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2023年7月28日 16:22 更新
InstagramやTwitter、ブログなどの個人で情報発信できるプラットフォームの増加に伴い、近年はデザインスキルがない方でもInstagram投稿の画像やポスターなどを感覚的に制作できるツールが登場しています。その1つがAdobe Express(アドビエクスプレス)です。ここではAdobe Express の概要から特徴・使い方をまとめてご紹介します。
AdobeExpressはノンデザイナーでも使いこなしやすいアプリだと言われています。その理由が分かるよう、次でAdobe Expressの概要や主な用途を確認していきましょう。
Adobe ExpressはAdobe社が提供するAdobe Creative Cloud(PhotoShopやIllustratorなどの定番クリエイティブツールを利用できるサブスクリプションサービス)の必要最低限の機能を搭載したデザインアプリです。
Adobe Expressの最大の特徴は、デザイン制作の経験がない人でも特別な知識なしに、自分の好みに合わせてテンプレートを感覚的に編集すれば目的の制作物をデザインできる点だと言えます。
10万点以上のテンプレートが用意されて(2023年7月時点)いるので、ゼロから考えずとも自分がイメージしている制作物に近しいデザインに仕上げられる点も魅力です。
さらには、高品質の写真や画像を提供するAdobe Stockと、数千以上のフォントを提供しているAdobe Fontsの利用も可能なので、プロのクリエイターにサポートを受けながらデザインを制作している感覚が味わえます。
そのためAdobe社が提供する、主にデザイン経験者向けであるPhotoShopやIllustratorと比較すると操作画面や機能もデザイン制作初心者に使いやすいシンプルな構造になっており、短時間で自分の好みに合った高品質なデザインを完成させられます。
Adobe Expressは簡単で直感的な操作が可能な一方、Photoshopなどプロ仕様のツールと比べると機能に制限があります。そのため、ツール修得に時間をかけず気軽にデザインを楽しみたい人、比較的簡単な画像編集を行いたい人に向いているツールと言えるでしょう。具体的には以下のような人に向いていると言われています。
Adobe Expressにはブラウザ版とアプリ版があり、利用デバイスによって使い分けが必要になります。以下のように、ブラウザ版はパソコンから利用ができ、アプリ版はスマートフォンまたはタブレットにアプリをインストールすることで利用が可能です。
デバイスに合ったAdobe Expressのバージョンを選べば、インターネット環境がある場所ならいつでもデザイン作成が可能です。
ここまでの解説で、Adobe Expressはスキルや経験がないデザイン制作初心者にも使いやすく、複数のデバイスから利用できることが分かりました。次はAdobe Expressの一般的な用途を見ていきましょう。
YouTubeのサムネイルとはYouTubeチャンネルのページ上部に表示される大型の画像で、チャンネルの詳細に興味を持った人が目にするメイン画像です。
YouTubeチャンネルに興味を持っているユーザーに対して、チャンネルの概要をイメージで伝える必要があるため、YouTubeのバナー画像ではチャンネルで投稿している動画のテーマの世界観やチャンネルのコンセプトが伝わりやすい画像を制作する必要があります。Adobe Expressでは豊富なテンプレートと提供素材から、チャンネルごとのコンセプト・雰囲気に合ったYouTubeバナー画像が制作できるようになっています。
InstagramやFacebookをはじめとしたSNSの投稿画像もAdobe Expressで簡単に制作することが可能です。Adobe Expressにはスライドショーのような形式でコンテンツを投稿するストーリーズ機能で使う画像を制作する「Instagramストーリー」やInstagramのタイムラインに投稿する画像が制作できる「Instagram投稿」のカテゴリが用意されており、それぞれのカテゴリからテンプレートを選べるようになっています。
※参照 SNSの画像を無料で簡単に作成|Adobe Express
