公開日:2022/01/26
更新日:2023/08/27

管理職とは?求められる役割やスキルを解説

管理職とは?求められる役割やスキルを解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

近年は会社の内部統制が社会的に昔以上に重要となっていますが、その中でキーマンとなるのが管理職です。しかし、管理職はなにと言われると意外とすんなりとは答えられないのではないでしょうか。本記事では管理職の定義を明らかにした上で求められる役割やスキルを解説しています。

 

01管理職とは

管理職とは自身が所属する組織において、部下を指揮・管理しながら組織の目標達成に向けて責任と決定権を持つ人のことです。一般的には「本部長」「部長」「次長」「課長」「主幹」「主任」「係長」などの役職についており、「課長」以上が管理職となることが多いですが会社によってどの役職から上が管理職というのは異なります。労働基準法においては「管理監督者」という役割があり、管理職は「管理監督者」である場合が多いです。「管理監督者」となると労働時間や休日に関する規定が適用されません。「管理監督者」とみなされるには職務内容や権限などの条件があります。「管理職」=「管理監督者」で無い場合もありますが、その場合でも管理職は会社が利益を出すうえで重要な役割を担っているといえます。

管理職と一般社員の違い

管理職が出した指示に従って業務を遂行するのが一般社員です。管理職と一般社員では与えられる権利や役割が異なります。一般社員では決められない項目や決裁権を管理職は持っています。そして、権利を持つ分責任も大きいです。基本的には一般社員は自身の仕事にのみ責任を持ちますが、管理職は部下の失敗も自身が責任を取る必要があります。部下の失敗に対してもフォローし、時には顧客に謝罪するようなこともあるでしょう。部下の業務の責任も担うため、普段から部下をしっかりと管理する役割があるともいえます。また、労働基準法上における管理監督者となる管理者は一般社員に与えられる残業や休日出勤手当の支給がありません。

管理職と役員の違い

自身の部下をまとめている管理職に対し、役員はさらに上のポジションで会社経営の方向性に関わる存在です。管理職と役員とで大きく異なるのが雇用形態と給与です。管理職は会社と雇用契約を結ぶ従業員ですが、役員は従業員ではなく、会社と委任契約を結んでいる関係です。また、管理職は「労働者」、役員は「使用者」となります。給与については役員の方が一般的には多いですが、管理職が毎月給与を受け取るのに対し役員は取り決めによって定められた役員報酬が支払われます。

 

02管理職の種類

部長

部長は組織内での最上位管理職の一つです。通常、特定の部門やセクションを監督し、組織の方向性や戦略の策定、目標の設定などの重要な意思決定に関与します。人材のリーダーシップや組織の運営、予算の管理、上層部との連絡など、広範な責任を負います。組織全体の成功に向けてリーダーシップを発揮する立場です。

課長

課長は部長の下で、特定の課やチームを管理する役職です。部門の方針を具体的な業務に落とし込み、チームの運営や効率的な業務遂行をサポートします。スタッフの育成や指導、課内のコミュニケーションの円滑化が求められ、部門の目標達成に向けて日々の指導・監督を行います。

係長

係長は課長の下で、より具体的な業務グループや係を担当する管理職です。部門内の特定の業務領域に精通し、その業務の遂行を指導・管理します。スタッフのスキル向上や業務プロセスの最適化、品質管理などが主な役割です。課内での業績向上や円滑な連携を確保し、部門全体の目標達成に貢献します。

 

03管理職に求められる役割

管理職は一般社員よりも多くの権利を持ちますが、一方で求められる役割も大きくなります。大まかにいうとより経営層に近い仕事が求められるとともに、部下の管理をする必要があります。それでは具体的にみていきましょう。

組織の目標設定

管理職は目標設定を行います。組織は会社の方針や戦略に沿って動きますが、それらは会社全体のものですので、自部署の目標として落とし込む必要があります。会社全体の戦略を十分に理解した上で自部署の役割と照らし合わせ、目標を設定します。目標を設定することで目指すべき目的や成果を明確にし、チームが同じ方向へ進んでいくことができます。

