NFTとは?意味や仕組み、ビジネスでの使われ方を分かりやすく解説

<目次>
1:NFTとは?
2:NFTが注目される理由
3:NFTの今後の展望
4:NFTの始め方
5:NFTのマーケットプレイス
6:NFTのメリット
7:NFTのデメリット
8:NFTに関して学べる授業
9:まとめ

デジタル技術の進歩によって、デジタル上で社会活動を営める空間・メタバースや仮想通貨・ビットコインが身近になりました。これらに加えて、デジタルデータに価値を与えるブロックチェーン技術によって生み出されたのがNFT(Non-Fungible Token:非代替性トークン)です。ここでは、NFTの仕組み、始め方、ビジネスでの使われ方についてまとめて解説します。

 

NFTとは?

NFTをビジネスで活用する際に役立つのが、NFTの仕組みと特徴に関する理解です。本章ではNFTの意味・特徴・仕組みの解説をとおして、メタバース(仮想空間)において価値があるNFTが生まれる理由を理解していきましょう。

 

NFT(Non-Fungible Token)の意味

NFTとは「Non-Fungible Token」の略称で「代替不可能なトークン(インターネット上でやりとりする暗号資産※1)」です。トークンを直訳すると「しるし」や「象徴」ですが、仮想通貨の世界では一般的にブロックチェーン技術を用いて発行された仮想通貨を指します。そして、Non-Fungible(代替不可能)トークンに対し、Fungible(代替可能)トークンも存在します。

代表的なFT(Fungible Token / 代替可能なトークン)の例としては、ビットコインがあります。ビットコインには個別データの取引履歴や識別情報を付与されず「○○万円分の価値がある」データとして扱われるため、代替が可能です。一方、デジタルデータの複製や改ざんを防ぐ暗号技術を用いて、取引履歴を処理・記録するデータベース(ブロックチェーン※2)によって、唯一無二の証明が付いたデジタルデータがNFTです。NFTの例としては、1点モノのデジタルアートやゲームアイテムなどが挙げられます。

※1参照:日本銀行「暗号資産(仮想通貨)とは」

※2参照:総務省「ブロックチェーンの概要」

 

NFTの特徴

NFT とは

前述したように暗号資産にはFTとNFTの2種類があります。ここからはNFTの特徴について、さらに解説していきます。

<代替不可能性(同じトークンは存在しない)>

NFTはデジタルデータを個別に識別できるブロックチェーン技術によって、他のデジタルデータと異なる証明(保有者・取引履歴など)が与えられているので、FTのように他に同じ価値を持っているデータは存在しません。このような仕組みによって、ゲームで使われるキャラクターやアイテム、メタバース上に存在するアート作品や土地をはじめとしたさまざまな分野でビジネスが生まれています。

<改ざんやコピーができない(しにくい)>

耐改ざん性についても、NFTを語る上でよく出てくる言葉です。但し、この性質についてはブロックチェーン技術の特徴であり、誤解が生まれやすいポイントでもあります。NFTは簡単に言うと、コンテンツそのものと、それに対する証明書で成り立っています。そのため耐改ざん性とは、基本的にはブロックチェーン上に記録された保有者や取引履歴等の記録(証明書部分)部分に対して言えることなのです。

ではデジタルアートなどのコンテンツ部分についてはどうなっているのかも気になるポイントです。結論としては、NFT作品はダウンロードやコピーが可能な場合が多いです。そして、データの保管場所によっては改ざんされるリスクも高くなります。全てのデータをブロックチェーン上に保管する「フルオンチェーン」のNFTも存在しますが、制作費用が高くなることやデータ容量の課題からまだ少数派です。これらの課題に対する対策として、IPFS(※)技術を使った保管方法が普及しており、これを使うとブロックチェーン上にないデータでも耐改ざん性を上げ、データ消失のリスクを抑えられます。

  • ※IPFS:InterPlanetary File System(惑星間ファイルシステム)の略。コンテンツごとに固有のID(ハッシュ値 )が付与され、コンテンツ内容に対してダイレクトにアクセスできる。
  • ※2ハッシュ(ダイジェスト)値:メールや電子文書ファイルなどの元データからハッシュ関数と呼ばれる計算手順により求められた、固定の値。逆算や復元ができないため、漏洩リスクがあるデータを扱う時に主に用いる

