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ジョブ理論とは?概要とフレームワークをわかりやすく解説!

<目次>
1:ジョブ理論とは?概要について
2:ジョブ理論における「ジョブ」とは何か
3:ジョブ理論を構成する要素・考え方
4:ジョブ理論の活用方法
5:ジョブ理論に関わるフレームワーク
6:ジョブ理論の実例
7:ジョブ理論を学べる授業をご紹介!
8:まとめ

消費者の価値観が多様化する中、顧客に必要とされる製品やサービスを生み出すのは決して容易なことではありません。

本稿ではイノベーションを起こすために有用とされるジョブ理論を解説します。顧客が自社の製品・サービスを求める本当の理由を把握し、それに応えたいと考える方はぜひ参考にしてください。

 

ジョブ理論とは?概要について

ジョブ理論とは?概要について

ジョブ理論(Jobs-To-Be-Done)とは、製品がどのような機能や性能を提供しているかではなく、製品が顧客のどのような課題をどのようなシーンで解決しているかを分析し、それを満たす製品・サービスを構想する理論のことです。

この理論では、課題に対して「なぜ?」という問いを繰り返し、既存の商材自体の改善に捉われず本質的に「顧客が解決したいこと(ジョブ)」を知ることで、新しい視点から本質的な課題解決を促すことができるとされています。

また、Schooオリジナル授業『顧客理解を深める 初めてのジョブ理論』に登壇している経営学者の中川 功一先生によると、ジョブ理論とは、顧客のニーズを顧客が済ましたい仕事、と捉える考え方と解説されています。

 

クレイトン・クリステンセンについて

ジョブ理論の提唱者はアメリカの経営学者・実業家であり、イノベーション研究の第一人者であるクレイトン・クリステンセン氏です。同氏は経営コンサルティング会社を経営したほか、ハーバード・ビジネス・スクールで教鞭をとり、多くの著書を通じて世界に影響を与えました。

クリステンセン氏はお金も人材も備わっている大企業が、革新的な変化を起こすことができず、新興企業に負けてしまう原因を突き止めた「イノベーションのジレンマ」という理論を確立させたことで有名です。イノベーションのジレンマは企業が衰退するメカニズムを明らかにしたのに対し、ジョブ理論ではイノベーションや成長を生み出すための考え方を提唱したのです。


ジョブ理論が生まれた経緯

ジョブ理論が生まれた経緯

ジョブ理論が生まれた経緯として、イノベーションの停滞が挙げられます。イノベーションの創出は長らく多くの企業の課題になってきました。そのため企業は多くの資金や優秀な人材をイノベーション創出に投下してきたものの、上手く行くケースは多くありません。

一方、外部環境に目を向けると、企業経営に関する様々なノウハウは体系化され、デジタル化により膨大なデータを蓄積・分析できるようになっています。

本来はこのような技術の進歩により、イノベーション創出がされやすくなると考えられますが、そうはなっていないのが現実です。

クリステンセン氏はこの状況に対して、イノベーションがどのように創出されるのかを明らかにするため、ジョブ理論を提唱しました。ここで企業は「どんな属性のユーザーが購入するか」は把握できていても、なぜ購入したかが分かっていないことが問題だと提起されたのです。


ジョブ理論を活用するメリット

ジョブ理論を活用するメリットは、顧客が自社の商品やサービスをなぜ利用するのか、真の目的を捉えやすくなることです。それによって企業は、事業改善やイノベーションの創出がしやすくなります。

自社利益を拡大しようとするとき、どんな顧客が自社製品を買うのかを詳細に分析することが必要です。その時、顧客の年齢や住まいといった属性が掴めても、それらの人が「なぜ」購入するのかが分からなければ打ち手がずれる可能性があります。

例えばある商品を購入するのが30~40代の働く女性であるというデータがあったとします。しかし同じ属性の顧客であっても仕事で疲れた時の自分へのご褒美として購入している人と、その商品自体にステータスを感じて購入している人とでは、企業側がとるべきコミュニケーションは変わってくるでしょう。属性データに目を向けるだけでは、これらの違いは把握できないのです。

 

ジョブ理論における「ジョブ」とは何か

ジョブ理論における「ジョブ」とは何か

ジョブ理論(Jobs-To-Be-Done)は直訳すると「片づけなければならない仕事」です。そして、ジョブ理論におけるジョブとは、「ある特定の状況で人が成し遂げようとする進歩」のことを指します。また、ジョブには、積極的なジョブと消極的なジョブがあり、必ずしも「何かをやりたい」ということのみが該当するわけではありません。

