10/10(Thu)

今日の生放送

ーー目次ーー

1、「カスタマージャーニー」とは?

2、BtoCマーケターのためのカスタマージャーニーの作り方

3、「カスタマージャーニー」をさらに学んでみよう!

4、スクーなら動画でわかりやすく学べる!

 

「BtoCマーケターのためのカスタマージャーニーの作り方」。それが、カスタマージャーニーの基本を知りたい方、マーケティングオートメーションツールを導入したが、成果がほとんど変わらないと悩んでいる方にオススメの授業。

 

かいせつ先輩

「カスタマージャーニー」という言葉を聞いてことはあるけれど、自分で実践できるレベルまで理解している人は少ないのでは? マーケティングに携わる者としては、消費者の購買行動をしっかり把握しておきたいもの。その第一歩となるのが、「カスタマージャーニー」を知ることです。

 

「カスタマージャーニー」とは?

「カスタマージャーニー」とは、「消費者をペルソナ化し、その購買のプロセスを可視化していくこと」です。

カスタマージャーニーを作ることで、消費者との接触ポイントとそこで提供するコンテンツを最適化することができ、その結果、顧客との長期的な関係(エンゲージメント)を構築することができます。

 

同じ顧客でも、AさんとBさんでは、検索するタイミングや購入するタイミングなどが異なります。そのため一人ひとりに合わせた「顧客の視点」でのマーケティング=「1to1マーケティング」を展開していく必要があます。マーケターの視点で打った施策が、「顧客の視点」で見るとニーズとかみ合っていなかったということもあります。

 

こうした問題点を発見することが、「カスタマージャーニー」のおもな目的とされていますが、「その問題点をどうクリアにしていくか」という具体的なプランを決める目的で使われる、「打ち手の実行書」のような意味でも使われます。

 

で、結局何をすればいいの? この授業を見れば「カスタマージャーニー」をもっと深く理解できそう。

 

先生のご紹介

小川 共和 マーケティングコンサルタント

マーケティングコンサルティング専門 小川事務所代表。株式会社マルケト 特別顧問。青山学院大学ビジネススクールABS非常勤講師。 電通 東京本社でマーケティング部門、営業部門に在籍。2015年11月末電通を定年退職し、マーケティングコンサルティング専門の小川事務所を設立。 その間、5年間、電通グループのデジタルマーケティング専門会社 電通イーマーケティングワンに出向。専務取締役として営業・コンサルティング・制作等の現業部門を担当。 電通が得意とするマスマーケティングではなく、デジタルを駆使した1to1のエンゲージメントマーケティングを経験。ウェブマーケティング、CRM、コミュニティーマーケティング、リードジェネレーション・リードナーチャリングに目覚める。出資社としてマルケト立上げにも参画。


 

BtoCマーケターのためのカスタマージャーニーの作り方

 

目標の策定

小川先生:エンゲージメント・マーケットをやるぞと思った時に、予算もついて人もついて、ある程度手間暇かけてやる決断をするわけですが、そこまでして最終的に何を獲得したいんですか?それに対する答えですね。

 

「2カ月の新発売キャンペーンで○万台売るぞ」「春のキャンペーンで○万契約獲得するぞ」「クリスマスの商戦で○万件数売るぞ」といった短期決戦型のキャンペーンと言われているものの場合、明快です。一般的には、非常にわかりやすい販売目標が、目標という形で設定されます。ただ、エンゲージメント・マーケティング、つまりひとりのお客さんと数カ月、数年の長い期間かける関係を想定する場合、この発想とは違うと。

 

一般的に商品の購買検討期間というのは、価格に比例するといわれています。高い商品であればあるほど、長い時間をかけて検討するというわけですね。エンゲージメントというからには、獲得するものも高いものになります。BtoBの場合もそうですけど、不動産とか自動車とか、何百万、何千万の契約を獲得する。間違いなくそれが目標になります。しかしそれだけではないんですね。長い期間かけて獲得するに値するのは、利益だけでなく、人間、ある人を獲得するということが多いんですね。

 

