更新日:2026/04/29

人事企画とは?役割や仕事内容、求められるスキルも紹介

人事企画とは?役割や仕事内容、求められるスキルも紹介 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

人事企画とは、企業の経営戦略実現のため、人材の採用・配置・育成などを戦略的に計画・実行する業務を指します。具体的には、経営目標に基づき人事戦略を策定し、公正な評価・報酬制度の設計や研修の企画といった施策を立案・実行します。人的資源を最大限に活用して企業の競争力を確保し、成長を支えるこの重要な役割について、本記事ではその仕事内容や求められるスキルなどを詳しく解説します。

 

01人事企画とは

人事企画

人事企画とは、企業の経営戦略を実現するため、経営目標に基づき人事戦略を策定する仕事です。具体的には、人材の採用・配置計画、社員の能力開発を目的とした研修の企画、公正な評価・報酬制度の設計や運用といった施策を企画立案・実行します。

Schoo for Businessの授業『はじめての戦略人事~もし戦略人事の責任者に就任したらどうする?~』に登壇する松岡保昌先生は、「企業の戦略と人事は切っても切り離せない関係」だと解説しています。企業戦略を実行するのは人であり、かつ人は急には変われないことから、短期の戦略は組織に左右されやすい傾向があります。一方、中長期の目線で戦略を実現するために組織を運営するという観点からは、組織は戦略に従います。このように人事企画は、人的資本を最大限に活かし、企業の競争力向上や持続的な成長を支える重要な役割を担います。

人事企画の役割

人事企画の役割は、主に以下の4つがあります。

  • ・経営戦略と人事戦略の橋渡し
  • ・組織課題の発見と解決
  • ・組織風土の醸成
  • ・人材価値の最大化

経営戦略と人事戦略の橋渡し

人事企画における「経営戦略と人事戦略の橋渡し」とは、まず経営層が描くビジョンや経営戦略を深く理解することから始まります。次に、その戦略目標を達成するために、どのような人材や組織体制が必要になるかを分析し、具体的な採用計画、人材育成プログラム、最適な人員配置といった人事施策へと落とし込む役割を担います。抽象的な経営目標を「人」という経営資源の観点から実行可能な計画へと変換し、事業の成功を支えることが重要な役割です。

組織課題の発見と解決

人事企画は、組織全体が健全に機能しているかを常にモニタリングし、問題の把握に努める役割も担います。従業員へのインタビューや各種データの客観的な分析を通じて、組織の現状を可視化します。これにより、社員のエンゲージメント低下や部署間の連携不足といった、表面化しにくい潜在的な課題を先取りして発見し、解決に向けた施策を企画・実行していきます。

組織風土の醸成

企業のビジョンやミッションを組織に浸透させ、社員の行動の拠り所となる風土や文化の醸成を促すことも、人事企画の役割です。組織の風土・文化は、従業員の間に流れる「空気」や「共通の価値観」として共有されていることも多く、必ずしも明文化されているものではないため、コントロールすることは容易ではありません。組織の制度や構造だけでなく、従業員の行動やコミュニケーションへのアプローチなど、複合的な打ち手が求められます。

▶︎関連記事:組織風土とは|組織文化との違いや改革に必要なことを紹介

人材価値の最大化

人材価値の最大化とは、従業員一人ひとりが持つスキルや能力、潜在性を最大限に引き出し、企業の持続的な成長につなげていくことです。その実現には、経営戦略から逆算して必要な人材要件を明確にし、従業員それぞれの強みや適性を踏まえた配置・育成を行うことが求められます。加えて、必要なスキルや知識の獲得を促す研修などを設計し、従業員の成長を継続的に支援することも重要です。


 

