10/15(Tue)
2019年8月30日 11:49 更新
かいせつ先輩
これから会社を設立したいと考えている人にとって、資金調達というのはとても重要なことだよね。でも、そもそもなんで資金調達をするのか、そして資金を出して援助してくれる投資家がどういう存在なのか、詳しく知らない人もいるんじゃないかな。
そこでオススメしたい授業が、先生!起業家にとって、資金調達や投資家って何ですか!?
本授業では、資金調達を行う意味や投資家の役割など、資金調達の基礎知識を学べるよ。会社をすでに立ち上げて資金調達を考えている人や、今後起業したいと計画している人の役に立つから、ぜひ学んでみてね。
「資金調達」とは?
猫田くん
資金調達って何?どんな方法で行われるの?
かいせつ先輩
資金調達は、会社が事業をするために必要となる資金を調達することだよ。
基本的には、外部から何らかの方法で新しく資金を調達してくることを指す言葉だね。新しい設備が必要になったり、商品や材料を仕入れたりするときに、会社の運営資金を確保するための資金調達が行われるよ。
資金調達の方法としては、出資、個人借り入れ、融資、補助金・助成金の4つが挙げられるんだ。
出資は起業家の個人資産を自己資金として差し入れたり、社員が資本金を出資しあったり、他企業から出資を受け入れたりするよ。ベンチャーキャピタルの出資を受け入れる方法もあるね。
融資は、消費者金融などから借り入れたり、友人知人や親族から借りたりするもの。融資は銀行や信用金庫から資金を借り入れる方法だよ。そして公共機関などが提供している補助金や助成金を利用することも、資金調達の方法の1つだね。
【ベンチャーキャピタリストに聞く!】起業家にとって、資金調達や投資家って何ですか!?
かいせつ先輩
ここからは、授業で先生が解説してくれた、資金調達や投資家の仕組みについて説明していくよ!どういう歴史を経て今の会社の状態があるかを知ることで、資金調達や投資家に対する理解が深まるから、チェックしてみてね!
丸山先生:今回は、そもそも投資や資金調達はどういう歴史から今の状態になったのか知ると、投資家や資金調達の意味が理解できるんじゃないかという仮説に基づいて授業をします。
そこで、大航海時代から知る投資と資金調達ということで、大航海時代には投資や資金調達、起業など現代に結びついているものがあるので、お話したいと思います。
大航海時代は、大体14〜15世紀くらいですね。はじめに、大航海時代の冒険の仕組みについてざっとお話します。
冒険家である船長さんが出資者からお金をもらって、船や乗組員、食料や水などを揃えてフロンティアと呼ばれるところに旅立つというのが基本的な考え方です。
冒険野郎が航海プランを作って金持ちから出資を募って、そのお金をもとに人や物を用意します。そして航海に出て冒険や貿易をするということですね。
成功して戻ってくると、たんまり金銀財宝や珍しいお茶・スパイスなどが手に入るので、ヨーロッパで現金化すると莫大な金額になります。それを出資者の方に手厚く分けて、冒険家と乗組員は成功報酬をもらうというのがもともとの冒険の出方でした。
冒険家も回を重ねるほど、出資者からお金をたくさんもらってどんどん遠くに行けるようになります。起業家に近いですよね。ベンチャーってアドベンチャーからきていたりするので、そういった意味では冒険だなぁと思いますね。
ただ、すべての航海が成功するわけではありません。失敗することも多いので、その点はベンチャーも一緒ですが、その分出資者はリスクを取っているということです。だからたくさん分配をもらえるんですね。
出資者には、出資金がすべてなくなるリスクがあります。冒険家や乗組員は戻れないリスクなどがありますが、乗組員はその間報酬をもらうので、出資者の方がリスクが高くなります。取っているリスクの大きさや役割に応じて、成功時の分配をするというのが良い仕組みですね。
そして、大航海時代の有名な人といえばコロンブスです。彼は遠回りしないで西に向かえば陸地があり、黄金の国ジパングに着ければ儲かると主張しました。そのプランを、まずポルトガルに持っていきました。
資金援助に加えて成功報酬も求めたんですが、ポルトガルは大航海時代の先駆けのような国で、大西洋への航海は何度も失敗する一方でアフリカ探検は成功していたので、わざわざ西に行かなくても良いということでコロンブスの提案を却下しました。