いわゆる「ライフ・タイム・バリュー」の高い、ロイヤルユーザーを獲得する。長期優良顧客を獲得する。上顧客を獲得するといった場合もありますし、ファンを獲得する、アンバサダーといわれる自社のことが好きで、みんなに推奨してくれる人を獲得するということも目標になるんですね。エンゲージメント・マーケットはこっちの方が多いと思います。

 

またちょっと視点を変えてみます。商品を売る、サービスを売るだけではなくて、人材を獲得するっていうのもマーケティングの指標にできます。企業が社員を採用する、もしくは学校が学生を募集する。これも獲得するマーケティングです。実際マーケティングオートメーションでもっともはやく火が付いた業種が、ヒューマンリソース系の業種です。すなわちこの「人を獲得する」というのは、エンゲージマーケティング。そのまま使える仕事だということになります。

 

受講生代表:契約の獲得数だけでなく、人も目標になるんですね。この目標なんですけども、わざわざ設定しなければいけないものなのでしょうか? 業務の以前に、自然と決まってくるようなものもあるのかなと思ったのですが。

 

小川先生:目標なんて、なんでここでいまさら決めるの? そもそも最初に会社としてこれをやるぞと決めた段階で、目標も当然定まっているものなんじゃないの? という風に思うんですけど、現実は意外とそうでもない。マーケティングオートメーションというツールを導入するぞ。この手法を取り入れてみようという、そっちが先にあって、目標を設定する前にツールの採用を決めてしまうケースが結構多いんですね。なので手法は決まったんだけれども、「何を獲得するためにやるんだっけ」というのをあとから考えることが意外と多いんで、あらためてちゃんとひとつのプロセスの中で、最初にしっかり固めましょうということになります。

 

人によって違うものを想定していると、やっている最中に根底から崩れていきますから、しっかり全員が共有することが大切です。

 

受講生代表:たしかにチームでしっかりと目的、目標が一致していないと、うまくツールも使えないですよね。

 

小川先生:現場の人たちがこれを目標だと思っていたら、上のほうに上がっていったらちゃぶ台を返されて全然違う目標だったということもあります。いかにこの目標を明確に決めるかが、当たり前だけど難しいというのが現実ではないかと思います。

 

【小見出し】ターゲットとニーズの策定

小川先生:ターゲット。マーケティングをやっている方なら理解していると思いますけど、自社の商品・サービスを買ってもらいたい人、そのためにアプローチを仕掛ける人のことを指します。ニーズ。これも基本的なマーケティング用語ですけど、自社の商品やサービスに対して抱く期待。別の言い方をすると、どんな夢や悩みを抱いていて、それを自社の商品でどう解決したいのかということを規定するということになります。

 

具体的にいうと、ある洗剤ですね。「油汚れがきれいに落ち、しかも手肌が荒れ合い洗剤がほしいと思っている子育て中の主婦」「お腹、特に腸の調子を良くする健康食品を求めている20代OL」。”こういうニーズを抱いているこういう人”という規定になります。もうひとついきます。「スポーティーでかっこいい車、それも輸入車を求めている年収1500万円以上の大人の男性」。”こんなニーズを抱いているこんな人”という言い方になります。「これでターゲットとニーズは完成しましたか?」といわれると、まだダメなんですね、これじゃ。

 

そのターゲットから見て、自社商品・自社サービスはどう映っているのか。当然ターゲット側から見ると、ものすごいたくさんの競合品があります。それら競合品と比べられたときに、本当に自社商品というのは魅力的に見えているのか、ちゃんと存在しているとみなされているのかというのを、顧客側の視点で見てみなければならないわけですね。

 

