更新日:2026/06/26

企業研修とは?実施する目的・手法や主な研修内容について解説

企業研修とは?実施する目的・手法や主な研修内容について解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

企業研修は、従業員の知識やスキルを高める重要な取り組みの一つです。本記事では、企業研修を実施する目的や主な分類、実施方法に加え、具体的な手順や階層別の研修内容例までを解説します。研修の見直しや実施方法の検討を進めている人事・研修担当者の方は、ぜひ参考にしてください。

 

01企業研修を実施する理由

企業研修を実施する理由

企業が従業員に研修を実施する理由は、単なる知識のインプットにとどまりません。研修は、組織の持続的な成長を支える戦略的な投資でもあります。ここでは、Schoo for Businessの授業『企業研修の進め方 設計と効果測定のコツ』を参考に、企業が研修を行う主な理由を3つの観点から解説します。

従業員のパフォーマンスを向上させるため

企業研修の基本的な目的の一つは、従業員一人ひとりの業務遂行能力を高めることです。

研修によって業務に必要な知識やスキルが身につくと、日々の仕事の質やスピードの向上が期待できます。例えば、業務ツールの操作方法を習得することで作業時間の短縮やミスの削減につながる可能性があり、学んだ内容を現場で実践できれば、業務成果への貢献が期待できるのです。

厚生労働省の「平成30年版 労働経済白書」では、OFF-JTや自己啓発支援に費用を支出した企業において、翌年の労働生産性や売上高が向上する関係が示されています。研修は単なるコストではなく、組織の業績向上に貢献し得る投資として位置づけられます。

▼参考:平成30年版 労働経済の分析 ―働き方の多様化に応じた人材育成の在り方について―|厚生労働省

イノベーションを生むきっかけとなるため

企業研修は、既存業務の効率化だけでなく、組織に新しいアイデアや変革をもたらすきっかけにもなります。研修を通じて新たな知識や異なる視点を取り入れることが、これまでの発想や仕事の進め方を見直し、新しい価値を生み出す起点になり得るためです。

まず挙げられるのが、これまでの常識や成功体験を捉え直す「アンラーニング(学びほぐし)」の促進です。アンラーニングとは、過去に身につけた知識を単に捨てることではなく、現在の環境に合わなくなった前提や仕事の進め方を意識的に見直すことを指します。研修で新しい知識や考え方に触れることで、これまで当たり前としてきた業務の進め方を再検討するきっかけが生まれます。過去のやり方に固執せず、環境変化に合わせて発想や行動を更新できる状態をつくることが、組織変革の第一歩となるでしょう。

また、イノベーションを具体的な成果につなげるには、新しいスキルの獲得も欠かせません。例えば、AIやDXに関する知識、戦略設計や企画立案のスキルなどを研修で体系的に学び、演習や実務での実践と組み合わせることで、アイデアを具体的な施策や事業へと展開する力の向上が期待できます。

さらに、研修の場では、普段の業務では接点を持ちにくい他部署のメンバーや、社外の知見に触れる機会が生まれます。階層や職種を横断した研修は、日頃の縦割り構造では生まれにくい部門間の対話や協働を促します。こうした組織横断的なつながりや、異なる視点の掛け合わせが、新たなビジネスや業務改善のアイデアを生む土壌となるのです。

変化に対応し続けるためのスキルを習得するため

企業が研修を実施する理由の一つに、従業員が環境変化に対応し続けられる状態をつくることが挙げられます。デジタル化やグローバル化、AIの活用の拡大などにより、ビジネス環境は急速に変化しています。こうした変化に対応するには、従業員個人の自発的な学びだけに頼るのではなく、企業として必要なスキルを見極め、計画的に学習機会を提供することが重要です。

近年注目されている「リスキリング(学び直し)」も、変化に対応するために新たなスキルを習得する取り組みの一つです。これまで培ってきた知識やスキルだけでは、新しい業務プロセスやテクノロジーの導入に対応しきれない場面も増えています。そのため、企業研修を通じて従業員が必要な知識・スキルを体系的に学べるようにすることは、組織の競争力を維持・向上させるうえで重要な人材戦略といえます。

 

02企業研修の主な分類

企業研修には、対象者や目的に応じてさまざまな分類が可能です。Schoo for Businessのオンライン研修一覧ページでは、研修を検討する際の切り口として、階層別・職種別・テーマ別などの研修テーマを整理しています。ここでは、以下3タイプの研修について紹介します。