<プログラミングできる(プログラマビリティ)>

NFTにおけるプログラマビリティとはプログラミングによって、NFTに様々な機能を付与できる特徴です。機能の例としては、取引されるデジタルコンテンツの数量制限や、二次流通時にNFTの発行者(著作権所有者)に売上の一部が自動的に支払われる ロイヤルティ機能などが挙げられます。これらの付加機能はスマートコントラクト(ブロックチェーン上で契約を自動的化できる仕組み)によって実現しています。

 

NFTの仕組み

NFT 仕組み とは

前述したように、NFTの仕組みを理解する際には、NFTに関係する複数の用語を用いる必要があります。ここからはNFTの仕組みをイメージしやすいよう、NFTに関連する用語の意味とNFTの仕組みを解説します。

< ブロックチェーンとは >

ブロックチェーン とは

ブロックチェーンとは端末同士を接続した上で、暗号技術を用いて取引記録を分散的に処理・記録するデータベースです。ブロックチェーンでは、ネットワーク内での取引記録を「ブロック」と呼ばれる記録の塊に格納します。個々のブロックに格納されるのが取引の記録と、1つ前に生成されたブロックの内容を示すハッシュ値です。このような仕組みから、ブロックチェーンは「インターネット内で発生したすべての取引を記録する台帳」とも言われます。つまりNFTの価値は取引の履歴をすべて記録しているブロックチェーン技術によって生み出されているのです。

< トークンとは >

トークンとは直訳すると「象徴」「しるし」の意味があります。この意味から派生して従来の紙幣に代わって既存のブロックチェーン技術を活用して発行される仮想通貨や、キャッシュレス決済における認証デバイスを指します。仮想通貨の領域で用いられるトークンには主に以下の4種類があります。

1.DeFi トークン

後述するイーサリアムのブロックチェーンを基盤として銀行や取引所などの仲介者を排除した金融システムの実現を目的として発行される。イーサリアム(ETH)やアイオーエスティー(IOST)、ビットコイン(BTC)がその代表例。

2.ガバナンストークン

特定の集団における権利を有していることを示すために発行される。ガバナンストークンを持つことによって参加するプロジェクトにおける方針決定に参加ができ、会社の経営に対して関与する権利を得る株式と似た機能を果たす。

3.非代替性トークン(NFT)

デジタルコンテンツに唯一性を与えるために発行される。NFTの発行によって従来はコピーや改ざんによって価値の維持が難しかったデザインや音楽などのデジタルコンテンツに価値を与えることが可能になる。

4.セキュリティトークン

株式や債権の役割を与えることを目的に発行されるトークン。デジタル有価証券。セキュリティトークンの発行によって中小企業や個人の資金調達の幅を広げることが可能になる。

またトークンには「発行者・管理者がいる」「個人でも法人でも発行可能」「独自の値付けがおこなわれている」3つの特徴があります。

< 暗号資産とは >

暗号資産(仮想通貨)とは、インターネット上でやりとりできる財産的価値です。代表的な暗号資産はビットコインやイーサリアムなどです。暗号資産は『資金決済に関する法律(※)』において、次の性質を有するものだと定義されています。またNFTは「トークンが代替不可能」である点で暗号資産と異なります。

  • ・不特定の者に対して代金の支払い等に使用でき、かつ、法定通貨(日本円や米国ドル等)と交換できる
  • ・電子的に記録され、移転できる
  • ・法定通貨または法定通貨建ての資産(プリペイドカード等)ではない

※:電磁化された金券、および銀行業以外による資金移動業に関する規制をまとめた法律

< イーサリアムとは >

イーサリアムとはオープンソースのブロックチェーン型アプリケーション(Dapps:Decentralized Applications)を構築するための開発環境を提供するプラットフォームと、それに関連するソフトウェア・プロジェクトの総称です。またこのプラットフォーム内で使用される仮想通貨は「イーサ(単位: ETH )」と呼ばれており、日本においてはプラットフォームと、そこで使用される仮想通貨イーサも「イーサリアム」と呼ばれています。

 

NFTが注目される理由

NFT 注目 理由

昨今、様々な企業がNFTを使った事業に参入しています。ここではNFTがビジネス領域に影響を与えるようになった背景が理解しやすくなるよう、NFTが注目される理由をご紹介します。

 

注目を集めるニュースが連続したこと

2020年から2021年にかけてNFTに関するニュースが大きな話題となり、そのため2021年はNFT元年と呼ばれています。まずはアートとゲームの分野からNFTの注目度に貢献した出来事を見ていきましょう。

