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2025年5月21日 9:24 更新
Canva公式サイト(※)ではCanvaについて以下のように解説されています。
「61万点ものテンプレートと、1億点の素材(写真、動画、イラスト、音楽)があり、ドラッグ&ドロップの簡単操作で誰でも簡単にあらゆるデザインを作成できます。パソコンはもちろん、スマートフォンやタブレットでも使えます。Canvaで作成したデザインを数クリックで印刷注文できる「Canvaプリント」と呼ばれる印刷サービスも提供しています。」
デザイン性の高いテンプレートと豊富な素材を活用することで、チラシやメニュー表のデザイン、サムネイル画像のデザインがオンライン上で簡単にできるアプリケーションなので、デザインの知識や経験がないけれど、画像や写真のデザインをしたい方におすすめのツールです。
Canvaを使う前に大まかな機能と特長を知っておくことで、制作できるデザインの幅も広がります。ここではCanvaで用意されている機能と、他のデザインツールと比較して優れている点をご紹介します。
Canvaでは世界中のユーザーが作成したデザインを公開しているため、洗練されたデザインテンプレートの中から自分の好みに合ったデザインを利用できるようになっています。またテンプレートに設定されている写真やテキスト、色は訴求したいイメージに合った色や登録しているカラーパレットに合わせて簡単に変更することができます。
またCanvaは難しい操作をすることなく、スライド・ドラッグ&ドロップで本格的な画像編集・デザインが可能なので、初心者でもプロが制作したような色やテキストに統一感があるデザインを完成させられる特長があります。
さらにCanva公式サイト(※)では「プレゼン資料の作成の仕方」や「インスタ用画像の加工の仕方」について紹介しているため、デザイン制作初心者でも、デザインの仕方を学びながら動画や記事のサムネイル画像やプレゼン資料を作れるようになります。
※参照:https://www.canva.com/ja_jp/learn/
Canvaには3つの価格帯が用意されており、無料版でも200万点以上のテンプレートや無料の写真や素材を使ってデザインを制作することが可能です。個人で運営しているブログやSNSアカウント用にデザインを制作したい方は無料版Canvaで十分だと言えるでしょう。プレゼンやコンテンツの一部に掲載する画像など、さまざまなシーンで利用するデザインをチームで制作したい方はストレージの容量が多く、利用できるテンプレートや素材が多い有料版がおすすめです。
Canvaはインストール型のデザインツールではないため、インターネット環境があればオンライン上でデザインを制作・編集できます。AndroidとiPhone/iPad向けのアプリが用意されているため、CanvaのログインアカウントがあればPCで制作したデザインを移動中にスマホやタブレットから編集することも可能です。
ここまで、Canvaが豊富なテンプレートと素材・フォントを使えるデザインツールであり、デザイン制作初心者でも直感的に画像や資料を制作できるデザインツールであることをご紹介してきました。次では実際にCanvaを使って制作できるものを見ていきましょう。
バナーは広告やブログのアイキャッチなどに使われる商品やサービスの訴求を目的とした画像です。そのため、シンプルでありながら目を引くデザインである必要があります。Canvaはテンプレート数が多く、色違いのデザインも作りやすいことから、ユーザーの反応によって編集する必要があるバナー制作にも最適だと言えます。
SNS用のテンプレートやコラージュ用のグリッドも用意されています。また、作成した画像をSNSと連携して掲載・予約投稿できるだけでなく、InstagramやFacebookなどに掲載したSNS上の写真をインポートして編集・加工することも可能です。
Canvaのプレゼンテーション制作機能はデザイン性が重視されている傾向があり、マイクロソフト社のPowerPointと比較して詳細なグラフを掲載する機能はまだ搭載されていませんが、Googleのスプレッドシートと連携させることで簡単なグラフを掲載することは可能です。またプレゼンテーションのデザインテンプレートも豊富なので、資料作成の手間を大幅に削減できるでしょう。
