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エクセル(excel)の使い方を初心者向けに解説!基礎を押さえて便利に使いこなそう

<目次>
1:エクセル(excel)とは。どんなツール?
2:エクセル(excel)の代表的な用途
3:エクセル(excel)の画面の見方
4:エクセル(excel)の基本の操作
5:基本のショートカットキー
6:四則演算の方法
7:覚えておきたい基本の関数
8:その他便利な機能
9:マクロ・VBAについて
10:エクセル(excel)が学べるSchooの授業を紹介!
11:まとめ

エクセルはビジネスシーンで最も活用される表計算ツールの一つです。エクセルを使えばデータの計算・集計や、図の作成・プレゼンテーションへの活用が簡単にできます。

本稿では初学者のためのエクセルの使い方や関数の種類と使い方などを分かりやすく解説します。これからエクセルを使いこなせるようになりたいと考える人は是非ご覧ください。

 

エクセル(excel)とは。どんなツール?

エクセル(excel)とは。どんなツール?

エクセル(excel)とはマイクロソフト社が開発・提供している、データの分析・計算を行うための表計算ソフトです。また、エクセルはビジネス用のアプリケーションパッケージであるMicrosoft Officeに含まれるソフトでもあります。

エクセルを使うと四則演算や関数を使ったさまざまな計算や、表・グラフの作成が簡単にできます。そのため、その便利さから多くの企業が導入しており、BtoBサービスの比較メディアUtillyが2022年に発表したデータによると、表計算ソフトを使用する企業の84.5%がエクセルを導入しています。

※参照:Microsoft Excel(エクセル)が8割のシェア | 表計算ソフトの利用状況に関するアンケート

 

エクセル(excel)の代表的な用途

エクセルには多数の機能があるため、ビジネスにおける幅広い場面で便利に活用することができます。ここからはエクセルの代表的な4つの用途を説明します。

 

データの管理・整理

代表的な用途の一つ目は、データの管理・整理です。エクセルを使えばデータを見やすい形で管理することができるだけでなく、必要に応じて閲覧したい情報のみを抽出したり、元データをベースに加工したりできます。そのため、予算や在庫などの管理表の作成によく使用されます。

また、エクセルの高い普及率を踏まえ、営業支援ツールやデータ分析ツールなど各社ツールがエクセル形式でのデータ出力に対応しているケースが多いのも特徴です。

 

文書・ドキュメント作成

文書・ドキュメント作成

代表的な用途の二つ目は文書の作成です。エクセルにはセルと呼ばれるマス目があり、セルには数字だけでなく文章を書き入れることができます。そのため、金額・個数などの数字管理以外にも様々な文書や書類の作成に使うことができます。

一方、Microsoft Officeには文書作成用のアプリケーションとしてワード(word)というソフトウェアがあります。そのため、わざわざエクセルを文書作成に使う必要は無いようにも思えますが、エクセルには計算機能があることやグラフ作成が簡単にできるなどの特徴があるため、例えば見積書や請求書、数値を含むレポートの作成の際に使われる傾向があります。

 

データの計算

代表的な用途の三つ目は、データの計算です。エクセルは表計算ソフトの一つであるとご紹介した通り、データ計算は最もベーシックな用途と言えます。エクセルに計算式を打ち込んで数値の算出をすることができる他、エクセルに備わっているさまざまな関数を使ってデータの計算・集計・分析ができます。また、データ分析ツールの機能も備わっているため、単純な計算だけでなく、相関分析や回帰分析など手計算では難しい統計的な処理も簡単に実現可能です。

 

データの可視化(グラフ作成)

代表的な用途の四つ目は、データの可視化です。エクセルでは、データの管理・整理や計算に加え、グラフや表の作成をすることができるのも特徴です。エクセルに分析や可視化をしたいデータがまとまっていれば、対象データを範囲選択することで簡単に棒グラフや折れ線グラフ・円グラフなど、作成したいグラフを作成することができます。

 

エクセル(excel)の画面の見方

ここまでエクセルの主な用途について見てきました。次に、エクセルの基本的な画面の見方とそれぞれの項目の意味について紹介していきます。パソコンがお手元にある方は、是非ご自身でも確認しながらご覧ください。

※以降で使用するキャプチャ画像はMac版のエクセル(Microsoft365)のものが中心ですが、見え方はWindows版でもほぼ違いが無いためWindows版を利用されている方もそのまま参考にしていただけます。また、差分についても触れながら解説していきます。

 

タブ

excel タブ

上図の赤線で囲まれたホーム、挿入、描画、ページレイアウトなどと書かれた箇所のことをタブと言います。タブはその配下にある様々な機能を分類したものであり、主なタブの種類は以下の通りです。

