4/29(Mon)

今日の生放送

かいせつ先輩

よく「地頭がいい」といわれる人がいるよね。でも、いったい地頭はどうやったら鍛えられるんだろう?

実は、普段本を読んでいるような形で「読者」になってはダメで、少し違った視点で本に向き合うことが大切なんだ。東大生は「読者」ではなく「○○」になることで地頭を鍛えているそうだよ。

 

「地頭」とは?

猫田くん

本をいくら読んでも頭に残らないし、何が大事なことなのかわからない…。やっぱり地頭がよくないといけないのかな。そもそも「地頭」ってどうやって伸びるんだろう…。

かいせつ先輩

やみくもに読書をしてはいけないよ。地頭を鍛えるときに必須なのは、アウトプットをすること。そして、アウトプットをするには自分の言葉で内容を理解する必要があるね。

内容を理解するには。著者のいいたいことをつかまなきゃいけない。そこで重要になるのが、学んだことを言い換えて自分の言葉で説明したり、「文章の型」を理解したり、キーワードを探すことなんだ。詳しくは西岡先生の講義から学んでいこう!

 

ーこの授業を無料で観るー

先生名:西岡 壱誠
 

授業概要:「地頭」がいい人は、本質を捉えるのが上手かったり、論理展開がクリアだったり、物事を多面的に捉えたりすることができると言います。この地頭ですが、生まれつき地頭がいい人でない限り、「地頭がいい人」になれないと思っていませんか?実は地頭というのはトレーニング方法次第で鍛えることができるのです。この授業では、現役東大生の西岡壱誠先生から、皆さんの仕事に活きる、地頭を鍛えるトレーニング方法や読書術を教えていただきます。この授業を通してトレーニング方法を学び、地頭を活性化させましょう!

『東大読書』 -現役東大生が教える「地頭」を鍛える読書術- を無料で見る

 

先生のご紹介

西岡 壱誠 東京大学経済学部3年生

東大輩出者ゼロの無名校のビリ(元偏差値35)だったが、2浪し、崖っぷちの状況で「点の取り方」を誰よりも研究した結果、東大模試で第4位になり、東大に合格した「点の取り方の伝道者」。現在は家庭教師として教え子に「点の取り方」をレクチャーするかたわら、東大“試験対策委員会委員長”として東大の学内試験の対策を日夜考えている。また、2018年1月連載スタートの『ドラゴン桜2』(講談社)に情報提供を行う「ドラゴン桜2 東大生プロジェクト」のプロジェクトリーダーを務め、受験や学習全般に関してさまざまな調査・情報提供を行っている。著書に『現役東大生が教える「ゲーム式」暗記術』(ダイヤモンド社)がある。

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『東大読書』 -現役東大生が教える「地頭」を鍛える読書術-

【小見出し】「読者」ではなく「記者」になる

西岡先生:読書をするときに「読者」になってはいけません。本を読むときに、読者になるマインドで「読もう」と思ってはいけないんです。「読者」でなく「記者」になりましょう。

どういうことかというと、記者の方は「○○さん、これってどういうことですか?」「いっていることがよく分かりません」と質問してきますよね。これと同様に、自分の頭の中で考えて、「こういったことですか?」と取材していくように読むべきなんです。

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さてここで、本を読んでいるときに質問したいと思った経験はありますか?ちなみに僕はありませんでした。

受講生代表:私もありませんでした。本に書いてあることをすべて受け入れています。

西岡先生:「本に書いてあることだから当たり前だろう」と思ってしまうのですが、そこで質問が浮かぶ人は前のめりで能動的になっているのだと思います。そういった人は「読者」になっていない。何になっているかというと、「記者」になっている。取材していると思うんです。

受講生代表:「読者」は受動的ということ?

