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言語化とは?言語化力を鍛える方法や身につけるメリットを解説

自分の考えをわかりやすく相手に伝える言語化力があれば、プレゼンテーションや商談の場で成果を出しやすくなります。ここではSchooオリジナル授業『伝わるための言語化トレーニング』の内容を交えて、ビジネスパーソンの基礎スキル「言語化力」を解説します。

伝わるための言語化トレーニング

< コース内容 >

このコースでは要点を言語化し、適切に伝えるための要点整理の方法を全2回の授業を通して学びます。また話のイメージを膨らませるためのボキャブラリや相手にとってわかりやすい伝え方を活かして仕事を円滑に進めたり、日常生活のストレスを少なくするための言語化トレーニングを行います。

先生プロフィール

木村明日香

木村明日香(きむら・あすか)
株式会社アットリーチェ代表取締役。8 年間局アナとしてのキャリアを積んだ後、フリーアナウンサーに。現在は「一瞬で人を魅了する伝え方」を約 800 人の経営者・起業家・会社員に直接指導。 局アナ流の相手をファンにする“スピーキング技術”と心理的アプローチから思考や行動を変える“言葉の選択”を組み合わせたオリジナルメソッドを伝える。

<目次>
1:言語化とは
2:言語化力を鍛えるメリット
3:言語化力を構成する要素
4:言語化のポイント・心構え
5:言語化力の鍛え方
6:まとめ
 

言語化とは

言語化

ここでは言語化の過程をイメージできるようになるため、まずは辞書的な意味での「言語化」とビジネス基礎力としての「言語化」について解説します。

デジタル辞書のweblio辞書では言語化の意味を「言葉で表現すること。直感的なものを説明・伝達可能にすること」としています。つまり辞書的な意味での言語化とは「感覚を理論的に整理し、相手にわかるよう言語としてアプトプットする過程」だと言い換えられるでしょう。

言語化 とは

一方ビジネスシーンでの言語化の意味については『「具体⇆抽象」トレーニング』(2020)で、ビジネスコンサルタントの細谷功氏が「抽象化すること」と述べています。さらに本書では抽象化を「数多い情報の中から目的に合った情報を抜き出し、分類・単純化すること」と定義しているため、上の図のようにビジネスにおける言語化とは、相手の要求や目的に合わせて情報を分類した上で言葉を用いて単純化することを意味すると言えます。

 

言語化力を鍛えるメリット

言語化 メリット

次に言語化力を鍛えるメリットを見ていきましょう。新しい時代の社会人に必要な能力と要素を明示した資料『人生100年時代の社会人基礎力』(経済産業省)を参照すると、言語化力はチームで働く中で「自分の意見をわかりやすく伝える」場面で特に役立つ力です。また言語化力を鍛えるメリットを細分化すると、以下のメリットが考えられます。

 

思考の整理が早くなる

前述の通り言語化は同じ属性を持ったもの同士をまとめて、一つに扱う“分類"の機能があります。つまり言語化力を鍛えることで、情報の分類や思考整理の方法が繰り返し学習され、思考の整理が早くなるのです。言語化の目的や相手のニーズに合わせて情報を分類した後、最適な順序に情報を整理するスピードが上がれば、緊張感が高い場面でも建設的な発言ができるようになるでしょう。

 

自己客観視や内省につながる

前述したように言語化とは、雑多な情報の分類または整理から始まります。そのため面接や自己紹介をはじめとした自己開示の場で求められる言語化では、自分に関する情報の分類・整理が欠かせません。つまり自己開示が必要なシーンで活かせる言語化力を鍛えれば、自分を客観視しやすくなるメリットがあるのです。

また仕事でミスをした場合や人間関係で上手くいかなかった場合に原因を言語化するシーンでは自分の考えや言動に向き合うため、内省のきっかけにも繋がるでしょう。誕生から老年までの生涯のライフ・コースを通じた心理的特性について研究する生涯発達心理学の分野では、人が生きていく中で生じる問題を解決する賢さを「英知」と呼びます(※)。英知の獲得には内省が必要だと言われているため、言語化によって内省が習慣づけられれば日々の生活で生じる問題への解決力も向上するかもしれません。

※参照:『生涯発達心理学 認知・対人関係・自己から読み解く』(2016)

 