ファイル Mac版エクセルにはないが、Windows版にはある。印刷や保存などのファイルに関連する機能が集められている。
ホーム 文字のフォントや大きさ・色など基本の書式設定やコピー&ペーストなどのよく使う機能が集められている。
挿入 画像や図形、グラフなど様々なオブジェクトの挿入に関する機能が集められている。ピボットテーブルを作成することができる。
描画 初期設定ではWindows版は非表示になっている。マーカーやペンの機能が入っている。
ページレイアウト 印刷の際の範囲選択・サイズ調整や余白設定などレイアウト調整に関する機能が集められている。
数式 関数の入力など、関数や数式に関わる機能が集められている。
データ データの並べ替えとフィルタリング、外部の画像やCSVデータの取り込みなどデータ操作に関する機能が集められている。
校閲 文書の翻訳やスペルチェック、コメントの挿入など、校閲作業に関する機能が集められている。
表示 ブックの表示形式や目盛線の表示・非表示など、画面表示に関する機能が集められている。

 

リボン

excel リボン

タブの下にある帯の部分を、リボンと呼びます。リボンの中には選択したタブに関連する様々な機能が備わっています。また、リボンの中を見るとクリップボード関連、フォント関連などタイプ別に機能が区切られているのが分かります。これら区切られた領域のことをグループといいます。Mac版エクセルにはありませんが、Windows版ではそれぞれのグループに名前がついています。

リボンやグループの内容は設定から編集することも出来るので、慣れてきたらオリジナルにカスタマイズしても良いでしょう。

 

セル

excel セル

エクセルの画面に多数ある長方形のマス目はセルと言います。一つ一つのマス目は独立しており、それぞれのセルにデータを入力することができます。セルには数字だけではなく、文字・関数・計算式などが入力できます。また、グラフや表を作成する際はこのセルに書かれている内容を読み取って量や数を可視化します。

 

アクティブセル

excel アクティブセル

セルを選択すると、上の図のように緑色の枠が出現し、この緑の枠線で囲まれたセルのことをアクティブセルといいます。現在選択しているセルを示しており、文字や計算式の入力はアクティブセルに対して行われます。また、このアクティブセルはマウスのクリックで指定できる他、キーボードのカーソルキー操作で移動・指定ができます。

 

数式バー

excel 数式バー

リボンの下部に細長い枠があり、これを数式バーと呼びます。数式バーを使うと、アクティブセルへの入力や、現在入力されているセルの中身を確認することができます。例えばセルに10と表示されていた場合に、これがそのまま10と入力されているのか、数式で2×5などと入力されているのかが分かります。

また、入力に際して数式バーの左にあるfxと書かれた部分をクリックすると、関数を入力するための機能が立ち上がります。

 

ワークシート

excel ワークシート

ワークシートとはセルが集合している、データを入力する場所のことを指します。初期状態では一つのワークシートのみが開かれていますが、ワークシートの下の+を押すことで、別のシートを出すことができます。また、ワークシート同士はデータを共有することができ、例えばSheet1に用意したデータをSheet2でグラフや表に起こしたり、Scheet1のデータを参照したりすることも可能です。

 

excel 列

ワークシートの上部にあるA,B,Cと横に続くアルファベットのことを列(列番号)といいます。アルファベットは26個しかありませんが、ZのあとはAA,AB,ACと続いており最大16,384列まで使用することができます。また、中に入れたい文章の長さや、表のサイズ感に合わせて横幅を広げることができる他、アルファベット部分をクリックすることで列全体を選択することができます。

※参照:Excel の仕様と制限 - Microsoft サポート

 

excel 行

ワークシートの左端にある1,2,3と縦に続く数字のことを行列(行番号列番号)といいます。また、行は最大で1,048,576行まで使うことができます。加えて、行もサイズを変更することができ、縦幅を伸ばすことができる他、シート左端の行番号をクリックすることで行全体を選択することができます。

 

セル番地

excel セル番地

縦軸の列と横軸の行が合わさる場所のことを番地(セル番地)と呼びます。ワークシート内にはセルが行と列が交差する数だけ存在します。そのため、それぞれのセルにはセルの住所であるセル番地がついており、それによってセルの位置を識別することができるようになっています。例えば、C列と4行が合わさる場所はC4番地(C4)と呼びます。

 

ホームポジション

excel ホームポジション

ホームポジションとは、基準となる位置のことを意味し、タイピングや機械の説明などでよく用いられる言葉です。そしてエクセルにおいては、ホームポジションはA1のセルのことを指します。

エクセルではファイルを保存する際、同時にその時選択しているアクティブセルの場所も保存されます。これにより次にファイルを開いた人は、前回選択していたセルから閲覧をスタートすることになります。

自身が続きの作業をする場合であればいいですが、ファイルを他の人に提出するような場合には見づらさに繋がる可能性があるので、アクティブセルをホームポジションに戻してから保存すると良いでしょう。

 

エクセル(excel)の基本の操作

エクセル(excel)の基本の操作

前の章ではエクセルの画面の見方について、詳しくそれぞれのパーツの紹介をしながら説明してきました。ここからはエクセルの基本の操作方法を解説していきます。

 

セル選択

まず基本の操作として、入力対象となるセルを指定するセル選択があります。データを入力するセルを決めたら、そのセルにカーソルを合わせ、アクティブセルにしましょう。アクティブセルの状態になれば、データの入力ができるようになります。また、他のセルをクリックしたりキーボードのカーソルキーを使用したりして、選択セルの移動ができます。