Adobe Expressはインターネット上で活用できるWebデザインだけではなく、イベントや店舗で使えるグラフィックデザインのテンプレートも豊富です。具体的にはポスターやチラシ、イベントの招待状のデザインが挙げられます。
テンプレートは「おしゃれなデザイン」「手書き風のデザイン」「シンプルなデザイン」をはじめとした、デザインの印象や「運動会、文化祭向けのデザイン」などデザインした制作物を活用するシーンから選択できます。またAdobe Expressは素材の種類やアレンジ方法が幅広いため、様々なシーンに合わせたグラフィックデザインが制作出来る点も魅力です。
ここまで画像編集をメインに取り上げてきました。一方、Adobe Expressは画像だけに留まらず、動画の制作・編集でも活用できるツールです。動画制作の例には、写真のスライドショー化、制作したデザイン上のテキストのアニメーション化が含まれます。
スライドショーで用意されているのは「ズーム」「パン」「フェード」など複数種類のアニメーションです。またテキストのアニメーション化でも「タイプライター」「ダイナミック」「フリッカー」など複数のパターンからアニメーションのテンプレートが選択できる点も特徴です。
Adobe Expressのロゴメーカーには、プロがデザインした数千のロゴテンプレートが用意されています。フォント、カラー、スタイル、アイコンなどのオプションを活用して、短時間でのオリジナルロゴ作成が可能です。作成した作品は様々な形式で保存ができるため、すぐにブランドのロゴとして使えます。
ここまでAdobe Expressが簡単に高品質なデザインを制作できるアプリであることを解説してきました。一方、Adobe Expressは他のAdobe社製品と比較すると簡単さに特化している分、機能には限りがあります。次の項目では、Adobe Expressではできないことを見ていきましょう。
Adobe Expressでは次のような細かい色編集はできません。
細かい加工や編集が必要な場合はAdobe社が提供している本格的な画像編集アプリPhotoshopがおすすめです。
Adobe Expressはすでに用意されているテンプレートを編集して、デザインを制作するアプリです。そのため以下のような構成や構図、色合いから考えるデザイン制作には向いていません。
上記のような比較的創造性が高いデザイン制作には、自分のデザインスキルを活用してイラストやデザインが制作できるIllustraterを利用すると良いでしょう。
ここまでAdobe Expressの概要や用途、できないことを解説してきました。次では他のデザイン制作アプリと比較した時のAdobe Expressの特徴やメリットを解説します。
Adobe Expressはログインができる端末をお持ちであれば、誰でもすぐに始めることができます。専用ツールのインストールや事前の設定は不要です。また無料プランもあるのでまず試しに触ってみるということが可能です。
Adobe Expressにはプロのデザイナーが作成した数々のデザインテンプレートが揃っています。 初心者・未経験者にとってはどんなデザインが伝わりやすいのか、デザインのイメージを作り上げる段階で苦戦し、時間を要してしまう方も多いのではないでしょうか。テンプレートの存在によってイメージ作成にかける時間を短縮し、誰でもすぐにデザイン作成に取り掛かることができます。
Adobe StockはAdobe社が提供している素材ストックサービスです。写真、動画、オーディオ、3Dなど、世界中から集められた素材が約3億点提供されており、無料素材だけでも100万点存在します(2022年11月現在)。
Adobe ExpressはAdobe Stockと連携しているため、Adobe Expressでデザインを制作している最中にアプリ内で写真や動画を検索し、保存ができるようになっています。さらに類似する画像や音楽を検索する機能が備わっているため、最適な写真や動画が1枚見つかれば、デザインしたい制作物のイメージにぴったりな画像やビデオを続けて見つけられるのです。
前項の「Adobe Expressの概要」で解説したように、Adobe Expressではフォント提供アプリのAdobe Fontも利用できます(プレミアム機能のためサブスクリプションへの加入が必要)。
