研修の目的・ねらいはどう設定する?企業の人材育成における研修のポイント

国際競争の激化によって人材不足が叫ばれる昨今、人材育成はどの企業にとっても課題となっています。研修を計画し実施する育成担当者の方の中には、研修の結果や費用対効果を求められる機会が増えたと感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。どのような研修をどのタイミングで行えばよいのかなど、研修を行う前に考えなければならないことは多くありますが、今回は研修の目的や目標の立て方、両者の違いや目的に合わせた研修の行い方などを解説します。
- <目次>
- 1.研修の目的とは
- 何のために行う研修かを明確にする
- 研修の目的と目標の違い
- 研修の目標設定のポイント
- 2.目的に合わせてどのように研修を行うべきか
- OFF JTによる集合研修
- OJTによる職場内研修
- 各自のペースで学ぶオンライン研修
- 部署を変えて行うジョブローテーション研修
- 3.Schooが提供する企業向け学習パッケージ
- Schooのサービスの特徴
- Schooの研修パッケージの紹介
- まとめ
1.研修の目的とは
何のために行う研修かを明確にする
研修を計画する前にまず行うべきなのは、研修を行う目的を明確にするということです。目的が明確にならないまま研修を計画してしまうと、受講者のニーズに合わない内容の研修を実施してしまう可能性があります。
受講者側も学びの少ない研修を受けることになれば不満が高まりますし、コストをかけている分企業の負担も無駄になりかねません。ですから、研修を計画する際には必ず研修の目的を設定しなくてはならないのです。
研修の目的と目標の違い
研修における目的と目標はよく混同しがちですが、まずはこの2つの違いをはっきりさせておきましょう。
まず「研修における目的」は、受講者の行動変容つまり受講者が研修で得た学びを元に行動改革を行い、実際の職場で活かせるようになることです。
そして「研修における目標」とは、先ほどの「研修における目的」を実現させていくためにやるべきことやあるべき姿をあらわしたものです。
例えば対象が新入社員の場合に、研修の目的を、社会人として求められる基本的なスキルを身につけ職場でも実施できる状態にすること、と設定したとします。それに対する目標は、「時間管理ができるようになる」「基本的な書類作成ができる」「報連相がスムーズに行える」などより具体的に設定します。
この具体的に設定された目標がすべて達成されれば、研修の目的が達成されたことになります。
研修の目標設定のポイント
研修において有効な目標設定を行うには、押さえるべきポイントがあります。代表的なものを3つご紹介します。
1つ目は目標設定の前に問題の洗い出しをするということです。
問題を見つけるために重要なのは、目的達成のための要素を身につけた状態であるゴール地点と現状のスタート地点の差を認識することです。問題を洗い出すことで、研修で何を解決すべきなのかを明確にした上で目標設定することができます。
2つ目は解決すべき問題の優先順位をつけるということです。一度の研修で全ての問題を解決しようとすると広く浅い内容になってしまいがちです。その結果、受講者の学びの定着度が低く行動改革にもつながらなかった、ということになりかねません。
問題の優先順位をつけて目標設定をすることで、より有効な研修をすることが可能になります。
3つ目は行動目標を立てるということです。行動目標とは文字通り行動につながる目標のことを指します。
1章で目標は目的に対してより具体的に設定するということを述べましたが、大切なのは達成期限と数値目標を含むものにするということです。
数値としての目標を入れることが難しい場合は、達成基準が明確な「〜をできるようにする」という目標設定でも構いません。例えば、「今期中にマニュアルを見ずに一人の力で、◯◯の業務を遂行することができる」というような目標設定です。
達成期限と達成基準を明確にすることによって、行動変革につながる目標設定をすることができます。
部下の行動変容に関するSchooのおすすめ授業:行動変容を促す働きかけのコツ

複数の部下を持ち、マネージャーとして活躍されている方や、チームのリーダーとして活躍されている方などは、自分の想定していた通りにコミュニケーションが取れずに悩んだ経験があるのではないでしょうか?この授業では、「行動変容を促す働きかけの手法」と題して、他者を動かすコミュニケーションの手法をケーススタディを通した実践形式で学べます。
1989年、千葉県八街市生まれ。東京理科大学工学部卒。2012年4月、ディー・エヌ・エー入社。大型IPタイトルのゲーム企画・開発業務に従事。その後、プラスティー教育研究所に参画、コンテンツ事業を掌管。法人や教育現場に対し、「人が動くコミュニケーション」として「構造化」「見える化」の切り口で講演を手掛ける。株式会社2.1では、チームの生産性が向上するマニュアル整備研修の講師としてコンテンツ制作より携わる。著書に『ゲーミフィケーション勉強法』(講談社)。メディア掲載に『AERA with Kids』『日経DUAL』など多数。
2.目的に合わせてどのように研修を行うべきか
OFF JTによる集合研修
OFF JT(集合研修)は、言葉の通り大勢の受講者を一つの同じ場所に集めて行う研修のことを指します。
OFF JTのメリットは、基本的な概念やスキルなど共通した事柄を伝えるのに適しているということです。例えば新入社員に対して会社の理念や行動指針を伝えるなど、社会人に必要な考え方やマナー、PCスキルなどの研修には集合研修が適しています。
OJTによる職場内研修
OJT(職場内研修)は、OFF JTとは違い職場内で行われる研修のことです。多くの場合、職場内に教育を担当する人が設置され、上司や先輩社員が担当します。
集合研修とは違い、それぞれの職場に応じた専門的な教育を行うのに適しており、多くの企業がOJTによる研修を取り入れています。
新入社員育成に関するSchooのおすすめ授業:新人の力を引き出すOJTとメンタリングの方法