先ほどの例でもう一回。「油汚れがきれいに落ち、しかも手肌が荒れ合い洗剤がほしいと思っている子育て中の主婦」で、「残念ながら現時点では彼女たちから見ると自社洗剤はライバル商品に比べ洗浄力に劣る、油汚れが落ちにくいと思われている」。そこまで記述しなければダメなんですね。そうすると、じゃあやっぱりこの人に買ってもらうためには洗浄力に対する評価を上げること、このジャーニーによって解決していかないと買ってもらえないよねということがわかると思います。「お腹、特に腸の調子を良くする健康食品を求めている20代OL」。彼女たちから見ると、大体名の通った一流企業の商品は、効果ってみんな同じようなもんなんじゃないかって思ってます。効果もそうですけど、それ以上にちゃんと毎日続けられるかどうかっていうことの方が非常に関心が高いと。そんな人たちがターゲットだと。毎日続けられるかどうか、それがそういう評価をちゃんと獲得できるかどうかというのが成功・失敗の分かれ道になってきます。

 

3つ目ですね。「スポーティーでかっこいい車、それも輸入車を求めている年収1500万円以上の大人の男性」。彼は、実は自社商品は十分スポーティーでかっこいい輸入車だという認識を持っている。ただ、今まで国産車しか乗ったことがないために、この輸入車を私が買う車だという認識が薄い。まだ他人事に思われているということですね。そんな風に思われているために、この車がある自分の人生ってすごくリアルに思い浮かぶし、すごく素敵そう。そういうある種のリアリティを作っていくということが課題になってくるんですね。要するに他人事だったことを自分事化するというのが課題ということになります。

実際マーケティングをやっていると、現在自社に対して、どういうパーセプションを抱いている人を狙うのが勝算が高いかということを検討します。こういう人たちはちょっとターゲットにしても難しいかなとか、こういう人たちは今回の商品であれば相手にそう思ってもらえるだろうと。しかもそう思ってくれるお客さんの数もすごく多い。だからここを狙おうということをやります。

 

実は”こんなことを抱いているこんな人”というニーズだけじゃダメなんですね。今彼は自社に対してどう思っているか。そこまで規定しておかないと、ターゲットとニーズを規定したといえないということになります。

 

普通に考えれば当たり前なんですけど、客側から見ると自社商品っていうのは、たくさんのライバルの中のひとつに過ぎないわけなんですね。これ、当たり前だけど忘れちゃうんですね。何に悩み、何に夢見るどんなプロフィールの人を決めただけではだめです。あまたの競合の中で、自社はどう映っているのか、どこにこちらを選んでくれるチャンスがありそうなのか、まで規定しなければダメだということになります。

 

スタートとゴールの策定

小川先生:ジャーニーですから、当然出発点と到達点があり、まずこれを決めましょうということになります。スタートは、今決めたターゲットとニーズ。これがスタート地点になります。ターゲットが今抱いている考えや気持ちをパーセプションという形で表現します。

 

「最近お腹の調子が悪いからなんとかならないものか」と。たとえば健康食品で、パーセプションというと、こんな言い方になるんではないかなと思います。

 

ゴールの方ですね。これは一番最初に設定した「何を獲得するの?」という、獲得した地点でのお客さんの気持ちがまさにゴール地点になります。先ほど「高い商品の契約を獲得する事」を目指すんだ、ないしはロイヤルユーザー、アンバサダーの獲得を目指すんだと、目標を設定したと思うんですけど、最終的にターゲットが期待通りの変化を遂げて、至ってほしい、その時の気持ちをパーセプションで書きます。「BtoBや高額商品の契約獲得」これが目標の場合のパーセプションですね。これはずばりそのままですね。「今○○を買うことに決めた」。シンプルですね。じゃあ「ロイヤルユーザーの獲得」が目標だった場合、その時のロイヤルユーザーの気持ちって、なんなんだろうと。「○○のない生活はもう考えられない。これからもずっと使い続けよう」というパーセプションになるのではないかと思います。「アンバサダー獲得」が目標の場合、「○○が大好き。○○の素晴らしさをみんなに伝えたい」こんなパーセプションになるかと思います。一般系で書いているので、自分たちでやる場合自社の商品に当てはめた場合、どういう表現がいいのかはその都度考えていただければいいかと思いますけど、大体こんなゴールに対してはこんなパーセプションが設定されるかなと思います。

 

全体工程の策定

スタートとゴール以外にも、当然中間過程がどんどん出てきます。認知とか理解とか概念用語はNGです。あくまでもパーセプションで規定していきます。もちろん商品によって違うんですけど、大体色んなジャーニーを書いていると流れ的にはこんなものかなっていうのがあるんで、ちょっと紹介しますね。