公式サイトページでも紹介されているように(※)、ビジネスパーソンからハンドメイド作品を販売する主婦まで幅広い方がCanvaを使って名刺のデザインを制作できます。まず、名刺のサイズを選択した後に、氏名やQRコードなどの名刺に入れる情報を入力して、好みのテンプレートからデザインを選びます。デザインが完成したら、ネット印刷サービスを利用することで手元に名刺が届きます。
※参照:https://www.canva.com/ja_jp/learn/howtocreate-business-card/
チラシ・フライヤーはイベントやセールの告知に使われる紙に印刷された一枚の広告物でチラシを見て欲しいターゲットの好みに合わせたデザインや目を引くキャッチコピーが必要になります。デザイン制作未経験者の場合は、チラシ制作ではキャッチコピーに合った画像素材を探したり、それらを組み合わせることに難しさを感じやすいですが、Canvaでは誕生日会や展覧会をはじめとした、チラシ・フライヤーのテンプレート(※)も豊富に用意されています。
Canvaはデザイン制作未経験者でも豊富なテンプレートを利用することで、シンプルかつ効果的なデザインを制作できるアプリケーションですが、テンプレートを基に素材や色を編集したり、新たに画像を掲載する機能も豊富です。ここからはCanvaで利用できる、一段上のデザイン制作に役立つ機能についてご紹介します。
「背景リムーバ」機能を使えば、写真の背景を自動的に削除できます。背景を削除することで異なる画像を背景に差し込むだけではなく、動画素材を差し込むことでアニメーションを制作することも可能です。また万が一、被写体と背景が上手く馴染まない場合は被写体に影をつけたり、背景と被写体の明るさを調整することで被写体と背景を馴染ませることもできます。
フレームの形の通りに切り抜いた素材を背景に載せたい場合は「フレーム」機能が便利です。素材の検索ボックス内に「フレーム」と入力して検索すれば、ノートパソコンや窓、花などさまざまな形をしたフレームを見つけられます。イメージに合ったフレームが見つかったら、そのフレーム内に画像をドラッグアンドドロップするだけでフレームの形に合わせて画像が切り抜かれた状態になります。
製品やブランドのイメージを統一するために、企業では決まった配色でデザインを制作するよう、レギュレーションが定められている場合があります。このような場合に活躍するのがカラーパレットの登録機能です。有料版のCanva Proでは自動生成されるカラーパレット以外にユーザーがよく使うカラーパレットを登録できるようになっています。
Canvaの公式サイト(※)にもまとめられているように、InstagramやフェイスブックなどのSNSに投稿する画像もCanvaのデザインテンプレートを応用して簡単に制作できます。Canvaで制作したこれらの画像はCanvaのアプリ上で各SNSアカウントへの即時投稿、予約投稿も可能です。
SNSの予約投稿機能は有料版のCanva Pro、Canva for Enterpriseおよび非営利団体向けCanvaのみで利用できる機能ですが、宣伝や告知、集客を目的としたバナーは狙っているユーザーによって活発に行動している時間やSNSを見る時間帯があるため、予約投稿機能は最大の集客効果を出すために便利な機能だと言えます。
※参照:https://www.canva.com/ja_jp/create/social-media-graphics/
ビジネスシーンで表を作成する場合はExcelを用いる場合が多いですが、プレゼンテーション資料と同じようにCanvaでも表を作成することが可能です。テンプレートの検索ボックスにキーワード「計画表」「表」などと入力して表示された無料テンプレートから選び、編集するパターンとフリー素材から見つけた表をCanva内で編集するパターンがあります。またGoogleスプレッドシートと連携することで、スプレッドシートにまとめられた数値をグラフにすることも可能です。
CanvaにはAI機能が搭載されており、それらを使った作業効率化が可能です。具体的には、次で紹介するMagic Designや、Magic WriteなどのAI機能があります。
Magic Designを使うと、作成したいスライドのイメージやテーマをテキストで指示するだけで、自動でプレゼンスライドの下書きを作成してくれます。この機能は無料ですが、現時点では日本語未対応なので設定言語を英語に変更しないと使えません。また、16:9のプレゼンテーション形式にのみに使うことができます。使用する際は、上の画像のように編集画面右下のCanvaアシストボタンから起動できます。