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02人事企画の仕事内容

人事企画の仕事内容は、主に以下の4つがあります。

  • ・人事戦略の策定
  • ・人事制度の設計・運用
  • ・組織開発
  • ・人材育成・能力開発の企画

人事戦略の策定

人事企画は、企業の経営戦略や事業戦略を実現するための、具体的な人事戦略の立案を担います。そのためにはまず、企業のビジョンや中長期計画、事業展開の方向性を深く理解することが求められます。その上で、戦略達成に必要な人材ポートフォリオの策定、部門ごとの最適な人員管理、人件費計画などを立案し、採用・育成・配置といった施策に落とし込みます。

人事制度の設計・運用

等級制度、評価制度、給与制度といったさまざまな人事制度を設計・運用することも、人事企画の重要な仕事です。人事制度は、従業員の評価や処遇に直接影響するだけでなく、社員の成長やキャリア形成にも関わる重要な仕組みです。また、制度を通じて「どのような人材を評価するのか」「どのようなキャリアの選択肢があるのか」が明示されるため、企業の価値観や人材マネジメントの方針を示す一要素でもあります。

組織開発

組織開発とは、従業員同士の関係性や相互作用、風土に対してアプローチを行い、チーム力の最大化を図る取り組みです。人事制度や組織構造が企業における「ハードウェア」であれば、組織開発は社内の人間関係や相互作用という「ソフトウェア」へのアプローチと言えるでしょう。環境変化が激しい現代においては、柔軟性高く主体的に行動できるチームが求められることから、組織開発の重要性も高まっています。

▶︎関連カリキュラム:組織開発研修パッケージ(Schoo for Business)

人材育成・能力開発の企画

「人材育成・能力開発の企画」とは、企業の経営戦略や事業目標の達成に貢献できる人材を育成するための計画を立案・実行する役割です。具体的には、各職種に求められる専門性に応じたキャリアパスを想定し、教育研修体系を整備します。また、従業員一人ひとりのキャリア形成を支援するスキルアッププログラムを設計し、個人の成長を組織の成果につなげる仕組みを作ることが重要です。

 

03人事企画に向いている人の特徴

人事企画に向いている人の特徴には、主に以下の4つがあります。

  • ・ビジネス感覚がある
  • ・数字に強い
  • ・周囲を巻き込んで推進できる
  • ・倫理観がある

ビジネス感覚がある

人事企画は、経営戦略の実現を組織の面から支えるため、自社の事業モデルや収益構造といったビジネスの根幹を理解している必要があります。こうした事業理解があることで、どの領域に人材投資を行うべきか、また優先順位を判断しやすくなります。事業成長に貢献する人事施策を立案するために、ビジネス理解は不可欠な視点です。

数字に強い

人事施策を効果的に実行して経営戦略の実現につなげるためには、それぞれの施策の狙いや目的を明確にし、客観的な振り返りを行いながらPDCAを回すことが重要です。一方、組織向けの施策は「売上」や「利益」などの分かりやすい定量指標では効果が測りづらいこともあります。そのため、施策によって影響を受ける指標を特定し、KPIや目標水準を設計できる力が求められます。

周囲を巻き込んで推進できる

人事企画が立案する施策は、評価制度の改定や組織改革など、全社に影響を及ぼすものが多く、人事部だけで完結するものではありません。そのため、経営層や現場の従業員など、さまざまな立場の人々を巻き込み、協力を得ながら推進する必要があります。関係者からの納得と信頼を得ながら、組織全体を一つの方向へ動かしていくリーダーシップや合意形成力が欠かせません。

倫理観がある

人事企画は、社員の評価や処遇といった個人のキャリアに直結する重要な制度を扱います。そのため、あらゆる施策の策定・運用には、公正さと説明可能性が求められます。高い倫理観は、特定の個人の感情や利害に流されず、全社員に対して公平・公正な判断を下すための基盤となります。たとえ経営層が相手であっても、法令や社内規程、職業倫理に照らして適切に意見を述べる姿勢が、社員からの信頼を得る上で不可欠です。


 