< beepleのデジタルアート作品の高額落札 >

2021年3月11日、デジタルアーティスト・Beepleによって制作されたNFTデジタルアート作品『Everydays - The First 5000 Days』が、約6935万ドル(約75億円)で落札されました。この金額は、デジタルアートとして過去最高の落札額であり、現存するアーティストのオークション記録としてもトップクラスのものとして大きな話題となりました。

これまでデジタルアートは、アナログのアートと比較して簡単に複製できてしまうなどの理由でなかなか価値がつきにくいとされていました。『Everydays - The First 5000 Days』の高額落札は、NFTの技術によってデジタルアートの「1点モノの保有」が可能となり価値が高まった事例としてNFTの可能性を示唆し、多くの人の関心を引き付けたのです。

< NBA動画のNFT化 >

スポーツの分野でもNFTが活用されています。その代表例がトレーディングカード型のNBA試合動画「モーメント(Moments)」売買のプラットフォーム『NBA Top Shot』です。基本的に数千円の限定版パックで販売されますが、2,000万円以上の価格で売却された動画もあります(例:サクラメント・キングスとの試合中に起きたレブロン・ジェームズのプレー)。

NFT化されたトレーディングカードはブロックチェーン上に保管されるため、経年劣化による価値の下落がありません。またカードが販売された枚数が正確に記録されるため、カードの希少価値も可視化されます。つまりNFT化されたトレーディングカードは、所有者の資産になりやすい点で生活者やトレーディングカードコレクターから注目されるようになったのです。

また『NBA Top Shot』の登場によって、企業やクリエイターからはデジタルコンテンツ転売時の利益獲得や知的財産権(IP)の保護の観点でNFTが注目されるようになりました。NFTは取引履歴がブロックチェーン上にすべて記録されるため、転売されたNFTの追跡や、それに伴う利益獲得が可能です。実際にNBA Top Shotでは販売・転売の度に取引額の5%が運営会社のDapper Labsに納められ、そのうち一定比率がNBAに分配される仕組みになっています。

< フィリピンでのNFTゲームの流行 >

『Axie Infinity』をはじめとしたP2E(Play To Earn:プレイして稼ぐ)NFTゲームは、新型コロナウイルスによって仕事を失った人が生活費を稼ぐための手段として、主にフィリピンで人気を博しました。NFTゲームではゲーム内報酬トークンを通貨に交換したり、レアなアイテムやキャラクターを売買して生活費を稼げる仕組みになっています。

NFTゲームの火付け役となった国フィリピンでは、プレイヤー数の増加によって、プレイするためのキャラクターを用意するだけでも日本円で3万円の初期投資が必要になっています。そのため初期投資額を減らしたいプレイヤーのためにキャラクターを貸し出す仕組みが導入されており、キャラクターのレンタル代で稼ぐプレイヤーも居るほどです。このようにNFTゲームの仕組みを活用して稼いだお金で家や車を購入したプレイヤーや子どもの学費を支払ったプレイヤーも出たため、少額の稼ぎに留まらない大きな可能性を与えてくれる点でNFTゲームに注目が集まりました。

 

デジタルデータに価値を与えるものだから

上で紹介したニュースのように、NFTはブロックチェーン技術によって本物である証明ができ、デジタルデータに希少価値を与えました。これにより、デジタルデータが貨幣のように一つの資産として扱えるようになり、制作者との直接の売買にとどまらず二次流通も可能になるなど、デジタルデータを用いた経済活動の可能性が広がりました。

多くの人がNFTの経済的な価値に注目しており、実際に三菱UFJリサーチ&コンサルティングが行ったアンケート調査では、NFT購入時に確認したい項目として「相場感」「希少性」「手数料(ガス代)等を含めた総支払額」が多く挙げられています(※)。

※参照:三菱UFJリサーチ&コンサルティング『NFTの動向整理』

 

スマートコントラクトの仕組み

NFTの特徴の一つに「スマートコントラクト」が挙げられ、これがNFTの活用可能性を広げ、注目を集める一つの要因になっています。スマートコントラクトとは、簡単に言うとブロックチェーン上に設定された契約履行システムです。ブロックチェーン上に存在するプログラムであり、予め設定された条件を満たした場合に自動で実行されるようになっています。

