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2024年3月08日 16:59 更新
「頭がいい」とは、多くの人が言われて嬉しくなる誉め言葉の一つではないでしょうか。
一聞すると、頭がいい人とは頭の回転が早く弁の立つ人のことを指すように思えますが、実は本質的な「頭の良さ」には別の要素が関係しています。本稿ではSchooの授業を参考に、「頭がいい」ことの要素や頭がいい人と思われるにはどうしたら良いのかを詳しく解説していきます。
Schooオリジナル授業『「頭が良いと思われたい。(けど「頭が良い」ってどういうこと?)」その悩み、哲学者がすでに答えを出しています。』にご登壇の小林昌平先生は、頭がいい人とは「ほとんどの場合、知的な勇気がある人のことである」と述べています。
ここで言う知的な勇気とは、正解がない難しい問題に対して考え抜き、勇気を持って発信し周りを巻き込んで前にすすめていける、知的な生産性があることを指します。
もちろん頭がいい人の特徴として、思考の引き出しの多さや議論における切り返しのスピードの早さが表れることもよくあります。しかし現実社会において何か難しいことや意義のあることを成し遂げるにはそれだけでは不十分であり、胆力や実行力が求められるケースが多いものです。
そのため「頭の良さ」の本質を「物事を前に進める知的な生産性」として捉えた場合、その要素は一般的に頭がいいと言われた時に想起する議論の際の頭の回転の速さや、喋るテンポの良さなどとは少し異なってくると言えるでしょう。
前項では頭のよさの本質を「知的な勇気」とご紹介しましたが、頭がいい人にはどのような特徴があるのでしょうか。ここからはより具体的なイメージが湧くように、引き続きSchooオリジナル授業『「頭が良いと思われたい。(けど「頭が良い」ってどういうこと?)」その悩み、哲学者がすでに答えを出しています。』を参考に、次の5つの特徴をご紹介していきます。
授業ではまず頭がいい人の特徴として、「勘が良い」ことが挙げられています。勘が良いとは、理詰めで考える前になんとなく「こちらが正しいのでは」「あちらに進むのは筋が悪そうだ」と察知できる力のことで、直観力とも言い換えられるでしょう。
勘や直観と聞くとその場の思い付き・当てずっぽうのようにも思えますが、そうではありません。過去の経験や獲得したスキルの組み合わせによって、順序立てた思考をショートカットして答えに辿り着く力のことであり、様々な難局を乗り越えてこそ身につく力です。
例えば優れた実績を残している経営者が社会の変化をまるで預言者のように言い当てたり、大きな意思決定を即断するエピソードはこれら勘・直観の体現と言えるでしょう。
困難な課題にぶつかっても投げ出さず、粘り強く立ち向かうことができるのも頭がいい人の特徴です。
前提として何か意義のあることを成し遂げようとした場合、何も障壁なくすんなりとことが進むのは珍しいものです。多くの場合、想定外の事象や解決すべき課題が発生します。そしてそれら難局を乗り越えるには、目の前の課題から逃げずに辛抱強く向き合う力が必要です。
つまり知的な生産性を発揮していくためには困難に対する粘り強さが不可欠の要素であり、結果として頭の良い人にはこれらが備わっていることが多いと言えるでしょう。
前項の粘り強さとも関連しますが、頭がいい人は解けそうもない難しい問題に対しても思考を止めず、考え抜いて前に進めていくことができます。言い換えれば、知的な体力がある人です。
いわゆる学校のテストとは違い、ビジネスの現場で出会う課題は不確実性が高く絶対的な正解がないことがほとんどです。たとえ理詰めで考えたとしても、想定通りに進まないことはよくあります。だからこそこのような場で成果を生み出すには、ただ思考法やフレームワークを知っているだけでなく、複雑な課題を広く・深く考え抜く力が必要不可欠となるのです。
人は何が正解か分からない・未来がどうなるか分からないという状況に置かれると不安や恐怖を感じ、決断をためらいがちになります。一方頭がいい人の特徴として、このような不確実な状況下でも自分の頭で考え行動に繋げられることが挙げられます。
一般に行き詰まった状況を変えたり、大きな成果を生み出したりするには奇抜で革新的なアイデアや着眼点を持っていることが重視されがちです。一方でいくら素晴らしいアイデアを思いついたとしても、行動が伴わなければ変化は起こせません。
頭がいい人はそのことを理解しており、例え確実な正解がわからなくても具体的な行動を起こす勇気と覚悟があります。だからこそ彼らは状況を変化させ、成果を生むことができるのです。
これを踏まえ小林昌平先生は授業において、「勇気がなければ頭の良さは発露されない」と説明しています。
ここまで頭の良さに関連する要素として「粘り強さ」や「勇気」などを紹介しましたが、授業ではもう一つの側面として「引き出しの多さ」や「柔軟な発想の切り替え」にも触れています。
ここで言う「引き出しの多さ」や「柔軟な発想」とは、ただ思い付きを沢山発信することではなく、自身のアイデアを周囲に発信する勇気と、周囲を巻き込み物事を進めていく実行力がセットになった力を指します。
