ライブで実践 Googleスプレッドシート効率化テクニック #1

登場人物


 かいせつ先輩

ずっと卒業しない先輩。なんでもわかりやすく解説するのが趣味。


とある宇宙人スキュー

地球にやってきた宇宙人。地球のことをもっと学びたい。なぜか関西弁。


 

Googleスプレッドシートを活用した効率化テクニック」。それが“RPA”を学びたい人にオススメの授業

かいせつ先輩

毎日繰り返される単純な業務に追われていると、残業が日常化したり、有効に時間を使えなかったりするよね。そこで有効なのが、RPA。時間がかかる業務を自動化してサクッと終わらせることで、今よりも効率的に時間を使えるようになるよ。

そこでRPAを導入するためにオススメしたい授業が、「Googleスプレッドシートを活用した効率化テクニック」。

本授業では、Googleスプレッドシートを活用した業務の自動化について学べるよ。便利な関数を覚えることで、時間がかかる業務を素早く処理できるようになるんだ。「関数ってよくわからない……」という人も、ひとつずつ使い方を学んで効率化を目指そう。

 

先生のご紹介

田中  株式会社スクー

職場で起こりがちなあらゆる問題・悩みにことごとくぶち当たる不運な社員。


上羽 RPA調査員

「いかに社内業務を自動化するか?」を常に考え、周囲に提案している。 その提案により日々の単調な作業から解放され、クリエイティブな仕事に集中できるようになったスタッフは数多い。


 

RPAとは?そのメリットとは?

とある宇宙人スキュー

宇宙でも最近よく聞くようになったんやけど、「RPA」って何やろ?

かいせつ先輩

RPAは、オフィス業務を効率化・自動化する仕組みのこと。機械学習や人工知能(AI)などを活用して、繰り返される単純業務を効率的に終わらせることができるんだ。

日本みたいに高齢化が進んでいる社会では、働ける人の数もこれからどんどん減ってくるよね。だから任せられる業務は機械に任せて、人は人だからこそできる業務に集中して、生産性を高めようとする会社が増えているんだ。

そしてRPAには、ヒューマンエラーを防げるというメリットもあるよ。人が手作業でやらなくても、機械が自動的に計算したりミスをチェックしてくれたりするから、業務を効率化すると同時にミスを減らせるんだ。


RPAの活用シーンの説明

とある宇宙人スキュー

ほ〜。じゃぁ、RPAってどういうシーンで活用されているんやろか?

かいせつ先輩

RPAは、さまざまな職種で活用されているよ。特に、一定のルールに従って繰り返す業務や、標準化されている業務に有効とされているんだ。

具体的には、見積書や経費管理表、工数管理表といった書類の作成、電子データからシステムへの登録、Webサイトからの情報収集といった業務に導入されることが多いね。

なかでも毎日更新される書類の作成やデータの集計には、Googleスプレッドシートの活用がオススメだよ。Googleスプレッドシートでは、Excelには存在しない便利な関数を使えるんだ。一度データを整理しておくことで、その後はデータが更新されれば自動的に書類や集計結果に反映されるようになるよ。


Googleスプレッドシートで行う日々の業務の効率化術

かいせつ先輩

ここでは、授業内で先生が教えてくれた、Googleスプレッドシートを活用した業務の効率化術について解説するよ!すぐにでも使いたくなる効率化のための関数がたくさん出てくるから、すでにGoogleスプレッドシートを使っている人もこれから使いたいと考えている人も、チェックしてみてね!

スクリーンショット が含まれている画像

自動的に生成された説明

上羽先生:最初に元のデータをどこかから持ってこなければいけませんよね。今後データを更新したときにも反映されるように持ってきたい。どうやりましょう?