この仕組みによって、イーサリアムのようなスマートコントラクトの機能がある仮想通貨を使用した契約行動はすべて自動的に実行されています。例えば、マーケットプレイスでNFTを購入した場合、この取引履歴の記録や、権利者の書き換えは人を介さずに自動で実行されます。

スマートコントラクトのメリットとして、取引・契約が透明性高く迅速に行え、人為的ミスを防げる点があります。また、前述したプログラマビリティと関連しますが、スマートコントラクトの内容はプログラムできるため、例えば「NFTを転売したときに、制作者に対しても売上の一部が入るようにする」、「特定のマーケットプレイス外での取引をできないようにする」などの設定が可能になります。これによって、デジタルデータを用いたビジネスが行いやすくなっているのです。

 

NFTの今後の展望

NFT 展望

ここまで解説したように、デジタルデータに価値を与えるブロックチェーン技術とスマートコントラクトの仕組みを活用することで、NFTはアートやゲーム内のキャラクターをはじめとしたデザインを介してビジネスに発展しています。以下では主にビジネス面でのNFTの展望を見ていきましょう。

 

市場規模

NFTの市場規模は拡大し続けています。インド最大の市場調査会社マーケッツアンドマーケッツ社によると、NFT市場は2022年の30億5,600万米ドル(約4,196億円)から2027年までには136億7,900万米ドル(約1兆8,782億円)と、4.4倍超の規模にまで成長すると予測しており、予測期間中のCAGR(年平均成長率)は35.0%の見込みです(※)。

※出典:https://chosareport.com/mnmse7335/

 

ビジネスでの活用

NFT ビジネス

前述したようにブロックチェーン技術の発展やそれに伴う暗号資産(仮想通貨)の流通、実業家やアーティストを含めた著名人のNFT参入によって、幅広い生活者にとってNFTが身近なものとなり、市場規模は拡大し続けています。次ではNFTがビジネスで活用されている事例を4つの分野からご紹介します。

< メタバース >

メタバースとはインターネット上に構築された三次元の仮想空間です。仮想空間内で私たちはアバターを通じ様々な活動を行うことができるので、メタバースとNFTは相性が良いとされています。具体的にはメタバース上の土地やデジタルアートの売買、デジタルアイテムを購入するためのバーチャルマーケットなどが用意されています。

その他、仮想空間を活用したビジネスにはeコマースや医療、オフィスをはじめとした不動産売買などがあり、仮想空間上のアイテムに対する保有者の証明や、価値を付与することができるNFTは、さらなる活用が見込まれているのです。

< アート >

デジタルアートはコピーや改ざんができてしまう性質上、アーティストが安定して活躍しにくい状況でした。ブロックチェーン上に権利情報を記録できるNFTはデジタルアートのコピーや改ざんによって保有者が不明になってしまう問題の解決策となったのです。

ブロックチェーンによって、作品の制作者や取引履歴が明確になったことでアートの価値を高める「希少性」が守られるようになりました。実際に日本では、VRアーティスト・せきぐちあいみさんが制作した初のNFT作品がオークションサイトにて約1,300万円で落札されています。

< 音楽 >

他のNFTコンテンツと同じように唯一無二の音楽データを購入できるため、音楽関連の業界ともNFTは相性がよいとされています。実際に高額でNFT音楽が売買された以下のような事例もあります。

音楽ユニットPerfumeは振り付けの3D作品「Imaginary Museum “Time Warp”」(制作者Rhizomatiks)をNFTで販売し(※)、約325万円で落札されました。さらに坂本龍一氏の代表作「Merry Christmas Mr. Lawrence」の音源の右手のメロディー595音を1音ずつデジタル上分割し、NFT化した事例も注目を集めています。

また音楽分野におけるNFTの展望は、チケットのNFT化やNFTを介したアーティストとファンコミュニティの繋がり、転売時に著作者へ還元金が支払われることによるアーティストの収益・地位向上に繋がると言えるでしょう。

※参照:Rhizomatiks公式サイト

< ゲーム >

NFTゲームはプレイすることでお金が稼げたり(Play to Earn)、仮想空間上で移動することでお金が稼げる(Move to Earn)点が大きな特徴です。具体的にはゲーム内で制作・獲得したキャラクターやアイテムの売買が行われるNFTマーケットプレイスに出品して、収益を得る仕組みになっています。NFTゲームの代表作品は以下のとおりです。

  • ・The Sandbox(ザ・サンドボックス)