業務の管理

自部署の目標を設定したら、目標達成のための計画を策定します。計画策定自体は管理職が担う場合もあれば、部下が行うこともあるでしょう。業務の進捗管理も各担当で行うことが基本ですが、管理職には組織目標を達成するために各担当が計画的にPDCAを回しているかをきちんと把握し、管理していく役割があります。

部下の管理と人材育成

管理職として組織をまとめて目標を達成し、会社に貢献していくためには部下の管理と人材育成をしていく必要があります。部下の管理とは与えられた業務をしっかりとこなしているかどうかのチェックはもちろん、時には支援したり、組織の方針に合った行動をしているかの確認や指導などです。また、人材育成も管理職の重要な役割です。人材は会社の重要な財産であり、会社が継続的に成長し利益を上げていくためには人の成長が不可欠です。管理職は部下に対して仕事の進め方や方法を指導し、成長を促していく必要があります。

経営層の考えを部下に浸透させる

経営層の考えを部下に浸透させることも管理職の重要な役割です。社員がそれぞれ別々の方向性を向いていると、会社全体として利益を最大化することはできません。そのため、経営理念や戦略を社員に理解させる必要がありますが、経営層が社員一人一人に考えを説明することは会社の規模が大きいと不可能です。そこで、管理職は経営層と社員の間の立場として経営層の考えを部下に伝える役割を担っています。管理職がしっかりと経営層の考えを部下に浸透させることで、社員は会社全体の動きを理解しながら業務に取り組み、会社全体としての成果も上がっていくでしょう。

 

04管理職に必要なスキル

管理職は求められる役割が大きい分、一般社員よりも深い知識はもちろん、様々なスキルも必要となってきます。管理職として活躍するには、これから紹介するスキルは必須ですし、高めることでより仕事の成果は上がることが見込めます。それでは管理職に必要なスキルについて具体的に紹介していきましょう。

業務遂行能力

まず一つ目は業務遂行能力です。業務遂行能力とは、与えられ業務を責任をもって最後まで完結させる能力のことです。組織に与えられた業務について管理職としてはリソースを最大限に活用しながら完遂させる必要があります。部下に役割を与え進捗を管理し、他部署と調整し、時には管理職自ら業務を行うなどし、組織に与えられた役割と立てた目標を達成していきます。

マネジメントスキル

マネジメントスキルとは人や時間、金、組織などを管理してまとめるスキルのことです。管理職には部下をまとめてチーム一丸となって成果を出すことが求められます。そのため、部下を適切に率いて導いていくマネジメントスキルが必要です。管理職は目標達成のため、人や金などのリソースを過度に使用することなく効率的にマネジメントし、最大限のアウトプットを引き出すことが求められます。

コミュニケーション能力

コミュニケーション能力も管理職に必要なスキルです。コミュニケーションを取ることが苦手では部下を指導したり関連部署と調整するのが困難になってしまいます。また、経営層に対しても要望を確認したり、組織の状況を伝えたりする際にもコミュニケーション能力は必須です。このように、管理職として組織内外と良好な関係を築くことが求められます。

物事の本質を捉える能力

会社を取り巻く状況はめまぐるしく変化しており、日々トラブルや新たな改善への対応が必要です。自分の組織に対しても多くの課題や対処すべき事柄などがあるでしょう。そんな中で必要なスキルが物事の本質を捉える能力です。起こっている事象に対して分析し、あらゆる局面に対して根本的な問題点を捉えて対応したり、部下がもってくる相談事に対して的確にアドバイスすることが必要です。

 

05管理職に向いている人・向いていない人

組織には多種多様な人材がいます。営業が得意な人、事務作業に特化している人、コミュニケーションをとるのが好きな人など様々です。色々な個性を持つ人が適材適所で働くことで組織力は増していきますが、管理職に向いている人とそうでない人もいます。ここでは、管理職に向いている人・向いていない人の特徴を解説します。

管理職に向いている人

管理職に向いている人は以下の特徴があります。

経営感覚がある

経営者の目線に立って物事を考えられる人は管理職に向いています。一つの組織だけではなく、会社全体の利益について考え、経営の目線に立った行動は一般社員とは一線を画しているはずです。時には自身や自部門の負担となるようなことでも会社全体を良くすると判断し、取り組むことができるような人は管理職に向いているといえます。

