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2023年8月24日 16:04 更新
ChatGPTとは2022年に公開され、その機能性の高さから世界中で注目を集めている最新のAIチャットツールです。
本稿ではSchooの授業も参考にしながら、ChatGPTの始め方と活用のコツ、活用例について詳しく解説していきます。ChatGPTを耳にしたことはあるけれどまだ手を出せていない方や、登録してみたはいいもののどう活用すればいいのかわからないという方はぜひご覧ください。
ChatGPT(チャットジーピーティー)とは、アメリカのOpenAI社によって2022年11月に公開された、大規模言語モデルを使った会話型AIツールです。また、ChatGPTの「GPT」はGenerative Pre-trained Transformerの略で、OpenAI社が開発した大規模言語モデルのシリーズ名です。
ChatGPTに使われている大規模言語モデル(LLM:Large Langage Model)とは、大量のテキストデータを使ってトレーニングされ、構築された自然言語処理(※)モデルのことを指します。従来の自然言語処理モデルと比べても精度が高く処理速度も速いのが特徴です。
同様の技術を土台とするモデルは2018年ごろに登場しましたが、経年で改良が加えられたことによる性能の向上と、ChatGPTという用途の広い無料のツールに搭載されて公開されたことにより、世界中から注目を集めるようになりました。
(※)自然言語処理:人の言葉をコンピュータで処理する技術のこと
ChatGPTが用いる大規模言語モデルは生成AIの種類の一つでもあります。生成AIとはジェネレーティブAI(Generative AI)とも呼ばれ、学習した内容をもとに新しい文章、画像、音声、音楽などを生成することができるAIのことです。
従来のAIとの違いは、全くのオリジナルコンテンツを作ることができるかどうかにあります。従来のAIは前もってインプットしておいた情報を元に定められた作業を実行するAIで、例えば一度スマートフォンに所有者の顔を覚えさせておき、再度顔を見せることでロックを解除する顔認証機能などが当てはまります。一方で生成AIは、情報を与えることで全くのオリジナルコンテンツを作り出すことができるのです。
ChatGPTはインターネット上のテキストなどを元にした膨大なデータと人間のフィードバックをもとに、ディープラーニングの技術を使って単語やフレーズの関係性やパターンを学習しています。そして、学習した内容からユーザーの投稿内容や文脈を解析し、確率的に次に続く可能性が高いテキストを出力する仕組みで動いています。
つまり、ChatGPTは何らかの知識を得てそれを元に正しい回答をするのではなく、あくまで入力に対して自然な文章を続けて出力するツールということになります。この点は、ツールの性質を理解して上手く使う上で大切なポイントです。
ChatGPTが利用している言語モデルは世界各国の言語でトレーニングされているため、日本語での入力・出力が可能です。特に特別な設定をする必要はなく、ChatGPTへのメッセージ入力欄(画像の下にある「Send a message」と書かれた部分)に日本語を入力すれば、自動で読み取り日本語で返答してくれます。
一方、同じ質問をする場合でも、どの言語で質問するかでChatGPTの回答は変わります。そして、トレーニングに使用されている言語の比率は英語が最も高いことから、英語でのやりとりにおける回答精度が最も高いとされています。
そのため、思った回答が得られない場合には同じ質問を英語でしてみるのも良いでしょう。
ChatGPTはリリース以降瞬く間に世界中で使われるようになり、現在1億人を超えるユーザーがいると言われています。ここからは、それだけ急速に利用拡大したChatGPTがどのようなことを出来るのかについてご紹介します。
ChatGPTは、指示に従った文章の執筆を行う事ができます。
例えば、テーマや文字数、言い回しなどを指定して物語やレポートを作ってもらうことができます。上の画像ではChatGPTに日本の有名な昔話である『かぐや姫』の物語を元にパロディ作品を執筆してもらっています。その他、ビジネス場面でも使えるような丁寧なメールを代わりに書いてもらうことなども可能です。