デザイン制作では画像や動画だけでなく、テキストのフォントもデザインの印象やわかりやすさに関して重要な役割を果たしています。そのため「テンプレートでは独自の世界観が表現しにくい」と感じた方やフォントでデザインの雰囲気を調整したい方にとって、Adobe Expressを活用したフォントのカスタマイズは大きなメリットになると言えるでしょう。
Adobe FontsではAdobe社に加えて、世界中のフォントメーカーやパートナーが提供する2万以上のフォントが提供されています。日本を代表するフォントメーカーが提供している500点以上の日本語フォントも含まれており、高品質なデザイン制作にぴったりのアプリです。またAdobe Fontsは随時アップデートされており、今後も新しいフォントが追加されると考えられるでしょう。
テンプレートや素材の多さや用途の幅が広いことだけではなく、デザインツールの利用経験に関わらず、誰もが直感的に使えるような設計がされている点もデザイン初心者がAdobe Expressを利用するメリットの1つです。
Adobe Expressは操作画面のトップに「Instagramストーリー」「Facebook投稿」「ポスター」「ロゴ」をはじめとした、制作物の一覧が表示されており、自分の用途に合わせて選択すれば、編集画面からテンプレートやテキスト、写真が簡単に選べるようになっています。そのため、デザイン制作初心者でも「自分が作りたいもの」が決まっていれば感覚的な操作で高品質なデザインが制作できるのです。
背景リムーバとは背景を切り抜き・削除、透明にする機能です。背景リムーバはCanvaをはじめとしたノンデザイナーやデザイン制作初心者向けのアプリでは、有料版に加入する必要がある場合がほとんどです。
一方、Adobe Expressでは無料版でも背景リム―バが使えます。背景リムーバ機能を使えば、背景を透過した後、新しい背景を追加することで、当初の背景とは異なる背景の前に被写体を置けます。また背景を透過した写真を既存のテンプレートに当てはめれば、短い時間でオリジナルのチラシやアイコン、バナーが完成するのです。
Adobe Expressでは、作成したデザインを共有するためのQRコードを生成することができます。QRコードがあれば、紙媒体を使う場合などでもWebページのURLを手軽に共有することができ便利です。
生成の方法はとても簡単で、トップページの「クイックアクションを試す」にあるQRコードから「QRコードを生成」をタップし、QRコードを作りたいページのURLを貼り付けてダウンロードするだけで生成できます。
Adobe ExpressとSNSを連携すると、そのまま制作物をTwitterやInstagram、Facebookなどに投稿することができます。また、予約投稿にも対応しており、投稿する時間や投稿時の文章を事前に用意しておけば、設定した時間に自動で投稿ができます。
使い方もシンプルで、制作物の保存ができていれば画面右上のカレンダーマークがアクティブになるので、そこから詳細を設定すれば予約作業が完了します。また、制作物の保存されていなければ、ダウンロードボタン内で予約投稿の選択をすると自動的に保存され、設定画面を開けるようになります。
最近ではChatGPTをはじめとした生成AIが話題になっていますが、Adobe Express (Beta版)ではAdobeの生成AIであるAdobe Firefly(Beta版)が搭載されています。Adobe Express β版のアクセスリンクは、こちらのFAQページ内に掲載されています。
Adobe Fireflyでは欲しい画像をテキスト入力することで自動で画像を生成したり、写真背景の塗りつぶしや画像の配色変更をしたりできます。そのため、Adobe Expressと組み合わせて使うことでより魅力的な制作物を素早く作り上げることができるでしょう。
Schooオリジナル授業『Adobe Fireflyでリアルな画像を手軽に作る』では実際に手を動かしながらAdobe Fireflyの使い方を詳しく解説しています。Adobe Fireflyに興味のある方はぜひご覧ください。
Adobe Expressの料金プランには無料・有料版が用意されており、有料版では全ての素材や機能を使うことができるため、デザイン制作の幅が広がります。料金プラン別のサービス内容は以下のとおりです。
無料プラン | プレミアムプラン | |
料金 | 無料 | 月額1,078円(税込) |
サービス | 2GBクラウドストレージ | Adobe Portfolio + 100 GB のクラウドストレージ + プレミアムサポート |