最初は、ターゲットと商品の出会いがあります。ターゲットの悩み、夢の解決策として自分があるんだということに気付いてもらう。自分がいかに解決する力があるかわかってもらう。当然ライバルたちも同じようにアプローチしているわけですから、ライバルとの競争に勝たなきゃいけないと。安い商品なら、勝ったらすぐ買うと思うんですけど、高い商品の場合勝っても決断ができないということがありますから、最後に肩を一押しして決断させるというステージもあります。ここでようやく契約を獲得できたと。終わりじゃないですね。辞めさせない。満足させ、使い倒させ、離脱させない。で、できればもっと深く太い関係に、アップセル・クロスセルですね。どんどん太くなっていき、最後はかけがえのないパートナーになっていくと。自分が使うだけじゃなくて、他の人にも素晴らしさを伝えてくれる人になると。

 

いってみれば、異性との出会いがあって結婚して、生涯添い遂げる。そんな感じと考えていただければ。

 

受講生代表:大きな旅ですね。

 

小川先生:先ほどの健康食品で書いてみます。「どうも最近お腹の調子がよくならない。健康食品でどうにかならないかな」→「そうか、Fの健康食品があるじゃない。もうちょっと調べてみるか」→「Fがいいのはわかったけれど、GとかHもいいんじゃない? もうちょっと比較してみようか」→「買うなら私にはFが一番だと思うようになった。でも本当に私に効くんだろうか。毎月1万何千円払うのは勇気がいる」→「ちょっとまだ決断しきれないけど、無料で試せるなら試してみよう」→「試してみたら実際効いた。よしじゃあ今買うことに決めた」といったパーセプションチェンジを描いています。

 

受講生代表:このような流れで進んでいくんですが、これを決めるにあたって、遷移指標も必要になってきますか?

 

小川先生:当然マーケティングオートメーションで施策を自動実行するというからには、相手が今どのパーセプションの段階にいるか、自動的に規定されなきゃいけないんですね。したがって、このチェンジを行動データで規定することが必要になります。それが、遷移指標を決めるということになります。

 

受講生代表:つまり、何をしたら気持ちが変わった、パーセプションが変わったのかという指標が必要ですよね。

 

小川先生:パーセプションチェンジを描きました。私も何度かやってますけど、意外といつもお客さんの肉声を聞いていたりするマーケターは、そんなに難しくないと思います。ここまでは描けたけど、マーケティングオートメーションに落とす。今ターゲットはどこにいるの? 毎回全員にアンケート調査するわけにはいかないので、こういう行動をしたことをパーセプションチェンジが行われた証として決める。

 

購買データ、ログデータ、反応データ、特定行動データ、エンゲージデータ、位置情報データを使って、遷移指標を決めるということになります。結婚して添い遂げるという大雑把な流れがあったと思いますが、こっちでもやってみると、出会いがあったと。これがたいていの場合、自社サイトを訪問してくれたと置き換えても大丈夫です。ここでクッキーが取れます。自らの力をわかってくれているんじゃないかというのは、自社のウェブサイトコンテンツのある特定のページを丁寧に読んでくれた。それを持って証とできるんじゃないかと。ライバルとの厳しい競争に打ち勝った。見積もり請求をしてきた、無料体験を申し込んできた、最寄りの店舗を検索してきた、店頭への来店予約そやってきた。こういった行動はかなりもう本気でこの商品を買いたいなという気持ちになった時に行う行動ですから、これをもってライバルとの競争には買って、最後のところにやってきたという風にみなすことができます。最後、一押しが成功すると当然契約になるわけですね。そこから先、辞めさせないこともうまくいっている。利用を継続している、離脱を阻止してるっていう行動によって表されます。さらに深く太い関係になったぞというのは、まさにアップセル・クロスセルが成功しているということによって表されます。で、最後ですね。かけがえのなパートナーになったという証。これはいわゆるライフ・タイム・バリューが非常に大きくなっているということと、もうひとつはコミュニティで積極的に参加している、前向きな発言をしているというのも証とみなしていいと思います。

