4/28(Sun)

今日の生放送

ーー目次ーー

1.「アドラー心理学」とは?

2. 今さら聞けないアドラー心理学

3. 「アドラー心理学」をさらに学んでみよう!


 

1.「アドラー心理学」とは?

かいせつ先輩

・「心理学」という言葉に身構えてしまう

・人間関係に疲れている

・アドラー心理学を学ぶタイミングを逃してしまった

 

そんな方にオススメの授業が「今さら聞けないアドラー心理学」。この授業でアドラー心理学の基礎を学んでいこう!

 

猫田くん

アドラー心理学を元に執筆された本「嫌われる勇気」がベストセラーになったッスよね。

でもイマイチよくわかっていないッス。

 

かいせつ先輩

アドラー心理学は、心理学者のアルフレッド・アドラーが創始して、後継者が発展させていった理論のことだね。

「目的論」など、人間が幸せに生きていくための考え方を提唱しているよ。

猫田くん

目的論ってどういうことなンスか?

かいせつ先輩

人間の行動や感情は過去の体験から決まるのではなく、目的のために生まれる、という考え方だね。

今回はアドラー心理学の基礎から、今から始められる実践の方法を学んでいくよ。

 


 

先生のご紹介

永藤 かおる  有限会社ヒューマン・ギルド 研修部長

1989年三菱電機に入社。その後、ビジネス編集部、日本語教師、Web制作会社等を経る。企業研修を通じてアドラー心理学と出会い、2011年ヒューマン・ギルド入社。現在、研修部長として、企業・行政・教育機関向け研修、公開講座、講演及び個人カウンセリングを行っている。 アドラー・カウンセラー、(公社)日本心理学会認定心理士、(一社)日本アンガ‐マネジメント協会認定アンガーマネジメントファシリテーター。著書に『勇気の心理学 アドラー超入門』(ディスカヴァ―・トゥエンティ―ワン)、『「うつ」な気持ちをときほぐす 勇気づけの口ぐせ』(明日香出版社)、『子どもを勇気づける教師になろう!』、(金子書房、岩井俊憲と共著)『アドラー心理学に学ぶ「やる気」の高め方』(PHP研究所、宮本秀明と共著)などがある。ICU 国際基督教大学 卒業。中小企業診断士。 芸能プロダクションの株式会社アミューズに新卒入社。アイドルやダンスグループのマネジメントに携わる。 その後、Webインテグレーション国内最大規模のIMJ Groupに転じ、Web広告プランナー、人事、経営企画、新規事業開発など、Webの最前線で幅広く経験を積む。 現在は、テクノロジーの分かる中小企業診断士として、エンタメ業界やクリエイティブ業界での起業や事業成長をサポートしている。

 


 

2.今さら聞けないアドラー心理学

アドラー心理学の基本的な考え方は、5本柱と言われています。

図を見ていただくと、左に態度や技術としての「勇気づけ」があります。これは困難を克服する活力を与えることです。そして真ん中に5本柱とその他というのがあります。

5本柱の1つ目が、人間は環境や過去の出来事の犠牲者ではなく自ら運命を創造する力があるという「自己決定性」。

2つ目が、人間の行動にはその人の特有の意思を伴う目的があるという「目的論」。

3つ目が、例えば私たちは意識と無意識とか、理性と感情のように分けられるものではなく、一人一人がかけがえのない分割不能な存在であるという「全体論」。

4つ目が、人間は、自分流の主観的な意味づけを通して物事を判断するという「認知論」。

5つ目が、人間のあらゆる行動は、相手役が存在する対人関係であるという「対人関係論」。

そして共同体感覚ですね。精神的な健康のバロメーターであり、アドラーが「人間の対人関係のゴールである」と言ったのが共同体感覚です。

これがアドラー心理学の基本的な考え方となります。

これからお話しするのがアドラー心理学の実践となります。それは理論ではなくて、どのような心の持ちようでいれば幸せかとかラクかということだと思います。

私自身も自分の実戦で活かすやり方を教えてもらってやってみたときに、こんなにラクなものなんだというところに惹かれて、これをみんなに伝えたいなと思いました。なので今回は実践のところを少しだけでもみなさんにお伝えしていきたいと思います。