西岡先生:そのとおりです。「読者」は「書いてあることを受け入れます」という姿勢になり、どうしても受け身になってしまう。だからこそ「記者」になる必要があるんです。

学生に勉強を教えるとき、生徒に「質問を作ってね」とお願いすると、毎回二つにはっきりと分かれます。何も質問が浮かばなかった生徒はテストの成績が悪い傾向があり、一方、「ここが分からなかった」と質問できる生徒はテストの成績がよい傾向にあるんです。逆の印象を受けますが、なぜかというと、質問をすることもアウトプットだからだと思うんです。

東大に入って驚いたことがあって、どんな講義でもみな質問をしているんです。教授の前に「これはどういう意味ですか?」と生徒の列ができるんです。疑問を持つ習慣があり、それをスルーせず聞くという姿勢を持っているのではないかと。

つまり、「読者」にならず「記者」になるというのは、書いてあることを無条件で受け入れるのではなく、「とうしてそんなことがいえるの?」「この話は本当ですか?」と前のめりに読書すること。そのために質問も考える。こうすると「記者」になったつもりで能動的に読書ができるようになります。その結果、本が「読める」ようになるし、地頭も付くということです。

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「記者」になるといったときに、一冊の本を最後まで読んで「なんでだろう?」という疑問が思いつかない方も多いでしょう。そのときにオススメなのが、対立する意見の本を同時に読んだり、同じ分野について書いてありつつも少し内容が違う本を読んだりすることです。

たとえば、対立する意見の本を読んで「どちらが正しいか」「自分はどちらが正しいと思うか」と考えてみて、どちらの側にも疑問を投げかけて、自分なりの答えを出してみる。つまり、本と議論してみるということです。こうすると質問も出てきやすくなります。

Amazonのベストセラーを見ても、星5のレビューで埋め尽くされているものは少なく、星5もあれば星1もある、という本が多いです。そこで、「これは正しいのかな?」という目線で読んでみるのもよいと思います。さらに、同じ意見の本を読み続けていると気になる点が出てこなくなるかもしれないので、そこはあえて全く意見の違う本を読んでみるのもオススメです。

【小見出し】地頭力が伸びる瞬間はアウトプットをしたとき

西岡先生:地頭力が伸びる瞬間はいつなのか。頭がよくなる、学力が伸びる瞬間はいつなのか。

まず大前提として、東大生の頭がよいのは読書の質が違うから。「自分の頭で考える力がある」といったときに、ガリガリ勉強しているからだとか、たくさん参考書を読んでいるからだと感じられがちですが、実は違います。読書がやはり違う。本を読む習慣が違うからこそ東大生は東大生たり得ているのだというのが僕の結論です。

地頭力が伸びる瞬間はアウトプットをしたときです。これは「学力」という言葉に言い換えても構いません。

多くの方が、本を読んでいる瞬間や先生の授業を聞いている瞬間に頭がよくなると思っていますが、インプットではなくアウトプットをしたときに地頭力は伸びるんです。

アウトプットは、問題を解いたり書いたりすることではありません。学びにおけるアウトプットは、それを知らない人に説明することです。しかし、人に説明するのはとても大変です。なぜかというと、自分に少しでも分からないところがあると説明できないから。納得して自分のものになっていないとアウトプットできない。

そこで、「質問をしよう」というモチベーションで聞いているとインプットの質も上がるし、納得にもつながっていくはずです。

 

【小見出し】ステップ1:言い換え

西岡先生:人に説明する過程で言葉を言い換えたりすることで深く事柄を理解することにもつながります。そうすると、自然に自分の考えが出てくることもあります。自分の考えと向き合うということです。

ここで、真に必要なのは「言い換え」の能力です。「要約」と言い換えても構いません。どうやったら文章が読めるようになるかと考える必要はなくて、言い換えさえやっていればなんとかなるんです。アウトプットを前提とすれば、多くの問題が解決します。