ChatGPTは指定した文章の出力だけでなく、会話や雑談などのコミュニケーションをとることもできます。話してくれる内容も他愛無い話から専門知識について問うものまでさまざまです。
ChatGPTは通常まじめで堅い口調で返答するため、会話や雑談をする際は、砕けた言い回しや方言など、状況や好みに合わせて話し方を変えるよう依頼すると良いでしょう。また、「元気がないので気分が盛り上がるように雑談してほしい」などと指示を出せば、文脈を汲んで楽しいことを思い出させてくれるような話をしてくれます。
アイデアの提案は、生成AIであるChatGPTの持ち味が活きる使い方です。こちらの指示に従って、新規性のあるアイデアをスピーディかつ大量にアウトプットすることができます。
実際にこの用途でChatGPTを使う場合は、依頼するアイデアの利用場面や、どれくらいの量のアイデアを出せばいいのかなど出来る限り具体的に指示をすると、希望に合うアイデアを出しやすくなります。
仕事で戦略や企画を練ったり、議論をしたりする場面や、何らかのテーマを元にレポートを書く場合など、論点整理が必要なシーンでもChatGPTが活用できます。
ここでは例として、ChatGPTに日本の少子高齢化の問題点を整理し、説明してもらっています。このような難解な問題であっても、ChatGPTを使えば幅広い情報にアクセスでき、分かりやすく論点をまとめてくれます。そのため、不慣れなテーマを扱う時や、論点の抜け漏れを見直したい時、誰かの手を借りて効率的に論点を整理したいときなどは、ChatGPTを利用すると良いでしょう。
ChatGPTを使えば、通常実施には複数人が必要なブレインストーミングを疑似的に行うことも可能です。
1人で企画のアイディア出しや課題解決のアプローチ方法などを考えていても、アウトプットの内容はどうしてもある程度の偏りが生まれてしまいます。そのような時はChatGPTにブレスト参加者になりきってもらい、テーマへのアイデア案や異なる視点での批評を出してもらえば、相乗効果で満足のいくアイデアや企画が生まれやすくなります。
ChatGPTでは文章を要約することもできます。
記事やレポート、メールなどの内容をコピー&ペーストして読み取らせれば、長い文章でも要点を押さえてまとめることが可能です。ただし、ChatGPTは長すぎる文章は要約することができず、無料版のChatGPTでは一度の入力につき最大4069トークン以内という制限があります。
『その作業は、AIにやらせてみよう』の第一回『ChatGPTでメールの文章をシュッと短くしよう』では、メールをシュッと短くする方法を、実際にChatGPTを使いながら詳しく解説しています。こちらのコースではChatGPTをはじめとする最新の生成AIを使って、作業をあっという間に終わらせる方法を学べます。興味のある方はぜひご覧ください。
ChatGPTでは文章のチェックや校正をすることができます。
例えば、長い文章を書いたときなど、誤字脱字や主語と述語の関係などが曖昧になることがよくあると思います。そのような場合に文章を入力し、ChatGPTにチェックしてもらえば文法的に正しく、簡潔な文章に直すことができます。また、言いたいことを上手く文章化できない場合に、言い回しや表現の改善案を提案してもらう使い方もできます。
ChatGPTはプログラミング言語、マークアップ言語の情報も学習しているため、プログラミングを組む際にコード記述のサポートとして使用できます。
コードの使用例も示してくれるので、ChatGPT上で「Copy code」と書かれている部分をクリックすれば実際に使うこともできます。ちなみに、ChatGPTに対応している言語を聞いてみたところ、回答は以下の通りでした。
ChatGPTが対応できる言語は100以上あり、精度の高い翻訳を一瞬で行うことができます。
例えば日本語から英語、韓国語、中国語など他言語に翻訳するだけでなく、他言語から日本語に翻訳することや、英語からフランス語になど外国語同士の翻訳も可能です。
自然な文章生成に長けたChatGPTなので、例えば仕事でも海外からのメールの内容を翻訳し、ChatGPT上で返信内容を日本語で考え、英語などの言語に翻訳してもらって返信するなどの活用が可能です。
