や改善提案を重視する価値観が根付いていることも特徴です。入社年次や部門を問わず、組織や会社の目標達成に向けて意欲的に提案をすることが称賛される環境においては、各従業員の意見交換も活発になりやすいでしょう。
会社の方針やルールが明確で公平性が高い
会社の方針やルールが明確に定められ、かつ周知されていることや、その内容の公平性が高いことも、風通しの良い職場の特徴です。例えば「異なる意見を尊重する」や「目的志向で考える」など、会社としての価値観や行動指針が共有されていれば、反論や異見も正当に扱われやすくなります。
情報の透明性が高く共有も早い
風通しの良い職場では、部門間や階層を超えた情報の連携がスムーズであるため、情報の透明性が高く、共有も早いという特徴があります。このような情報連携のスムーズさは仕組みによって担保されていることもあります。
反対に「風通しの悪い」職場とは?
風通しの悪い職場とは、発言や提案、情報の共有をすることにメンバーがメリットを感じにくかったり、心理的な障壁を感じたりすることで、情報が滞りがちな職場を指します。例えば過度なトップダウンにより、上司に対する意見を「反抗」と見なされる環境や、部門間連携がなく部門最適に偏りやすい環境が該当します。風通しの悪い状態が放置されると、建設的な対話が減り、前例踏襲や責任回避が常態化しやすく、改善や変革が進みにくくなる可能性もあるでしょう。
02風通しの良い職場のメリットや重要性
風通しの良い職場には、組織観点でさまざまなメリットがあります。以下の観点について、詳細を解説します。
- ・新しいアイデアの創出
- ・業務の効率化
- ・離職防止
- ・トラブルの早期対応
新しいアイデアが生まれやすい
風通しの良い職場では、相互信頼に基づく活発なコミュニケーションにより、多様な意見交換が行われ、斬新なアイデアが生まれやすくなります。例えばGoogleの Project Aristotleに関する公開資料でも、心理的安全性の高いチームでは、メンバーの多様なアイデアを活かしやすく、効果的なチームとして評価される傾向が示されています。
▶︎参考:Google re:Work - ガイド: 「効果的なチームとは何か」を知る
業務効率化・生産性向上につながる
風通しのよい職場では、業務上必要な情報に簡単にアクセスできることに加え、疑問点や不明点をその場で確認しやすく、スピーディに業務を進めることが可能です。また、階層間や部門間で情報の格差が少ないことは、全体最適の意思決定を行いやすくします。
離職率が低下する
心理的安全性の高い職場では、社員が安心して自分の意見を発信できるため、「仕事に自分の意思を反映させている」と感じる自律性の感覚が養われやすくなります。またエン・ジャパンが実施した調査によると、アンケート回答者の半数以上が「退職時に会社に伝えなかった退職理由がある」と回答し、伝えなかった理由としては「話しても理解してもらえないと思ったから」が最多となりました。従業員が気軽に意見や相談ができる環境を構築することは、不満の早期検知を通じて離職意向の高まりを抑える効果も期待できるでしょう。
異変やトラブルを早期に検知できる
階層間や部門間をまたぐコミュニケーションが気軽にでき、心理的安全性の高い職場では、異変やトラブルといったネガティブな情報も迅速に流通させることができます。Schoo for Businessの授業『製造現場で働く人のための安全衛生管理』に登壇する小林浩志先生は、「重大事故1件の背後には、29件の軽微な事故と300件の無傷事故・ヒヤリハットがある」というハインリッヒの原則を紹介しています。つまり重大事故を防ぐには、ヒヤリハット事例を組織で共有しながら、トレーニングを重ねることが大切なのです。
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03風通しの良い職場づくりのための施策15選
社員が安心して意見を交わし、情報がスムーズに行き渡る環境を整えるためには、さまざまな打ち手が考えられます。ここでは、「リーダー行動・マネジメント観点の施策」「職場環境の物理的な改善施策」「コミュニケーション活性化のための施策」「情報共有・意見聴取に関する施策」の4つの観点から、それぞれに関する具体的な内容を紹介します。
リーダー行動・マネジメント観点の施策
