4/28(Sun)

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かいせつ先輩

マネージャーや育成担当という立場で働いていると、メンバーの育成について考えなければいけないよね。育成に使える方法の1つが1on1コミュニケーションと呼ばれるものなんだけど、導入してみたものの何だか上手くいかないと悩んでいる人も多いんだ。

 

そこでおすすめしたい授業が、メンバーの成果につながる1on1コミュニケーションとは。

 

本授業では、1on1コミュニケーションを実施するうえで悩みがちなポイントについて、先生が解決策を教えてくれるよ。メンバーの育成に悩んでいる方は、チェックしてみてね。


 

「1on1ミーティング」とは?

 

猫田くん

そもそも1on1ミーティングって何?

 

かいせつ先輩

1on1ミーティングは1on1コミュニケーションと呼ばれたりもするんだけど、上司と部下が1対1で対話することだよ。1対1で話すと聞くと評価面談をイメージするかもしれないけど、1on1ミーティングは一方的に評価をするのではなく、部下の話を引き出すようにコミュニケーションを取ることなんだ。

 

定期的に1on1ミーティングを行なって部下の仕事に対する目標や悩みなどを聞き出し、解決のためにサポートすることで部下の成長につながるよ。部下を成長させられると組織にも上司にも良い影響があるから、1on1ミーティングを導入する企業は増えているんだ。

 

かいせつ先輩

ここからは、授業で先生が解説してくれた成果につながる1on1コミュニケーションについて学んでいくよ!マネージャーや育成担当の人が抱えている悩みに先生が答えてくれているから、参考にしてみてね!

 

先生のご紹介

徳谷 智史 (とくや さとし)

エッグフォワード株式会社 代表取締役社長


企業変革請負人。組織・人財開発のプロフェッショナル。 京都大学卒。大手戦略コンサル入社後、アジアオフィス代表を経て、「世界唯一の人財開発企業」を目指しエッグフォワードを設立。 業界トップ企業からスタートアップまで数百社の企業変革を手掛ける他、キャリアの専門家としても2万人以上のビジネスパーソンの意思決定支援に従事。

 

メンバーの成果につながる1on1コミュニケーションとは

徳谷先生:1on1は、現在非常に多くの企業で取り入れられてきています。メンバーの方の成長促進やコンディション向上など成果につなげるために行なわれているんですが、1on1だけは取り入れたものの、中身やコミュニケーションの取り方に悩んで試行錯誤しながらみなさんやられているのが現実です。形だけ取り入れてうまくいっていないという企業さんも多いので、どうすればいいかをよくご相談されます。

 

 

受講生代表:「そもそも1on1が成果につながる理由は何でしょう?」という質問が来ていますが、いかがでしょうか。

 

徳谷先生:もともと1on1が流行りだしたのはこの10年以内で、それまでは全員がバラバラに業務をやって成果を出せば良いという考え方でした。しかし今では、仕事だからやれと言われるだけではモチベーションも成果も上がらなくなってきているので、個々がこの仕事をやることで自分にとってどういう意味があるのか動機付けをしてモチベーションにつなげていくことが必要になりました。「個々と仕事の動機付け」というのは、1on1で非常に大事になっています。

 

あとは、それぞれ悩むシーンが増えてきていて、上長に何でも相談して勝手に解決するというのがメンバーの方も現実的に難しくなってきているので、メンバーをちゃんと見て寄り添って成長に導いていくというのを上長側からやってあげないと、勝手に育って残ってくださいという時代ではなくなってきているというのがありますね。

 

 

受講生代表:「1on1の時間は1回当たりどのくらいに設定すれば良いのでしょうか?」という質問が来ています。こちらはいかがでしょうか。

 

徳谷先生:1on1の時間に関するポイントは、主に2つだと思います。結構多いのが、時間は取ったけど話しているうちに何の話をしているかわからなくなり、雑談のようになって終わってしまったとか。あと意外と多いのが、業務の話になってしまって業務の指示だけしてしまうというケースですね。

 

ポイントとしては、まず1on1の1回当たりの目的をきちんと明確にすることが大事です。本人がやりたいことを明確にする場なのか、強みや弱みを少し整理する場なのか。全部まとめて長くやるのか、分けて1回を短くするのかですが、基本的にはテーマを絞って短くするのが良いですね。1時間2時間を1カ月に1回やるよりも、30分でもいいので週1回やるとか頻度を上げた方が1on1の成果は出やすくなります。個々の状況も変わっていきますので、悩みに対してなるべくタイムリーに寄り添っていける方が、1on1が機能しやすいというのはありますね。

 

受講生代表:なるほど。先ほどテーマを絞るというお話がありましたが、テーマの選定も1on1では悩みがちなところかと思います。いかがでしょうか?