消極的なジョブとは、「やらなければいけないが出来れば避けたいこと」に伴って発生します。

例えば近所のレストランに行くシーンを考えてみましょう。このレストランに行くことで、「美味しい食事で楽しい夜を過ごしたい」のは、積極的なジョブと言えるでしょう。一方、「仕事で疲れて食事の支度をしたくない」ため、レストランに行くのは消極的なジョブの解消なのです。

このように、身の回りのジョブを探す時には、人の欲求に着目するだけでなく、やりたくないこと・避けたいことに着目することも大切です。


有名なミルクシェイク・ストーリー

有名なミルクシェイク・ストーリー

ジョブ理論を説明するときに用いる例として有名なものに、クリステンセン教授がファストフード店にコンサルティングをした際のミルクシェイク・ストーリーというものがあります。この例を用いて、ジョブについて理解を深めましょう。


あるファストフード店ではミルクシェイクの売り上げを伸ばすため、様々な施策を実施しました。購買データの分析やターゲットになりそうな顧客へのヒアリングをして、フレーバーの追加や配合の変更など顧客の希望を叶えるための改善を行いましたが、どの施策も効果がありませんでした。そのためクリステンセン教授らに相談が持ち込まれたのです。


そこで教授らは、顧客がミルクシェイクを買う背景に目を向けて店頭で顧客の観察を行いました。観察の結果、朝の特定の時間に一人で来店する顧客によく売れることが分かりました。そして該当の顧客らにミルクシェイクを購入した背景を確認すると、一様に「車通勤中の空腹と退屈をまぎらわせたい」という目的があることが分かったのです。


また同時に、他の商品(バナナやドーナツ)では運転時の食事として不都合な点(すぐ食べ終わる、手が汚れるなど)があり、ミルクシェイクはその点が優れていることも分かりました。


つまり、顧客のジョブは「朝の退屈な車通勤のあいだ、目を覚まさせていてくれて、時間をつぶさせてくれる」ことだったのです。


一連の調査の結果、ファストフード店は商品提供時の量を多く、飲み口を細く変更し、車にいる間十分な時間商品を楽しめるように設計をしました。その結果、売り上げを大きく伸ばすことができたのです。


この理論と解決策について詳しく知りたい方は、是非Schooオリジナル授業『顧客の消費行動を理解するためのジョブ理論トレーニング』をご覧ください。

 

ジョブの種類

ジョブの種類 機能的 感情的 社会的

ここまでジョブ理論におけるジョブの意味を見てきました。そしてジョブには解決したい課題のタイプ別に機能的ジョブ・社会的ジョブ・感情的(情緒的)ジョブの3つの種類があり、それぞれの違いを知ることで顧客の課題を特定しやすくなります。

ここではSchooオリジナル授業『顧客の消費行動を理解するためのジョブ理論トレーニング』に登壇する山田竜也先生の説明を参考に、それぞれ3つのジョブがどのような特徴を持っているのかコーヒーを例に説明します。

機能的ジョブ

機能的ジョブとは、商材や提供されるサービスの機能によって解決される課題のことであり、何をどのように解決したいかが行動を促す要素となります。

これをコーヒーに置き換えると、カフェインをとって眠気を覚ます目的や食事中に喉を詰まらせない目的のためにコーヒーを購入する人は、機能的ジョブを片づけるために行動していると言えるでしょう。これらの人にとっては、安くて美味しい、そして食事のついでに購入がしやすいコンビニのコーヒーが、専門店のコーヒーよりも魅力的に映る可能性が高いです。

一方、機能的ジョブの解決を重視して購入をしている場合、利用者はあくまで機能に注目をしているので、よりよい代替品が出現した時にはすぐに乗り換えられてしまう可能性もあります。

感情的(情緒的)ジョブ

感情的ジョブ コーヒー

感情的ジョブは、自分自身がその商材やサービスの提供を通してどう感じたいかという課題であり、体験を通じて得られる感情が顧客行動に影響を与えます。

同じくコーヒーを例にすると、忙しい日常の中でコーヒーを飲む時間に癒しを感じるといった顧客自身の体験や、そこで手に入れたい感情(リラックス)が片付けたいジョブとなります。