職場の風通しを良くするには、リーダーや管理職の姿勢が鍵となります。理念を浸透させる行動指針の活用や、傾聴・共感といった対人スキルの向上、さらには1on1や感謝・称賛の文化づくりなど、マネジメント層の行動が職場風土に大きな影響を与えます。
行動指針・クレドの設定と活用
風通しの良い組織の特徴としても紹介しましたが、行動指針やクレドとして、対話や挑戦が明示的に推奨されていることは、組織の風通しを良くするために役立ちます。発言や挑戦によって不当に人事評価を引き下げられることがないと分かっている状態は、従業員にとっての安心感につながります。
非言語コミュニケーション力向上
Schoo for Businessの授業『共感・共創の起点となる「傾聴力」』に登壇する越川慎司先生は、高いパフォーマンスのリーダーは「雑談相談ができる関係性づくり」に注力していることを紹介しています。そして、そのような関係性を作る上で大切な要素の一つが、非言語コミュニケーションです。リーダーが口角を上げて微笑む、頷きながら相手の話を聞く、Web会議でカメラ目線を意識するなど、非言語的な配慮を行うと、安心して話しやすい雰囲気づくりにつながります。
傾聴力・共感力の強化
職場で風通しが悪くなる場合に少なくなりがちなのは、部下から上司に対するコミュニケーションです。Schoo for Businessの授業『相手のための聴く力と問う技術』に登壇する唐沢明先生は、聴く時に意識したいポイントとして以下の3点を紹介しています。
- ・1.相手を定めて聴く
- ・2.積極的・能動的に耳を傾ける
- ・3.相手の表情や反応を観察する
マネジメント層の自己開示
風通しの良い職場を作るためには、ただ言葉で「何でも意見を言って大丈夫だ」と伝えるだけでは不十分です。リーダーが自己開示を行うことも重要です。過去に自分がやってしまった仕事上の失敗や悩み、苦手なことなどを隠さずに開示することで、部下の共感や安心感につながりやすくなります。
1on1ミーティングの導入
上司と部下の信頼関係を強化したり、相互理解を深めたりする場として、1on1ミーティングは有効な手段です。Schoo for Businessの授業『「1on1」に不可欠な心理的安全性と心理的柔軟性』に登壇する二ノ丸友幸先生は、「個の力を引き出し、部下の成長をサポートする場」として定義しています。定期的にコミュニケーションを重ねることで、部下の状態をタイムリーに把握できることに加え、日々考えていることや意見も拾いやすくなります。
感謝と称賛を取り入れる
部下の主体性を促進する観点では、上司が感謝と賞賛のコミュニケーションを行うことが大切です。部下が積極的な発言や挑戦をした場合、その結果ではなく行動自体に対して「ありがとう」「いいね」といった言葉で感謝や称賛を伝えることは、後押しに繋がります。
評価制度の公正な運用
風通しの良い職場を作る上で、評価制度の公正な運用はとても大切な要素です。評価基準が不透明、または上司の主観に偏っていると感じられる場合、部下はリスクを取ることを避け、意見を言いづらくなるためです。
職場環境の物理的な改善施策
風通しの良い職場づくりには、コミュニケーションや制度だけでなく、物理的な職場環境の工夫も重要です。
座席配置の工夫
誰がどこに座るかという配置は、日々の会話の量や、誰と会話するかの内容に影響します。例えば、部門を超えたコミュニケーションを促進したい場合、フリーアドレス制や部署混在のグループ席を取り入れるなどの選択肢があります。一方で、オープンな配置は集中作業には不向きな場面もあるため、集中席や個室ブースを併設するなど、対話と集中の両立を意識した設計が望まれます。
雑談できる場所を設ける
社内にカフェスペースやリラックスエリアを設けることで、業務とは関係のない自然な会話が生まれやすくなります。特にハイブリッドワークやリモートワークを取り入れている会社の場合、雑談の機会は減少しがちです。対面時に気軽なコミュニケーションが生まれやすい環境を整えることは、心理的安全性の高い職場づくりを支えるうえでも有効でしょう。
コミュニケーション活性化のための施策
会議ルールを制定する
「必ず一人一回は発言」「質問歓迎」「意見の否定は禁止」などのグランドルールを定めることは、心理的安全性を高め、参加者全員が主体的に関与する雰囲気作りに役立ちます。
ナレッジ共有ツールやチャットツールの活用