コンテンツ内容 | 全てのテンプレート Adobe Stock 無料コレクション写真の 一部のコレクション | ロイヤリティフリーの Adobe Stock フォトコレクション* の全写真を含むすべてのプレミアムテンプレート + デザインアセット |
共同作業 | チームと共有できるプロジェクトの数に制限なし | 無料版機能 + Creative Cloud ライブラリを使用して テンプレートとアセットを管理・共有 |
機能 | 編集機能と背景の削除やアニメーション化 などの写真効果 | 無料版機能 + カットアウトの調整、 サイズ変更、グラフィックのグループ などのプレミアム機能 |
ここまで、Adobe Expressの特徴やメリットを解説してきました。ここからはみなさんが今すぐ作成に取り掛かれるよう、アカウント作成から順を追って解説していきます。
まずはAdobe Expressを利用するために以下の手順でアカウントを作成しましょう。
これらの手順を行うことで数分でアカウントが作成できます。
Adobe IDの発行・ログインが済んだら、トップ画面に表示されている「人気のテンプレートから始める」や「Instagram投稿」をはじめとしたカテゴリから、用途に合ったテンプレートを選んでみましょう。「新規プロジェクトを作成」ではテンプレートを使用せずに、自分の好みでデザインを制作することも可能です。
用途とイメージに合ったテンプレートを選択したら、自動的に編集画面に切り替わります。デザイン編集画面では、テキストや背景の差し替え、アニメーションやカラーの追加など、イメージをガラリと変える工夫を加えることができます。ここでは、違いが一目でわかりやすい背景とテキストの編集方法をご紹介します。
背景画像をクリックすると、画面右側に「置き換え」のボタンが出てきます。選択すると画面左側からAdobe Stockもしくは自分の端末の画像をお好みで背景に差し込むことができます。
画像のテキスト部分をクリックすると、テキストの変更も自由に行うことができます。
上記のようにさまざまな編集機能があるため、自分のイメージに近づくまで操作を試してみましょう。実際に手を動かす中で、Adobe Expressの操作にも慣れていくでしょう。
編集が終わったら、右上にある「ダウンロード」を押してみましょう。このボタンを押すことで、複雑な手段を踏まずに画像が保存されます。ファイルの形式もPNG、JPG、PDFと用途に合わせて選択できます。また制作した画像や動画はダウンロード先が選択できるため、複数のデバイスから画像や動画を選択して、SNSやブログなどにアップロードできます。
ここまでAdobe Expressの概要や特徴、使い方を解説してきました。ここからは、操作画面を確認しながら、イラストレーターの先生と一緒にテンプレートを用いたデザイン制作が体験できる授業をご紹介します。コース授業『Adobe Express で直感デザイン』は現在、特別無料公開中です。この機会を活用して、ぜひ気軽に受講してみてくださいね。
< コース紹介 >
このコースではAdobe Express内のテンプレートを使いながら、AdobeExpressを使ったデザイン制作をキャラクターデザイナーの北沢直樹先生と一緒に実践できます。
先生プロフィール
北沢直樹(きたざわ・なおき)
イラストレーター/キャラクターデザイナー「ONE PIECE」「攻殻機動隊S.A.C」や女子プロレス「スターダム」などのデフォルメキャラクターデザインを担当。 TBS「グッとラック!」キャラクター&コーナータイトルデザイン/信濃毎日新聞 月曜付3面「NEWS そこ知り隊」キャラクター&タイトルデザイン他。
< コース紹介 >
このコースでは機能についての紹介もしているので、Adobe Expressを初めて使う方やデザイン初心者の方におすすめの授業です。全3回の授業では、さまざまな画像の作り方を学べます。
デザイン制作の経験がない方にとって、TwitterやInstagramなどの身近なサービスで活用できるデザインを制作するのはハードルが高いと感じやすいでしょう。しかし、今回使い方を解説したAdobe Expressを使えばデザインスキルがなくても身近な画像や写真のデザインに取り組めるようになります。SchooではAdobe Expressをはじめとしたグラフィック・視覚デザインに関する生放送授業を無料で公開しているので、ぜひ活用してくださいね。