ChatGPTは大量のデータと強化学習をもとにトレーニングされているため、調べものにも活用できます。例えば、「マーケティングでよく使うフレームワークを教えてほしい」や「地球温暖化について説明してほしい」などと聞くことで、知りたい物事の概要や目的などを細かく教えてくれます。
一方で、詳細は後述しますが、ChatGPTは2021年9月までの情報しか入力されていないため、最近の情報については説明できない他、仕様上必ずしも正確な回答を導き出せるとは限りません。そのため、正確性が求められる調べ物の場合は必ずファクトチェックを行うことが必要です。
ChatGPTを使うと、入力内容を元にデータ抽出や分析を行うことができます。具体的には、入力テキストからキーワードや特定の文脈に沿うテキストだけを抽出したり、指定のデータフォーマット(例:JSON形式など)に変換して出力したりできます。
ここでは例として、新作ドリンクに寄せられたコメントの中から、価格について書かれているものだけを出力してもらっています。このようにテキストベースでのデータが大量にある場合や、特に長くて読みにくい文章の中から特定のデータだけを抽出する場面でもChatGPTは便利に活用できます。
ChatGPTはとても高性能のAIチャットであり、私たちの日常をさまざまな方法で助けてくれます。一方、一見万能そうに思えるChatGPTですが、実は出来ないこともあります。ここからはChatGPTが出来ないことについて詳しく解説していきます。
ChatGPTは膨大なデータを保持していますが、インプットされたデータは2021年9月までの物です。したがって、基本的に2021年9月以降のことについては回答することができません。
そのため、例えば「最近流行りの音楽を教えて」と投げかければ「私の知識は2021年9月までのものであり、最新の音楽情報については提供できません。」と返答します。
一方、有料版のChatGPT Plusで使用できるGTP-4という言語モデルでは、プラグイン機能やブラウジング機能が搭載されています。この機能を使えば、最新情報のブラウジングや機能拡張ができるので、最新の情報をChatGPTに取り入れて回答させることが可能です(※)。
(※)2023年8月22日時点でブラウジング機能は一時停止中
ChatGPTは難しい問いに対してもスピーディに回答を提示してくれるものの、確実に正しい回答を出すとは限りません。
そもそもChatGPTはOpenAI社が集めた大量のデータをもとにトレーニングされ、そこで学習したテキストパターンや関係性を元に、ユーザーの質問に対して続く可能性の高いテキストを予測して回答を出しています。そのため、利用規約上でもツールの性質から、時に不正確な出力がされる可能性が明示されています。
※参照:Terms of use
無料版のChatGPTでは、URLを読み込んだ上での文章要約など、URLへのアクセスを前提にした作業をすることができません。そのためそのような指示をすると、上の画像のように外部のウェブサイトへのアクセスができない旨のコメントが返ってきます。
一方で、有料版のGPT-4ではブラウジング機能(※)が搭載されているので、URLを提示することでその中身から情報を抽出することが可能となっています。
(※)2023年8月22日時点で一時停止中
ここまでは、ChatGPTの仕組みやできる事・できない事について詳しく見てきました。次項ではChatGPTの基本の使い方として、アカウント登録からChatGPTとのやりとりの方法まで順を追って解説していきます。
ChatGPTを使い始めるには、OpenAIのアカウントが必要です。まだアカウントを作っていない方は、以下の流れでアカウント作成を行います。
①こちらのURLにアクセスすると、ChatGPTのホームページに繋がります。
②そしてそのページからSign Upと書かれているところをタップすると「Create your account」と書かれたページに遷移します。そして、空欄にメールアドレスを入れるか、またはGoogle・Microsoft・Appleのアカウントと紐付けを行うことが要求されます。
③メールアドレスを入れる場合は8桁以上のパスワードの作成をした上で送信されたメールの「Vertify email address」をタップします。