  • ・階層別研修
  • ・職種別研修
  • ・テーマ別研修

階層別研修

階層別研修は、社員の役職や経験年数に応じて実施する研修です。内定者・新入社員・若手社員・中堅社員・管理職など、それぞれの階層に求められるスキルや役割に合わせた内容を学びます。

各階層が直面しやすい業務上の課題や、組織から期待される役割に沿って研修を設計することで、組織全体のスキルを段階的に引き上げやすくなります。

職種別研修

職種別研修は、営業・エンジニア・事務職・人事など、社員の担当職種に応じて実施する研修です。各職種に必要な専門知識や実務スキルを重点的に学べるため、現場で必要な知識やスキルを効率よく身に付け、実務でのパフォーマンス向上につなげやすくなります。実施の際は職種ごとに異なる業務課題に対応した研修設計が求められます。

テーマ別研修

テーマ別研修は、ビジネスマナー、コミュニケーション、マネジメント、DX、ハラスメント防止、AI活用など、特定のテーマに特化して実施する研修です。職種や階層を問わず、組織全体で共通して習得が求められるスキルや、事業課題に応じた特定領域の強化を目的として活用されます。自社の経営方針や育成課題に合わせてテーマを選定することが重要です。

 

03人材育成の手法と企業研修の位置づけ

人材育成の手法と企業研修の位置づけ

企業における人材育成には、目的や対象に応じてさまざまな実施方法があります。それぞれに特徴があり、一つの手法だけで完結させるのではなく、複数を組み合わせることが重要です。

Schoo for Businessの授業『社員研修のあるべき姿』に登壇する鈴木克明先生は、OJTや集合研修、eラーニングなど、実施環境や学習形式の異なる手法を適切に組み合わせた「ブレンド型学習」の重要性を解説しています。

研修は日常業務から離れて学びに集中できる取り組みである一方、研修時間を長く設けるほど、現場で業務に取り組む時間は減ります。職場を離れた研修だけに依存するのではなく、職場での実践や経験から学ぶ機会と組み合わせて設計することが、人材育成においては重要です。各手法の特性を理解したうえで、自社の育成課題に合わせて組み合わせましょう。

このような視点から、以下では主な人材育成の手法であるOJT、集合研修、eラーニングの特徴について整理します。

OJT

OJT(On the Job Training)は、実際の業務を通じて知識やスキルを習得する育成手法です。対象者の業務に精通した上司や先輩社員などが指導役となり、日常の業務の中で実践的なノウハウを伝えていきます。

座学とは異なり、現場の状況に即して学べるため、習得したスキルを業務に結びつけやすい点が大きな特徴です。また、集合研修のようにまとまった研修時間を確保しなくても、業務の中で継続的に人材育成を行いやすいというメリットもあります。

一方で、指導者のスキルや経験によって教育の質にばらつきが生じやすい点には注意が必要です。指導役となる社員へのサポートや、OJTの内容・目標の明確化が求められます。

▼OJT研修について詳しく知りたい方はこちらから▼
【関連記事】成功するOJT研修とは?

集合研修

集合研修は、特定のテーマや目的のもと、同じ時間に講師と複数の受講者が参加する同期型の研修です。講師による講義やグループワーク、ロールプレイングなどを組み合わせることで、知識のインプットと実践的なスキル習得を同時に進めやすくなります。

開催形式には、会場に集まって行う対面型、Web会議ツールなどを活用して同時参加するオンライン型、対面とオンラインを組み合わせるハイブリッド型などがあります。対面型は参加者同士の交流や一体感を生みやすく、オンライン型は場所を問わず参加できる利便性が強みです。ハイブリッド型は両方のメリットを取り入れられる一方、受講環境や進行管理など、運営面の工夫も必要になります。自社の状況や研修の目的に応じて、適切な形式を選択しましょう。

eラーニング

eラーニングは、パソコンやスマートフォンなどのデジタル機器を使い、動画やテキストなどの教材で学ぶ学習方法です。企業研修では、インターネットを通じて教材を配信する形が広く用いられています。

なかでも、録画動画やオンデマンド教材を用いる非同期型のeラーニングは、受講者が都合のよい時間に、自分のペースで学びやすい点が特徴です。 多拠点に社員が分散している企業や、業務と両立しながら継続的な学習機会を提供したい場合に活用しやすい方法です。