影響力を強めることができる

また言語化を鍛えるメリットは自分への影響だけではありません。自分がアウトプットした言葉を見聞きした相手に何らかの行動や変化を促したい場合にも言語化力は役立ちます。

例えば、SNSでの1人の発言が多くの人の関心を呼び、拡散された結果として社会的なムーブメントにつながるようなケースもあります。このように目的に合わせて情報を整理し、簡潔にまとめる言語化力は広告に用いられるキャッチコピーのように、相手の心理に訴えかけることも可能なのです。

 

言語化力を構成する要素

言語化 能力

ここでは実際に言語化力のトレーニングをするに当たって、言語化力を構成する要素を見ていきましょう。

 

準備力

準備力とは言葉で伝える内容や意見を準備する力です。言語化に至る最初の過程「意見(相手に伝えたい内容)を整理する」際に必要な力を指します。ビジネスシーンではプレゼン資料を作成する前に資料に盛り込む内容や資料の構成を考える際に必要になる力です。

言語化と聞くとぼんやりと考えている内容と言葉を結びつけるための「語彙力」を鍛えるべきだと考える方も少なくありませんが、言語化あくまで自分の意見や相手に伝えたい内容を簡潔にまとめる過程なので、自分の考えやスタンス、アウトプットしたい内容を準備する必要があります。

実際に株式会社電通のコピーライターとして活躍する梅田悟司氏が著書『「言葉にできる」は武器になる。』で「言葉が意見を伝える道具であるならば、まず意見を育てる必要がある」と述べていることからも、言語化力の根底にあるのは準備力だと言えるでしょう。

 

決断力

決断力とは言語化の過程において自分が伝える内容を絞ったり、賛成反対をはじめとした選択肢から意見を選んだりする力です。決断力が弱いと意見を求められるシーンで端的に言いたいことを伝えられなかったり、即座に自身の立場や考えを表現するのが難しくなります。言語化における決断力は、特にディスカッションや会議など効率的なコミュニケーションが求められるシーンで必要性が高まります。

 

語彙力

語彙力とは意見や情報を伝えるために、記憶の中から最適な語彙を選択し、使う力です。言語化の過程では最後に求められる力であり、表現力とも言い換えられます。語彙力は分解すると「単語や言葉を知っていること」と「それを使いこなせること」になりますが、これらは結晶性知能に含まれる力で、経験や学習によって高齢期まで鍛えられます。日常生活で自分の気持ちや見聞きした状況について、相手がイメージできるくらい現実味を帯びた言語化をする際に必要になる力です。

 

言語化のポイント・心構え

言語化能力 鍛える

前述の通り言語化の要素は過程に応じて準備力・決断力・語彙力の3つに分けられます。ここではそれぞれの要素を上手く機能させ、言語化の質とスピードを上げるポイントをご紹介します。

 

詳細まで全部伝えようとしない

言語化が成功した状態とは目的に合った情報を抜き出し、分類した上で言語を用いて簡潔に伝えられている状態です。そのため言語化のポイントは「細部まで伝えようとしない」だと言えます。

見聞きした情報や意見を相手に伝える時、共感や理解をしてもらいたい気持ちが先走ると情報を漏らさず伝えてしまいがちです。しかし実は細部まで言語化してしまうと、相手は情報を理解し切れない状態に陥ってしまいます。言語化の「情報を簡潔にわかりやすく伝えられる」強みを活かすには、目的に合わせて伝える情報を抽出する努力が必要です。

 

言語化力の鍛え方

言語化 トレーニング 方法

最後に言語化力の鍛え方を5つご紹介します。

 

まずは自分の癖を知る

言語化は人によって「自分から見えた情報だけを伝えてしまう」「事実だけを淡々と伝えてしまう」「目についたものから話してしまう」などの癖がありますが、言語化の癖を理解すれば目的に合った言語化に修正しやすくなります。

言語化の癖を知るには「今いる場所を30秒で言語化してみる」「電車の窓から見えた景色を30秒で言語化してみる」など、時間制限を設けた上で今の状況を実況する方法が有効です。

実況のスタイルを用いて言語化に挑戦したら、主に以下のポイントから言語化した内容を確認しましょう。

  • ・理解しやすい順序か(後述「説明の型」参照)
  • ・目的に合った情報を抽出して簡潔に伝えられているか

自分の癖を知るプロセスはSchooオリジナル授業『伝わるための言語化トレーニング』でも解説しています。一緒に自分の言語化の癖を見つけてみましょう。

 