バーチャル空間で自由にキャラクターを操作して遊ぶ箱庭ゲーム。バーチャル空間内の土地(LAND)を購入し、プレイヤーの増減で変動する地価に応じて不動産を運用し、不動産収入も得られます。

※参照:The Sandbox 公式サイト

  • ・Axie Infinity(アクシー・インフィニティ)

モンスターを育成・対戦させるゲームです。ゲーム内で流通している仮想通貨「SLP(Smooth Love Potion)」や「AXS(Axie Infinity Shards)」を獲得します。獲得した仮想通貨はビットコインをはじめとした他の仮想通貨に交換できるため、日本円に換金して収入を得ることが可能です。

※参照:Axie Infinity 公式サイト

< 現物資産の流通に活用 >

またNFTは仮想空間上のデータと実際の資産の紐づけも可能であり、ファッション・不動産分野で既に導入されています。イタリアを代表する世界的なラグジュアリーファッションブランド「Dolce&Gabbana(ドルチェ&ガッバーナ)」では、初のNFTコレクション「Collezione Genesi(ジェネシス コレクション)」で、スーツ・ドレスなどデジタルデータと現物の両方を購入できるサービスを提供しました。

※参照:Dolce&Gabbana NFTコミュニティ公式サイト

不動産分野では2022年秋に株式会社レシカが仮想空間上の不動産とリアル物件を簡単に売買・保有できるサービス「ANGO」の提供を予定しています。

 

NFTの始め方

NFT 始め方

ここまでの解説でNFTの仕組みや事例が理解できたところで、実際にNFTを体験したい方に向けて、購入・販売する方法をご紹介します。

NFTを購入する

アートや音楽などのNFTコンテンツを購入する手順は以下の通りです。

  • ・仮想通貨取引所に口座開設
  • ・ウォレットの作成
  • ・仮想通貨取引所からウォレットに入金
  • ・NFTマーケットにログイン
  • ・NFTコンテンツを購入

NFTコンテンツを購入するには仮想通貨が必要です。そのため、まずは仮想通貨を取引するための口座を開設する必要があります。口座開設の方法は仮想通貨取引所によって異なりますが、基本的にはメールアドレス・本人確認書類を用意の上、氏名や住所などの個人情報を入力すれば開設できます。

仮想通貨の口座が準備できたら、仮想通貨を保管する電子財布のウォレットを作りましょう。口座のみでは取引所の運営会社が倒産した場合や、パスワードや個人情報の漏洩が発生した場合に仮想通貨の引き出しができなくなってしまいます。一方、ウォレットを持っていれば第三者にパスワードや仮想通貨が盗られるリスクを軽減できるのです。

前述のようにNFTコンテンツを購入する準備が整ったら、コンテンツが販売されているNFTマーケットプレイスにログインして気になる作品が購入できるようになります。

 

NFTを販売する

NFTコンテンツの購入だけではなく、販売したい場合は以下の手順で進めてみましょう。

  • ・NFTコンテンツを制作する
  • ・MetaMaskを作成してマーケットプレイスへ登録する
  • ・マーケットプレイスでNFTを販売する

NFTアートは通常のデジタルアートと同じくIllustratorやPhotoshopをはじめとしたツールを使ってJPEG形式の画像を作ったり、プログラミングで制作可能です。音楽やゲーム、デザインも同じようにデジタルデータを制作する手順で制作します。NFTコンテンツが完成したらイーサリアム上のサービスを利用する上で必須のツールMetaMaskでアカウントを作成し、連携しているNFTのマーケットプレイスに出品します。

NFTの出品・販売方法をまとめて知りたい方や、マーケットプレイスの操作画面を実際に見たい方はデジタルアートやグラフィックを出品・販売する方法を学べる、Schooオリジナル授業「ネコっち NFTクリエイターへの道-OpenSeaにイラストを出品してみよう-」も参考にしてくださいね。

ネコっち NFTクリエイターへの道-OpenSeaにイラストを出品してみよう-

< コース概要 >

このコースではグラフィックレコーダーのネコっちさんと一緒にNFTのマーケットプレイス「Open Sea」にイラストやグラレコを出品する方法やNFTの売買の方法・仕組みについて学べます。NFT初心者のイラストレーターさん、グラフィックレコーダーさんにおすすめです。