「どうすれば仕事を覚えてくれるんだろう」「なぜあの子はやる気になってくれないのかな…」など、OJTトレーナーやメンターとして活動している中で、感じている困ったことや悩みがある研修担当者の方も少なくないと思います。そこで今回の授業では、「なぜOJTがうまくいかないのか」「OJTやメンタリングをどのように進めれば良いのか」ということを、全2回の授業を通じて学べます。
ICU 国際基督教大学 卒業。中小企業診断士。 芸能プロダクションの株式会社アミューズに新卒入社。アイドルやダンスグループのマネジメントに携わる。 その後、Webインテグレーション国内最大規模のIMJ Groupに転じ、Web広告プランナー、人事、経営企画、新規事業開発など、Webの最前線で幅広く経験を積む。 現在は、テクノロジーの分かる中小企業診断士として、エンタメ業界やクリエイティブ業界での起業や事業成長をサポートしている。
各自のペースで学ぶオンライン研修
インターネットを利用して、オンライン研修なども取り入れる企業が増えています。
オンライン研修の特徴は、集合研修のように一箇所に人を集めなくても、各自の好きな時間・好きな場所で学ぶことのできる機会を提供できることです。様々なデバイスに対応しているコンテンツも増えているため、各自の持つPCやタブレット、スマホを利用して学習することができます。
オンライン研修は、OJTやOFF JTの補助的な役割として活用できるだけでなく、個人のスキルアップとして新しい知識やスキルを取り入れることにも適しています。
部署を変えて行うジョブローテーション研修
机上で得た知識だけでなく、現場のことをより深く理解していくために、ジョブローテーションを実施するのも有効です。
ジョブローテーションでは一定期間自分の職場を離れ、一時的にそれまでとは異なる部署に所属し実務を行います。様々な部署で実務を経験することによって、広い視野を身につけることを目的としています。
3.Schooが提供する企業向け学習パッケージ
Schooのサービスの特徴
schooビジネスプランでは、動画配信という形でさまざまなニーズに応えられる授業を提供しています。
授業には各業界における第一人者や著名な専門家の方々にご登壇いただき、ビジネス現場での経験に基づいた事例などを具体的に教えてくださいます。最前線の情報が入手できることも多く、すぐにビジネスに活用していくことができます。
さらにSchooのeラーニングでは、受講者はチャットなどを通じて講師に直接質問をすることもできます。eラーニングであっても、実際の研修を受けるのと限りなく近い状態で学習でき、受け身型の学習にとどめない仕組みがあるところがSchooの特徴です。
デバイスや時間、場所に制限されないため、研修の時間を調整するなどの手間は不要で受講する人に合わせた学習スタイルを提供できます。
Schooの研修パッケージの紹介
さらにSchooの研修パッケージでは、階層別・職種別・テーマ別で研修パッケージをご用意しています。
例えば入社して間もない新入社員向け研修では、ビジネスマナーやマインドセット、ロジカルシンキングに関する授業の他、社会人として必須のPCスキルであるPowerPoint、Excel、Wordの操作方法や資料作成の方法など、新入社員に求められる要素が学べるコンテンツが揃っています。
階層別に必要なコンテンツがわかりやすいため、コンテンツ選びで迷うことなく、効率的に学習することが可能です。
まとめ
- 研修を行う前には、必ず研修を行う目的を明確にすべき
- 研修の目的とは受講者の行動変容であり、研修の目標とは研修の目的を達成するための具体的な行動のこと
- 研修は、目的に合わせてOFf JT、OJT、オンライン研修、ジョブローテーションなどの種類がある
- Schooが提供する研修パッケージは、階層別・職種別・テーマ別で設定されており、各自に最適なコンテンツを選び学習することができる
集合研修・OJTによる人材育成を加速させる。
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動画学習を活用することで事前に業務に関する知識をインプットをした上で、集合研修やOJTに臨むことができます。
それにより集合研修やOJTの場は知識の定着を図ったり疑問点を解決したりといった時間に充てることができ、 研修をより効果的に行うことが可能です。
ビジネスマナーやコミュニケーション力などの基本スキルから、営業・プログラミング・デザインなどの実務スキルまで学べるので、自発的に学び成長していける人材の育成促進につながります。