またこのような力は一朝一夕で身につくものではなく、多くの難局を乗り越えることで底上げされることにも触れられています。実践に裏打ちされた豊かな経験があるからこそ、知見の応用が利くようになるのです。
ここまで解説してきたように、本質的な頭の良さには知的な勇気や胆力が関係しています。一方で前出の授業内でも、これら頭の良さと「頭が良く見えること」は必ずしも同じではないとされています。
そこでここからは、冒頭から見てきた頭の良さの意味から一度離れ、どのような振る舞いをする人が一般に頭がいい人だと見なされやすいのか、についてご紹介していきます。
会話の相手が要点を自分の言葉で整理して理解を示してくれると、しっかり伝わったと安心したり相手に対して理解力が高い人だと感じたりすることは無いでしょうか。
Schooオリジナル授業『頭がいい人と思わせる質問の仕方』に登壇する安田正先生は、多くの人は他人の話を聞く時に深く集中しておらず、要点を完全には理解できないことが多いと述べてます。そのため逆に、話の内容をポイントを押さえて聞くことができる人は、相手とよりスムーズな会話ができ頭が良く見える傾向にあります。
またこのことから、話の途中で論点に触れたり相手の話を反復したりするのは、会話の理解度を示す対応となり頭をよく見せるために効果的だと言えるでしょう。
話す内容を構造的に整理して分かりやすく伝えられると頭がいいと思われやすくなります。
前提として、人の話をよく聞き正しく理解するのは集中力を要する行為です。そのため構造が整理され、理解しやすい状態で情報を伝えることは相手の負担を減らし、感心されやすくなるのです。
Schoo授業『頭がいい人と思わせる質問の仕方』では相手に構造的かつ分かりやすく伝えるためのコツとして、図を書きながら話をすることを紹介しています。興味のある方はぜひ授業もご覧ください。
周囲に「同じ話でもこの人が話すとすごく納得できる」と感じる相手はいないでしょうか。このような説得力があるトークやプレゼンテーションができる人も、頭がいいと思われやすい傾向があります。
Schoo授業『頭が良い人は「説得力がある」』では、講師の一般社団法人日本プレゼンテーション教育協会代表理事・西原 猛先生が、説得力のある話をするには①論理、②情熱(感情)、③信頼の3つの要素が欠かせないと紹介しています。納得感はただ話の内容が論理的であれば得られるのではなく、話し手への信頼や抱いている感情を含めて醸成されるためです。
つまり、日頃から周囲の信頼を得るような言動をして人望が厚い人ほど話の説得力が増し、頭がよいと思われやすくなると言えるでしょう。
特に組織やチームで何かを進めるシーンにおいて、問題をスピーディに整理し、解決に導ける人は周囲から頭がいいと思われやすくなります。
例えば会議で議論が対立した時にそれぞれが納得できる新しい観点を提示できたり、複雑な仕事でもその人が担当すればスムーズに事が進んだりすると、周囲はその人に信頼を置き、頭の回転が早く仕事ができる人だと感じるでしょう。
つまり問題解決能力の高い人は、特にビジネスシーンにおいて頭がいいと見なされやすくなります。
周囲から頭がいいと思われるには、数字を使った説明や、筋の良い仮説づくりができるようになることも一つのポイントです。
前項の説得力とも関連しますが、数字を根拠として話をすると納得感を得やすく、相手に知識の豊富さを印象付けることができます。また不確実な状態でも手元の情報をフル活用して仮説を立て、改善策を検討できる人は競争の激しいビジネスの場で活躍できるため、やはり頭が良いと思われやすくなります。
Schooオリジナル授業『頭が良い人は「数字に強い」』では、数字に慣れ使いこなせるようにするためのトレーニングとしてフェルミ推定のやり方を紹介しています。数字や仮説づくりに強くなり、頭が良いと思われたいという人はぜひ授業をご覧ください。
ここからは、頭のよさや思考術に関心がある方に向けてSchooのおすすめ授業を紹介します。さまざまなテーマの授業があるので、ご自身の気になるポイントや課題に合わせてぜひ視聴してみてください。
< コース紹介 >
本稿でメインに取り扱ったこの授業では、わかりやすく深い哲学入門書としてロングセラーとなっている『その悩み、哲学者がすでに答えを出しています。』の著者である小林先生と共に、頭がいいということの本質に迫っています。本質的な頭の良さについて哲学的な観点からより詳しく学んでみたいと考える方は、是非ご覧ください。
先生プロフィール
小林 昌平(こばやし しょうへい)
専攻は哲学・美学。電通トランスフォーメーション・プロデュース局にて活躍する傍ら、2019年まで事業構想大学院大学にて事業開発人材の育成に従事。テーマは、哲学・文学など人文科学の知見と戦略思考を統合し、包括的で越境的なアイデアを編み出す “ Humanities on Industry(HoI)"。著書「その悩み、哲学者がすでに答えを出しています」は、わかりやすく深い哲学入門書として各界称賛のロングセラーに。恋愛コミュニケーションやアイデア発想など身近なテーマを、哲学や美学、認知科学の立場から考察。
< コース紹介 >