ではここからはどのように実践してくのかということをお話ししていきます。

先程も出ましたけれど、勇気とは困難を克服する活力です。そして勇気づけとは、困難を克服する活力を与えることです。

図を見ていただくと、勇気づけのためのキーワードとして出てくるのは、尊敬から共感というのが出ています。

私たち日本人は尊敬というと、崇め奉るみたいなイメージがあるんですけど、そうではなくてカタカナ後のリスペクトにすると、意味が伝わりやすいと思います。

年齢が下とか上とか、偉いとか偉くないとかそういうことに関係なく、相手に対して「この人がいてくれて嬉しいな」とか、「いてくれてありがとう」という気持ちを持つのが尊敬です。共同体にいる人に対してまずリスペクトの気持ちを持つということです。

また共感というのは相手の関心に関心を持つことなんですね。例えば「この人どんなことが好きなんだろう」とか、「どんなことに興味を持っているんだろう」というのを、その人の目線に立って相手の目で見て、相手の耳で聞いて、相手の心で感じるというのが共感の気持ちです。

そして勇気というのが困難を克服する活力です。

これを持ち合わせながら人と接していくと何が生まれてくるかというと、信頼関係が生まれてくるんですね。

これが勇気づけのために必要なキーワードです。

まずは、何よりも先に自分自身を勇気づけていただきたいと思います。

なぜかというと、自分自身が勇気をくじかれている人は他者を勇気づけるのは難しいんですよね。泳ぎ方を知らない人が溺れている人を助けることはできないので、まずは自分自身を大切にしていただきたいなと思います。

 

では自分自身をどうやったら勇気づけていけるのか、ここから実践的なところに入っていきます。自分自身の勇気づけを自己勇気づけと言います。

それにはまず勇気づける生活を送っていただくこと、勇気づける人と接していただくこと、言葉・イメージ・行動を勇気づけで満たすこと、そして勇気づけを実践していくこと、この4つとなります。

 

かいせつ先輩

今回は自己勇気づけのための4つの実践方法のうち、2つをご紹介するよ。

残り2つについても気になる人は動画を見てみてね!

 

ではまず勇気づける生活からです。

オセロゲームを例えに説明していきたいと思います。オセロは黒と黒で挟むと一列すべて黒になりますよね。

 

図の右側の黒の列の人は、最初と最後が黒ですよね。

この最初と最後というのが、朝起きた時と夜寝る時になるんですね。朝起きた時に「仕事行きたくないな」とかどんよりした気持ちで、自分で黒い石を置いてしまう。

昼間は人と接するので自分の機嫌は自分一人で決められるものではなく、いろんな出来事によって決まってくると思います。

夜になって、「あーあ。今日も1日ロクでもない1日だったな。最悪。」と思いながら寝ると、黒と黒で挟んでしまって、1日パッとしませんでしたとなってしまうんですね。

朝と夜がなぜ大事かというと、自分だけで自分の機嫌を決められるためです。

一方で図の左側の白の列の人。朝眠いのは誰だって一緒ですが、「よし今日も頑張ろう」と朝一に自分であえて白い石を置く。

日中はいろんなことがあります。辛いこともあるかもしれないけれど、夜寝る時に「大変だったけど今日も1日頑張った。1日よしとしよう」と白の石を置くと「いろいろあったけど、何とかいい1日にしました。」と言えます。

1日だけのことならまだしも、1週間、1ヶ月、3ヶ月、1年5年10年。

それを決めていくのはオセロゲームで挟んだ1日である、というのを基準にしていただきたいなと思います。

朝と夜に黒と白どちらの石を置くのかというのは自分で決められるということなので、今日夜寝る時から白い石を置くことを意識していただきたいなと思います。

そして2番目は勇気づける人と接するということです。

私たちには選べる人間関係と選べない人間関係があると思います。例えばパートナーは選べるけど、パートナーのお父さんお母さんは選べないですよね。

学校とか会社に入るときもそうですが、どの学校・どの会社に入るかは選べるけれど、先生とかクラスメートは選べない。

選べる人間関係の場合に、できる限り勇気づける人と接することを意識していただきたいなと思います。

勇気づける人の6つの特質というのがあります。1つ目が尊敬と信頼で他者と接することができる。2つ目が楽観的。3つ目が目的思考。4つ目が聞き上手。5つ目が大局を見ることができる。6つ目がユーモアのセンスがある。

