2019年3月04日 14:53 更新
Schooとデザイナー・クリエイターの求人・転職サービスを提供する優クリエイトが『【グラフィックデザイナー向け】Web制作セミナー』を開催しました。当日は現在グラフィックデザイナーとしてお仕事をされている方を中心にご参加いただき、Schooの商品開発担当からは、グラフィックデザイナーとWebデザイナーの違いやWebデザインの概要知識について、優クリエイトのキャリアアドバイザーからは、Webに携わるようになったグラフィックデザイナーの事例紹介・体験談をご紹介いたしました。
この後編の記事では、イベントレポートとして「グラフィックデザイナーの事例紹介・体験談」をご紹介いたします。
※前編では「グラフィックデザイナーとWebデザイナーの違い」をご紹介しています。
優クリエイト クリエイティブ・ディレクター:本日は、紙のデザインだけでなくWebのデザインにも関わる、お仕事をされている方の事例をご紹介したいと思います。
まず1人目のAさんの事例をご紹介します。
Aさんは、簡単なバナー制作・TOP画像制作からスタートし、全体のWebサイトデザインを行っていくようになりました。現在は、どこまでが自分でできるかをふまえた上で、他の部分は人と協業しながら進めていくという働き方でWebサイト制作に関わられています。
Aさんは、デザイン制作会社やレコード会社に従事した後、著名アートディレクターに師事していたのですが、結婚を経て印刷会社に転職しました。その後、印刷会社がWeb系の会社を吸収して、Webデザインのスキルの必要性を感じてWebデザインに取り組むようになったそうです。
当時は、コーディングはもちろんWeb用のデザインについての知識もない状態から、業務の中でWebデザイナーの方から指摘をもらったり指導を受けたりして、知識を構築していったそうです。
その後、Web制作案件もはじめからコーディングなどの本格的なWebデザイン業務を行っていったわけではなく、バナー制作やTOP画面制作などのデザイン業務の共通するスキルを身につけてから挑戦されています。グラフィックデザインのスキルや知識がある方は、Aさんのように共通したデザインスキルを活用して携われるところからWebのお仕事に挑戦していく事例は少なくありません。
Aさんが、Webデザインを業務として行うにあたって意識されていた学習のポイントは以下の2つです。
1つ目が、Webデザイナーやコーダーというこれまでに紙のデザインのワークフローには登場しない役割を持った方々との連携について、実際にお仕事をしながら学習されたという点。2つ目が、業務の中でWebデザインのセオリーを学習されたという点です。
Webデザイン特有のフォントサイズや表示スペースの制限や制約についても学習されていったことで、紙とWebどちらも業務として扱えるようになっています。Webデザインも紙のデザイン業務同様でデザインとコーディングを分業で案件を行うことが多いです。
続いて2人目のBさんの事例をご紹介いたします。
Bさんは、デザインだけを行い、コーディングを外部のコーダーに依頼するという進め方で実績を積み上げられています。紙のデザインからWebのデザインに取り組まれようとされている皆様には、Bさんのように分業することで、これまで培ってこられた強みを活かすという取り組み方がオススメです。
ポイントをまとめると以下になります。
最後に3人目の事例をご紹介します。この方は、もともとは印刷会社でデザインなどを行っていましたが、Web制作会社に入社しWebデザインならではの部分について、わからないなりにも試行錯誤されてこられた方の事例です。実は、この3人目の事例は私の自身についてなのです。私がWebデザインに関わる中で感じた気付きなどをご紹介します。
私はWeb制作会社に初心者Webデザイナーとして勤務しました。簡単なコーディングで更新作業しかできませんでした。しかし、デザインを自分で自由にやってみたいと思っていたので、自分でコーディングをするという条件のもとで、デザインを自由にやらせてもらえるようになりました。
この経験をふまえて得た気付きとしては、デザインからコーディングというWebデザイン特有の制作工程を知ったということです。結果、デザインを重視したため、コーディング作業に負担がかかってしまったことがありました。皆様の中にも、コーディングに課題意識がある方が多かったと思いますが、全て自分で完結させようとせずに外部のコーダーとの協業によって制作プロジェクトを進めることというのはプロジェクトを進める上でも重要な考え方となります。
Webサイト制作のプロジェクトは、必ずしもひとりで進めなければいけないわけではありません。私は最終的に外部のコーダーやフリーランスのデザイナーと協業し、自分は全体のディレクションをするようにシフトしていきました。
コーディングができないからWebはやらないと思わず、できる実務をやりながら並行してWebデザインの学習を進めていくということをオススメします。
「指導や指摘」をもらえる環境に身を置いてみる。Webの制作に関わることのできる環境にトライしてみること。まず大切なのは実務として経験してみることです。
