研修テーマを決める重要性とは?選定する方法や研修テーマを紹介

社内で毎年おこなう研修は、果たして効果的なのか疑問に思ったことはないでしょうか。 研修を効果的なものにするかどうかは、講師や教材の質ではなく、研修テーマに問題がある場合があります。 この記事では効果的な研修方法や研修テーマの決め方について分かりやすく紹介します。
- 01.研修テーマをしっかり決めないと起こる問題
- 02.研修テーマの決め方
- 03.研修方法は主に3つ
- 04.人気のある研修テーマ
- 05.研修スタイル
- 06.研修設計に役立つSchooのオンライン研修
- 07.まとめ
01研修テーマをしっかり決めないと起こる問題
研修を実施するにあたって、そのテーマが明確に決められていなければ、今後の人材育成において様々な問題が生じます。どのようなことがあるのでしょうか。外部委託するにしても研修テーマをしっかり決めておかなければ、人材育成に関して様々な問題が発生する可能性があります。
会社が意図しない方向への社員の育成
まずは社員が会社の意図しない方向へ向かって成長するという点です。人材育成は事業内容におけるニーズに合わせた人材育成プランに合わせて社員を育成しなければなりません。そのために、企業に求められるニーズに適合した理想の人材像を作り、社員には理想に向けてどんなことを学んでもらい、どう成長してもらうかを整理します。 このようにして整理した結果にもとづいて研修テーマを決めなければ、会社が意図しない方向へ社員が育成されてしまいます。
実際に戦力となる社員が育成できない
会社の業務に合わせて研修内容を考えなければ、実際に戦力となる社員が育成できない可能性があります。 例えば新人研修の場合、企業の経営方針や、他の社員の状況などによりどのような人材がどのくらい欲しいのかが毎年異なってきます。ある分野の顧客ニーズが増えたことで今の人員では対処できないという状況の時に、その分野に適した社員を育成しなければなりません。 顧客ニーズと社員の状況を見ながら、本当に必要な能力を研修で伸ばすことができるように研修テーマをしっかりと選びましょう。
02研修テーマの決め方
研修テーマの決め方は抽象的なことから順番に考えていき、徐々に具体化していくという考え方が一般的です。まずはどのような人材が会社にとって理想なのかを決めた上で、その理想に少しでも近づくにはどのようにしたら良いのかを考えていく必要があります。
会社としての人材育成の理念
まず重要なのが会社としての人材育成の理念や思想です。企業であれば経営理念や経営方針等が必ずあり、その経営理念の実現を支えているのが企業に働く人材です。自社の経営理念は、どのようなものなのかをまず確認しましょう。
どのような人材のニーズがあるかを整理
次に実際の業務でどのような人材のニーズがあるのかを整理しなければなりません。どのような人材がどのくらい必要なのかは、採用を決める段階である程度は決まっている場合が多いですが、完璧に理想通りの人材はなかなかやってきません。そこで、会社としては研修や実際の業務の経験によって少しずつニーズに応えられる人材へと育てていきます。
期待される人材像の確立
必要な人材のニーズを整理できたら、そのニーズに応えるための人材像はどのようなものなのかを確立していきます。会社としてはその理想の人材像に向かって研修や経験を積み重ねて1人でも多くの社員を育てていくということを目指すということになるでしょう。
具体的な研修計画を立てる
最後に具体的にどのように研修をおこなっていけばいいのかを研修テーマや期間、研修にかける予算等を含めて研修計画を立てていきます。企業理念から順番に考えていけば、効果のある研修テーマを見つけることができるでしょう。
03研修方法は主に3つ
研修の方法としては主にOff-JT(職場外教育)、OJT(職場内教育)、自己啓発(SD)の3つがあります。それぞれメリットとデメリットがあり、企業の業務に合った人材育成によって適宜選択していきましょう。
Off-JT(職場外教育)
Off-JTは職場の外に行って教育を受けるという研修です。具体的には研修会社の主催する法人向け研修や、セミナー等に参加して仕事について学ぶことです。 メリットとしては職場を離れることで幅広い業界の人と関わることにより、視野が広くなる点です。また、会社としては研修内容について準備をする必要などもないため、研修の実行や具体的な研修内容を考えることなどについて人員を割く必要がありません。 デメリットとしては外部機関を利用するため費用がかかるということです。また、外部に委託しているため、学んだことを実務で生かすのには個人差が出てしまった時に誰がどのくらい理解しているのかが分かりにくくなってしまうこともあります。
OJT(職場内教育)