 

徳谷先生:そうですね。1on1のことを体系的に学んだことがない上長やマネージャーの方が多いので、自分がされてきたスタイルを踏襲しているケースが多いです。「期待しているよ、頑張れ」みたいな話になったり、上司の話が長くなったりしやすいですね。

 

 

テーマについては、いくつかパターンがあります。1つは、本人がありたい姿(will)とかやりたいことを明確にすることです。どちらかというと期初など早めの段階で長い時間を取って行なう1on1です。そのうえで、本人の強みや課題整理というパターンもあります。一体今何ができて、何につまずいているんだろうかというのを考えていく。これも一定時間を取って行う必要があります。

 

この2つはイニシャルで行うもので、ここからは日常的に行うランニングのテーマです。今どういう状況なのか、何に困っているのかというコンディションの話を聞く必要があります。そして、これから何をしていこうかというアクション整理、そこに対してどのようなサポートができるといいかという話もあります。すごくざっくりいうと、これらのテーマが多く出るところではあります。ただ、この限りではないですし目的によっても変わってきます。業務の話ばかりにならないことが大事かなと思いますね。

 

1回ごとにテーマを分けるというのは重要です。上長側が「今日は何を話そうか」とざっくりしているケースが多いので、上長側もこの30分なり1時間をどういう目的でやるのかと明確にして臨むのが大事です。そしてそれを上司側がやりやすいように組織としてうまくフォローするのが大事かなと思いますね。

 

受講生代表:受講生の方からは「2on1」という制度を設けているという話も聞きましたね。

 

徳谷先生:そうですね。1対2も結構あります。1on1は1対1なので密室になりやすいんです。いつもメンバーと上長が1対1で会議室で話していると、はたして質が保たれているのかというのを誰も検証できないままになってしまいます。大体上司の方はよかれと思ってやっているんですが、メンバーの方がよく思っていないケースもあるので、たまに別の方が同席して1on1の中身を見たり、ほかの方とやって質を改善したりということをしないと、効果が薄れてしまいます。

 

 

受講生代表:なるほど。続いての質問は、「アジェンダは要るかどうか」ですね。

 

徳谷先生:これも目的によりますね。本人が悩んでいることや課題について聞く場合、あまりにもしっかり固めて持ってきてくださいとしてしまうと、どうしても表面的なことしか相談しにくかったりします。なので、その場合はあえてアジェンダを切らずに進めていくのが良いですね。

 

もしくは、これを今後高めていこうと設定して次までのアクションを考えてこようという話で1on1が終わった場合であれば、アジェンダを切った方が良いですし。目的や対象によって、アジェンダを切るかどうかを決めるのが良いと思いますね。

 

 

この「詰められるリスク」もよくありますね。2on1でも1on1でもそうなんですが、やっぱり良くない例として詰めることが挙げられます。「なんでできないの」とか「これはやってよ」みたいな話ばっかりになってしまう。あと意外と多いのが、上長の過去の話で終わるというパターンですね。「俺のときはこうだったんだよ」みたいな。それがハマるケースもあるんですが、実際は「わかるんですけど、当時と今は違いますから」と思っている社員が多いです。やっぱり傾聴したうえで1on1していくというのが鉄則なので、会話量のバランスは考えた方が良いかなと思いますね。

 

あと良くない例としては、いろいろ聞いたあとに「そうなんだ。じゃあ頑張ろうね」という感じで、結局そのあとどうすれば良いかよくわからないパターン。さらに良くないのは、上司が愚痴るパターンですね。1on1に対する愚痴や上長に対する愚痴などを話すと何のための場かわからなくなってしまうので、要注意です。

 

 

受講生代表:多くの方が共感している質問があります。「1on1実施に当たり、消極的なメンバーに対して気をつけるべき点があれば知りたいです」というものですね。

 

徳谷先生:おっしゃるとおり、1on1で「何でも話してください」と言っても、みなさんそこまで何でも話してくれるわけではありません。大事なのは、1on1をする前に関係性を構築することですね。関係性を構築できていなければ、なかなか本音では話せません。

 

前提としての相互理解や本人理解、どういうことがしたくてこの会社に入ってきて、今どういうことが楽しくてどこでつまずいているのか。あとは関係性構築のためには一定の時間も必要なので、コミュニケーションの量を少し増やして関係性を作っていくことが必要です。そうすると徐々に話しやすくはなりますね。

 

あとは上長側から自己開示するのも結構大事です。どうしても上からになりやすいんですが、上司が若い頃はこういうことに困っていたとか悩んでいたとか、その観点で支援したいよということを伝えると少し話してもらいやすかったりはしますね。あとは、話してもらいやすい人から一旦話してもらって、そこ経由で情報を聞くというのも現実的にはあります。

 

1on1は始まった途端に、やることが目的化してしまうことが非常に多いと思います。あくまで1on1は手段なので、部下の方メンバーの方本人をどういうふうに導いていきたいのか、もっと大きく捉えるのであれば組織としては何を目的として1on1を導入するのか、そこを目的設定して検証していかないと、導入したあと形骸化してしまいます。良い成果が出るとグッドサイクルが回せるので、しっかり目的意識を持って1on1をすることが望ましいですね。

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