どんな文章でも短く言い換えることができる、それが要約です。これが、言い換えが重要な理由です。

また、文章を読むために「著者が何を言いたいのか」をつかむことが、要約すること、地頭力を鍛える上で大切になります。

僕がなぜ頭が悪かったのかというと、読書を自分の言葉で再現できなかったからです。授業で聞いたことや習ったことも同様です。

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僕が開発した「メモリチェックゲーム」があります。白い紙を一枚用意して、その中に今日学んだことを書いてみます。ここで学んだことを再現できるかできないか。これ、結構書けないんですよ。まったく何も見ない状態で、今日学んだことをひとつでもよいから再現してみようとしても、なかなかできないんです。これができる子は伸びているし、できない子が多いです。

これは、先ほど説明した「人に説明する」ということと同義だと考えているので、紙に書くのが嫌な人は、自分の家族や恋人に、今日読んだ本について感じたことを説明してみてください。そこで、「説明が分からない」といわれたら、あなたの頭の中にも残っていない、白い紙にも再現できない状態だと思います。「言い換え」=「再現」なんです。

読んだ本について一語一句を答えられる人はなかなかいません。しかしその中でも、読んだ本を自分のものにしている人も一定数いる。それでは、これらの人が何をしているかというと、長いものを覚えているのではなく、大切なことをピックアップして自分の頭で言い換えて、整理して自分の頭に入れている。だからこそ記憶できるし、使える知識になる。

そして、さらに効果があります。再理解です。説明することで自分が理解していないことが分かるんです。東大生はガリガリと参考書だけを勉強しているイメージですが、彼ら彼女らは人に説明することがとてもうまいし、人に説明することによって自分の学力を高めていたんです。説明することをきっかけにして深く理解する、そして自分のものになってテストにも答えられる、こういったことは往々にしてあります。

皆さんがやるべきことは、本を読んだ後に人に説明することです。これを大切にすることで読書の質が高まります。

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ステップ2:文章の3つの型

受講生代表:それでは、次のステップに参りましょう。

 

西岡先生:「文章には3つの型しか存在しない」です。その型に沿っていない文章は、実はそんなにありません。

 

ひとつめ。「同格型」です。まずは主張をいいます。僕がやったのも同じで、「こんな授業をします」といいます。その後で「地頭はこうなんです」というわけです。その主張の理由、具体例を交えた理由をいう。そして最後に「僕はこういう主張です。地頭力はこうやって鍛えられるんです」という。

 

プレゼンをやっている方だったら聞いたことがあるかな。「サンドイッチフォーマット」、「SDS法」といわれますね。これがまず文章の王道です。というか、ほとんどこれ。6割方これです。

 

次にいきます。3割くらい。「因果型」というものです。「皆さん、こういった経験はありませんか?」とか「最近、地頭力が鍛えられないとお悩みの方はいませんか?」といって、何かひとつ事実を投げかけてみる。そして、これに対していろいろと骨付けしていく。

 

で、「実はこうなんです」と最終的に結論を出していく。という型です。

 

ネット記事を読まれる方も多いと思いますが、最初に疑問から入るものってあったりしませんか?

 

受講生代表:そうですね。あるかもしれないです。

 

西岡先生:あと、本でも疑問形のタイトルがあるんですよね。「AIは○○に勝てるのか?」と疑問形になっているものがある。取っ付きやすいところで疑問をポンと投げてみる。そして、そこにまつわるところで主張をしてみる。

 

どうですか?結構見覚えがあると思います。プレゼンとかでもありますし、Schooの授業でも、僕が見た限りはあります。

 

 

最後が「対比型」です。これはそんなに多くないのですが、わかると思います。

 

「○と×がありますよね、いったいどちらがよいのでしょうか?」と始まり、「○はこうですよね」「×はこうですよね」と両方の説明をした上で、最終的な結論としてはどちらかがよいという。

 

○と×があったときに、「○っていいところもあるんだけど、実は×なんだよね」と、そういった風に比較検討をして、その上で主張をもってくる。その方が主張が輝くことがあるんです。

 