④押すと出てくる画面で、Last name(苗字)、First name(名前)、生年月日(日付/月/年)を登録します。
⑤次のページで電話番号を入れてショートメッセージ(SMS)で送られたコードを入力すれば登録が完了します。
既にアカウントを保有している方は同一のURLから「Log in」を選択し、遷移先ページからアカウント作成時に使用した認証方法(メールアドレスまたはGoogle/Microsoft/Appleアカウント)を使ってログインしてください。
登録ページ:ChatGPT
ログインが成功すると、上の画像のような画面に遷移します。ChatGPTに質問や依頼をする場合は、「Send a message」と書かれた枠内にテキストを入力します。テキストを入力し、紙飛行機のマークを押せば、ChatGPTが返答してくれます。
一度ChatGPTに質問や依頼をしたものの、思うような回答を得られないことも多くあります。また、ChatGTPの回答の中で疑問に思ったことを追加で聞きたいと感じることもあるでしょう。そのような時には、そのまま質問を続けたり、新しいチャットスペースで質問・依頼することが可能です。
また、チャットスペースを変えたい場合は、画面左上の「+New chat」と書かれたボタンを押すと新しいチャットスペースができます。
ChatGPTと会話した内容はブラウザ上に履歴が残るため、過去のやりとりを後から読み返すことが可能です。同様に、過去のChatGPTとのやり取り画面から会話を再開させることもできます。また、ChatGPTとの会話履歴にはタイトルが自動で付けられますが、自分でも分かりやすいタイトルに編集することが可能です。
現在、ChatGPTはパソコンとスマートフォンの両方で使用できます。
また、ChatGPTは元々ウェブブラウザで利用するサービスとしてスタートしましたが、今年公式アプリがiOSとAndroid双方でリリースされました。以下は各アプリストアにおける公式アプリのページです。
アプリストアではあたかも公式アプリのような非公式のアプリケーションも存在しているため、間違えて他のものを登録しないようにご注意ください。
ダウンロード用URL
ios用(iSO 16.1以降対応):ChatGPT on the App Store
android用(Android 6.0以降対応):ChatGPT - Apps on Google Play
ChatGPTにはフリープランと有料プランがあります。有料プランの名称はChatGPT Plusと言い、ウェブ上では月額20ドル、iOSアプリでは月額3000円を支払うことで利用できます。
ChatGPT Plusではフリープランでできることに加え、①アクセス混雑時でも通常通りのスピードでアクセス、②応答までの時間の短縮、③新機能と改善時の優先アクセスなどの優遇があります。具体的にはWebブラウジング機能や、機能拡張ができるプラグイン機能など、無料版では使えない機能にアクセスすることができます。
また、ChatGPT Plusの代表的なメリットはGPT-4が利用できることです。GPT-4はGPT-3.5の後に公開された言語モデルで、前のものよりも精度の高い回答などを得ることができます。
(※注)Androidアプリでは、2023年8月22日時点では 有料プランにアクセスできません。
GPT-4はOpenAI社が展開する最新の言語モデルの名前です。GPTとはOpenAI社の言語モデルのシリーズ名称であり、2018年のGPT-1のリリース以後、GPT2、GPT-3、GPT-3.5と改良が重ねられてきました。そして更に精度が上がるように研究・開発されたモデルとして2023年3月に発表されたのが、最新のGPT-4です。
GPT-4モデルはこれまでよりも精度の高い回答ができる他、画像生成やGPT-3よりも長い文章の出入力などが可能です。
GPT-4は現在、有料版のChatGPT Plusで利用できる他、OpenAI社のAPIを通じて利用ができます。APIとは、ソフトウェアやアプリケーションとプログラムを繋ぐ方法のことを指し、APIを介して外部の企業がGPT-4の機能を使ったプロダクト開発を行うことなどができます。
参照:Pricing
ChatGPTは便利であるが故に、利用時には気をつけなくてはならないこともあります。ここからは、ChatGPTの利用上の注意点として、特に注意していただきたい3つの点について詳しく解説していきます。