動画コンテンツや確認テストなどを活用することで、理解度に応じた反復学習を行いやすくなります。また、eラーニングを提供するプラットフォームには、受講履歴や進捗状況を一元管理できる仕組みが備わっていることもあり、受講状況を把握し、研修施策を運用する人事・研修担当者にとってメリットがあります。

ただし、非同期型のeラーニングでは、取り組みの質が受講者の自主性に依存しやすく、モチベーションの維持が課題になりやすいという側面もあります。集合研修やOJTと組み合わせることで、インプットした知識を実務で試す機会を設けやすくなります。

▼eラーニングについて詳しく知りたい方はこちらから▼
【関連記事】eラーニング研修で社員育成を加速|比較軸や導入までの手順を紹介

 

04階層別の企業研修の内容例

ここまでご紹介したとおり、企業研修にはさまざまなタイプがあります。中でも、現場配属前の新入社員に向けて実施される新入社員研修や、管理職に登用された社員に向けた管理職研修など、階層別の研修は多くの企業で実施されています。

そこでここでは、Schooの階層別年間育成計画パッケージ 「プランニングパス」をもとに、階層ごとに必要なスキルや育成テーマを整理します。代表的な対象階層として、多くの企業で研修対象となりやすい「新入社員」「若手社員」「新任管理職」の3つを取り上げます。

新入社員向け

新入社員にとって、ビジネスにおける基本動作の獲得や、学生から社会人になるにあたってのマインドセットの変換は重要な課題です。そのため新入社員研修では、自ら考えて行動する「自走力」の習得、報連相や目標設定などの土台となるスキルの獲得、社会人としての基本スタンスの確立が主なテーマとして扱われます。

プランニングパスの新入社員向け育成プランでは、これら課題の解決に役立つ授業を選定し、カリキュラム化しています。選定している授業の例は、以下の通りです。

「こいつわかってるな」と思われる報連相

「こいつわかってるな」と思われる報連相

報連相は、ビジネスコミュニケーションの基本であり、周囲から信頼されるためにも重要なスキルです。この授業では、相手と目線を合わせる報連相の考え方や、報告のタイミング・伝え方など、実務ですぐに使える工夫を学べます。

PDCFAサイクルが目標達成の確率を上げる

PDCFAサイクルが目標達成の確率を上げる

目標達成に必要な行動を継続するための考え方を学ぶ授業です。従来のPDCAに加え、経験の振り返りや人と学び合う要素を取り入れたPDCFAサイクルを通じて、小さな目標達成を積み重ねる方法を理解できます。

新入社員が自走する人材になるために

新入社員が自走する人材になるために

新入社員が自ら目標を設定し、行動と振り返りを通じて成長するための考え方を学ぶ授業です。与えられた目標をこなすだけでなく、自分の成長につながる目標を立てる視点を身に付けられます。

「問い」から始めるロジカルシンキング 入門

「問い」から始めるロジカルシンキング 入門

ロジカルシンキングの前提となる「何を考えるべきか」を見極める力を学ぶ授業です。問いの立て方を理解することで、考えの整理や上司・同僚とのコミュニケーションを円滑に進めやすくなります。

若手社員向け

若手社員研修では、自律的に業務を進めるための思考力や対人スキルの習得がテーマになりやすいです。複雑な業務を整理し、関係者と協力しながら成果につなげる力を磨きます。

プランニングパスの若手社員向け育成プランでは、これら課題の解決に役立つ授業を選定し、カリキュラム化しています。選定している授業の例は、以下の通りです。

業務への解像度が高まる ロジックツリーの使い方

業務への解像度が高まる ロジックツリーの使い方

ロジックツリーを使って、問題を構造的に整理する方法を学ぶ授業です。漠然とした課題を分解し、原因や打ち手を考える力を高めることで、業務改善や課題解決に活かせます。

「すぐやる人」になるコツ-意思が弱くても行動できる-

「すぐやる人」になるコツ-意思が弱くても行動できる-

やる気や意思の強さに頼らず、行動を始めるための考え方を学ぶ授業です。完璧を目指しすぎず、まず小さく動くことで行動の初速をつける方法を理解できます。

お互いのメリットを引き出す交渉術

お互いのメリットを引き出す交渉術

相手を言い負かすのではなく、双方のメリットを引き出す交渉の考え方を学ぶ授業です。社内外の関係者と信頼関係を築きながら、合意形成を進める力を養えます。

ホンネが分からない相手に“踏み込む”スキル

ホンネが分からない相手に“踏み込む”スキル

相手の本音や考えを引き出すための対話の進め方を学ぶ授業です。関係性を損なわずに一歩踏み込むコミュニケーションを身に付けることで、関係者との認識合わせや協働を進めやすくなります。