「きのこの山ってめちゃくちゃおいしいんだよね」といわれると「あぁ、おいしいんだ」としかわからなくても、「たけのこの里と比べてもこんなにおいしいところがあるんだよ」と言われると、「たしかに」と思えるところが出てくる。対比型は、ギャップを演出することで自分の主張を強くするものです。

 

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皆さんは、どの文章の型かわかっていないから読めていないことが多い。少なくとも僕はそうでした。ですが、この3つの型さえわかっていれば大丈夫です。

 

ステップ3:キーワード

 

西岡先生:皆さんの中には、速読を「早く読む」テクニックだと思っている方がいらっしゃいますが、そうではありません。東大生でも音読のスピードが早いわけではないんです。でも早く読める。

 

何がいいたいことなのか、何がキーワードなのかを把握する。それを早くやることができる。速読はそういったテクニックなんです。何がいいたかったのかわからないと何回も読み直したりするのですが、「この話だけ聞いておけばよい」とわかっておくと、実は早いんです。

 

速読は、キーワード・読むべき箇所を知って、読まなくてもよい場所を飛ばしたりできる、そういった能力のことをいうんです。なので、目を動かすのが早いということではないんです。

 

それでは、いまから文章のキーワードを探すテクニックをご説明します。

 

文章から「一体どの言葉が重要なのか?」を考えながら読む。これを習慣化して、キーワードが何かわかれば、劇的に皆さんの地頭力は上がります。これがわかると、要約も簡単にできる。そのキーワードを入れて要約を作ればよいわけですから。

 


 

著者がいいたいことは実はひとつしかありません。でも、何度も同じことをいわれるとあきる。なので、全然違う言葉でいってくるんです。いいたいことをいろいろなキーワードで説明してくる。

 

これを探すコツは4つあります。

 

まずはタイトル。タイトルの言葉は9割方キーワードだと思ってください。何がいいたいのかが一番現れているのがタイトルだからです。

 

二つ目、これが一番重要です。何度も出てくる言葉があやしい。当たり前ですが、何度だっていいたいんです、大事なことは。

 

次に行きます、接続詞は重要です。「つまり」は、ただ言い換えているだけ、それだけ何度もいいたい。「しかし」は、大方の予想を裏切ってでもいいたいことなので重要。「だから」は、「いろいろいってきたけれど、だからこう」といっている。この3つの後はヒントになります。

 

そして、「最初と最後」。先ほどの同格型・因果型・対比型も、最初と最後が大事。すごく当たり前のようですが、ここに注目することでキーワードがわかります。

 

Q&A!みんな気になる、あの疑問に先生が回答

かいせつ先輩

ここでは、授業を受けた方の質問とそれに対する回答を紹介していくよ!

 

 

Q1:雑誌しか読まないけれど、大丈夫?

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文字・文章であればすべて同じです。「分厚い本だから姿勢をよくしなければいけない」ということではなくて、ネット記事や雑誌などの短い記事でも、文章を読むということで共通しているものはあります。

Q2:電車に乗りながらや、移動中に読むのは? やはり机に向かって集中して読むべき?

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必ずしも机に向かう必要はないと思います。ただ、姿勢だけは気にしましょう。本を読むというのは、それこそ「記者になったつもりで」といいましたが、僕は本に対して、のけぞって読んだら失礼だと思うんですね。移動中でもよいので、本を読む姿勢だけは意識してもらえると、読解力が上がって、地頭にもつながるのかなと思います。

Q3:読むのが遅いのですが、早く読むにはどうすればいい?

 

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「急がば回れ」ではないですが、この本には何が書いてあるのかをちゃんと頭の中に入れておく。英語の長文でも、最初の段落と最後の段落を読むと方向性がわかる。これがわかると「この本や文章はこういうことがいいたいんだな」ということがわかって早くなる。早く読みたいと思う方は、こういうことを実践してもらえればと思います。

 

仕事の生産性UPパッケージ

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