上述の通り、ChatGPTは、最新の情報には対応していません。そのため、やりとりする内容の性質によっては、不正確な情報が出力される可能性が高いため、注意が必要です。
ChatGPTがデータを保持していない最近の出来事についてだけでなく、以前からあるテーマでも情報の更新性があるものについて質問する時は、これらを念頭に置く必要があるでしょう。例えばエクセルの関数や特定のツールの機能など、情報の更新性があるものについて聞く時は、最新リリースの内容に基づいた回答は得られないことになります。
ChatGPTの利用時は、ハルシネーションにも注意が必要です。ハルシネーションとは、本来は幻覚のことを意味する単語ですが、自然言語処理の領域ではAIが事実ではないことを、あたかも本当であるかのように伝えることを指しています。ChatGPTは非常に流暢かつもっともらしい文章を生成するため、受け手の人間側がAIのつく嘘を見破りにくいという特徴があるのです。
ハルシネーションの要因には、学習データの影響や、そもそもの仕組み(入力に対して返答となる確率の高いテキストを出力する仕組み)の影響があると言われており、現状では完全にハルシネーションを防ぐのは難しいとされています。
そのためデータ作成や論文執筆のためなど、正確な情報を必要とする際はファクトチェックを必ず行う必要があります。
ChatGPTは私たちの入力内容を学習し、モデル改善に活用できるようプログラミングされています。そのためChatGPTの規約では、入力情報をサービス改善に利用されたくない場合、オプトアウトをすることを推奨しています。
また、漏洩リスクはアカウント情報にも伴います。既に、アカウント所有者のログイン認証情報がハッキングにより流出する事例も発生しており、仮にアカウント情報を盗まれてしまうとやりとりの内容も当然筒抜けになってしまいます。そのため、これはChatGPTに限ったことではありませんが、パスワード等の管理には留意する必要があります。
規約はこちら:Terms of use
ここからは、ChatGPTの実用的な活用方法を詳しくご紹介します。本日ご紹介するのは以下の7つです。
ChatGPTは学習した大量のデータを元に、際限なくアイデアを出すことができます。
例えば上の図では、会社の忘年会を盛り上げるための企画アイディアを出してもらいました。参加人数や年齢層など、想定される場面についてより詳細な情報を入力することでもっと実用的なアイデアを出してもらうこともできます。
また、出てきた回答の中で気になるアイデアを深掘りしたり、ピンとくるアイデアがなければその理由を伝えて改善案を再提示してもらうことでアイデアをどんどん具体化していくことができるでしょう。
ChatGPTが出来ることとして文章要約をご紹介しましたが、これを応用すれば動画やセミナーのまとめも簡単に作成できます。
例えば、Schooオリジナル授業『AIに長時間セミナー動画を要約してもらおう』で講師を務める平岡拓先生は、ChatGPTと同じOpenAI社のWhisperというAIツールで音声ファイルの文字起こしを行い、そのテキストをそのままChatGPTに入れることでセミナー内容の要約までを全てAIに行わせることができることを紹介しています。
他ツールも使用したChatGPTの具体的な活用方法については、ぜひ授業をご覧ください。
ChatGPTはテキスト内容の解析など、データ分析のサポートとして活用することができます。
例として、Schooオリジナル授業『ChatGPTにデータ分析を助けてもらおう』ではChatGPTに特定のデータを分析するための適切なフレームワークを探してもらったり、アンケートの感想など結果を定量的に計りにくいものでも振り分けてデータ化してもらったりと、分析をする際にどのように役立てるかを実践しながら紹介しています。
業務でメールの利用が多い方は、ChatGPTにメール文書の作成や修正をお願いしてみるのもおすすめです。
上の画像では「取引先に招待いただいた食事会のお礼メールを簡潔に書きたいので、例文をください」とChatGPTに依頼しています。このようにChatGPTが提示してくれた文章をテンプレートの様に使いながらメールを書くことで、文章を推敲する時間を短縮することができます。
