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アンケートの作り方を分かりやすく解説!成功のコツと失敗しやすいポイントを押さえよう

<目次>
1:アンケートでよくある失敗
2:アンケートの作成フロー
3:アンケートの作り方:企画・準備編
4:アンケートの作り方:アンケート作成編
5:アンケート取得後の流れ(集計と分析)
6:アンケート作成のコツ
7:アンケートツール
8:Schooの授業でアンケートの作り方を学ぼう
9:まとめ

アンケートは市場調査、従業員満足度調査など、幅広いビジネスシーンで活用される調査手法です。また近年はWEBツールやSNSの発達により、調査会社に依頼せずとも簡単にアンケートが実施できるようになり、より身近な手法となりました。

一方、効果的なアンケートを作成するためにはいくつかのコツが必要です。本稿では、アンケートの作成フローと、各フローでのポイントを詳しく解説します。アンケートの作成を任されたものの、どう作ればいいのかわからない、失敗したくないという方はぜひ参考にしてください。

< この記事で紹介する授業 >

Webアンケート設計入門

Webアンケート設計入門

先生プロフィール

渋谷 智之

渋谷 智之(しぶや・ともゆき)
大学院でマーケティング・流通論を専攻後、シンクタンクに入社。流通・サービス業を中心に、業界動向、企業の経営戦略の分析、白書執筆等に従事。インフォプラント(現:マクロミル)入社後は、幅広い業種にて、マーケティング課題の整理・リサーチ企画・設計・分析・レポーティングを対応。JMA(公益社団法人日本マーケティング協会)のマーケター育成講座の「リサーチ講座」など、社内外での講師実績多数。中小企業診断士、JDLA Deep Learning for GENERAL 2019 #3

 

アンケートでよくある失敗

まずはじめに、アンケートを行う際によくある失敗を押さえておきましょう。陥りやすい状況として①調査結果を見ても課題が解決できない、②質問が不足していることに後で気づく、の2つが挙げられます。

 

調査結果を見ても課題が解決できない

アンケートでよくある失敗のひとつは、アンケート結果を見ても課題を解決できないことです。準備や事前の設計を入念に行わずアンケートを見切り発車で開始してしまうと、このような状況になりがちです。

例えば準備した質問の抽象度が高すぎたり言葉選びに問題があったりした場合、回答者が質問を誤読する、回答することをやめるなどが起こり得ます。この場合、調査結果を集計してみても、回答数の不足や回答内容の不明確さから課題解決に繋げることができなくなります。

また、課題解決と繋がりが薄い質問など、目的に対して適切なアンケートを作れていない場合も、意味のある調査結果を得ることができなくなるでしょう。

 

質問が不足していることに後で気づく

また、アンケート開始後に質問や設計の不十分さに気づくことも起こりがちです。途中で追加するべき質問が見つかることや、より的を得た質問の仕方・回答選択肢などに気付き、変更したいと考えることがあります。

一方、一度アンケートを取り始めてしまうとデータの一貫性を担保するため、質問の項目や形式を変更するのは簡単ではありません。そのため、思うような結果を出すことができず、失敗したと感じることもあるでしょう。

 

アンケートの作成フロー

アンケートの作成フロー

前項のような失敗をしないためにはアンケート作成のコツをしっかりと押さえる必要があります。アンケート作成の大まかなフローは、①企画・準備、②アンケート作成、③集計と分析の3つの工程で成り立ちます。

企画・準備では、アンケート実施の枠組みを決め、全体設計を行います。ここでアンケートをする目的を明確にした上で仮説立てを行い、その仮説を検証するためにふさわしい回答者や、どんな情報を収集するのかを定めます。

次のアンケート作成の工程では、実際の質問や回答選択肢を作成していきます。ここでは、準備段階で定めた全体設計に沿って、どのような内容にすればより精度の高い調査が出来るのかを考えブラッシュアップしていきます。

そして最後に回答を集計・分析をします。スタート時に設定した仮説の検証や、結果共有のためのデータの可視化、レポート作成などを行います。

 