OJTは職場内教育という意味で、通常の企業研修としてよくイメージされるのはこちらです。 OJTのメリットは実際の業務に合わせて研修ができるという点と、個別指導ができるため個々のレベルに合わせて指導ができるという点です。 デメリットとしては、研修方法や教育方法についてアンケートを集計したり分析したりして、常に改善をしていかなければならないという点で、研修のためだけのチームを作る必要もあるでしょう。
自己啓発(SD)
ビジネスにおいての自己啓発というのは、従業員が自らの意思でスキルなどを学ぶということです。一般的には会社の業務の最中に空いてる時間に、会社の専用サイトやe-ラーニング用のサイトにアクセスし学ぶということが多いです。 自己啓発のメリットとしては、会社は研修の時間を特別に設ける必要がないという点で、多くの企業では業務の合間に毎月ある程度のeラーニングを課している企業もあります。 デメリットとしては、繁忙期や人手不足で空いてる時間がない時はできないという点です。常に人が忙しく動き回っているという職場では、導入は難しいかもしれません。
04人気のある研修テーマ
人気のある研修テーマはどのようなテーマがあるのでしょうか。人気がある研修テーマというのは、実際にやってみて効果的だという場合と、やっていて社員からの評判が良いという場合があります。人気があり仕事にも有効な研修をテーマをいくつか紹介します。
仕事術関係
仕事術関係の研修は、特に新人研修ではなく、ある程度業務に慣れたベテラン社員に人気の研修です。 仕事の効率的な働き方や、業務の時間を短縮する方法などの研修は、通常の働き方を知っているからこそ研修を終えた後の満足感は高いものとなります。 また、パソコンや機械などを使う仕事の場合、業務で使う専門性や専門スキルを学ぶための研修もあり、業務をするうえで必要不可欠な研修です。
コミュニケーション研修
コミュニケーション研修は参加者とコミュニケーションをとりながら、業務に必要なことを学んでいく研修です。講義型の研修と違って実際に周りにいる人たちと会話をしながら研修をしていくため楽しみながらできる研修となります。社内での人間関係も円滑なものとなり、チームワークも向上することが期待されます。
マネジメント研修
マネジメント研修には2つの意味があり、コーチングや自己管理についての研修です。 自己管理については効率的なスケジュールの立て方や、情報の整理の仕方などを学ぶことになります。新人研修でも社会人として効率良く仕事をして、プライベートも充実させる方法を学べるため人気です。会社としても、社員のストレスケアにもなり、優秀な人材を確保できるきっかけとなります。 コーチングの研修では部下に対してどのように指導するのが効果的なのかなどを学ぶ研修で、次期リーダーやマネジメント層を育成するための研修です。優秀な社員を育成するにはまず優秀な上司の存在が必要なため、社内の人材育成にも繋がります。
メンタルヘルス研修
メンタルヘルス研修は心の健康を守るために行う研修です。社員の数が50名以上の企業ではストレスチェックが義務となっており、メンタルヘルス対策への関心が年々高まっています。ストレスを与えないようにするにはどうしたらいいのか、あるいは、ストレスを解消するにはどうしたらいいのかということに関しての研修です。
05研修スタイル
研修スタイルとしては主に3つあります。もちろん期間を長くすればするほど研修で学べるものは多いですが、研修の間にも給料が発生するため、研修にかかる費用などと比較してどのスタイルがベストなのかを考えなくてはなりません。
スポット研修
スポット研修は最大でも1日、短くて数時間で終わらせる研修のことです。 一般的には新人研修として行われることはなく、今まで教育研修を行ってこなかった企業が研修会社の主催する研修に参加したり、会社が時間を作って社員に説明しなければならない時などに用いられます。
シリーズ研修
シリーズ研修は3ヶ月などのある程度の長い期間を見て実施する研修のことで、新人研修によく用いられます。 シリーズ研修は長い期間行っているため、前回学んだことに関して振り返りをすることで教育効果が高まることが期待できる研修です。 しかし研修をする会社にとってはその間の人件費がかかったり、研修をするためのスペースも用意しなくてはならないため費用は高くなります。
合宿研修
合宿研修は宿泊を兼ねて一体感を持たせた研修です。合宿期間中に集中して考えてディスカッションすることで一体感が生まれ、チームワークも向上することが期待できるでしょう。また、宿泊型のため研修終了後に懇談会等の開催でコミュニケーションが深まり、社内の人間関係も円滑なものとなります。
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■資料内容抜粋
・大人たちが学び続ける「Schoo for Business」とは?