Magic WriteはChatGPTのように指示に従った文章を生成できる機能です。例えばデザインに使用するキャッチコピーのアイデア出しや、スライド文章の要約・編集などが可能です。こちらもCanvaアシストボタンから起動します。
Schooオリジナル授業『Canva AIにプレゼン資料を作ってもらおう』では、この機能を使ってプレゼン作成を半自動的に行い、作業を効率化する方法を学べます。最新機能を使いこなしたいと考える方は是非ご覧ください。
個人でデザインを制作する際は無料版の機能だけでも不自由なく使える傾向にありますが、配色のレギュレーションが決まっている企業用デザインを制作する場合や複数人で利用する場合は有料版がマッチしていると言われています。ここでは、有料版の機能について詳しく見ていきましょう。
有料版と無料版の違いは主に以下の通りです。
例えば、無料版のデータ保存容量は5GBであるのに対して、有料版は1TBのクラウドストレージが用意されています。また、先ほどご紹介した「背景リムーバー」機能やSNSへの予約投稿機能、一部のAI機能も有料版のみ利用できる機能です。
※参照:Canvaの料金プラン一覧
デザイナーがロゴやイラストのデザイン制作でよく使うツールの一つ、Adobe Illustrator。Canvaがこれだけ便利なツールであることが分かれば、Adobe Illustratorと比較してみたいと考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。IllustratorとCanvaは確かに同じデザイン制作ツールではありますが、次のように向いている人が異なります。
Illustratorを使用するためにはデザインに関する基礎知識が必要になるため、テンプレートを使わず、自由にデザインを制作したい方や、データ形式が指定されているデザインを制作する方に向いていると言えるでしょう。一方で、テンプレートを用いて直感的にデザインを制作できるCanvaはデザインの基礎知識や制作経験がない方に向いています。
デザイン制作経験者の場合はllustratorで大半のデザインを仕上げた後にCanvaを使って微修正をする方もいるので、簡単なデザインを制作する場合やデザインの修正をするシーンではCanvaはAdobe Illustratorの代替ツールになり得ると言えるでしょう。
最後に、Canvaを使ってみたいと感じた方に向けてPCでの操作画面を活用しながら、使い方を解説します。
まず、Canva公式ページの右上にある「登録」ボタンを押します。登録にはGoogleアカウント、Facebookアカウント、メールアドレスを利用できます。登録アカウントの作成が完了したら、「SNSコンテンツを作成するため」「仕事の文書を作成するため」などの選択肢から利用目的を選びます。選択したら「次へ」ボタンを押して、プラン選択に移行します。プランは利用する人数やクラウド上に保存すると予想される容量の大きさ、目的によって「無料」「Pro」「Emter Prise」から選んでください。
Canva公式トップページのタブ「テンプレート」からSNS用画像やプレゼンテーション資料などのテンプレートを探すことができます。また、トップページの右上にある「デザインを作成」ボタンを押せばテンプレートが設定されていない状態から用途に合わせたデザインを制作することも可能です。
デザイン制作画面の左メニューにある「素材」をクリックすると検索したキーワードに合った素材を探すことができます。素材は写真・グラフィック・動画・オーディオから選べるようになっています。気に入った素材が見つかったら、制作画面上に素材をドラッグアンドドロップするだけで素材が追加されます。
フロー3で挿入した素材は色やサイズなどの編集も可能です。制作画面の上部に表示されている「画像を編集」ボタンをクリックすると、カラーパレットが表示されるので、変更したい色を選択します。また、画像の大きさは素材をクリックすることで四角の選択線が表示されるので、カーソルを動かして好みの大きさに変更できるようになります。
制作画面の左端にある「テキスト」メニューを選択したら、見出し・小見出し・本文などテキストの用途や、フォントを選びます。今回はプレゼンテーションにテキストを入力していますが、写真素材にテキストを載せる場合は写真にぼかしをいれることでよりテキストが目立つようになります。