新任管理職向け

管理職は部下の育成や業務配分、チームの目標管理などを通じて、組織としての成果を上げることが求められる立場です。一方、この役割の違いを十分に理解しないまま、自ら成果を出すことを優先してしまうと、部下の力を引き出せず、組織としての成果につながりにくくなる可能性があります。

このような観点から、新任管理職研修では、プレイヤーとして成果を出す立場から、部下やチームの成果を最大化する立場へ意識を転換することが重要です。具体的には、人材育成や目標設定、1on1など、チームマネジメントの基礎を学びます。

例えばプランニングパスの新任管理職向け育成プランでは、以下のような授業が選定されています。

感覚頼りから抜け出す人材育成のキホン

感覚頼りから抜け出す人材育成のキホン

部下育成を自己流や経験則だけで進めるのではなく、基本的な考え方に基づいて行うための授業です。新任管理職が、再現性のある育成や関わり方を学ぶ入り口として活用できます。

管理職のためのジョブ・クラフティング入門

管理職のためのジョブ・クラフティング入門

部下が仕事に意味ややりがいを見出せるよう支援する考え方を学ぶ授業です。タスク・関係・認知の3つの視点から、部下の主体性を引き出す関わり方を理解できます。

その目標設定、カスケードダウンしましたか?

その目標設定、カスケードダウンしましたか?

会社や部門の方針を、チームや個人の目標へ落とし込む考え方を学ぶ授業です。上位方針と個人目標のつながりを示すことで、部下が納得して目標に取り組める状態をつくる方法を理解できます。

部下の力を引き出す1on1とフィードバック

部下の力を引き出す1on1とフィードバック

部下の成長を支援する1on1とフィードバックの基本を学ぶ授業です。1on1の目的や進め方を理解し、部下が自ら考えて行動できるよう支援する対話のヒントを得られます。

 

05企業研修を実施する手順

企業研修を実施するときの注意点として、目的や課題を明確にしながら進めることが挙げられます。「例年やっているから」といった理由で、目的や課題を曖昧にしたまま進めてしまうと、内容に一貫性が無くなる、効果を適切に検証できなくなるといったリスクがあります。

ここでは、目的の設計から振り返りまで、研修を実施するための6つの手順について解説します。

研修の目的と解決すべき課題を明確にする

研修の目的と解決すべき課題を明確にする

研修の実施にあたって、最初に取り組むべきなのが「なぜこの研修を行うのか」を明確にすることです。上層部からの指示や例年の慣習だけを理由に進めてしまうと、現場の課題と研修内容がかみ合わず、期待した成果につながりにくくなる可能性があります。まずは自社が抱える課題を洗い出し、その解決手段として研修が本当に適切なのかを検討する必要があります。

Schoo授業『研修設計をする前にパフォーマンスGapに着目しよう』に登壇する森田晃子先生は、研修を行う理由を明確にすることの重要性を解説しています。「本当に研修が必要なのか」「現場のどのパフォーマンス課題を解決するのか」を確認することが、効果的な研修設計の出発点です。

対象者と到達目標を設定する

目的と課題が明確になったら、次に研修の対象者と、到達目標を設定します。

対象者は、新入社員・若手社員・管理職といった階層や、特定の職種・部署など、解決すべき課題に応じて絞り込みます。「新入社員が配属後、早期に業務に適応できる」など、目的によっては対象者が自然と定まるケースもあるでしょう。一方、DXやリスキリングをテーマにした研修など、目的によって対象が大きく変わるものもあります。対象が曖昧なまま内容を組み立てると、誰にとっても中途半端な研修になってしまうため注意が必要です。

到達目標を設定する際は、研修直後に何を理解しているかだけでなく、職場に戻った後にどのような行動ができるようになっているかまで定義することが重要です。これにより、研修内容の方向性が定まり、実施後の効果測定もしやすくなります。

研修内容・実施方法・講師を決定する

到達目標が定まったら、それを実現するための具体的な研修内容と実施方法、講師を決めていきます。

研修内容は、目標から逆算して「何を学べばその状態に到達できるか」という観点で組み立てます。実施方法については、オンライン・オフラインの違いや、OJT・eラーニングなどとの組み合わせを加味しつつ、対象者や目的に合った形式を選択します。必要に応じて、各種の研修形式や職場での実践や振り返りを組み合わせ、学習内容を現場で活用できる設計にすることも重要です。