本稿では頭がいいと思われるための振る舞いとして、構造的に整理された伝達を紹介しました。一方で、話が分かりにくいと指摘されたり、頭の中がごちゃごちゃしていて整理が難しいと悩んだりする方も多いのではないでしょうか。全3回で構成されるこのコースでは、思考の整理家である鈴木 進介先生に頭をスッキリさせて一方前に踏み出せる状態を作る方法を教えていただきます。
先生プロフィール
鈴木 進介(すずき しんすけ)
思考の整理家® 株式会社コンパス 代表取締役。 現在は「思考の整理術」を使った独自の手法で人材育成トレーナーおよびコンサルタントとして活動中。「金なし・人脈なし・ノウハウなし」の3重苦からスタートしたため、挫折続きの生活を送る。そんな中で10年以上にわたり研究を独自に重ねて体系化した思考の整理術は幅広く支持され、コンサルティング実績は100社以上、セミナー受講者数は累計3万人を超す。メディア出演や著書多数。
< 授業紹介 >
日常でもよく使われる「頭を使う」という言葉は、身近でありながら具体的にどのような意味なのかを問われると説明が難しい言葉でもあります。この授業ではビジネスコンサルタントで講師の細谷功先生が、アンケートをもとに「頭が良い」とみなされる行動や人物像を探り、「頭を使う」とはどういうことかを具体的に解説していきます。周囲から頭がいいと思われたいと考える人必見の授業です。
先生プロフィール
細谷 功(ほそや いさお)
東京大学卒業後、株式会社東芝を経てアーンスト&ヤング、キャップジェミニ等の米仏日系コンサルティング会社へ。2009年より株式会社クニエのマネージングディレクター。2012年より同社コンサルティングフェロー。 戦略策定や業務/IT改革を製品開発領域等のコンサルティングを実施。近年は問題解決や思考力に関する講演やセミナーの企業や各種団体、大学等に対して国内外で実施中。著書に『地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」』等。
こちらのコースでは仕事・プライベートなど人生の様々な分野で周囲の人からの評価を高め、頭がいいと思われるためのコツをご登壇の先生方に伝授いただきます。自分の能力や可能性を十分に発揮できるようになりたい方、頭がいいと思われるポイントを知りたい方におすすめの授業です。
< コース紹介 >
先生プロフィール
安田 正(やすだ ただし)
株式会社パンネーションズ・コンサルティング・グループ代表取締役 一般社団法人コミュニケーション・マイスター協会 代表理事。外国語学部英語英文学科卒業。大学卒業を機に渡英。帰国後兼松パーソネル株式会社国際化事業部長を経て、パンネーションズ・コンサルティング・グループを創業・代表取締役に就任。 現在は英語・ビジネスコミュニケーションの領域で講師・コンサルタントとして活躍。一流大学でも教鞭をとり、書籍も多数執筆している。
< コース紹介 >
難しい問題も分解して考え、スムーズに課題解決を進められると頭が良いと見なされやすくなります。本授業では外資系戦略コンサルタントとして多くのプロジェクトをリードした経験をお持ちの清水久美子先生から、生産性高く仕事を行っていくために大切な「課題の本質を見極める方法」を学ぶことができます。効率的に解決策を見出したり、物事を考え抜けるようになりたいという方は是非ご覧ください。
先生プロフィール
清水 久三子(しみず くみこ)
大手アパレル企業を経て、1998年にプライスウォーターハウスコンサルタント(現IBM)入社。企業変革戦略コンサルティングチーム・人材開発のプロジェクトをリード。 2005年にコンサルティング&SI事業の人材開発部門リーダーとして育成プログラムを設計導入・多くのメディアに取り上げる。その後独立し執筆・講演活動を開始。講師としても多くの企業・お客様に高い集客と満足度を得ている。 著書・雑誌連載多数。
< コース紹介 >
この授業ではベストセラー書籍「究極の問題解決力が身につく瞬発思考」の著者である寺嶋直史先生に、問題解決力を習得し充実した仕事人生を送るための方法を解説いただきます。現状思うように成果を出せず、問題解決力を身につけたい・デキる人になって自信を持って仕事がしたい、と考えるビジネスパーソンに是非おすすめしたい授業です。
先生プロフィール
寺嶋 直史(てらじま なおし)
(株)レヴィング・パートナー代表取締役 中小企業診断士 大手総合電機メーカーにて、部門で社長賞等多数の業績賞獲得に貢献、自身は幹部候補に抜擢。その後事業再生コンサルティング会社を立ち上げ、代表取締役に就任。様々な業種の再生企業の事業デューデリジェンスや、経営再建の支援を行う。 また「経営コンサルタント養成塾」の塾長として様々な講義を行っている。 著書に「事業デューデリジェンスの実務入門」等がある。
本稿では本質的に頭がいい人とは勇気がある人のことである一方、いくつかのスキルを身につけることで、周囲から頭がいいと思われやすくなることを解説してきました。
Schooでは、今回ご紹介したようなビジネススキルやコミュニケーションに関する多くの授業をご用意しております。月額980円で8000本以上のコンテンツが見放題です。ご自身の課題感やお悩みに合わせてぜひご活用くださいね。