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04人事企画に求められるスキル

人事企画に求められるスキルは、主に以下の5つがあります。

  • ・戦略的思考
  • ・本質思考・課題設定力
  • ・コミュニケーション能力・巻き込み力
  • ・企画力・構想力
  • ・データ分析力

戦略的思考

戦略的思考は、企業の経営戦略を実現するための人事戦略を立案する上で欠かせません。経営者が描くビジョンや事業戦略を深く理解し、それを実行するためにはどのような組織や人材が必要かを考え、具体的な施策へと落とし込む必要があるからです。感覚に頼るのではなく、未来を見据えてデータや数値に基づき理論立てて企画することで、企業の持続的な成長を人的資源の側面から支えることができます。

本質思考・課題設定力

人事企画は、経営戦略の実現に向けて「組織」に向き合います。一方、「組織」と一口に言ってもその範囲は広く、どの領域に優先的にアプローチすると最も効果的なのかを判断するには、高度な課題設定力が求められます。例えば、経営戦略の中で「3年後に海外売上比率50%」という目標があったとします。人事企画の観点では「海外事業を牽引するリーダーの採用」「次世代を担う若手の離職率を下げる」「挑戦を促す文化を醸成する」など、さまざまな課題の立て方が考えられます。事業や組織の現状を解釈し、どの領域にどの程度の予算と時間を投じるべきかを見定める力は、事業成果や組織パフォーマンスを大きく左右し得る要素です。

コミュニケーション能力・巻き込み力

評価制度の改定、等級制度の見直し、組織改革など、人事企画が手がける施策の多くは、全社を横断して影響が及びます。そのため、経営層・現場・他部署のあいだで立場や温度感の違いを調整する力が、施策の成否を大きく左右します。実務で意識したいのは、同じ施策について立場ごとにメッセージを設計し直すことです。例えば経営層には事業インパクトとKPI、現場には日々の業務への影響と運用負荷、他部署には連携上の役割といった具合に、関心事に合わせて語り方を変える必要があります。

企画力・構想力

人事企画には、既存の制度を運用するだけでなく、組織の未来を見据え、これまでの枠組みにとらわれずに新しい人事施策を生み出す企画力が求められます。目まぐるしく変化する事業環境や労働市場に対応するためには、前例踏襲だけでは不十分なことも少なくありません。また、他社の成功事例を単に模倣するのではなく、自社の経営戦略や風土に合わせて最適な施策を創造的に構築する必要があります。

データ分析力

データ分析力

一般に、営業やマーケティングなどの定量成果が分かりやすい部門に比べ、人事領域は経営へのインパクトや成果が数字で示しづらい傾向があります。一方、近年は業務のデジタル化が進んだことなどにより、人事領域におけるデータも収集・活用の余地が高まっています。Schoo for Businessの授業『人事領域における「意識の変化」と人事データを使った最先端の仮説構築・検証方法を学ぶ』に登壇する小川高子先生は、データ活用を行う最大のメリットとして、あやふやな意思決定になることも多い人事領域を科学的に捉え、より良質な判断へつなげられることだと紹介しています。従業員サーベイや勤怠、人事評価といった社内に蓄積されたさまざまな人事データを分析することは、組織が健全に機能しているかのモニタリングや、課題の把握に活かすことができるでしょう。

 

05人事企画のスキルを向上させるためには

人事企画のスキル向上には、体系的なインプットと、現場での実践を往復することが有効です。

まず社内で始められる取り組みとして、自社の中期経営計画を読み込み、3〜5年後に必要となる人材要件を書き出してみることが挙げられます。また、有価証券報告書で開示されている人的資本情報(女性管理職比率・男性育児休業取得率・男女間賃金格差など)について、自社の数値と前年との差分を並べ、経営層に報告・共有できる形に整理することも有効です。

次のステップとして、経営層との対話の機会を設計する、事業部の中期計画策定に人事として参加する、社外の人事コミュニティや勉強会で他社事例を持ち寄るといった取り組みを重ねていくことで、経営と現場の双方の視点が広がっていくでしょう。こうした実践と、戦略人事やピープルアナリティクスに関する体系的なインプットを並行させると、学びが業務に接続しやすくなります。