ここでは、商品を購入する個々人の感じ方が全てなので、購入までのプロセスや店舗のつくりなど、個々人の感情に影響する要素が大切になります。そのため癒しを求める顧客に対応する場合、コーヒーの値段や味を改善するよりも、気の利いた接客やゆったりとした座席のつくりを実現するほうが効果が高いかもしれません。

社会的ジョブ

社会的ジョブは、顧客が他者からどう見られたいか(またはどう見られたくないか)に関するジョブです。

これをコーヒーに置き換えると、例えば「コーヒーを飲むことでハイクラスな人だと思われたい」など顧客の望むイメージを演出してくれるアイテムとしてコーヒーを購入する人は、社会的ジョブを主目的にしていると言えます。そのため、これらの人にとっては値段や手に入れ易さや味よりも、店舗の高級感やブランド力の高さが購入の決め手になるでしょう。

また、この社会的ジョブは前項で紹介した機能的ジョブとは大きく異なり、他人から見てどう感じられるかを重視するため、仮に安くて便利なコーヒーショップが近隣に出来たとしても顧客の流出にはつながりにくいと言えます。


ニーズとの違い

ニーズとの違い

ジョブと似たような場面で使われる言葉として「ニーズ」があります。しかし、ジョブ理論ではニーズとジョブは異なるものとされているため、それぞれの言葉の意味と違いについて抑えておきましょう。

ニーズとは、商品にどのような関心や要求が向けられているのかを指します。一方、ジョブとは顧客が現時点では認識できていない、本質的な課題のことを意味します。もちろん、顕在化しているニーズに応える商品やサービスの提供は顧客を満足させ、利益を生みます。しかし、潜在的な問題(ジョブ)を解決する、今までになかった商材の展開はイノベーションとなり既存だけでなく、新規の顧客や市場を開拓できます。

Schooオリジナル授業『顧客の消費行動を理解するためのジョブ理論トレーニング』では、ニーズを「ペットボトルの水が欲しい」といった、商品に向けられた「関心や欲求」のことであると説明しています。その一方、ジョブとは「手軽に喉を潤したい」といった、商品に依存しない「やりたいこと」と解説しています。

 

ジョブ理論を構成する要素・考え方

ここまで、ジョブ理論におけるジョブの意味について詳しく見てきました。概要の解説でも触れた通り、ジョブ理論とは顧客が商品・サービスを求める背景にまで視野を広げて顧客を理解する試みです。そしてここで言う背景とは、製品の機能的側面だけでなく、感情的・社会的な側面も含むことが分かりました。

続いてここでは、ジョブ理論の土台となる要素・考え方や言葉の意味について、それぞれ詳しく説明します。改めてジョブ理論のポイントを確認していきましょう。


顧客は「進歩」するために商品を「雇用」する

ジョブ理論では、人は「進歩」するために商品やサービスを購入し、そして購入から使わなくなるまでの一連の流れを「雇用」「解雇」という言葉で表現します。「ジョブ」「雇用」「解雇」の3つの視点から物事を考えるのはアメリカらしい考え方であり、日本では少しイメージしにくい言い回しですが、整理をすると各々次のような意味になります。

  • 進歩:何かを成し遂げること
  • 雇用:目的を達成するために商品やサービスを購入すること
  • 解雇:使う必要がなくなり利用を停止すること


ジョブには「状況」がセットで含まれる

ジョブには必ず「状況」がセットであることもジョブ理論のポイントの一つです。状況とは物事が生じた特定の文脈のことを指します。いつ/どこで/誰と/何をするかについてや、家族構成/ライフステージ/今後の行動計画など、様々な要因でその人の「ジョブ」は変わるといえます。

前述したコーヒーの例で考えると、仕事中にカフェインで目を覚ましたい時と、休日の朝にリラックスしたい時では商品に求められる役割が異なることがわかります。

このように、有効な解決策も特定の文脈に関連してのみもたらすことができると考えられます。


ジョブは機能だけで捉えることはできない

ジョブの種類で解説した通り、ジョブには「機能的」「感情的」「社会的」の3つの種類があります。製品やサービスを提供する立場からすると、つい製品の性能・機能を高めることに集中してしまいがちですが、顧客は必ずしもそれらの機能性のみを見て行動しているのではありません。社会的または感情的なメリットの方が強く影響する場合もある点は忘れてはならない重要なポイントです。

洗練されたイメージの演出のためにコーヒーを購入している人は、他にファッショナブルなアイテムが購入できれば必ずしもコーヒーを買う必要はないかもしれないのです。

 