チャットツールで日常の相談や判断の経緯を流しつつ、残すべき知見はナレッジ共有ツールに集約していくと、「誰が・何を・なぜ判断しているか」が見えやすくなり、認識のズレも早期に発見しやすくなります。代表的なツールとしてはSlackやNotionなどが広く使われています。
社内イベントや交流イベントの実施
イベントを通じて業務外の接点を増やすことは、社員同士の距離を縮め、コミュニケーションの活性化に役立つ可能性があります。具体的な例としては、3~5分の短いプレゼンテーションを複数人が連続して行う「社内LT大会」や、共通の趣味を持つ人で集まる「部活動」、部署を超えたランチ交流会などが考えられます。
対面コミュニケーションの機会を作る
特にオンライン中心の業務体制を行っている組織では、意識的に対面で会う機会を設けることも有効です。ランチミーティングを設ける、定期的なオフライン合宿やワークショップを開くなど、直接会って対話する場を設けることで、表情や空気感から得られる情報量が増し、関係構築が促進されます。
情報共有・意見聴取に関する施策
サーベイ等を実施して社員の声を聴く
匿名の社内アンケートやサーベイを定期的に実施することで、日常では表出しづらい本音や課題を吸い上げることができます。特に「聴いて終わり」ではなく、フィードバックや改善行動とセットで運用することが重要です。
情報を積極的に開示する
会社の経営状況や今後の方針など、重要な情報を積極的に開示することは、階層を超えて従業員の目線を揃える効果が期待できます。Schoo for Businessの授業『従業員エンゲージメント向上のための人事データ活用~課題把握のポイント~』では、メルカリ社における人事データの活用状況として、人事データをブラックボックスにせず、組織運営に関わる人が直接データを見られる環境を整えている事例が紹介されています。重要情報をガバナンスに配慮しながらも可能な限り公開していくことは、従業員の主体的な行動を促進し、風通しの良い組織作りを支えます。
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04風通しの良い職場のデメリット・注意点
風通しの良い職場は、心理的安全性の向上を通じて、さまざまなメリットが期待できます。一方で注意すべき側面も存在します。
「声」の質によっては逆効果も
心理的安全性が確保された職場では自由に発言できることが利点ですが、その「声」の質が伴わなければ逆効果になり得ます。建設的な提案や意見ではなく、ただの不平不満や他者を攻撃するような発言が許容されると、組織の生産性や信頼関係を損なうリスクがあります。組織の中で目標を共有したうえで、率直な発言は、あくまでその目標達成に向けた建設的なものであるべきだという価値観を浸透させることが大切です。
「仲良しクラブ」になる場合がある
風通しの良さを「居心地の良さ」と捉えすぎると、互いに遠慮し合い、建設的な反論や厳しい意見が出づらくなる懸念があります。結果として、組織に必要な緊張感が失われ、目標達成への集中や生産性が低下してしまう可能性もあるでしょう。心理的安全性の概念を広めたエイミー・エドモンソン教授自身も、理想の組織とは心理的安全性と「成果や仕事の質に対して求める基準の高さ」が両立された状態であると指摘しています。
05風通しの良い職場づくりの事例
風通しの良い職場を目指すうえで重要なのが、社員がお互いの行動や価値観を知り、尊重し合える環境の構築です。このような環境を作り、心理的安全性を高めた事例として、Unipos株式会社があります。
授業『チームの心理的安全性を高める』の登壇講師であり、Unipos株式会社の創業者である田中弦先生はかつて、どちらかと言うとトップダウンのリーダーシップスタイルを取りがちだったと振り返っています。社員のことを知ろうとせず、自分について来させる手法を取っていましたが、その結果社員の離職を招いてしまいました。そして、「社員のことを知らなかった」という反省から、ダンボール箱で始めたのが「発見大賞」という投票制度の取り組みです。この取り組みを通じて、社員同士がお互いの努力や貢献を称え合う文化が育ち、ピアボーナスのサービスである「Unipos」の誕生にもつながりました。
▶︎参考:埋もれていた貢献に光を当てた「発見大賞」──Unipos社の原点|Unipos公式note