組織全体を見て業務分担できる

自分の組織全体を見て業務分担できる人は管理職に向いています。そもそも、業務というのは個人のものではなく組織に対して与えられています。自分がしている仕事も必ずしも自分だけでしなければならないというわけではなく、結果的に組織として成果が出すことが必要です。そのような視点に立ち、組織に与えられた業務を適材適所で分担し、組織全体としての成果を最大化できる人は管理職に向いています。

部下の指導や育成が得意

管理職の重要な役割として部下の指導や育成があります。部下を指導し、成長させることで会社として継続的に発展していくことができるからです。管理職にはそういった指導力が求められますので、部下の指導や育成が得意な人は管理職に向いているといえます。

管理職に向いている人

管理職に向いていない人は以下の特徴があります。

コミュニケーションが苦手

管理職に向いていない人は、コミュニケーション能力に欠けることがあります。管理職はチームや部門のリーダーとして、方針や目標の伝達、フィードバックの提供、問題解決などコミュニケーションが不可欠です。コミュニケーションが苦手な人は情報の伝達ミスやチームの調和の欠如を招く可能性があります。

リーダーシップがない

管理職はチームを鼓舞し、方向性を示し、問題に対処するリーダーシップを発揮する必要があります。向いていない人は決断を下すことをためらったり、指示を出すことを避ける傾向があります。リーダーシップが不足すると、チームは方針の不明確さや統制の欠如に苦しむことになります。

柔軟性が不足している

管理職は変化に適応し、新しい状況に柔軟に対応する能力が求められます。向いていない人は過去の方法や慣習に固執し、新しいアイディアや方法を受け入れないことがあります。組織の環境が変わる中で柔軟性が不足すると、問題の解決やイノベーションが難しくなり、組織全体の成長が妨げられます。

 

06管理職を育成する方法とは

管理職として任命しても、経営層からすると期待する役割を達成していないということはしばしばあります。せっかく管理職として働いてもらうなら、当然期待通り、もしくはそれ以上の働きをしてもらいたいですよね。最後に、管理職の育成方法について解説していきます。

会社の中期計画に盛り込む

まずは会社の中期計画に盛り込むことが挙げられます。5年後までに出向者ではない自社の管理職を10名増やす、女性管理職を5名誕生させるなどのゴールを設定し、ゴールに向かって計画を策定していきます。経営戦略に管理職の育成計画を盛り込むことで計画的かつ会社として目的をもって優秀な管理職を育成することに繋がります。

管理職に必要な能力が身に付く経験をさせる

管理職になる前に管理職に必要な能力が身に付く経験をさせることもポイントの一つです。具体的には、プロジェクトのリーダーを任せたり、社内活動の責任者に任命するなどして、マネジメントの経験をさせることが挙げられます。管理職となった後にしなければならないことを事前に経験することで、スキルが鍛えられていくでしょう。

研修を受講させる

管理職向けの研修を受けさせることも有効です。研修は社内のみならず外部でも効果のあるものは多くありますので、自社の管理職に必要なスキルが身に付くものを選びましょう。社内の場合でも複数の管理職が集まり研修を受講することは多くの気づきや刺激を生むでしょう。


 

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・大人たちが学び続ける「Schoo for Business」とは?
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07Schooの管理職研修

Schoo for Businessでは約8,000本の授業をご用意しており、様々な種類の研修に対応しています。その上、自己啓発にも効果的な内容の講座を毎日配信しているため、研修と自己啓発の両方に対応することができるシステムになっています。研修と自己啓発を掛け合わせることにより、誰かに要求されて学ぶのではなく、自発的に学び、成長していく人材を育成することが可能になります。ここでは、Schoo for Businessの具体的な活用方法と特徴、さらにはどのようなメリットがあるのかを解説します。


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受講形式 オンライン
(アーカイブ型)
アーカイブ本数 8000本
※2023年3月時点
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契約形態 年間契約のみ
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1.研修と自己啓発を両方行うことができる