アンケートの作り方:企画・準備編

ここからは、アンケート作りの最初の工程である「企画・準備」について詳しく解説します。

準備の工程を充実させることは課題解決のために適切な内容のアンケートを作成し、意味のある調査結果を導き出すために重要です。アンケートを行う目的を明確にし、何のために・誰に・何を聞くのかの接続を特に意識して取り組みましょう。

 

アンケートの目的を明確にする

はじめに行うのは、アンケートの目的(調査の目的)を明確にすることです。アンケートとは、突き止めたい物事に対する仮説を検証する方法の一つです。そのため、まずは突き止めたい物事を明確にして、課題解決のための糸口としてどうアンケートを活用したいのかをはっきりさせます。

いざアンケートを作り始めると、様々な細かい点に気を配る結果、大きな視点を見失ってしまうこともあります。目的を明確にし、ぶれないアンケート設計が出来るようにしておきましょう。

 

アンケートの対象者を定義する

アンケートの対象者を定義する

次に必要なことは、アンケートの対象者を定義すること、即ち「誰に聞くのか」の設定です。アンケート対象者を誰にすべきかは、アンケートの目的によって決まります。例えば若者の意識を調査したい場合、若者とは何歳から何歳を指すのかなど、対象者の定義を明確にして進めましょう。

また、回答者の属性によっても集計結果は変わるため、それを踏まえて適切な母集団となっているかも確認が必要です。

例えば、商品が男女どちらに好感を持たれるかの調査をする際、回答者のうち女性は10代に、男性は40代に大きく偏っていたとします。そうすると結果が性別による傾向なのか年齢層による傾向なのかが見えにくくなってしまうため、この対象者設定は適切とは言えないでしょう。

回答者区分のよくある方法として、性別や年代、地域などのデモグラフィック情報で分けて考える方法や購入状況・購入場所などの顧客ステータスで分ける方法などがあります。

 

必要な情報の洗い出し

加えて、調査の目的を達成するために明らかにすべき事・検証すべき仮説を洗い出していきます。例えば、サービスの利用が増えないのが課題であれば、「そもそも認知されていない」「接客の満足度が低い」「最近できた競合店に利用者が流れている」など、知りたいこと、確認すべきことを列挙していきます。

Schooオリジナル授業『Webアンケート設計入門』の渋谷智之先生によると、仮説を考え続けることで「誰に」、「何を」、「どのように聞くか」が明確になるとされています。準備の段階でこれらを定義づけることで、のちの作成フローで質問項目を調整する際にも役立つでしょう。

 

アンケート手法の決定

ここまでの工程で調査の全体像が見えてきたら、次は①アンケート手法(オンラインか対面かなど)、②開始日、③実施期間の3つを決めます。

アンケート手法にはSNSやメール、街頭調査や会場調査など様々な手法が存在します。調査手法によってメリット・デメリットや向き・不向きがあるので、仮説を検証するために適切な方法を見つけ、アンケートの作成に進みましょう。

加えてアンケートの目標回答数を集めるのにかかる想定期間やその後計画している施策のスケジュールなどを加味して、調査の開始日と、何日間実施するのかを決めましょう。

 

アンケートの作り方:アンケート作成編

アンケートの作成フロー

ここまではアンケートを作るための基盤となる、企画と準備のフローについて詳しく説明してきました。次に、アンケートの調査票自体を作成する際の流れについて解説していきます。

 

調査項目の分類と全体設計

はじめに、調査項目の分類と全体設計をします。準備の段階で洗い出した仮説や明らかにすべきことを整理し、それらを検証するのに適切な調査項目を考えます。

例えば、先ほど挙げた「サービスの利用が増えない」課題であれば、仮説に基づいて「認知(サービスカテゴリを知っているか、自社サービス名を知っているか)」・「利用実態(使ったことがあるか)」・「サービスへの期待(使ったときの理由、選定基準)」など、聞きたい質問を項目に分類して整理していきます。

また、これら調査項目がアンケート調査の目的を達成するために妥当かどうかも改めて意識しておきましょう。 

 

答えやすい流れの検討

答えやすい流れの検討

調査項目が決まったら、アンケートの構成を考えます。会話に流れがあるように、アンケートも質問順によって回答者の回答率や精度が左右されます。そのため、質問項目を答えやすい流れにすることが重要です。