ジョブ理論の活用方法

ジョブ理論の活用方法

ジョブ理論の基本的な活用方法は2つあります。

1つ目は自社製品・サービスが顧客のどのようなジョブを解決しているのかを根本的に考え、改善に活かすことです。このように考えることで、的外れな施策を減らし、顧客が真に片付けたいジョブに確実に応えられる製品やサービスを実現できます。先ほどのミルクシェイクの例はこちらにあたるでしょう。

2つ目は、世の中の人がどういった未解決・不十分な解決のジョブを有しているかを考えることです。なにが不足しているのかを論理的に考えることで、ジョブを解決する新たな製品・サービスの開発を促すことができます。例えば後でご紹介するUberのように、既存のサービスでは十分に解消できていない課題に対して新しい解決策を提示することが挙げられます。

 

ジョブ理論に関わるフレームワーク

前項で解説したジョブ理論の2つの活用方法を実践するにあたり、ここでは「JOBSメソッド」と「ジョブマップ」の2つのフレームワークを説明します。


ジョブ理論の実践フレームワーク①:JOBSメソッド

JOBSメソッドとは、Schooオリジナル授業『顧客の消費行動を理解するためのジョブ理論トレーニング』の講師・山田竜也先生が所属するINDEE Japanが、クリステンセン教授の理論をもとに考案した、日本企業でもジョブ理論を使いこなすための方法です。

このメソッドでは、まず顧客の特徴・行動を観察することから始めます。そして顧客インタビューや行動観察を行うことで顧客の状況把握を深めます。次に、J・O・B・S(ジョブ/目的/障害/代替解決策)の4つの観点から顧客の状況を分析します。その後、ジョブの計画的な仮説の検証と価値提案の決定・事業化を繰り返し行い、顧客の真の望みを解決します。

また、J・O・B・Sの4つの項目は、それぞれ以下の意味を持っています。

  • J…ジョブ/顧客が抱える機能的、感情的、社会的な課題
  • O…目的/「採用基準」を決定づける課題の背景にある目的
  • B…障害/ジョブを済ませることを困難にする要因
  • S…代替解決策/現在顧客が課題解決に用いている製品・サービスや「使いこなし」

※参照:ジョブ理論セミナー ー顧客価値とは何か?ー


ジョブマップ

ジョブマップ マッピング 解説

二つ目のフレームワークとして紹介するのは、ジョブマップです。ジョブマップとは、ジョブを片づけるための行動を段階に分けて考え、顧客のジョブを視覚的に見やすくするものです。

このフレームワークを使うことで、ジョブを達成するためのプロセスを洗い出し、細分化してそれぞれの工程が捉えやすくなります。また、上記の表の流れで一つずつ順序立てて行動を起こすことで、自分が今どのフェーズにいるのかを明確に把握でき、各段階での問題点や改善点を洗い出すことを容易にします。

ジョブマップの各フェーズで見るべきことは以下の通りです。

  • 1.定義(Define)…何かを成すために、目的と計画を定める段階。
  • 2.収集(Locate)…目的達成に向けた情報収集の段階。
  • 3.準備(Prepare)…情報をもとにジョブを片付けられる環境を整えている段階。
  • 4.確認(Confirm)…ジョブの解決ができる状態が整ったかを確認する段階。
  • 5.実行(Execute)…準備したことを開始・提供する段階。
  • 6.観察(Monitor)…実行したことが正常に実行されているかの評価を行う段階。
  • 7.修正(Modify)…実行したことの修正と改善、変更を行う段階。
  • 8.完了(Conclude)…プロジェクトの完了、または繰り返すための準備を行う段階。

※参照:The Customer-Centered Innovation Map

 

ジョブ理論の実例

ジョブ理論の実例

ここまでは、ジョブ理論の特徴と、実践で使えるフレームワークについて解説しました。ここからは、NIKE/Microsoft/Uberの3つの実例を用いてジョブ理論の理解を深めていきましょう。

 

NIKE

現在NIKEは世界最大のスポーツブランドの 1 つですが、大きな市場を獲得するに至った背景には、ランナーの「怪我のリスクを抑え、より速くより軽く走る」という本質的なジョブに向けて製品を作り続けていることがあります。

NIKEの共同創設者であったビル・バウワーマンは、1960年代半ばに、自身の陸上コーチの経験からランナーの足にやさしくパフォーマンスに効果の高いシューズの開発を模索し、独自のミッドソールを使用したアイテムを開発しました。この一つのアイデアと実際にナイキシューズを履いたランナーの高いパフォーマンスが元となって、その後コルテッツやワッフルトレーナーをはじめとした多くのヒット商品が生まれました。