伝える際の説明の型を知る

相手のニーズやシチュエーションに最適な説明の型を知っていれば、言語化力の1つである準備力と決断力が向上し、相手が情報を理解しやすい流れで言語化ができます。具体的には以下の順序で言語化した情報を伝えるようにすると良いでしょう。

  • 1.テーマ(例:先日の研修会の報告です)
  • 2.情報の全体像(例:研修は好評でした)
  • 3.項目に分類した情報(例:アンケートでは82%が「満足した」と回答しています)
  • 4.細部の情報(例:新しく導入したワークショップも盛り上がってましたよ)

また戦略コンサルタントの田中耕比古氏は『一番伝わる説明の順番』で相手の思考を意識した上で、以下の順序で説明すると相手に伝わりやすいと述べています。

  • 1.前提をそろえる
  • 2.結論・主張・本質
  • 3.根拠・理由・事実
  • 4.補足情報
  • 5.相手に促したいアクション

どちらも伝えたい内容の全体像から言語化し、終盤では補足情報を伝える形式になっていますね。より説明に興味を持ってもらいたい場合は、相手の状況が「おや(注目)?ふむふむ(情報のインプット)…なるほど(理解・納得)」と変化するように話を組み立てると効果的です。

 

紙に書き出すなどで情報の取捨選択を練習する

説明の型に当てはめようとしても、話したい内容にまとまりがないように感じられたり、言語化しにくいと感じられる場合は大きめの付箋を用いて、以下の順序で情報の取捨選択をする方法がおすすめです。

  • 1.伝えたい情報(単語)を付箋に書き出す
  • 2.テーマ、話の全体像を並び変える
  • 3.項目に分けた情報や細部の情報を並び変える
  • 4.付箋から少し離れて説明の流れを確認する
  • 5.不要な情報が書かれた付箋を除外する

身近な文具を使って簡単に言語化力が鍛えられるので、言語化に苦手意識がある方は試してみてくださいね。

 

型に沿ってアウトプットしてみる

言語化力は実践を伴うことで記憶に定着し、使えるようになるスキルです。そのため言語化力が鍛えられる知識のインプットだけではなく、説明の型を用いながら段階的にアウトプットしてみることがスキル獲得への近道になります。

また説明の型に沿って言語化をすると、情報を伝える相手の性格や相手の状況によって、型の修正が必要だと感じられる場面に遭遇するかもしれません。そのような場合は相手の状況に応じて適切な言語化ができるよう、説明の型を複数準備しておくと言語化の質やスピードが上がります。

例えば普段使っているTwitterやブログなどで情報を発信する際に、前述した説明の型を活用してみるのも良いでしょう。日常生活で言語化力を鍛えておけばプレゼンや商談、業務報告などのビジネスシーンで自信を持って言語化できるように変化していくはずです。

 

周りの人からフィードバックをもらう

言語化は相手に伝わりやすいように情報を整理して話を組み立てる過程であり、最終的なゴールは「相手に意図通り伝わる」ことです。そのため「意図が伝わったか」「どう伝えればもっと分かりやすかったか」など、伝えた相手や周囲の人からのフィードバックも有効です。たとえ「分かりにくい」と感じていてもなかなか本人に言いづらいことは多いですが、自ら意見を求めると客観的なフィードバックをもらいやすくなります。

また言語化した内容に対してフィードバックを得られた分、言語化力が求められる場面や説明する相手の特性に合った言語化のパターンを増やせるでしょう。

例えば前述した説明の型に沿ってアウトプットすると、多忙な上司から「端的に言うとどういうこと?概要が掴みやすくしてほしい」と返されてしまったとします。このフィードバックを言語化スキルの向上に活用すれば「時間が限られている相手には大まかに情報を伝えられるよう、補足情報を省略する工夫」に繋がります。

 

まとめ

IT化によってビジネスや日常生活で活用できる情報量が増え続けている現代を生き抜く上で、言語化力は欠かせないスキルです。語彙力だけではなく言語化の本質である思考力を鍛えることで、言語化力を武器に活躍できる人材を目指しましょう。

Schooでは言語化力を含めたビジネススキルに関する授業を公開しています。以下のボタンで無料会員登録をして、ぜひ覗いてみてくださいね。

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