 

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06Schooの講座が人事企画のスキルをサポート

Schoo for Business

オンライン研修/学習サービスのSchoo for Businessでは約9,000本の講座を用意しており、DXほか様々な種類の研修に対応しています。

受講形式 オンライン
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人事企画のスキル向上に役立つ講座

ここでは、Schoo for Businessの講座から、人事企画のスキル向上に役立つ講座を紹介します。

人事課題探究

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この授業では、採用・育成・組織開発など複雑化・多様化する人事の仕事において、「知識を現場でどう活かして判断すればよいのか」という「もやもや」を出発点に、人事の本質を探求します。毎回専門家をゲストに招き、実務家と研究者の視点を行き来しながら、対話を通じて少しずつ視野を広げていきます。

  • 旭化成株式会社 人事部 人財・組織開発室室長

    日本生命・リクルート・富士ゼロックスを経て、2019年11月に旭化成株式会社にキャリア入社。入社以来、人事部人財・組織開発室に所属し、お互いの挑戦や成長を支援する企業文化の強化に向けて、旭化成グループ全体の人財育成施策の企画推進や自律型学習プラットフォームCLAPを導入し、新たなラーニング施策の展開を推進中。

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はじめての戦略人事〜もし戦略人事の責任者に就任したらどうする?〜

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本授業では戦略人事の考え方、アクションの起こし方について考えていきます。人事職についており、戦略人事の基本的な考え方を知りたい方におすすめの授業です。

  • 株式会社モチベーションジャパン 代表取締役社長

    人の気持ちや心の動きを重視し、心理面からアプローチする経営コンサルタント。リクルートでは組織人事コンサルタントとして活躍。ファーストリテイリングでは執行役員人事総務部長を歴任。現在は株式会社モチベーションジャパンを創業。著書『人間心理を徹底的に考え抜いた「強い会社」に変わる仕組み』(日本実業出版社)

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ホンネから始める 人事の課題整理

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この授業では、インターネット調査で回収した人事担当者300名へのアンケート結果をもとに、共通で抱える「放置しがちな悩み」を浮き彫りにします。そして、アンケート結果を4象限で図式化し、洗い出されたお悩みに対する解決策を考えていきます。

  • HRプランニング研究所 代表

    2003年大学院修了後、外資系コンサルティングファームでSEとして勤務。その後、一貫して複数の大手上場企業で人事(HRBP)担当。2015年に「HRプランニング研究所」を立ち上げ、人事コンサルタントとして企業を対象にメンタルヘルス施策やHRIS選定支援を行う。2023年から厚生労働省の研修効果測定委員として活動中。

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データ活用する人事が行う組織課題がわかる論点整理

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本コースでは、データ分析を行う人事担当者やピープルアナリティクスのプロフェッショナルが実践しているデータ分析の方法をご紹介いたします。理論だけではなく人事データを活用している企業実例を紹介しながら、人事データの活用方法や自社で行うイメージをご紹介します。

  • 株式会社メルカリ HR Operations Manager

    大学卒業後、エン・ジャパン株式会社へ入社。複数の転職サイトのPdMを経験後、2018年3月に株式会社メルカリへ入社。HR Operations Managerとして人事プロセスを構築するHR Information System、人事データ活用を推進するHR Data Managementを統括。HR Techの導入、Employee Experienceの改善、人事データ分析基盤の構築等を担当。

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07まとめ

人事企画とは、企業の経営戦略を実現するため、人事戦略を策定する重要な仕事です。経営と人事の橋渡し役として、組織課題の発見・解決や人材価値の最大化といった役割を担い、人事制度の設計や人材育成の企画などを通じて企業の成長を支えます。また、人事企画には戦略的思考やデータ分析力などの専門スキルに加え、多様な関係者を巻き込む力や高い倫理観が不可欠であり、常に専門性を磨き続けることが求められます。

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この記事を書いた人
Schoo編集部
Editor
Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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