 

KPIの策定

新しいものを決めるわけではないです。遷移指標がKPIもしくはPIです。重要なものがKPI、そうでないものがPIということで、遷移指標の何かです。「初回購入が何件獲得できたんですか?」。これは当然KPIです。もうひとつ重要なのは、ホットな見込み顧客の個人情報を何件取れたのかということになります。あわせて、責任者、責任部署決めた方がいいです。潜在顧客から、ホットな見込み顧客まで育成して営業部門に送客する。ここでいうと、無料サンプル申し込み者を獲得する。それは、マーケティング部門がここまで頑張ると。逆にマーケティング部門から送客されたリスト、元々自分たちが持っていた顧客リストからアプローチターゲットを決めて、営業のアプローチをかけ、無料サンプルを請求してきた以降、そこから契約獲得までは営業、コールセンターの責任ということで、数字でそれぞれのミッションを規定することができます。これはデジタルになってマーケティングの責任分担がかなりはっきりしてきますよね。マスマーケティングの時はこんなにクリアにいかなかったんですけど、デジタルになってこのへんがクリアになってきたという見方ができます。

 

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――目次――

1、「ランディングページ」とは?

2、成果に繋がるランディングページの作り方

3、「ランディングページ」をさらに学んでみよう!

 

【ランディングページとは?】成果に繋がるランディングページの作り方。それが、成果の上がるランディングページを作成したいWebデザイナー、Webディレクター、 Webサービスのご担当者にオススメの授業。

 

かいせつ先輩

Web業界で働いている人は、「ランディングページ」という言葉をよく耳にすると思いますが、一体これが何なのか説明できますか?

 

「ランディングページ」をきちんと理解し、上手に活用できれば、ビジネスの新たな活路を見い出せる可能性も秘めています。

 

「ランディングページ」とは?

 

「ランディングページ」とは、主に本サイトとは異なる1枚完結型のウェブページを指し、ネット広告で集客した見込み顧客を口説き落として目的のゴール(商品購入や会員登録など)へ導く役割を担います。また、一般的なランディングページは、下記の7項目で構成されます。

 

1、ファーストビュー

2、アクション導線

3、ベネフィットの伝わる商品説明

4、利用者の声

5、実施の流れ(期間・手順)

6、FAQ(よくあるご質問)

7、+α フォームの追加

 

的を絞ったターゲットユーザーを口説き落とすことに特化したページであるため、ポイントをしっかり押さえて作れば、Webマーケティングの成果を上げるための重要な施策となり得るのです。

詳しくは、スクーの授業で先生に教えてもらいましょう。

 

先生のご紹介

寺島菜緒 ソウルドアウト株式会社/成果改善支援部/部長

日本全国の中小・ベンチャー企業が抱えるさまざまなマーケティング上の課題解決を目指すWebマーケティング支援企業ソウルドアウト所属。リスティング広告のコンサルタントを7年間経験後、2014年より現職。"結果を出す"にこだわりランディングページやWebページの制作する成果改善支援部の部長として、見栄え的に良いランディングページを制作するだけでなく、ユーザー理解や市場調査と組み合わせて考える事で、ランディングページの成果向上を日々目指す。Webマーケティングノウハウメディア「LISKUL」などをはじめ執筆実績多数。

 

成果に繋がるランディングページの作り方

かいせつ先輩

前述の一般的なランディングページの構成要素である7つの項目について、ひとつひとつ寺島先生の解説をご紹介します。

 

1.ファーストビュー

 

寺島先生:具体的なランディングページのポイントを、ひとつずつパーツを分けてご説明します。

 

まず、「ファーストビュー」ですけれども、そもそもファーストビューとはどこを指すかといいますと、ユーザーがサイトにアクセスして、パッと見た時に目に見える範囲のことを指します。ノートパソコンですと、色々サイズが出てきていますので異なるんですけども、目安としては、デスクトップの場合は、1024×768というのがサイズの目安になっています。

 