先生プロフィール①

奥 達男

奥 達男(おく・たつお)
アステリア株式会社 ブロックチェーンエバンジェリスト。ブロックチェーン技術の啓蒙及び技術適用された事業モデルの創生・推進、コンサルティング、提案、POC、技術の講義、サービス構築や他社主催セミナーへの登壇などを担う。BCCC(ブロックチェーン推進協会)トークンエコノミー部会部会長、BCCC(ブロックチェーン推進協会)ブロックチェーンエバンジェリスト。

先生プロフィール②

ネコっち

ネコっち
グラフィック・レコーディングの手法を用い、様々なテーマを独自のユーモア・表現でやわらかくするのが使命。日々発信するグラレコやイラストなどのアウトプット総数は1,600枚以上。超速まとめ力で各方面からの注目を集める。イラストレーターとしても活動の幅を広げている。

 

NFTのマーケットプレイス

前述したように、マーケットプレイスはNFTコンテンツの売買窓口です。ここからはNFTコンテンツを売買するイメージが明確になるよう、マーケットプレイスの仕組みと例を見ていきましょう。

 

NFTのマーケットプレイスの仕組み

NFT マーケットプレイス

NFTマーケットプレイスは特定のブロックチェーン上に構築されており、取引の速さや仕組み、対応しているNFTコンテンツなどの条件がブロックチェーンの特性によって異なります。またNFTのマーケットプレイスでできることは以下のとおりです。

  • ・NFTの購入
  • ・NFTの売却
  • ・NFTの二次販売
  • ・コンテンツのNFT化

 

NFTのマーケットプレイス例

既に複数のマーケットプレイスが存在しているため、手数料(ガス代)や対応ウォレット・対応ブロックチェーンを比較検討した上で自分が売買したいコンテンツや希望条件に合ったマーケットプレイスを選ぶ必要があるでしょう。知名度が高く、取引量の多いマーケットプレイスとしては以下があります。

  • ・OpenSea(オープンシー):取引額が世界最大級のマーケットプレイス
  • ・Coincheck(コインチェック):ガス代無料の国内マーケットプレイス
  • ・Adam(アダム) by GMO:クレジットカード決済や銀行振り込みに対応

次でそれぞれのNFTマーケットの特徴を見ていきましょう。

< Open Sea(オープンシー) >

Open Seaは月間20万人以上が利用する世界最大規模のNFTマーケットプレイスです。以下のように多くのブロックチェーンに対応しているため、デジタルアートやデジタルミュージック、トレーディングカードなど豊富なNFTコンテンツの取り扱いが可能になっている点や手数料(ガス代)を節約しやすい点も人気の1つでしょう。

< 対応しているブロックチェーン >

  • ・ETH(イーサリアム)
  • ・MATIC(マティック)
  • ・Klaytn(クレイトン)
  • ・Tezos(テゾス)

※参照:OpenSea(オープンシー)公式サイト

< Coincheck NFT >

Coincheck NFTは主にブロックチェーンゲームのキャラクターやアイテムのNFTを売買できるマーケットプレイスです。現在流通しているほとんどのNFTを発行しているイーサリアムでは、NFTを発行する際に手数料(ガス代)を支払わなければならず、ガス代の高騰が大きな問題となっています。一方Coincheck NFTでは、NFTのやり取りをブロックチェーンに記録しない「オフチェーン」で行っているため、手数料をかけずに売買可能な点が特徴です。

※参照:Coincheck(コインチェック)公式サイト

< Adam byGMO >

AdambyGMOは主にアートや音楽、漫画のNFTを売買できるマーケットプレイスです。音楽家の坂本龍一氏や漫画家の東村アキコ氏などの著名人がNFTコンテンツを出品したことで注目されました。決済通貨がETH(イーサリアム)をはじめとした仮想通貨だけでなく、日本円に対応しており、換金方法や決済方法が多様である点が特徴です。銀行振込やクレジットカード決済が可能なので、NFT初心者におすすめのマーケットプレイスだと言われています。

※参照:Adam(アダム) by GMO公式サイト

 

NFTのメリット

NFT メリット

NFTの仕組みやNFTコンテンツの売買を始める方法が分かったところで、メタバースやNFTが社会的に注目される現代にNFTを活用するメリットを見ていきましょう。

 

