4/28(Sun)
2019年5月31日 7:29 更新
ーー目次ーー
1.【専門家が考えるUXの定義】あのサイトに学ぶUXデザイン!
2.UXとは
3.UIとUXの違いとは
4.UXとは何か-News Picksのユーザー体験を考える
かいせつ先輩
ずっと卒業しない先輩。なんでもわかりやすく解説するのが趣味。
猫田くん
好奇心は強い方だが、面倒くさがりですぐ人に聞いちゃう人。聞き方は失礼だが、なぜか憎めない。
かいせつ先輩
「使い手の体験」を指すUX(User experience)について、「UXとはそもそも何なのか?」「良いUX、悪いUXとはなにか?」とは何か?と疑問に思う人は多いんじゃないかな。
そこでオススメしたい授業が、「UXとは何か-NewsPicksのユーザー体験を考える」。
複数のサイトやアプリを見ながら、3人のデザイナーとUXについて様々な考え方や解を得る授業だよ!
News Picksと人気経済ニュースアプリのUI・UXの考え方を学ぶことができるから、Webデザインを学び始めた方から実際にサービスをデザインしている方にもオススメの授業になっているよ。
山本 健人 株式会社オープンエイト 執行役員 CDO
1985年生まれ。学生時代よりフリーランスのデザイナーとして活動を開始し、数多くのスタートアップや事業立ち上げに関わる。2013年にサービスデザイン会社THE CLIP創業、2015年にカウンターワークス取締役CDO就任、2016年にTHE CLIPをオープンエイトに売却。現在は大人のトラベル&カルチャー動画マガジン「LeTRONC(ルトロン)」のUXデザインを手がける。Twitter:@kentymmt
甲斐 琢巳 株式会社ニューズピックス プロダクトデザイナー
首都大学東京出身、経営学専攻。在学中の2013年、1年間大学を休学しRettyなどITベンチャーで働きながら、独学でWebデザインを始める。 卒業後の2014年、株式会社ミクシィにデザイナーとして入社。同社のミクシィコミュニティのサービスに携わる。 2015年に株式会社ニューズピックスに入社し、以降すべてのプロダクト企画からUIデザインまで行う。Twitter:@takumii_kai
新明 智 株式会社ココナラ 共同創業者 取締役
1982年生まれ。大手外資系ITベンダー、独立系ITコンサルティング会社の設立メンバーを経て、株式会社ココナラを共同創業。"一人ひとりが「自分のストーリー」を生きていく世の中を作る”というビジョンの元に、知識・スキル・経験のCtoCマーケットプレイス「ココナラ」を立ち上げる。現在はプロダクトマネジメントグループ、デザイングループのマネージャーを兼
猫田くん
先輩。初歩的なことなんすけど、UXってどういう意味なんスカ?
かいせつ先輩
UXとは、ユーザーエクスペリエンス(User Experience)の略で、ユーザーが製品・サービスを通じて得られる体験を意味しているんだ。似たような言葉に、UI(ユーザーインターフェイス、User interface)があるけど、これはユーザーと製品・サービスの接触面を指した言葉なんだよ。
UIを改善することで、UXを高めることが出来るから、まずはUIを改善して全体的にUXを高めていくことが多いんだ。だけど、UXを高める方法はUIの改善だけじゃなくて、例えばECサイトなら発注から納品までのリードタイムを短くすることもUXの向上には役立つんだ。
猫田くん
なるほど 。じゃぁ、UIってなんスカ?UXとUIって何が違うんスカね〜。
かいせつ先輩
先述の通り、UIっていうのはサービスとユーザーの接触面を意味していて、UXとはユーザーがサービスを通して得られる体験を意味しているんだ。
つまり、UIや他の要素をすべて含んだ体験そのものがUXってことだね。
両者の違いを簡単にまとめると、
・UIは「サービスを利用する過程」のもので、
・UXが「サービスを利用した結果」を表しているところにあるんだ。
続いては、実際にUIやUXの考え方について、授業から先生のお話を聞いてみよう。
新明先生:具体的にユーザーの最終的なゴールみたいなものとかってあるんですか?UX は時系列で分けて語ることが多くて。
アプリを触ったりして「これが気持ちいいな」とか「こういうことができたとか」というのは、いわゆる一時的なユーザー体験、一時的な UXみたいな言い方をしていまして。
そういったものの積み重ねで自分の目指すゴールが達成できたとします。
例えば、
“News Picksでいろんなニュースを見た結果ビジネスがはかどった”
“いいビジネスマンに成長した”
みたいなものがあれば、それは良かった体験。
そういった長期の体験と一時的な体験がある中で、長期的な体験の方とはどういうふうに考えてらっしゃるのですか?