ここがやっぱり一番目につくポイントとして、一番印象に残るので、ここでどれだけ興味を引けるかとか、共感を得られるかっていうのが大事なポイントになってきます。

 

一番最初は、キャッチコピーですね。ターゲットのニーズの核を突くと記載しておりますが、書いてあると「なるほど、簡単だよね」と思うんですけれども、ここがなかなか難しくてですね。先ほど少しお話させていただきました「USP」=ユニーク・セリング・ポイントですね。他社と比較して、自分のサイトはどこで勝っていくのかというポイントをきちんと見極めて、大きく記載することが重要です。

 

大きく書くっていうのが幼稚なように見えて大事でして、紙よりもWebは、可読率っていうユーザーが読む率っていうのが、25%減るといわれておりまして、紙よりもかなり読みやすくする必要があります。

 

ページの中では、ここが一番大きくなってもいいくらいですね。文字の配置は、左寄せにしてください。なんで左寄せかっていうと、人の視線は左から右に動く修正があるので、一番最初に目につくのが左です。なので、文字ではなく何か写真で必ず喚起したいものがあれば、それを左寄せにするといいと思います。大体、言葉で訴求することが多いと思うので、「左寄せに」という風に書かせていただいてますね。あとは、「短く簡潔に」っていうのは、紙よりも可読性が下がりますので、それに合わせた形でわかりやすく記載してください。

 

受講生代表:「文字を大きく」ってありましたけど、あまり大きすぎても目立ちすぎちゃうんですかね?

 

寺島先生:どれくらい目立たせたいかにもよるんですけど、「これで他社よりも絶対に勝てるポイントがある」ということであれば、それだけが書いてあってもいいくらい目立たせてもいいかもしれないですね。

 

受講生代表:そうなんですね。覚えておきます。

 

寺島先生:続いてなんですけれども、ビジュアルの部分で権威付けをきちんとしましょう。メインビジュアルって、ユーザーの気を引く重要なポイントになりますので、ページで謳える要素がある場合は必ず盛り込むようにしてください。

 

よく見かけると思うんですけども、「@コスメでNo.1でした」とか、「リピート率99%です」とか、そういった何か訴求できるNo.1とか、パーセンテージが大きいものをぜひ使ってみてください。

 

ポイントとしては、王冠とかメダルとか、パッと見た時にすごそうだっていうのがわかりやすいものを使うのがポイントなのと、あとは具体的に数字を使えるものがあれば、数字で訴求するようにしてください。実績があれば、さっきお話しした通り、「No.1」とか「満足度90%」とか、こういったところを具体的に載せてください。メディア掲載実績があれば「これは何に載りましたよ」とか、「誰々さんが使ってます」っていうのは信頼性につながりますのでぜひ記載してください。知名度の高いロゴなどで載せられるものがあれば、これもぜひ載せてください。

 

よく転職サイトとかで、「こんなにすごい会社に転職しました」みたいな、大手さんのロゴがページの中に記載されているケースがあるかと思うんですけれども、ああいうのも信頼性とか安心感につながりますので、そういった権威付けができる場合は、ぜひお試しいただければと思います。

 

2.アクション導線

 

続いては、アクション導線の部分ですね。ここ、結構サラッとボタンひとつで、「資料請求はこちら」とか「申し込みはこちら」とか、済ませてしまう人も多いんじゃないかと思うんですけれども、結構重要でして。アクション導線っていうのは、一番申し込みに近いパーツなんですね。なので、ここできちんとユーザーのモチベーションを上げたりですとか、不安を払しょくしてあげるということができると、コンバージョンレートは上がりやすくなりますね。

 

ポイントとしては、まずひとつ目は、ファーストビューに入れ込むというのがあります。すでにサービスを知っていて、申し込みだけをしに来た人もなかにはいますので、そういう人をまず取りこぼさないように、入ってきた瞬間に導線がわかるように設置するっていうのはとても重要なことになります。

 