・研修への活用方法
・自己啓発への活用方法 など

06研修設計に役立つSchooのオンライン研修
Schoo for Businessは、国内最大級8,000本以上の講座から、自由に研修カリキュラムを組むことができるオンライン研修サービスです。導入企業数は2,700社以上、新入社員研修や管理職研修はもちろん、DX研修から自律学習促進まで幅広くご支援させていただいております。
Schoo for Businessの特長
Schoo for Businessには主に3つの特長があります。
【1】国内最大級8,000本以上の講座数
【2】研修設定・管理が簡単
【3】カスタマーサクセスのサポートが充実
研修設計に役立つSchooの講座を紹介
Schooは汎用的なビジネススキルからDXやAIのような最先端のスキルまで、8,000本以上の講座を取り揃えております。この章では、研修設計に役立つ授業を紹介いたします。
研修の組み立て方 ‐ 設計・実施・評価
多くの企業では毎年、研修が実施されているかと思います。一方で、研修の実施にあたっては前任者から引き継いだことを前年踏襲して行ってしまっているなど、少し惰性になってしまっているケースも見受けられます。 その中において、研修担当者としては「自社に適したより良い研修を作っていくにはどうしたらいいのだろう」という悩みも生まれてくるかと思います。 そこで、研修担当者のために研修の設計・実施・評価がデザインできるように、インストラクショナルデザイン(ID)をベースにヒューマンパフォーマンスインプルーブメント(HPI)、プロジェクトマネジメント(PM)の考え方を掛け合わせたビジネスインストラクショナルデザイン(BID)を基に研修の組み立て方について、講師2名のデモンストレーション形式で学んでいきます。
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サンライトヒューマンTDMC株式会社 代表取締役社長
熊本大学大学院 教授システム学専攻 非常勤講師。製薬業界での営業、トレーニング部門を経て、起業。HPIやIDを軸とした企業内教育のコンサルティングやインストラクショナルデザイナー、インストラクターを育成する資格講座の運営を行っている。IDの実践方法を提供してきた会社は100社、4,000名を超える。 主な著書:『魔法の人材教育(改訂版)』(幻冬舎、2017年)、『ビジネスインストラクショナルデザイン』(中央経済社、2019年)
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サンライトヒューマンTDMC株式会社 コンサルタント
修士(教授システム学)/インストラクショナルデザイナー。営業、人事企画、組織開発等、人と組織の成長に関わる仕事を経て現職。ラーニングプロセスコンサルタントととしてビジネスインストラクショナルデザインを軸とした企業内教育のコンサルティングやトレーニングの運営を行っている。皆様が目指す育成像をお伺いした上で、自ら学び、行動を変えていく人と、人を支える組織の育成をご支援します!