「習うより慣れろ」から、「慣れながら習う」ということをオススメします。
紙だけでなくWebデザインの案件が増えてきている今、紙のデザイン、グラフィックデザインを行ってきた皆様のスキルは求められています。
ここからはWeb業界、特にWebデザイン関連の求人傾向についてご紹介します。あくまでも傾向としてのご紹介となりますので、求人によってはこの限りではないことをご了承ください。
・正社員:Webサイトのデザイン
− 必要な知識:グラフィックデザイン実務経験3年以上→Web制作の知識や経験は一切不要
・契約社員:SP(モバイル/スマホ)ツールメインのグラフィックデザイン
− グラフィック実務経験3年以上
・業務委託:Web/画面デザイン
− グラフィックデザインもしくはWebデザイナーとしての実務経験/広告販促系のグラフィック経験がある方
− コーディングやコーディングの指示出しなどは不要
・正社員:ECサイトの更新・管理、販促企画
・契約社員:Web/画面デザインバナー・LPのデザイン制作
・業務委託:Web/画面デザイン
・企業側としてはグラフィックデザイナーの「デザイン力」に期待している
・思いきった方向転換ではなく、グラフィックデザイナーとして仕事をしながら無理なくWebの実務経験を身に付けられる
・Webのセオリーを、実務を通じて身に付けられる(教育体制があり、社内にWeb制作者がいる)
どのように仕事を見つけるかも重要です。以下の4つについて整理してみると良いと思います。そのうえで、「今できること」と「できるようになった方が良いこと」を明らかにすることで学習すべきポイントが明確になります。
4つのポイント
1.必要なこと/できることの精査
2.タイミングよく応募する
3.仕事の選び方
4.優先順位
Q:Webの市場・働き方は今後どうなりますか?
A:Webの市場自体はますます拡大していきます。ネット広告の広告費がテレビを抜いたというアメリカの調査もあります。日本では2兆円/Web1兆円という状況です。アメリカは5年先をいっているという状況ですから今後5年でネット広告はテレビを、追い抜いていくことが想定されます。
Webデザインとシステム・プログラムの分業はより進んでいくでしょう。これまでは、ひとりでWebデザインをしてコーディングしていくというカタチでしたが、Webデザイナーの方はデザイン全般を行っていくという傾向があるため、横断的に行っていくことが増えていくでしょう。紙・Web、そしてUIデザインという言葉も聞いたことがあるかと思います。デザイナーはデザインの領域で横断化されていくと考えられます。
Webデザイナーに興味のあるあなたにWebデザインを学ぶための授業4選をご紹介します!これらの授業を通じて、UI/UXデザイン設計の基礎から、実際にコーディングスキルまで理解することができます。ぜひこれらの授業を受講し、Webデザインに関する知識を身につけましょう!
本授業は、コーディング初心者が中級者にレベルアップするための実践型授業です。コーディングテクニックを単に知識として学ぶだけではなく、実践的に身につけることを目指します。
本放送は、Schooでもおなじみ「HTML5&CSS3デザインレシピ集」の著者である狩野 祐東先生が、初心者のためのテクニックをLIVEで実演します。実演を見ることでしか分からないコツや、初心者がつまづきやすいポイントを学んでいきましょう。
本授業では、現在のWebデザインの主流となっているフラットデザインについて、基本的な考え方や特徴、インターフェースなどUI設計との関連性を学んでいきます。
フラットデザインは単に「流行りだから使われている」わけではないのです。そこに至った経緯や理由を考え理解した上で、デザインやコーディングに役立てていきましょう。
この授業では、Web制作におけるPCサイト及びスマートフォン(スマホ)サイトのデザインパターンとコーディングテクニックを学んでいきます。
CSSのみで実装できるものからjQueryを用いて表現するものまで、Webサイトを作る上で最低限必要になってくる表現方法を抜粋して紹介していくので、根拠のある知識を用いたコーディングスキルを身につけていきましょう。
この授業では、Webデザインを勉強している初心者の方、またはモバイルUIデザインを基礎から学びたい方を対象に、モバイルサイトデザインにスポットを当てて、UIデザインの基礎授業を講義と実技を交えながら学んでいきます。
いかがでしたでしょうか?
紙のように幅が決まっていなかったり、デバイスに応じて見せ方を整える必要があるなど、Webデザインは紙とはまた異なる魅力があり、それをどう表現するかはデザイナーの腕にかかっています。 まずはこれらの授業を受講することで、Webデザインに関する基本的な知識を身につけることが出来るでしょう。さらに、これらの授業を通じて、自身がこれからいかにしてWebデザインを実践していくかを考えることも出来たのではないでしょうか?
スクーではこれら4つの授業以外にWebデザインに関する授業を多数開講しています。ぜひスクーでさまざまな授業を受講し、Webデザインに関する知見を深めていきましょう!