現在でもその方向性は変わらず、プロからアマチュアまで全てのランナーが自身の走りを向上させるための靴作りを行っています。


Microsoft

Microsoftは、顧客の機能的ジョブだけではなく、感情的ジョブも片付けることができたため、顧客の満足度と利益を伸ばしたと考えられます。

元々、同社はソフトウェアを毎回購入せずとも製品を使えるように、保証サービスを購入してもらい、ソフトウェアの更新を一定期間内であれば無料で行えるようにしていました。しかし、保証サービスの売り上げは伸びず、更新を行う顧客は多くありませんでした。

そこで、顧客がサービスを購入しない理由を、顧客の立場や課題から逆算思考しました。すると、更新するための社内での手続きの複雑さや、社内にあるソフトウェアの数の把握や管理の難しさが問題であることがわかりました。そこで、更新プログラムを拡充し、購入後の数や状態、ライフサイクルの管理を可視できるように変更しました。その結果、顧客の心を掴み、収益を伸ばすことができました。


Uber

Uberがイノベーションを起こすことができたのも、顧客の本質的な課題と向き合い、解決したことが理由であると考えられます。

従来、交通手段というものは、「目的地に移動する」ことが顧客の最たる要望であると考えられてきました。UberもA地点からB地点まで移動できるという点は他の交通手段と同じです。しかし従来の交通手段には、待ち時間が長かったり、手配が面倒といったマイナスの体験が大きかったのです。

Uberは配車のプラットフォームを提供することで、ユーザーが安価でスピーディに移動するための交通手段を得ることを実現しました。目的地に移動するという機能的ジョブだけでなく、待ち時間や金銭的負担などの不満(感情的ジョブ)を片付けることとなり、事業を成功に導いたと言えます。

 

ジョブ理論を学べる授業をご紹介!

ここからは、更に詳しくジョブ理論を学びたいという方や、復習をしたいという方に向けて、Schooのおすすめの授業を紹介します。

 

顧客の消費行動を理解するためのジョブ理論トレーニング

顧客の消費行動を理解するためのジョブ理論トレーニング

< 授業紹介 >

この授業では、ジョブ理論の基本的な考え方に加え、身近なジョブを例に理論を自分のものにするためのトレーニングができます。講師の山田先生は、多くの企業にコンサルティングを行うINDEE Japanの共同創業者です。アメリカ発祥の考え方であるジョブ理論を、日本企業でも扱いやすいJOBSメソッドというフレームワークに変換し、ご指導されています。イノベーション支援のプロフェッショナルから学びたいという方におすすめです。

先生プロフィール

山田 竜也

山田 竜也
INDEE Japan 共同創業者、取締役トレーニングディレクター。テクノロジー導入とプロセス改革によるR&D部門の改革を推進し、米国ITI社とのジョイントベンチャーである製品開発に特化したコンサルファームiTiDへとカーブアウトする。米国ITI社と協働でR&D部門の改革を進める。イノベーション、新規事業開発、組織開発、人材開発の分野で活動中。


顧客理解を深める はじめてのジョブ理論

顧客理解を深める はじめてのジョブ理論

< 授業紹介 >

このコースでは、基礎編と応用編の全二回で構成されており、基本的な考え方だけでなく、フレームワークの使い方にも重点をおいてジョブ理論を体系的に学ぶことができます。本記事ではご紹介していない、「バリュー・プロポジション・キャンバス」というフレームワークを用いて解説されているため、より深い知識を学びたい方にもおすすめの授業です。

先生プロフィール

中川 功一

中川 功一
経営学者/YouTuber。経済学博士(東京大学)。大阪大学経済学研究科准教授を経て独立。「アカデミーの力を社会に」をモットーに、日本のビジネス力の底上げと、学術知による社会課題の解決を目指す。 主な著書に『ど素人でもわかる経営学の本』(翔泳社)『感染症時代の経営学』(千倉書房)『戦略硬直化のスパイラル』(有斐閣)など。

 

まとめ

本記事では、ジョブ理論は顧客の未解決な本質的課題を解決に導くための重要な理論であり、同時に新規事業の立案やイノベーションの創出などの大きな変革を起こすことができる概念であることを実例を交えながら解説してきました。

Schooではジョブ理論を含む、実践的な学びを習得できる授業が月額980円で受け放題です。ぜひ活用してくださいね。

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