Schoo for Businessは社員研修にも自己啓発にも利用できるオンライン学習サービスです。通常の研修動画は、研修に特化したものが多く、社員の自己啓発には向かないものも少なくありません。しかし、Schooの約8,000本にも上る授業では、研修系の内容から自己啓発に役立つ内容まで幅広く網羅しているため、研修と自己啓発の双方の効果を得ることができるのです。

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管理職研修には、Schooの管理職研修パッケージがおすすめです。管理職研修パッケージでは、マネジメントスキルや、部下の育成スキルなど、管理職に必要なスキルに関する知識を、体系的に学ぶことができます。

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3.管理職研修におすすめのSchooの講座

Schoo for Businessは上述の通り、8,000本のアーカイブ動画の中から育成項目に応じて研修内容を作成することができます。ここではアーカイブ動画の中で管理職研修におすすめの講座を紹介します。

業務改善のはじめ方 プロセス改善の手順と実践例

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業務改革、改善を図る上で、単にツールやシステムを自業務に取り入れるだけでは本質的な課題解決には至りません。 効果的な業務改革を行うためには、適切なプロセスに基づいて必要な人材やツールを割り当てる「適所適材」で進めることが大切です。 この授業ではそのためのプロセス改善の標準的な手順とその実践例を解説します。

授業名 業務改善のはじめ方 プロセス改善の手順と実践例
時間 85分(40分×1コマ,45分×1コマ)
学べること ・業務改善とは
・改善7ステップ
・業務改善の実践例

組織を育てるリーダーの コーチング思考と対話法

“組織を育てるリーダーの コーチング思考と対話法

ビジネスの場において、育成手法やコミュニケーションのあり方としても注目されているコーチング。この授業では、組織づくりやメンバーとの関わりに着目し、実践できる考え方と対話法を解説します。

授業名 組織を育てるリーダーの コーチング思考と対話法
時間 180分(60分×3コマ)
学べること ・職場でコーチングを活用するメリット
・コーチングを効果的に活用するためのポイント
・コーチングの考え方で実践する「聴き方」の具体例
・行動促進のスキル

ハラスメントの対処法 - 管理職向け

ハラスメントの対処法 - 管理職向け

このコースでは、組織、チームの管理職やリーダーとして知っておくべき、ハラスメントが発生した際のメンバーへの対処方法とその防止策について解説します。

授業名 ハラスメントの対処法 - 管理職向け
時間 100分(25分×2コマ,30分×1コマ,20分×1コマ)
学べること ・職場トラブルの相談件数の推移と「いじめ・嫌がらせ」が増えた背景
・管理職とハラスメント
・相談された場合の初期対応 3つのポイント
・自分が当事者だと言われた場合の初期対応のポイント ・ハラスメントが起きやすい職場の特徴
・ハラスメントが起きない職場づくりのポイント

4.管理画面で受講者の学習状況を可視化できる

Schoo for Businessには学習管理機能が備わっているため、研修スケジュールの作成を容易に行うことができます。さらに、社員の学習進捗度を常に可視化することができる上に、レポート機能を使って学んだことを振り返る機会を作ることも可能です。ここでは学習管理機能の使い方を簡単に解説します。

管理画面の使い方1

まず、Schoo for Businessの管理画面を開き、「研修を作成するという」ページで作成した研修の研修期間を設定します。ここで期間を設定するだけで自動的に受講者の研修アカウントにも研修期間が設定されるため、簡単にスケジュールを組むことができます。

管理画面の使い方2

この、管理者側の管理ツールでは受講者がスケジュール通りに研修を受けているかを確認することができます。もし決められた研修をスケジュール通りに行っていない受講者がいれば注意したり、話を聞くことができるなど、受講者がしっかりスケジュールを守っているかを確認することができます。

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08まとめ

管理職は会社全体を俯瞰したうえで業務を行うことが求められます。また、管理職の役割を理解し優秀な管理職を育成することは会社の発展に大きく貢献します。管理職についてしっかりと理解し、会社の土台を作っていきましょう。

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この記事を書いた人
Schoo編集部
Editor
Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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