あとは、クリックできるかどうかが、見た目できちんとわかるようにする。たとえばこの場合ですと、ボタンがちょっと浮いて見えるような形になっていて、クリックできるパーツなんだなというのがわかるかと思うんですけれども、ただただ真っ平にしていると、ユーザーがわかりづらかったりするので、“ここはボタンである”ということが明確に見えるようにしましょう。

 

あとは、申し込みへの心理的ハードルが下がる文言を入れるということですね。たとえば「入力は簡単1分」とか、時間的落差を想起させるような文言を入れたり、「無料」っていう文言を入れて気持ちのハードルを下げるということが重要ですね。

 

期限を設けて焦らせてみるというのも、有効です。たとえばうちですと、「限定5社」と謳っているので、「もしかしたらなくなってしまうかもしれない」とか、そういったような気持ちにさせる感じですかね。

 

あとは、背景を鑑みて、目立つ色を使うようにしてみてください。水色背景に青いボタンですと、やっぱりちょっと同系色になってしまいますので、目立ちにくかったりしますね。なので、なるべく反対色に近い色だったり、目立つようなことっていうのを考えてみてください。

 

3.ベネフィットの伝わる商品説明

次のポイントとしましては、「商品説明」なんですが、ここが「ユーザーベネフィットが伝わる情報を」というような形で記載しています。ここすごく重要です。なので、ちょっと細かくご説明させていただきますね。

 

ユーザーのベネフィットなんですけれども、ベネフィットというのはメリットではなくて、まあメリットなんでしょうけれど。「これを利用すれば自分にとってこんなに」っていうことがイメージできるように仕向けることがとっても重要です。

 

たとえばなんですけれども、ここに記載させていただいている例「美容液成分90%配合」というのをよく見かけられるんじゃないかなと思います。これはこれでメリットだとは思うんですけども、その美容液成分が90%配合されていることによって、ユーザーが得られるものって何だろうということを考えていただきたいなと思っています。これの場合は、「朝付けて夜までしっとりが続く」という風になると、ユーザーのメリットが明確に伝わるんじゃないかなと思います。

 

他にも例を挙げさせていただくと、掃除機とかで「スゴイ特許を取得しました」と書いてあっても、それが自分に対してどうやって返ってくるかとか、どういうメリットがあるかとかわかりづらかったりするので、「99%ホコリが除去できますよ」といわれると、「すごそうだな」とわかっていただけるんじゃないかと思います。

 

受講生代表:具体的なメリットが一瞬でわかると「欲しいな」って思ったりするかもしれないですね。

 

寺島先生:企業側が伝えたいメリットというのが、言葉にしたときにユーザーにきちんと価値として伝わっているかどうかを考えていただくっていうのが、重要かなと思います。

 

ポイントとしては、そのままなんですけれども、「ベネフィットを提示する」っていうところをわかりやすく3~5個くらいにまとめるのが重要ですね。この時に、箇条書きにすると読みやすくなりますので、ぜひ文章で長々と書くのではなく、あまり文字の塊にならないようにユーザーの読みやすさに気を付けて書いていただければと思います。

 

4.利用者の声

 

寺島先生:「利用者の声、信憑性のある口コミでプラスの印象を」ということですけれども、これもネットのページではよく見られるパーツだと思います。説得要素のひとつが第三者の口コミになってくるんですね。信憑性があればあるほど、ターゲットに良い印象を与えます。

 

まずうちの場合ですと、「具体的な数字を載せることで信憑性を上げますよ」とか、うちの場合は実写真ないんですけれども、「利用者の写真を載せることで信憑性を増しますよ」と。年齢とか住所とか居住地とか、本人に関する情報を載せるっていうのも有効です。見出しが名前とか、年齢とか、住所になっているものが記載されているページって多いんですけれども、ここはせっかくなので、見出しは一番印象深い言葉を選んで、一番大きく載せてみてもらえればなと思ってます。

 