1つ目の尊敬と信頼で他者と接することができる人は、損得勘定で人と付き合うのではなく、この人と一緒にいるとリスペクトし合えるとか、信頼し合えるという人。

みなさんにとってそういう人がどういう人かというのを、頭の隅に思い浮かべてみてください。思い浮かんだ相手は、6つのうちのどこかの特質に引っかかってくると思います。

2つ目の楽観的でプラス思考というのは、24時間365日楽観的である必要はありません。

どんな時に楽観的であるといいのかというと、辛い時やピンチの時ですね。悲観的な人は「まずい、やばいだめだ」と力が抜けていってしまう。楽観的人は「まずい、やばい……。いや、大丈夫。今までもなんとかしてきた、できる」となるんですね。

3つ目の目的思考というのはアドラー心理学の5本柱の中で出てきたのですが、過去を見るのではなくて未来を見据えて、自分はどうなったらいいのか、満足なのかというのを目指すということです。

4つ目の聞き上手。こちらはみなさん経験あると思うのですが、辛い時に「うんうん、そうなんだ」って話聞いてもらえるだけで、ちょっとほっとするというのがありますよね。

5つ目の大局を見るというのは、重箱の隅をつつくように「これはダメ、あれはダメ」というのではなく、特にピンチの時に一度引いて、俯瞰でものを見ることができる方。

6つ目のユーモアのセンスがあるというのは、みんなの雰囲気がどよんとしてしまっている時に自分を落としたりしてクスッと人を笑わせられるような、みんなを笑顔にするような人。こういう人と一緒にいると勇気づけてもらえるし、自分も良い影響をもらえて、自分も人を勇気づけることができると思います。

おそらくみなさんの周りで一緒にいて気持ちの良い方というのは、6つの特質のうちのどこかに引っかかるのではないかなと思います。

みなさんにはアドラー心理学の一番大きなエッセンスを実践する勇気づけ名人になってほしいと思います。勇気づけ名人になるために必要なのは3つのエッセンスだけです。

1つ目はまずは自分自身を勇気づけるということ。

2つ目は勇気くじきをやめるということ。これは他者に対しても自分に対しても勇気をくじいてしまうことはしない、ということですね。

3つ目は勇気づけを始める。

この3つを実践していくと気持ちがすごく楽になります。


 

Q&A!みんな気になる、あの疑問に先生が回答

かいせつ先輩

ここでは、授業を受けた方の質問とそれに対する回答を紹介していくよ!

Q1:自分が落ち込んでいる状態のときには、他人を勇気づけることはできるのでしょうか?

A1:まずは自分を勇気づけてあげることが必要だと思います。「私はもうダメだ、何やってもダメなんだ……。あなたは素晴らしいよ」と言っても、相手に響かないですよね。

自分が勇気づけられている状態というのがとても大切です。人間なので、良いときと悪いときがあって当たり前ですよね。落ち込んでいるときも自分はダメなんだって思わずに、そこから復活していく自分というのをきちんと認めてあげること。どんなに小さなことでもいいので、「これできた、よくやった私」と認めることが大切になってきます。

自分が落ち込んでいるときも他人を勇気づけなきゃというより、自分を勇気づけながら「今の状態だったら人に共感したりできるな」というときに初めて、その気持ちを表してもいいと思います。

あとは「私落ち込んでいるんだよね」ということを言ってしまってもいいと思います。「自分がちゃんとしていなければ」というのが自分を苦しめてしまうと思うので、「私、今日ダメなんだ」と言える自分であること、不完全である勇気を持つことが大切です。

Q2:自分の所属する部署の意思決定者が、「勇気づける人」と真逆なのですが、どうしたらいいですか?

A2:受け止め方を変えていくしかないですね。その人を変えようとコントロールすることはできません。コントロールしようとすると、勇気をくじく人と一緒になってしまいます。またある種のスルーする力を身につけるということも必要だと思います。

Q3:他人を勇気づけるには、聞くだけでも十分ですか?つい、何か有効なアドバイスをしなければ……と思ってしまいます。

A2:まずは聞くということがとても大切です。特に自分より若い方や後輩が相談に来られたとき、「こうしたらいいよ」と言いたくなりますが、最初はまず聞くこと。聞く側は相手の心がほぐれるまで、3分くらいはじっくり聞いてみる。そこで自分の持つ答えを出すのではなく、「あなたはどうしたい?」と本人の気持ちや理想としていることを出してもらうことが重要です。まずは聞いて、相手の気持ちを引き出す。そしてそこに寄り添うということが大事ですね。

 

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