田中先生:僕も以前はコピペをすれば良いと思っていたんですが、それでは駄目なんですよね。「IMPORTRANGE」という関数を使います。

上羽先生:そうですね。入れるのは、元のデータがあるGoogleスプレッドシートのURL。2番目が「範囲の文字列」となっていますが、シートの名前と「!」をつけて、セルの範囲を指定します。

 

=IMPORTRANGE(“https://〜〜〜”,”営業管理表2018!A:I”)

(IMPORTRANGE(GoogleスプレッドシートのURL,範囲の文字列))

 

田中先生:では、「IMPORTRANGE」で全部引っ張ってきた続きにいきましょう。

上羽先生:そうですね。では、新しく集計のシートを作っていきましょう。

 

まずは「担当者」が「田中」だけのデータを持ってきます。項目だけをコピペして、その下にデータを持ってきましょう。実はGoogleスプレッドシートには、「FILTER」という関数があります。

「範囲」は、持ってきたいデータの頭から最後まで。コンマで区切って「条件」を入れますけど、「COUNTIF」関数とか「SUMIF」関数とかわかる方はわかると思いますが、「担当者=田中」とします。

 

=FILTER(“営業管理表”!A:I,“営業管理表”!C:C=“田中”)

(FILTER(範囲,条件1,条件2))

 

田中先生:田中という名前でフィルタリングされているんですね。

上羽先生:そうですね。もちろん名前を変えると、表示されるデータも変わります。

 

では、次は月別の集計をしましょうか。

 

スクリーンショット が含まれている画像

自動的に生成された説明

 

右側のデータには日付がバラバラに入っているので、これを月ごとにまとめます。これはExcelと同じです。

このデータには「失注」と「受注」の2種類がありますが、受注には受注日が記載されているので、それをうまく活用しましょう。

受注額欄に、受注日が去年の1月より大きく2月より小さいときの数値を出したいので、「SUMIFS」関数を使います。「合計範囲」は受注額、「条件範囲」は受注日。

「条件1」は2018年1月1日を含めて大きいなので、>=と&でつなぎます。そして2月1日よりも小さいものを入れたいので、<と&でつないでください。オートフィルで伸ばすときは、絶対参照を使ってくださいね。範囲の頭に$をつければ良いです。

 

=SUMIFS(K$3:K,N$3:N,“>=”&A3,N$3:N,“<”&A4)

(SUMIFS(合計範囲,条件範囲1,条件1,条件範囲2,条件2))

 

そして受注額から目標を引けば差が出るので、これで毎月の集計は完了です。

では、ここで一旦月ごとの売上をグラフ化しましょうかね。

 

スクリーンショット が含まれている画像

自動的に生成された説明

 

Googleスプレッドシートのグラフって癖があるので使いにくいという方もいるんですが、データをちゃんと選んでおけば勝手にグラフ化してくれますので。

今回は「受注月」が横軸になって、「受注額」が縦軸になるので、その2つを範囲指定します。その状態で上にある「グラフを挿入」ボタンを押せば、グラフができます。

次は集計期間と担当者名ですね。担当者名を変えると、データが変わるようにします。別のシートを作って、そこに担当者名を記載しておきます。

フィルタをつけたいセルを右クリックして「データの入力規則」を選び、データの範囲を先ほど記載した担当者名に指定します。保存すれば、担当者名が選択できるようになります。

ただ、この時点では名前を変えてもデータが変わりません。これは、先ほど「FILTER」関数を入れたときに「田中」という文字列を入力しているから。

それを担当者名が選択できるセルに指定してあげることで、担当者名を変えるとデータが変わります。

田中先生:これこそ自動化の醍醐味ですよね。

上羽先生:そうですね。では、集計期間も反映させましょう。

「FILTER」関数の条件を後ろに足していけばいいので、元データの受注日が集計期間開始日よりも大きく、終了日より小さい値を出すように入力します。すると集計期間の月を変えれば表示されるデータが変わります。

 

=FILTER(“営業管理表”!A:I,“営業管理表”!C:C=“B3”,“営業管理表”!I:I>=A3, “営業管理表”!I:I <=A5)

 

あとは受注額合計ですね。これは「SUM」で出せます。

 

スクリーンショット が含まれている画像

自動的に生成された説明

 