ポイントとしては、補足なんですけれども、実写真とかの情報って、載せられるもの、載せられないものがあると思うので、イメージ画像でも構いません。個人名とか企業名とかが難しい場合は、イニシャルでも構いません。とにかくリアリティが感じられる文章を凝らすことが重要なんですね。ここの目的としては、自分と近しい人、ユーザーと近しい人をユーザーボイスに載せることで、「自分と近しい悩みを持った、自分と近しい年齢のこの人が悩みを解決できたのであれば、自分もきっと悩みを解決できそうだな」とか、共感を得ることが一番の狙いになってくると思いますので、そういったような使い方を心掛けていただければいいんじゃないかなと思います。

 

5.実施の流れ

 

「実施の流れ」のパーツですね。ここは、事前に手順を提示して安心させることが必要です。たとえば、まあ資料請求くらいのライトなものであれば必要ないかと思うんですけれども、何か申し込みをしたりとか何か購入したりとかっていう時に、サービスが自分に届くまでどのくらいかかるのか、自分がこれからどういうアクションをしなければいけないのか、そういったところを事前に提示するとユーザーは安心して、購入に進むことができます。工程がいくつかある場合は、わかりやすい図を用いるとわかりやすくなりますね。

 

あとは、各工程でどういうことをすればいいのかっていうのを明記することもいいかと思います。最後に各工程でどれくらいの時間がかかるのかを記載しておくと、ユーザーの中で心構えができますので、いいかと思います。

 

6.FAQ

 

続きまして、「FAQ」ですね。FAQについてなんですけど、ここではユーザーの不安や疑問点をすべて解決してあげるというのが狙いになります。不安や疑問に対して明確に回答するとか、あとはよく寄せられるであろう質問項目を最初からここに記載しておくこと。質問に対する回答でプラスの印象を与えるということが重要ですね。

 

FAQのパーツでの目的というのは、もちろんユーザーの質問に回答してあげることになるんですけど、もうひとつ考えていただきたいのが、やっぱりユーザーって最後まで読み込んでいいなと思っても、気になることがあるとまた別のところで調べるために離脱してしまったりとかするので、なるべく改めて調べるとかそういったことがないようにこのページ上で解決してあげることが、コンバージョンレートを高めることにつながるかなと思います。

 

7.+α フォーム

 

パーツの説明としては、ここで最後になるんですけれども、フォームで簡単に入力をできる工夫を凝らすことが重要です。フォームは、ユーザーに一番ストレスがかかる項目になりますので、いかに簡単に短くできるかというのは、重要なポイントになってきます。

 

ここで、後から電話かけて聞くのでなるべく情報を知っておきたいとか、そういう考えがあって、モリモリと質問項目を入れたりするフォームがあるんですけど、入力フォームは最小限まで減らした方がユーザーの負担は軽くて済みます。入力も必須なのか、任意なのかを明確にわかるように記載しておくようにしましょう。

 

入力ボックスには、記入例を用意しておくとユーザーが迷いづらいので良いかと思います。入力エラーはリアルタイムに表示するとか、入力中の項目は色を変えるとか、こういったところも重要ですね。エラーとか、入力項目の色を変えるっていうのは、色々ツールとかも出てますので、そういったものを導入してもいいんじゃないかと思います。

 

フォームのところについての補足になるんですけども、商品購入とか会員登録とか費用見積もりとか、そういったフォームをユーザーに記入してもらう必要がある場合は、別のページに遷移させずに、ランディングページ内にフォームを入れ込むだけでも成果が上がるっていうことがありますので、こういった工夫も是非してみてください。

 

Q&A!みんな気になる、あの疑問に先生が回答

かいせつ先輩

ここでは、授業を受けた方の質問とそれに対する回答を紹介していくよ!

 

Q1.ペルソナが何人もいる場合、それぞれに合わせてカスタマージャーニーを作成する方がいいのでしょうか?

 

小川先生:実際そうしなくていいケースがほとんどです。まず代表的なペルソナでカスタマージャーニーを描いてみる。そのあと、どうしてもそれに収まらないケースを作っていくという形でいいと思うんですけど、大事なのはペルソナの数だけ作るかどうかではなくて、違うニーズがあるのかどうかです。ニーズが違うと、少なくともコンテンツは変えなきゃダメですよ。ペルソナの数ではなく、ニーズの数だけ作らなきゃダメです。

 

学びのハイライト

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