新しいビジネス機会の創出

NFTはアートやゲーム、音楽、不動産などさまざまな分野においてユーザー同士による新たなビジネス形式を展開しています。一方で消費者庁の調査『NFTの動向整理 』によれば、20代~40代の男女31,279名のうちNFTを「十分に知っている」人は男性で10%前後、女性では数%程度で認知度は低い状態です。そのため早い時期からNFTコンテンツの制作や売買に関われば、ビジネスの機会が創出できるかもしれません。

また「NFTが注目される理由」や「NFTの今後の展望」で解説したように、NFTの登場によって、価値の維持が難しかったデジタルデータがアート業界や音楽業界、ゲーム業界などで商品として成立するようになりました。この潮流から、著作物を所有していたり、著名なアーティストが所属している企業は、過去に制作したコンテンツもNFT化によって利益に繋げられる可能性があります。またインターネット環境を介して市場を世界各国に広げやすい特徴があります。このようにNFTを活用したビジネスは企業にとって新たなビジネス機会を創出できる点でメリットがあるのです。

 

創作活動の支援

ブロックチェーン技術の発展やNFTコンテンツへの注目によって、盗作のリスクや収益化の難しさを抱えているデジタルクリエイターの創作支援も進んでいます。条件が満たされた場合にブロックチェーン上で自動取引が行われる、スマートコントラクトが創作活動支援に大きな影響を与えていると言えるでしょう。

ブロックチェーンは対改ざん性に優れているため、NFT化されたデジタルコンテンツの保有者の情報は容易に書き換えられません。またスマートコントラクトの仕組みによって、NFTコンテンツの制作者や著作権を所有している企業はオフラインでは難しかったコンテンツの転売や二次販売時の収益化も可能になっています。つまりNFTへの参入には、クリエイターの地位向上やデジタルコンテンツの収益システムを確立できるメリットがあるのです。

 

NFTのデメリット

NFT デメリット

最新のデジタル技術を活用してコンテンツを制作・販売したいクリエイターや、新たな市場を獲得したいと考えている企業にとってNFTへの参入はメリットが大きいと言えます。一方、まだまだ新しい技術であるNFTについて次のようなデメリットも指摘されています。

 

法律が未整備

NFTは近年急成長した市場なので、法整備が追い付いていない状態です。例えば、NFTを購入してもその作品の著作権や商標利用権は譲渡されない点を無視すれば、著作者とトラブルに発展してしまう可能性もあります。

政府も2021年10月28日に『暗号資産及び暗号資産交換業者に対するリスクベース・アプローチに関するガイドライン』を改定していますが、フィッシング詐欺をはじめとしたユーザーへの被害はユーザー自身が防げるようにリテラシーを向上させる必要があるでしょう。

 

必ずしも品質が担保されているわけでは無い

前述したような有名アーティストのNFT参入はデジタルコンテンツの質を向上させる効果もあったと言えるでしょう。しかし実際には、価値のないNFTコンテンツを価値があるかのように見せかけて販売する「詐欺商品」や、他者の著作権を侵害したNFT作品も存在します。このような詐欺商品を購入しないためにも、該当商品のNFTコミュニティが盛り上がっているか、信頼性の高いマーケットプレイスで出品されているかの確認が欠かせません。

 

NFTに関して学べる授業

Schooでは、ブロックチェーン技術のコンサルティングを担当する「ブロックチェーンエバンジェリスト」からNFTの仕組み・事例を包括的に学べる授業を公開しています。記事で学んだ知識をおさらいしたい方やブロックチェーン技術・NFTについて詳しく知りたい方はぜひ覗いてみてくださいね。

 

「NFT」とは何か?これからどうなるか?

NFTとは何か?これからどうなるのか?

< コース概要 >

昨今AIやブロックチェーン、メタバースなど最新のテクノロジーが開発されていく一方で、各所で応用されてさらに進化している状況があります。このコースではNFTの仕組み、NFTが私たちの生活に与える影響について学びます。NFTの理解を深め、生活に導入された未来を一緒に考えていきましょう。

 

まとめ

NFTは2020年代に入って急成長した市場であり、コピーや改ざんが容易で価値が付きにくかったデジタルコンテンツに希少性や新規性をもたらし、価値を与えました。NFT市場は今後も拡大すると予想されており、コンテンツ制作や商品の販売に携わるビジネスパーソンや、デジタルコンテンツを制作するアーティストにとって活躍の機会がある分野です。SchooではNFTを含むデジタルリテラシーに関する授業が月額980円で受け放題です。この機会にぜひ活用してくださいね。

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