受注額の範囲を指定すれば出せます。目標額も同様に出して、差額は受注額から目標額を引けば出せます。

田中先生:なるほど。見本では数字に色がついていますが、目標を達成したときに色がつくようにできるんですか。

上羽先生:そうですね。色を変えたいセルを右クリックして、「条件書式」を押すと右の方に設定ルールが出てきます。目標額より大きければ、なので「セルの書式設定の条件」を「より大きい」にして、目標額のセルを選んでおきます。

わかりやすいように、「書式設定のスタイル」でフォントを緑色にしましょう。そして新しい条件を追加して条件を「以下」にして、目標額より小さい場合も設定します。このときはフォントを赤くしておきましょうか。これで数字に応じて色分けができます。

 

田中先生:これで大分できてきましたよね。

上羽先生:そうですね。あとは画像ですよね。

 

スクリーンショット が含まれている画像

自動的に生成された説明

 

「画像を挿入」という方法もありますが、実は画像を貼り付ける関数があるんですよ。「IMAGE」関数という。そのままですよね。

今回はたまたまネット上に写真があったので、それを使います。別のシートに、担当者名と画像のURLの表を作っておきましょう。

「IMAGE関数」に画像のURLを入れるだけで、画像が出てきます。画像の大きさはセルの高さに合うので、セルを結合して大きくすれば、大きな画像が表示されます。

 

=IMAGE(“https〜〜〜”)

(IMAGE(画像のURL,モード,高さ,幅))

 

田中先生:ただ問題は、このままだと担当者名を変えても画像はそのままなんですよね。

上羽先生:そうなんですよね。どうしましょう。

田中先生:みんな大好き:「VLOOKUP」関数ですね。

 

上羽先生:そうです。先ほど画像を挿入するときに担当者名とURLの表を作ったので、「田中」という名前のときに横のURLを持ってくれば良いんですよ。

「IMAGE」関数のなかに「VLOOKUP」関数を入れます。「検索キー」は担当者名なので、該当するセルを指定。「範囲」は先ほど作った担当者名とURLの表。

「指数」は左から何番目かを表すので、表の左から2番目にあるURLを出したいから2。そして最後は決まり文句として「false」を入れましょう。こうすると、名前を変えると画像も変わります。

 

=IMAGE(VLOOKUP(B3,“選択肢”!B2:C5,2,false))

(IMAGE(VLOOKUP(検索キー,範囲,指数,並べ替え済み)))

 

田中先生:素晴らしいですね。かなりの自動化のレベルになりました。

上羽先生:あとは、目標達成の絵を出しましょう。

 

室内, 壁, 建物, スクリーンショット が含まれている画像

自動的に生成された説明

 

先ほどの担当者の画像のときと同じように、項目と画像のURLを表にしておきましょう。どういう条件で画像を出すか入れれば良いので、「IF」関数を使います。

今回目標達成というのは、差分が0より大きいときですよね。つまり、差分が表示されているセルの値が>0であれば、指定したURLの画像を出します。逆に、セルの値が<0であれば、営業中という画像を出します。これで出てきますね。

 

=IF(B10>0,IMAGE(“選択肢” !F2),IMAGE(“選択肢”!F3))

(IF(論理式,TRUE値,FALSE値))

 

田中先生:自動化すると仕事が楽になるとともに、間違っていない安心感もあって良いですね。

 

Q&A!みんな気になる、あの疑問に先生が回答

かいせつ先輩

ここでは、「Googleスプレッドシートを活用した効率化テクニック」から効率化テクニックの疑問について授業を受けた方の質問とそれに対する回答を紹介していくよ!

 

Q:右クリックを押してデータをコピーし、別のシートに貼り付けられますか?

A:関数としてではなく、数値としてコピーするということですね。「IMPORTRANGE」関数を入れたセルをコピーすると関数ごとコピーされてしまうので、「Control+V」を押すときに、「Shift」も一緒に押します。そうすると中身だけ貼り付けられますよ。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

まとめ記事の記事一覧