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サンライトヒューマンTDMC株式会社 コンサルタント
大学卒業後は、製薬企業に就職。営業を経験したのち、営業部門の教育研修の企画に取り組む。そこでBIDと出会い、自身の企業内教育でBIDを活用し効果を実感。BIDの導入・活用支援に携わりたいと思い現在に至る。アソシエイトコンサルタントととして現場の課題に紐づく研修が設計されること、研修が研修で終わらず、現場で確実に実行することを目指し、教育研修に携わる方々の課題や悩みに寄り添う支援を行っている。
※研修・人材育成担当者限定 10日間の無料デモアカウント配布中。対象は研修・人材育成のご担当者に限ります。
意欲が高まる学習目標デザイン
この授業では、学習することの自分なりの意義を見出すための目標設定の仕方について学びます。
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㈱LEBEN CAREER CEO ㈱MEXUS CCO
秋田県は男鹿市の生まれ。 大学卒業後、小売流通業界にて店舗運営責任者として従事。 前社退職後、東南アジアにて半年間のバックパッカー生活。 帰国後、製薬業界にて、人事戦略室、社長秘書室、人事総務業務に従事。 2014年に人材開発事業「LEBEN CAREER」を創業し、法人設立後は代表取締役に就任。 同社では「コーチングを受けたい・学びたい」というビジネスパーソン向けにコーチングサービスの『LCPコーチング』及び、コーチングスクール『LCPコーチングアカデミー』を運営。 株式会社MEXUSでは、CCOとしてパーソナルコーチングサービス『REEED』を企画運営。専門領域は、キャリア変革を目的とした行動変容的アプローチ。
※研修・人材育成担当者限定 10日間の無料デモアカウント配布中。対象は研修・人材育成のご担当者に限ります。
学習と業績目標のすり合わせ方
この授業では、社員個人の目標と会社の(業績)目標のすり合わせ方について学びます。 人的資本経営が2022年から注目を浴びだし、「社員(部下)の皆さんにも、ぜひ学びを進めてもらいたい」と考えている人事部の方やリーダーポジションの方もいると思います。 ただ、現実的には日々の業務が忙しく、上手いこと学びが進まないとの悩みや学習効果が出るまでには時間を有するものもあり、社員一人ひとりのモチベーションの維持をどうすればいいのかといった悩みがあるかと思います。 そうした中で、社員の方に行動変容を促すアプローチとして「会社(部署・チーム)が掲げる目標」と「社員個人の目標」をすり合わせることが挙げられます。組織から与えられた目標を自分ゴト化することで「自律学習」や「キャリア自律」の実現を目指します。 そこで、人事部ないしリーダーポジションとして、日々かかわる社員一人ひとりに業績目標をどう自分ゴト化してもらうか、それをサポートするための対話術を学んでいきましょう。
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㈱LEBEN CAREER CEO ㈱MEXUS CCO
秋田県は男鹿市の生まれ。 大学卒業後、小売流通業界にて店舗運営責任者として従事。 前社退職後、東南アジアにて半年間のバックパッカー生活。 帰国後、製薬業界にて、人事戦略室、社長秘書室、人事総務業務に従事。 2014年に人材開発事業「LEBEN CAREER」を創業し、法人設立後は代表取締役に就任。 同社では「コーチングを受けたい・学びたい」というビジネスパーソン向けにコーチングサービスの『LCPコーチング』及び、コーチングスクール『LCPコーチングアカデミー』を運営。 株式会社MEXUSでは、CCOとしてパーソナルコーチングサービス『REEED』を企画運営。専門領域は、キャリア変革を目的とした行動変容的アプローチ。
※研修・人材育成担当者限定 10日間の無料デモアカウント配布中。対象は研修・人材育成のご担当者に限ります。
07まとめ
研修テーマについて紹介しました。 研修テーマは幅広く様々な内容があるため、会社の業務内容と、育てた人材をどこで使うかによって決めなければなりません。 どの研修テーマにするかは費用対効果が重要です。全社員に幅広く色々な研修を受講させれば色々なことができる社員を多数育成できますが、研修にかかる費用も多くなります。 一方で、スペシャリストとして特定の分野だけに限定して研修をおこなうと、配置転換や、会社の方針変更などがあった時に、柔軟に対応できなくなるというリスクもあります。 会社の社員の育成方針に合わせて、適切な研修テーマを選ぶようにしましょう。