Schooオリジナル授業『ChatGPTでメールの文章をシュッと短くしよう』では講師の古川渉先生がChatGPTを使い、メールの文章を短く・分かりやすくする際に使える指示の仕方をその場で使いながら詳しく解説しています。長々と書かれたメールの対処法などにお困りの方は是非参考にしてみてください。
ChatGPTに文章校正や翻訳をしてもらうことで、語学学習にも活用することができます。
例えば、Schooオリジナル授業『ChatGPTで英語学習をはじめよう』では英語講師のKumiko先生がChatGPTでできる英語学習として、上の画像のように初学者でも簡単に書ける英作文のお題をChatGPTに出してもらい、さらに書いた英文を添削してもらって英語力を伸ばす方法を紹介しています。
その他、ChatGPTに英語で話しかけてもらい、自分も返答を英語ですることでチャットで英会話ができる他、公式アプリ利用者は音声入力でメッセージを入れることもできるので、スピーキング力を伸ばすことにも活用可能です。
エクセルやスプレッドシートを使う際の困りごとにもChatGPTを活用できます。例えば、処理したい内容に適した関数を調べたい時や、他の人が作ったエクセルに組み込まれた数式の意味を理解できない時に質問すると、分かりやすく解答を提示してくれます。
Schooオリジナル授業『Excel関数はChatGPTに任せてみちゃおう』では、エクセルで関数が分からなくて困ったと感じる場面を実際に想定しながら、ChatGPTにどの様に指示を出して使えばいいのかを詳しく解説しています。
ChatGPTは上述の通り、プログラミング言語やマークアップ言語にも対応しているので、コードの記載や修正にも活用することができます。
上の図では簡易な例として、マークアップ言語であるCSSを使ってWebページの文字の太さを変えるためのコードをChatGPTに聞いています。ChatGPTにコードについて聞くと、大抵は実際の使用方法を記述してくれるため、すぐに実践することができます。
また、Schooオリジナル授業『ChatGPTでシンプルなゲームを作ろう』では、使用する言語の種類と作りたいものの概要についてChatGPTに詳細に伝えることで、簡単なゲームの制作もできることを紹介しています。
ここからは、知っておきたいChatGPTのその他の使い方として、①アカウント削除の方法、②オプトアウトの方法について詳しく解説していきます。
ChatGPTのアカウントを何らかの事情で削除をしたい場合、次の流れで簡単に削除ができます。
まずはChatGPTのメイン画面の左下にある3つ丸を選択し、Settingを選択します。
次に出てくる設定画面から、Data controlsと書かれている場所を選択します。最後に、項目の中からDelete accountの中にある「Delete」というボタンを押せば削除は完了です。
以上はWebページでChatGPTを利用している方に向けたアカウント削除の方法でしたが、アプリを利用している方の場合はアプリ画面右上の3つの丸を押し、同様の手順で進めていくことで削除することが可能です。
ChatGPTは規約上、ユーザーが入力したデータを学習に利用することができます。そのため、入力情報を学習に利用されたくない方はオプトアウト申請をしておきましょう。
オプトアウトは、ChatGPTのオプトアウトフォームにメールアドレス等を記入し、申請を行うことでできます。フォームのURLにアクセスしたら、上の画像のようなGoogleフォームがでてくるので、メールアドレスとOrganization IDを入力します。
Organization IDはフォームの青文字になっている、Account Org Settingsから確認することができます。それぞれの項目を埋め、フォームを送信すれば、オプトアウトの申請は完了です。
また、フォーム申請する以外に設定画面から実施する方法もあります。設定画面からオプトアウトする場合は、ChatGPTのSettingを開き、Data controlsの「Chat history&training」の項目を探してください。この項目は元々オンになっているため、オフにすればオプトアウトできますが、同時にチャットの履歴を残さない設定もされることになります。