例えば、上の画像のパターン1のようにランダムに質問していくよりも、パターン2のようにテーマに関する事実→意見や概要→詳細の順番に聞いていく方が、回答しやすいと感じる方は多いでしょう。また、最初の質問は簡単に回答できる易しい質問にすると、アンケートに答えることへのハードルが低くなります。

 

適切な回答形式の検討

続いて、アンケートの回答形式の検討を行います。回答形式とは、回答者がどのように質問に回答するかの種別を指し、この設計によってアンケートの答えやすさや後の集計のしやすさが左右されます。

ここでは代表的な6つの回答形式をご紹介します。目的とシーンに応じて適切な回答形式を設定していきましょう。

単一回答(SA)

単一回答(SA)

一つ目は、単一回答方式(SA/Single Answer)です。この方式では、複数選択肢がある中から当てはまるものを一つだけ選んでもらいます。

選択肢を一つだけ選ぶ際に用いる選択項目として、ラジオボタンとプルダウンがあります。ラジオボタンは、二択や三択など回答選択肢が少ない場合に使い、プルダウンは年代や都道府県など選択肢が多い時に使うようにすることで、アンケート全体の見やすさを高めることができます。

複数回答(MA)

複数回答(MA)

複数回答(MA/Multiple Answer)はその名の通り、複数の選択肢から当てはまるものをいくつも選ぶことができる方式です。また「最大3つ」など、選ぶ選択肢の数を制限することもできます。

チェックボックスと呼ばれる回答形式では、上図のように複数の回答を選ぶことができるほか、その他の項目に選択肢に含まれていない回答を書くようにできるため、詳細な結果を集めて分析する際によく使われる方法です。

リッカートスケール

リッカートスケール

リッカートスケールとは、上図のように質問に対して、満足度や同意などのレベル感を回答する形式のことです。はい/いいえなどの二択で聞くよりも、細やかな回答者の感情や感覚の違いを知ることができるのが特徴です。

上図では記事の満足度について5段階で質問しています。このように、どの程度満足しているのかについて聞く形式をとることで、回答者は意見や心理、行動について直感的に回答できる他、アンケート作成者はデータを分析する際に詳細な結果や傾向の把握をすることができます。

そのため、意識や満足度など、質的な情報を定量的に分析したい時に用いると良いでしょう。

マトリクス

マトリクス

アンケート調査におけるマトリクスとは、上の図のように、いくつもの質問と回答選択肢を表の形にした形式のことです。

マトリクスは2つの種類があり、同じ選択肢で各項目を一つ選ぶSAマトリクスと、明暗や楽しい/楽しくないなど対極の項目を設置し一つを選ぶ対マトリクスがあります。また、Schooオリジナル授業『Webアンケート設計入門』では、SAマトリクスはその画面の圧迫感から目が滑ったり、回答者への負荷が高いため、統計解析で必要な場合など明確な理由がある際に使用するといいことも紹介されています。

Yes・No形式

Yes・No形式

単一回答方式の中でも、「はい/いいえ」の二択で回答を求める質問形式は、Yes・No形式と呼ばれます。また、Yes/Noの二択で質問する形はクローズド・クエスチョンとも言われています。

この形式はリッカートスケールのように回答の選択肢が多くありません。そのため、アンケートに答えること自体のハードルを低く感じさせるために最初の質問として使われることが多いです。一方、質問によっては回答者は二者択一だからこそ回答に悩んだり、答えにくいと感じたりする場合があるので、Yes/Noの二択ではっきりと答えられる質問で使用するようにしましょう。

自由記述(テキストボックス)

自由記述(テキストボックス)

質問に対して自由に記述してもらえるような形式にすることも、アンケートの取り方の方法の一つです。

この形式は自由記述と言い、回答者の意見や感想を型にはめることなく自由に書いてもらったり、集めたりすることに役立ちます。一方、この形のアンケートは一貫したデータを収集することができないため、統計的な分析をするシーンには不向きでしょう。

 

適切な質問文の設定

適切な質問文の設定

適切な回答形式を決めたら、質問文の仕上げに取り掛かりましょう。せっかくアンケートの目的やそれに応じた質問項目・回答形式を整えても、聞き方が悪く回答者が質問文を読んで誤解してしまったり、そもそも回答できない質問だったりした場合、これまでの計画が台無しになってしまいます。