甲斐先生:そもそもNewsを見るというのが多分毎日やることなので、まずは日々の情報収集の体験を高めていくことを目指しています。
長期の話で言うと、例えば新規事業を考えているときなどに情報収集すると思うんです。
そういったときに、調べた情報に対してついたコメントを読んで「こういう見方もあるんだ」という体験が日々積み重なっていると「News Picksでニュースを探せば、“事実”と“他人のいろんな視点”がその場で得られる」と思いついてウチで情報収集する、というようなところが長期的に目指しているところですかね。
新明先生:では最終的には例えば「News Picksに行けばビジネスに役立つような良いニュースがある」とか、とても良いニュースを知った時に「News Picksではどうコメントしてるんだろう」という理解の場にしていくんですね。
甲斐先生:そうですね。
受講生代表:確かにニュースとかって結構事実を流しているものじゃないですか。それに対して人がどんな風に考えていているのかをNews Picksのコメントを見て考えていくっていう環境はすごくいいですよね。
新明先生:体験としては、テレビの経済ニュースのコメンテーターとのやりとりをかなり時間を圧縮してネットで手軽にやれるような感じですよね。
代替で言うと何になるんですかね?
山本先生:緩やかなSNSに近いような設計にもなっていると思うんですけど、その辺のユーザー間の温度感とかが、もし設計上狙っているところがあったら気になりますね。
甲斐先生:そうですね、今コミュニティーというワードが出てきたと思うんですけれども、僕たちもコミュニティの側面を持っているという風に認識しています。
実際の代替体験としては、同僚とニュースについて話すだとか、上司が真面目な方向性でそのニュースに対して話すみたいなものが、ネット上で見知らぬ人がコメントを投稿することでできるといったことを考えています。
コミュニティーの設計として考えているところは、コメントに対してコメントをできないようにしています。
なぜかと言いますと、事象に対して各々が意見を述べて終わりにしているということに意味があって、コメントに対してコメントを返信できると一部議論が生まれてしまいます。
そこからまた、新しい情報が生まれるというのはあると思うんですけど、ネット上ですとお互い知らない方同士なので、建設的な議論にはなりにくいのではないかと。
つまり危険と言うかリスクが高いのではないかと判断をして、コメントをするだけという体験設計を守っているというのはこだわっています。
新明先生:良い情報と多様な記事のどちらもユーザー体験をコントロールしていきたいという意味で言うと、幅広い情報はユーザーのPickの仕方に任せて、質のいい記事は一生懸命自分たちでPickして表に出すという行為をした方がユーザー体験としてはコントロールできると思うんですけど、そういった部分でどういう運用されているんですか?
甲斐先生:弊社で言いますと、カテゴリーに並んでいる記事のコントロールみたいな話ですよね。
このコントロールは最初をたどるとPicksと呼んでいるコメントをしている方が多かったり、というものでそれだけで選んでいたんですけれども、やはりそれだけだと広いターゲットの方が満足できるような網羅性というものを担保できる紙面にするには難しいというのがありまして。
今持っている切り口としましては、1つとしてはテクノロジーを使ってどういうものが相応しいかという定義を自分たちでしているという方向性。
もう一つとしては管理しているメンバーによって少し手を加えるというコントロールをしているところですね。
新明先生:UX デザイン大事なことで言うと、社内とかでもそうなんですけど、メタファーを用いて扱うことによって、「ここは編集されるべきなんだ」とか「質の高いものにしたい」ということを一言で言うのに結構いいですよね、紙面。
ということは、新聞を見ているというこですかこれは。
甲斐先生:そうですね...。新聞を想像しているかというと、そうでないんですけど、発想としては紙のクオリティーを意識してるとこはありますね。
新明先生:目指している紙面というのはあるんですか?