ここまでお話ししてきたように、ChatGPTは多くの場面で活用することができます。一方、ChatGPTはあくまで使い手の入力内容に答える形でアウトプットするため、いかに上手く質問をするかが成否の分かれ目になります。ここからはChatGPTに質問する時のコツについて詳しく解説していきます。
Schoo授業『プロンプトのコツを探究しよう - ChatGPTに企画書を作ってもらうには』の講師・プロンプトエンジニアのしょーてぃー先生は、ChatGPTを使って企画書を作るための流れとして「ひらいて・とじる」を紹介しています。
「ひらいて・とじる」とは、アウトプットの必要要素をまずChatGPTで洗い出し(ひらく工程)、洗い出した内容を更にChatGPTで詳細化して収束させていく(とじる工程)という流れのことです。
例えば企画書であれば、まず企画書作りに必要な要素(タイトル・企画概要・ターゲットニーズなど)を洗い出してもらい、そこで出てきた項目を取捨選択したり深ぼったりしながら、企画書を完成させていきます。
ChatGPTで適切な回答を導くには、使い手側がどのようなアウトプットをしたいのかを明確に言語化して指示することが必要ですが、そこには難しさもあります。このような先に全体像を押さえる使い方は、企画書だけでなく提案書やプレゼン準備など様々なシーンに応用ができるでしょう。
ChatGPTの指示出しの仕方にもコツがあります。その具体的なコツとして、①指示は具体的に、②前提条件や情報を与える、③足りないものは追加質問や指示で補う、④出力する項目(構成)を指定する、⑤出力の形式を指定する、があります。
指示出しのコツの一つ目は、指示を具体的にすることです。
例えば「短くまとめて欲しい」や「案をたくさんあげてほしい」などの基準が曖昧な表現を使うと、期待した解答が得られない場合があります。また、指示出しの文章の主語述語が分かりにくかったり、こそあどことばの多い文章になると、ChatGPTは文のつながりや前後関係を理解しにくくなることもあります。そのため、何を求めているのかを具体的に指示し、文法的にも分かりやすく質問・依頼をすることが重要です。
ここでは例として、ホストファミリーに渡すお土産のアイディアをChatGPTに貰っています。ここでは「日本のお土産」と記載しているので、和菓子や折り紙など、日本らしいお土産を提案してくれていますが、これらの記載がないと、自分が住んでいる土地のマップやガイドブックなど、全く異なる回答が出てきます。
ChatGPTに抽象的な質問をすると、一般的な場面を想定した回答や、不自然な回答が返ってきてしまうことがよくあります。そのため、ChatGPTに欲しい情報をアウトプットしてもらうためには質問する内容の前提となる条件をChatGPTに伝え、回答を出すために必要な情報を十分に与える必要があります。
ここでは、ChatGPTに、海外に住んでいる人向けのお土産として相応しいものをピックアップしてもらっていますが、「和菓子が苦手である」という情報を与えたことで、一つ前の質問ではなかった回答を導き出しています。
ChatGPTの返答には、内容がわかりにくいものや、欲しかった回答と異なるもの、返答が途中で途切れてしまうものがあるので、その場合は再度質問の意図を説明したり、「続けて」などの指示をしたりして補う様にしましょう。
また、ChatGPTに質問をしていく中で、知らない言葉や、より深く知りたいと考える項目が出てくることもあると思います。その様な時は、追加でChatGPTに質問をすればすぐに返答してくれます。
ChatGPTは指定をしなければ、特に回答の形式が意識されることなく長い文章の中で返答してくることが多いです。そのため、ChatGPTから分かりやすい返答を引き出すためには、出力する際に答えてほしい項目や、出力時の文章構成について指定することが必要になります。
例えば、Schooオリジナル授業『プロンプトのコツを探究しよう - ChatGPTに企画書を作ってもらうには』では、まず次の画像のように企画書の構成をChatGPTのアイデアを元に決めています。
その構成を元に企画アイデアの出力を指示することで、適切な企画書フォーマットに沿ったアウトプットを実現しています。
ChatGPTで出力の形式を指定すると、望ましい形式でまとめてくれるので、別のツールや作業を加えずとも作業を効率化・完了させることができます。