適切な質問文を設定するために必要なことは大きく分けて①誤解がない文章にする、②回答しやすい内容にする、③誘導的な文章にしないの3つです。以下で詳しくお話しします。

誤解がない文章にする

適切な質問文の設定に必要なことの一つ目は、誤解がない文章にすることです。例えば企業が一般消費者の意識を調査するためのアンケートをする際などに、文中に社内用語や専門用語を用いてしまうと、回答者は正しく質問を理解できないかもしれません。

また、「あなたは頻繁に旅行に行きますか」などの質問も、回答者の価値観によって解釈が異なるため、適切な回答が得られなくなる可能性があります。回数を把握したい場合は「年に1回以上旅行しますか」など具体的に質問する方が望ましいでしょう。

回答しやすい内容にする

また、質問は出来るだけ回答しやすい内容にする必要があります。当たり前かもしれませんが、自分がすぐに回答できない質問は、他の人が答えやすい質問ではない可能性が高いです。

アンケートシーンや回答者の属性にもよりますが、例えば「先月スーパーマーケットに何回行きましたか」など覚えていない可能性が高い内容や、「10年後の日本経済予測」など遠すぎる未来についての質問は、答えにくいと感じる人が多いでしょう。

誘導的な文言にしない

アンケート作成において検証したい仮説は持つべきですが、一方で文章に誘導的な文言を入れないように気を付けましょう。例えば、「国民的人気を誇る〇〇ですが〜」など書いてしまうと、回答者がその物を知らなかったとしても、人気があるというバイアスが入ってしまうため、本心の回答を書きにくくなってしまいます。

このように、誘導的な質問で作成されたアンケートは信憑性や妥当性が確認できず、そもそもアンケートをする意味がなくなってしまいます。また、調査結果や分析は客観性が重要なので、質問者の意見や価値観が混じらないアンケートを作成するよう心がけてください。

 

導入文・プライバシーポリシーの表示

導入文・プライバシーポリシーの表示

調査票が完成したら、回答者に案内する導入文やプライバシーポリシーも忘れずに準備しましょう。アンケートの冒頭で目的を説明したり、回答提出前に個人情報取り扱いの方針を明らかにしたりすることで、回答者がスムーズにアンケートに答えられるようになります。

また、冒頭で回答期限や回答するのにかかる目安の時間を明示することも、回答者がアンケートに答える準備や心構えがしやすくなる点で有効です。

これらの配慮や説明があると、回答者も安心してアンケートに臨むことができるため、回答率が担保され、アンケートを通じて会社のイメージを損ねるリスクも抑えられるでしょう。

 

全体の見直し

調査票が完成したら、最後の工程として全体の見直しを行い、内容の不足やミスが無いかを確認します。全体の見直しをする際は、少し時間をおいて見直すことが効果的です。時間をおいてみることで、回答者の立場になってアンケートを評価したり、重複したものやなくても良い部分を見つけやすくなったりします。

また、アンケートを、プロジェクトに関わっていない人や自分とは異なる立場・性別・年代の人に見てもらうことも、客観的に見やすいと感じるアンケートを作るためには有効です。

 

アンケート取得後の流れ(集計と分析)

アンケートを展開し終わったら、決めた期限までにアンケートを回収し、集計と分析を行います。準備の段階で明確にした目的や明らかにすべき仮説を念頭に、データを整理して分析し、結果を出します。

集計と分析のためにはまずアンケートの回答データをまとめ、不完全なデータやミス回答を除外するなどの整理を行います。そして目的に応じて必要な統計分析を行ったり、グラフの作成などの可視化を行っていきます。

そして分析が終わったら、レポートを作成して結果の共有を行ったり、アンケート結果に基づいた企画案の作成・提案などを行います。

 

アンケート作成のコツ

アンケート作成のコツ

ここまででアンケート調査の準備から実施後までの一連の流れを押さえることができました。ここでは、回答率や回答の質を上げ、更に精度の高いアンケート調査を実施するコツについて解説していきます。

フローは分かっているけれど自分の作業に落とし込めないという方や、より詳しく工程について理解したいと考える方はこの章を参照してください。

 