甲斐先生:目指している紙面というのはないんですけれども、やはりメディアの歴史を見たときに、何十年、何百年という歴史がある中で、やはり紙面に関してもものすごくルールがあるみたいなんですね。
「これは間違いなくうちの新聞のトップにくるべき記事だ」みたいなのがやっている人たちの間で共通項として持っているくらい歴史のあるところなんですね。
僕たちもやはりネットメディアとして、そこまでのレベルには絶対ならなきゃいけないという意味では、やはり紙の方が歴史という意味でも高いという風に思っていまして、そういうところでも紙のメタファーを使わせていただいているというのはありますね。
受講生代表:UXって定義がたくさんあって、人によって解釈が変わってきたりすると思うのですが、実際どういったものをイメージして考えていけばいいのでしょうか?
山本先生:一時間話してきて、難しいと思うんですね。手探りである部分も、もちろん多いので。
ただ、その UXというもの自体は、ただそこに存在しているだけで、そこに対してどういう目的だとか、体験の結果みたいなものを設定して、どういう風にアプローチしていくか。
いろんなポジションの人が考え続けてやっていく。その連続なのかなと思いますね。
それはデザイナーとかに限らず、プロダクトに関わっているチームのメンバー全員が共通認識が大事って話もあったと思うんですけど、そういうところをしっかり設定して愚直にやっていくみたいなところなのかなと。
受講生代表:ありがとうございます。今日ご登壇いただいて、甲斐先生いかがでしょうか。
甲斐先生:UXはイメージするのが難しいというところと、恐らくこれは定義しなくてもいいんじゃないのかなと思ったりもするんですよね。
今日話してきたなかでも「ユーザーが何を得たいか」って話もありますし。
サービスなどを提供している会社としてビジネスをやっていかないといけないっていうお話もおそらく出てきたと思うんですけど、本当にいろんな要素が複雑に絡んでいるものを前提としている中で、”どういう機能を提供するのかを考えていく”というのを今UXって呼んでいるところだと思うんです。
僕は中の人間なので、コメント欄含め、お二方含めていつもと全然違う議論とか「こういうところに引っかかるんだな、気になっているんだな」と感じられたところは今回かなり勉強になりましたね。
受講生代表:ありがとうございます。新明先生一言何かいただければ。
新明先生:僕自身はそんなにUXという言葉は嫌いではなくて。
何が大事なのかという所が今までぼやっとしていたんですね。ビジネス設計含めて。
共通で扱うその概念とは何なのかっていうのを誰も分かってなくて、それぞれ勘のいい人が個別に行ってたものを「ユーザーエクスペリエンス、UXが大事だよね」というところから、今みんなが「それは一体どういうことなのか」っていうところをそれぞれのアプローチ、メソドロジーなど、いろんなことを文化などに落としながら習熟しているところだと思います。そして、僕らは個別にちゃんと実践をしていくということではないかと思います。
受講生代表:ありがとうございました。
かいせつ先輩
ここでは、「UXとは何か-NewsPicksのユーザー体験を考える」から授業を受けた方の質問とそれに対する回答を紹介していくよ!
A.元々News Picks自体が生まれたのが3年半前くらいなんですけども、そのときに流行っていたのがTwitterやEvernoteなどの動物をモチーフにしていたアプリだったので、出すのであれば動物だろうとなった。
コメント欄を用いて、Newsメディアの一方的な方向だけでなく、いろんな方向から情報を得る白黒のない情報収集の体験をやりたいというところからシマウマのロゴになっていると聴いています。
A. コメントのガイドラインというものを発表していまして、ガイドラインをあまりにも守っていないものがあれば連絡をしたり、行き過ぎている場合にはコメント自体を消してしまいます。