ここでは例として出力の形式をHTML化してもらっています。文字の装飾も含めChatGPTにお願いすることで、コードをコピーすればすぐに使用することができます。この他にも、エクセルの表形式に変換する、という指示や、CSV形式やマークダウン方式への変更などもできます。
ここからはChatGPTについて学べるSchooオリジナル授業を紹介します!動画を見てChatGPTの使い方について学びたい方や、ChatGPTの活用方法をもっと知りたい方はぜひご覧ください。
< コース紹介 >
この授業ではChatGPTの基本的な使い方を学ぶことができます。本稿を読んでものの、動画でより詳しい解説をみながらChatGPTを活用して行きたいと考える方は是非ご覧ください。
先生プロフィール
小澤 健祐(おざわ けんすけ)
「人間とAIが共存する社会をつくる」がビジョン。持続的な次世代社会を創るべく、コミュニケーションを起点に多角的に活動中。メディア運営に特化し、AI専門メディア「AINOW」編集長、SDGs専門メディア「SDGs CONNECT」編集長、45歳からのキャリア自律支援メディア「ライフシフトラボ・ジャーナル」編集長を兼任している。株式会社Cinematorico 共同創業者COO、合同会社BLUEPRINT PRディレクター、日本大学文理学部次世代社会研究センター プロボノ、フリーカメラマン。
< コース紹介 >
テーマ毎に異なる先生をお呼びし、AIを使った効率化についてお伝えする授業です。ChatGPTの使い方や今話題のAIソフトの実践的な使い方をわかりやすく簡単に学べます。毎回の授業は40分ほどと短めなので、AIのトレンドをいち早くキャッチして学びたい方におすすめです。
< 授業紹介 >
この授業では、「これができたらいいのに」という願望をChatGPTに叶えてもらう方法をプロンプトアーティストのShunsukeさんに伝授いただきます。ChatGPTへの指示のコツがうまく掴めていないと考える方や、ChatGPTをもっと使いこなしたいと考える方必見の授業です。
先生プロフィール
林 駿甫(Shunsuke)
AIと共生する未来を目指すプロンプトアーティスト。共著『基礎から学ぶノーコード開発』(C &R研究所)。noteやTwitterなどで、人間らしさを最大限に引き出すChatGPTの使い方を発信している。
< 授業紹介 >
ChatGPTの技術を使えば簡単なゲームを作ることもできます。この授業ではChatGPTを使ったブラウザで動くゲームの作り方を学べます。ChatGPTを使って何か応用的なこともしてみたいと考える方に特におすすめの授業です。
先生プロフィール
平岡 拓(ひらおか たく)
コードを書かないプログラミング「ノーコード」を専門とするDXコンサルタント。非エンジニアの方に向けたノーコードを使ったDXの方法を個人向けスクールや法人研修で2年近く解説してきた。 現在は、非エンジニアの方でも活用できる個人のためのDXをYouTube中心に解説し、人々の生産性を高める手伝いをしている。
< 授業紹介 >
この授業では人間とは何なのか、そしてChatGPTと人類はどう生きていくのかを議論していきます。哲学的な分野に関心がある方や、将来の働き方にちょっとした不安や疑問を感じている方は専門家の意見を聞いて内省してみてはいかがでしょうか。
先生プロフィール
中村 寛(なかむら ゆたか)
人類学者。アトリエ・アンソロポロジー合同会社代表。多摩美術大学リベラルアーツセンター教授。人類学に基づくデザインファーム《アトリエ・アンソロポロジー合同会社》を立ちあげ、さまざまな企業、デザイナー、経営者と社会実装をおこなう。
先生プロフィール
古川 渉一(ふるかわ しょういち)
株式会社デジタルレシピ取締役CTO。パワーポイントからWebサイトを作る「Slideflow」、AIライティングアシスタント「Catchy」を運営。「先読み!IT×ビジネス講座 ChatGPT 対話型AIが生み出す未来」著者。
本稿では、今話題のChatGPTとはどの様なものなのか、そしてChatGPTの基本的な使い方から使いこなすためにはどうすれば良いのかを詳しく解説してきました。
SchooではChatGPTなどの最新テクノロジーをはじめとする、日頃から活用できる知識や学びを毎日無料で生放送しています。是非ご活用ください。