最終的な利用の仕方を踏まえて作る

質の良いアンケート調査を実施するためには「誰に報告して」「何を判断したいのか」まで考えることが重要です。

例えば、自社商品に関するアンケートを取る場合、行動としてはその商品の認知度や満足度を調べることになりますが、最終的な目的は「商品リニューアルの必要性判断」や「売上低下の要因を突き止める」など、あくまで結果を元に何を判断したいのかに基づきます。このように、常にアンケートを使う最終的な目的を念頭に置いて計画を進めることで、ずれのない進行ができるようになります。

また、最終的に他部署や上長に向けてレポート・企画等の提出が必要な場合、関係者がどのような点を特に気にするかなど、報告のポイントを踏まえて設計するのも有効です。

 

比較を意識する

アンケートでデータを取得しても、その数値単体では意思決定や解釈ができない場合があります。例えば、記事の満足度に関する調査を実施した場合において、この記事を読んだ人の70%が読んで良かったと感じた事が分かっても、その数字が高いのか低いのかを判断するには他の記事や他社の記事との比較が必要です。

このように、比較を意識してデータの収集を行うことで、理想と現状の乖離や、数値の良し悪しを測ることができます。

 

回答の選択肢をMECEにする

有意義なアンケート結果を得るためには、回答の選択肢をMECE(ミーシー)にすることを意識してください。MECEとは、Mutually Exclusive and Collectively Exhaustiveの略で、ダブりがなくモレがない状態のことを表わします。

例えば、回答者の年齢を「10歳~20歳・20歳~30歳・30歳~40歳」などと区切った場合、「20歳」は「10歳~20歳」「20歳~30歳」のどちらに入るのかが不明瞭です。この場合は「10歳以上20歳未満」と区切りを明確にすることで、重複を防ぐことができます。

このように、要素を細分化して考えることで最適な切り分け方を心がけ、データから示唆を得られやすい条件を整えましょう。

 

傾向が分かるような設問を意識する

質問内容と回答選択肢によっては、「どちらとも言えない」などどっちつかずの回答が増えることもありがちです。このようなアンケート結果が多く集まると、データを収集しても有意な結果を得られにくくなります。

そのため、良いアンケート作成には傾向が分かるような設問の内容や、形式を意識することが求められます。例えばどっちつかずの回答が増えそうなものについては、あえて選択肢を減らして真ん中の回答を無くすなどの対応が考えられます。

 

質問を増やしすぎない

質問を増やしすぎない

準備を念入りにするほど、せっかくの調査機会を最大限活かしたいという気持ちが湧いてきます。しかし質問を増やしすぎると、回答者は手間や答えにくさを感じて回答率が下がったり、面倒くささから投げやりに答えるようになってしまったりするため、回答の信憑性を損ねる可能性が高まります。

そのため、質問する内容に重複がないかを精査することに加え、目的を達成するために本当に必要な質問なのかを十分に検討するようにしてみてください。

 

安心感を醸成する

アンケート実施時には、回答者に安心感を持ってもらうことも大切です。安心感の醸成により、回答数を増やしたり、詳細なデータを収集することができます。そのため、プライバシーポリシーだけでなく、質問文や細部でも回答者の感情に配慮し、アンケートに真剣に取り組んでもらえる環境を提供するように心がけましょう。

 

分析の際は回答者の属性の偏りを意識する

アンケートの対象者をしっかり設計したとしても、実際にアンケート結果を集計してみると回答者の年代や性別などの属性が偏っていることがあります。属性が偏っていると回答も偏る可能性があるため、偏りに気づかないまま分析結果を出してしまうと、根本的な問題を発見できず意味のあるアンケート結果でなくなってしまいます。そのため、分析の結果は偏りなどの要因を加味して出す必要があります。

 

アンケートツール

ここからは、これからアンケートを取りたいと考えている方に向け、オンライン上で作成できる簡単なアンケートツールをご紹介します。

 

Google Form

Google Formは、Googleアカウントがあれば誰でも使用できる無料のアンケートツールです。集計結果を即時にグラフ化してくれたり、同じくGoogle社のツールであるスプレットシートにデータを移し、統計的な分析にかけることもできます。また、集められる回答数も限りがないため、大規模なアンケートの作成にも対応してくれます。