その後スペインやイギリス、フランスなどに声をかけて、提案から6年くらいでタイミングがあってスペインから援助を得られました。これによってアジアを目指して西回りで航海に出て、結局カリブ海に行き着きました。
ここでのポイントは、1社(1人)だけに資金援助を求めるのではなく、1人ダメでも誰か自分の考えに賛同してお金を出してくれるんじゃないかと、いろいろな人に声をかけたところです。ここが彼が冒険家というか、起業家のマインドを持っていたんだなぁといえるところですね。
コロンブスの時代までは、航海に出るたびに毎回出資を募っていたんですが、それがだんだん面倒だと考えられるようになりました。人間は大体「面倒くさい」で発明するので、ここでも対策が取られます。それが、株式会社の誕生です。
会社ができて、冒険家が社長となります。会社ができる頃になると大体冒険はし尽くしているので、冒険家という人より新大陸と交易をすると決めた人が社長でしたね。
でも船が難破したり海賊に襲われたりといったリスクがすごく高いので、会社が株式を渡して出資者から必要な資金を募って、船とか従業員を買うことで交易を進めるというのが新しい仕組みとして生まれました。
これで、分配の仕方が変わるんですよね。航海から戻ってきて現金化するというプロセスは変わらないんですが、会社を永続的にするために次の航海の準備をしてから、いろいろな人たちに分配していくことになりました。
この内部留保をするという点が、大きく変わったところです。事業が収益を上げている限り、永続的に存在できる機関が生まれたといえます。今の会社の形とほぼ変わらない状態になりましたね。最初の株式会社モデルは、1602年設立の「オランダ東インド会社」でした。
今まではプロジェクト単位だったので特に問題はありませんでしたが、ここから会社が永続機関であるがゆえの問題が生じます。
まず、出資者の方が亡くなったりお金に困ったりしたときに、この株売りたいよって話になります。また、一般の人はこの会社イケてるなと思って株が欲しいって思うようになりますね。そして会社側は、もっと設備を増やしたいのでもっとお金を集めたいと思うようになります。
新たな資金を調達したい会社の需要と、出資者の事情による出資持分(株式)売却の需要、そして株式を持っていない人の購入したい需要というのが生まれてきて、そこで株式の取引が生まれました。
まとめに入ると、大航海時代は冒険野郎が冒険プランごとに資金を集めるプロジェクトファイナンスでした。
ただ、毎回出資を募るのが面倒になったので、株式会社が誕生しました。だから今のスタートアップ企業の方々がビジネスプランをプレゼンして出資を募るといった形は、この頃から仕組みとしてあったということですね。
このプロセスを今の起業に当てはめるのであれば、冒険的で意欲的な事業プランを投資家にプレゼンしてお金をもらう代わりに、株券を発行します。
そして得たお金で従業員を雇ったり設備を整えたりして、ビジネスをやって利益を生んだらそれを再投資する。それによって会社の株の価値が上がっていくんですね。
ビジネスによって得られた利益が、今の事業への再投資や新規事業への投資になります。それによって会社の株が上がります。そして出資者は売却益や配当で利益を得ます。
起業家も役員賞与や創業者利益などでもらえますね。従業員も賞与やストックオプションでリターンをもらえるので、会社の利益を自分の成功報酬に結びつけられます。まさに先ほど紹介した大航海時代と同じ仕組みで回っているといえますね。
ここで質問です。現代で投資家受けが良いのは、4人のうち誰だと思いますか?これは自分が投資家だったら誰に投資したいかということなので、特に正解はないんです。むしろ、なぜその人を選んだのかという理由が大切ですね。
僕は仕事柄Dで、お金に余裕があったらCに少し投資しても良いかなと。もしお金がなかったら、手堅くAに投資すると思いますね。
かいせつ先輩
ここでは、授業を受けた方の質問とそれに対する回答を紹介していくよ!
Q1:投資家に会うためには、どこからどのように連絡をすればいいのでしょうか?
A1:私が過去に投資をした例でいうと、いろいろな投資家さんからご紹介いただくというケースと、会社さんからご紹介いただくケース、あとは起業家の方からご紹介いただくケースもありましたね。
あと、infoとかお問い合わせフォームから連絡がくるというのもありますね。もう1つは、ミートアップのサービスを使うといろいろなキャピタリストが登録しているので、そこからミーティングを設定するというのもアプローチとしてあるかなと思いますね。