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06雰囲気のよい職場づくりに役立つSchoo for Business
オンライン研修/学習サービスのSchoo for Businessでは約9,000本の講座を用意しており、DXほか様々な種類の研修に対応しています。
| 受講形式 | オンライン (アーカイブ型) |
| アーカイブ本数 | 9,000本 (新規講座も随時公開中) |
| 研修管理機能 | あり ※詳細はお問い合わせください |
| 費用 | 1ID/1,650円 ※ID数によりボリュームディスカウントあり |
| 契約形態 | 年間契約のみ ※ご契約は20IDからとなっております |
雰囲気のよい職場づくりに役立つ講座を紹介
ここでは、Schoo for Businessの講座から、雰囲気のよい職場づくりに役立つキャリアプランや組織作りに関する講座を紹介します。
チームワークの教科書
本コースは、変化の激しい現代においてより重要となっている「チームワーク」を向上させるための様々なアプローチ方法を学ぶ授業です。心理的安全性、モチベーション、組織内での協働、インターナルコミュニケーションの各テーマを、それぞれの専門家から学ぶことができます。チームを率いるリーダーやマネジメントを学びたいビジネスパーソン、組織開発に興味がある方におすすめです。
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Unipos株式会社 代表取締役社長CEO
2005年Fringe81株式会社を創業、代表取締役に就任。2017年8月に東証マザーズへ上場。2021年10月に社名変更をし、Unipos株式会社 代表取締役社長として感情報酬の社会実装に取り組む。
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実践のためのリーダーシップ理論 -伝統と最先端-
組織で働く全ての人々が発揮する機会を持つリーダーシップを「全ビジネスパーソンの必修科目」と捉え、自己のリーダーシップを形成することを目標とします。特に、最先端の理論として「シェアド・リーダーシップ」に焦点を当て、職場を元気にするための理論と実践を深く学びます。
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立教大学統括副総長/立教大学経営学部教授/博士(経営学)
慶應義塾大学法学部卒。慶應義塾大学大学院経営管理研究科修士・博士課程修了後、山梨学院大学、米国・オレゴン大学客員教授を経て現職。2014-2017年の間、立教大学経営学部長。専門分野は組織行動論、リーダーシップ論。著書に『リーダーシップの理論』(単著)、『シェアド・リーダーシップ』(単著)など多数。
実践のためのリーダーシップ理論 -伝統と最先端-を詳しく見る
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多様なバックグラウンドのメンバーとの仕事がうまくいくチームビルディング
「異業種×異職種」の越境転職が増加し、チーム内のコミュニケーション不和やカルチャーショックが発生しやすい現代の組織課題に対応します。バックグラウンドの異なるメンバーと仕事を円滑に進めるための根本的な問題とその解消行動を学びます。チーム作りに迷っている方や、チームビルディングの原理原則を入門的に理解したい方におすすめです。
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組織開発ファシリテーター
日本福祉大学卒業後、冒険教育研修会社、玩具メーカー、人事コンサルティング会社を経て独立。企業、団体、教育、スポーツの現場など、約20年にわたって3000回を超えるチームビルディングを実施。著書に『宇宙兄弟「完璧なリーダー」は、もういらない。』など。
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07まとめ
風通しの良い職場は、心理的安全性や信頼を基盤とし、対話と情報共有を促す環境です。活発なコミュニケーションは、イノベーションの創出や業務の効率化、社員満足度の向上につながる可能性があります。一方で、発言の質や組織文化によっては、逆効果になるリスクもあるため、適切なマネジメントが不可欠です。