※参照:Googole Form

 

Microsoft Forms

Microsoft社が出しているMicrosoft Formsは、office 365を使用している人なら誰でも無料で使える、有用なアンケートツールです。こちらはマイクロソフトアカウントを持っており、Excelなどの他ツールにデータを落とし込んで分析・活用していきたい人におすすめです。ですが、一回あたりの収集できる回答数は200件までなので、より多くの結果を集めたい場合は他のツールを検討してみてください。

※参照:Microsoft Forms

 

Questant

Questant

Questantは、日本のマクロミル社が提供するアンケートツールです。無料プランをはじめとする4つのプランがあり、プランによってアンケートの質問数や結果の閲覧数が変わってきます。

また、有料プランでは、オプションでGMOリサーチが運営する調査モニタでアンケート回答者を集めてくれるサービスもつけることができるため、幅広い消費者に回答してほしいが回答者数を集めるのは大変な時などに検討するとよいでしょう。

※参照:Questant

 

Schooの授業でアンケートの作り方を学ぼう

ここからは、アンケートの作り方についてより詳しく学べる授業をご紹介します。興味のある方は内容もご覧くださいね。

 

Webアンケート設計入門

>Webアンケート設計入門

< 授業紹介 >

この授業では、Webで簡単に取れるアンケートの設計の基礎について学べます。アンケートを作成するための手順や、コツなどを詳しく説明しているため、仕事でアンケートをとることになったけど、何をどうすればいいのかわからないと考える方必見の授業です。

 

誰でも始められるアンケート分析のやり方~顧客・マーケット理解入門

誰でも始められるアンケート分析のやり方~顧客・マーケット理解入門

< 授業紹介 >

アンケート作成の流れやコツはなんとなく掴めた気がするけど、実際にどう手を動かせばいいのか分からない、という方におすすめなのはこちらの授業です。お題のもと、顧客のニーズの仮説立てや調査の仕方、分析方法までの一連の流れを見ることができます。興味のある方はぜひご覧ください。

先生プロフィール

菅原 大介

菅原 大介(すがわら・だいすけ)
新卒で株式会社学研ホールディングスを経て、株式会社マクロミルで月次500問以上の調査を運用するリサーチ業務に従事。現在は国内通信最大手のグループ企業でマーケティング戦略・中期経営計画の立案を担当する。 会社では小売・サービスの分野を中心に年間1,000ページ超のレポートを作成しており、従業員数100名~1,000名の企業におけるリサーチ組織の立ち上げ経験がある。 主な著書に『新・箇条書き思考』『売れるしくみをつくる マーケットリサーチ大全』(明日香出版社)がある。

 

顧客主導で考えよう~アンケートと行動観察調査の有効性

顧客主導で考えよう~アンケートと行動観察調査の有効性

< コース説明 >

こちらのコースでは、デジタルマーケティングの基礎について学ぶことができ、第二回の授業では顧客理解のためのアンケート調査方法について知ることができます。アンケートの調査方法だけでなく、デジタルマーケティング全般に興味がある方にぜひおすすめしたい授業です。

先生プロフィール

垣内 勇威

垣内 勇威(かきうち・ゆうい)
東京大学経済学部卒業後、株式会社ビービット入社。大手クライアントのWeb改善コンサルティングに携わる。2013年、株式会社WACUL入社。現在は代表取締役兼WACULテクノロジー&マーケティングラボ所長として、さらなるノウハウの構築と新規プロダクトの創出を担当。 3万サイト超の分析とユーザ行動観察から得たデジタルマーケティングの知見を、研究所レポートやTwitter、講演・セミナーなどで発信し、マーケター・コンサルタントから経営者・マネジャーまで幅広い層から支持を集める。

 

まとめ

本稿ではアンケートの作り方について手順を追って詳しく解説してきました。アンケートは顧客や一般消費者の声を拾ったり、現状と理想のギャップを可視化したりする上で効果的なツールです。調査会社に依頼せずとも無料で作成できるアンケートを正しい手順で作り、分析することでその後も役立つ結果を得ることができます。

Schooではアンケートをはじめとした、ビジネスで役立つ力が鍛えられる生放送授業を無料で公開しています。登録をお待ちしていますね。

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