講師は、社内の知見を活かせる内部講師と、専門性や客観性を持つ外部講師のどちらが適しているかを、テーマや目的に応じて判断しましょう。

教材や会場、受講案内などを準備する

研修の骨格が固まったら、実施に向けた具体的な準備を進めます。教材やテキスト、スライド資料、ワークで使うシートなどを用意し、内容に過不足がないかを確認します。集合研修であれば会場の手配や備品の準備、オンライン研修であれば配信ツールや接続環境の確認が必要です。

あわせて、対象者への受講案内も欠かせません。日時・場所・持ち物といった事務的な連絡だけでなく、「なぜこの研修を受けるのか」という目的を事前に伝えておくと、受講者の当事者意識を高めやすくなります。運営をスムーズに進めるための進行台本やタイムスケジュールも、この段階で整えておくと安心です。

研修を実施する

準備が整ったら、研修を実施します。実施当日は、計画した内容を進めることに加えて、受講者の理解度や反応を見ながら柔軟に進行することが大切です。

一方的な講義に終始すると、受講者が受け身の姿勢になりやすいため、グループワークやディスカッション、ロールプレイングなどを取り入れ、受講者自身が考え、実践する機会を設けることが重要です。

また、研修の冒頭で目的やゴールを改めて共有しておくと、受講者が何のために学ぶのかを意識しながら参加しやすくなります。運営側は進行管理だけでなく、受講者が安心して発言・参加できる場づくりにも気を配りましょう。

研修効果を測定し、改善点を整理する

研修効果を測定し、改善点を整理する

研修は実施して終わりではありません。効果を測定し、結果を次回の改善へとつなげることで、研修の質を継続的に高めていくことができます。効果測定は、人材育成のPDCAサイクルを回すためにも、研修の投資対効果を経営層やステークホルダーに説明するためにも重要なプロセスです。

Schoo授業『企業研修の進め方 設計と効果測定のコツ』に登壇する深田浩嗣先生は、研修の効果を考えるうえで「トレーニングゴール」と「パフォーマンスゴール」を区別する重要性を解説しています。トレーニングゴールは、研修直後に受講者が何を理解しているかという短期的な目標です。一方、パフォーマンスゴールは、学んだことを職場で実践し、行動が変わったかという中長期的な目標を指します。

また、同授業では「測定」と「評価」の違いも説明しています。測定は、受講率や理解度、アンケート結果などの客観的な事実を捉える行為です。一方、評価は、その測定結果をもとに、研修の目的に照らして良し悪しを判断する行為です。満足度アンケートの結果だけで研修の成否を判断するのではなく、当初の目的や到達目標に照らして結果を振り返り、改善点を次回の研修企画に生かすことが大切です。

 

06研修で学んだ内容を現場で活かすためのポイント

研修で学んだ内容は、実務で使う機会がないままだと定着しにくくなります。研修から一定期間後にフォローアップの機会を設け、学んだ内容の振り返りや、現場で実践してみた結果の共有を促すとよいでしょう。上司との1on1や面談の場で、研修内容をどのように業務に活かしているかを確認することも、学びの定着を後押しします。

また、研修内容に関連する業務を受講後に任せる、学んだフレームワークを使って実際の課題に取り組んでもらうなど、アウトプットの場を意図的に用意することも重要です。受講者が新しい行動を試みた際には、上司や先輩が適切にフィードバックし、現場での実践を支援することで学びを行動変容につなげやすくなります。


 

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07まとめ

企業研修は、従業員のパフォーマンス向上やイノベーションの創出、変化に対応するためのスキル習得など、組織の持続的な成長を支える戦略的な投資です。効果的な研修にするには、まず「なぜ研修を行うのか」という目的と解決すべき課題を明確にすることが大切です。そのうえで対象者や到達目標を定め、内容・手法・講師を設計していきましょう。

また、研修は実施して終わりではありません。効果を測定して改善につなげ、学んだ内容を現場で活かす機会を設けることで、成果に結びつきやすくなります。本記事を参考に、自社の課題に合った研修を設計し、人材育成の質を高めていきましょう。

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この記事を書いた人
Schoo編集部
Editor
Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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