デザインが完成したら、右上にある「共有」ボタンから「ダウンロード」を選択することで指定の形式でデザインした画像や資料のデータをダウンロードできます。また、共有機能でできることは制作データのダウンロードだけではなく「SNS共有」や「印刷」なども含まれます。
最後に、この記事で紹介してきたCanvaの使い方を学べる授業をご紹介します。Canvaの使い方をサクッと学んで活かしたい方やフォント・レイアウトなどのデザインの基礎知識から体系的に学びたい方はぜひ気軽に受講してください。
< コース概要 >
Canvaのプロとデザインのプロがコラボレーションした、実演形式の授業です。授業では、英会話スクールのPRや餃子メーカーのPRといったお題に沿って、SNS投稿をその場で先生が作成します。Canvaの実践的な使い方を知りたい方、デザインの考え方をプロから学びたい方におすすめの授業です。
先生プロフィール
たなよし
Canva公式クリエイター/コミュニティアンバサダー(Canvassador)としてCanvaを軸にしたセミナーやデザイン制作に従事。「クリエイティブをあなたの味方に」をキャッチコピーに、「明日使えるスキル」が身に付くワークショップ形式の講座スタイルで受講後アンケートで満足度96%を超えている。
先生プロフィール
津田 晋吾(つだ・しんご)
CIデザイナー、アートディレクター。AIの進化により表面的な造形や表現が陳腐化しつつある昨今。これからは「良いデザインを作ること」より「良いデザインを選べること」が重要視されていくことでしょう。 誰もがデザイナー的視点を心得て、クリエイティブに世界を眺め、そこにAIの力を適切に借りることができれば、あらゆる人がデザイナーになれる時代であるとも言えます。
< コース概要 >
Canvaはバナーやサムネイルのデザインだけでなく、WordやGoogleドキュメントのような資料の作成にもとても便利なツールです。この授業では、講師のたなよし先生から、Canvaを使った資料作成やプレゼンテーションへの変換、AI機能を活用して効率的に作業を行う方法について学びます。Canvaをより便利に使いこなしたい方におすすめの授業です。
< コース概要 >
このコースは、ノンデザイナーを対象にしたバナーデザインの基本について学べる授業です。現役のWebデザイナーの先生に、本業でも副業でもすぐに活用できる「バナーデザインの基本原則」を教えいただけるので、特にデザインに関心のある方におすすめです。
先生プロフィール
カトウ ヒカル(かとう・ひかる)
Webデザイン事務所kanvasのWebデザイナー。 これまで100サイト以上の制作に関わり、半数はデザインからHTML/CSSコーディング、CMSの組込までワンストップで対応。 デザインセンスをロジカルに学ぶオンライン講座「kanvas study plaza」を主催。「思わずクリックしたくなるバナーデザインのきほん」の著者。
< コース概要 >
本コースではデザインの基本をゼロから学べる授業を毎月1回、全6回に渡って学べます。WEBデザインやグラフィックデザインの領域でデザイナーとして活躍したい方や、デザインの基礎知識を身につけたいと考えている方におすすめのコース授業です。
先生プロフィール
カイシ トモヤ
アートディレクター/グラフィックデザイナー。株式会社ルームコンポジット代表取締役。東京造形大学教授。関西大学産業心理学専攻卒業後、デザイン会社を経て2004年独立。香港国際ポスタートリエンナーレ 金銀銅賞/KAN Tai-Keung賞、APA金丸重嶺賞、繊研流通広告賞 金賞等。主な著書に『How to Design いちばん面白いデザインの教科書 改訂版』『たのしごとデザイン論 完全版』(MdN)がある。
今回はデザインの経験がないノンデザイナーの方でも簡単に画像や資料スライドのデザインができるクラウドツールCanvaの機能と特長や使い方をご紹介しました。「文字だけの資料だと分かりにくいと言われた…」「図を使って説明したいけれどデザインの経験がないから不安…」そんな方にCanvaはおすすめのツールです。
この記事でご紹介したSchooの授業を受講して、ノーコードツールを活用したデザイン制作のスキルを高めていきましょう。SchooではWebデザイン・グラフィックデザインの授業が月額980円で受け放題です。ぜひ、活用してくださいね。