 

データ入力

データ入力はアクティブセルに対して行います。データを入れたいセルを選択して緑色の枠で囲まれたら、そのままキーボードで文字を打てば入れたいデータが入力されます。セルの選択はクリックやキーボードのカーソル操作の他、セル番地枠に指定のセル番地を入力する方法があります。

また、入力するデータはテキストや数字の他、計算式や関数も可能です。入力の操作は選択したセルに直接書き込む他、数式バーに書き込む方法も可能です。

 

セル編集

一度入力したセルを編集する際は、アクティブセルにした状態でそのまま入力すればデータの上書きができます。また、上書きではなくすでに入力した内容を元に再編集したい場合、次のいずれかの方法でセル選択をすれば可能です。

  • ①編集したいセルをダブルクリックする
  • ②セルを選択状態で数式バーに表示される内容を編集する
  • ③編集したいセル上でF2を押す

なお、上の3つの方法のうち、長い文章や複雑な計算式・関数を編集する場合は視認性の観点で数式バーの中で行うのがおすすめです。

 

コピー&ペースト

コピー&ペースト

その他非常によく使う操作として、コピー&ペースト(データのコピーと貼り付け)があります。

セルまたは範囲を選択した上で、ホームタブ内または右クリックメニュー内のコピーを選択するか、ctrl(command)+Cを押すと選択内容がクリップボードにコピーされます。その状態で貼り付け先のセルを選択し、ホームタブ内の貼り付け、またはctrl(command)+Vを押すと、コピーした内容を指定の位置に貼り付けることが出来ます。

この操作の場合はコピーしたデータの書式(太字や文字色など)や関数を維持したままワークシートに貼り付けることになります。一方上の画像のように貼り付けには様々な種類があるので、書式を貼り付け先に反映させたくない場合には「値の貼り付け」を選択するなど、貼り付けの種類を使い分けることで効率化が図れます。

 

行・列挿入

行・列挿入

エクセルでは上の画像のように、行・列を挿入することができます。データの表を作成したものの、途中で新しい項目を追加したいような場合、ワークシートに一から記入し直さなくとも空白の行や列を割り込ませることができます。

操作は、挿入したい行または列を選択した上で、ホームタブのリボンの中の挿入ボタンを押下するか、右クリックメニューから挿入を選択して行います。上の画像では一行のみを選択して挿入していますが、複数行列をまとめて選択すると、選択した数だけまとめて挿入することができます。

 

書式の設定

書式の設定

ワークシートに記入したデータの書式は変更することができ、表の見やすさやデザイン性を追及することができます。例えば文字のフォントやセルの色、表示形式(数値・通貨・パーセンテージなど)を変更したり、枠線をつけることなどができます。

また、フォントやフォントサイズを都度設定するのが手間な場合、新規ファイルを作成したときの初期値を変更することも可能です。

Windows版エクセルの方はファイルタブの左下のオプションから、Mas版の方は左上のExcelボタンの環境設定にある全般から指定できます。

 

シートの追加と削除

上の画面の見方の説明でも触れた通り、ワークシートは追加や削除が可能です。エクセルの下部にあるワークシート名横の+を押すことで追加ができ、シート名を右クリックして現れるメニューから削除することができます。

シートの分割は、例えば商品別の売上データを店舗毎に管理する場合など、一枚のシートで管理すると複雑になって見づらくなる場合に便利です。

なお、不要シートは削除できますが、シート間でデータの共有がされていると残ったシートの数式が機能しないなどのトラブルも生まれるので、シートを削除する際は注意が必要です。

シートの表示・非表示

シートの表示・非表示

エクセルにはシートの表示・非表示の機能があります。この機能は、他人と共有をする際や、削除する必要はないが今見なくても良いシートがある場合に使うと便利です。

操作は、ワークシート下のシート名(画像ではSheet1,2など)が書かれている部分を右クリック(Macではctrl+左クリック)すれば「表示しない」の表示が出るので、そこで選ぶことができます。また、再表示をする際は見えているシートを右クリックし、「再表示」を押すと再表示したいシートを選択することができます。

データのフィルタとソート

データのフィルタとソート

エクセルは、データを入れるだけでなく、必要なデータを抽出(フィルタ)したり並べ替え(ソート)することができます。この操作は、並べ替えをしたい範囲を指定した上でデータタブのリボンの中のフィルタを押せば行うことができます。

例えば、フィルタ機能では一定の金額を上回る記録のみを抽出したり、ソート機能では名簿の人物名をあいうえお順に並び替えたりできます。

 

基本のショートカットキー

ここからは、エクセルを効率的に使うためのショートカットキーについてご紹介します。ここではWindowsでのショートカットキーを紹介しますが、Macユーザーの方はCtrlのところをCommandに変えて読み進めてください。エクセルを使いこなしたいと考える方は是非実際にエクセルを触りながら機能を確かめてくださいね。

 

Ctrl+方向キー(最終行列への移動)

Ctrl+方向キー(最終行列への移動)

Ctrl+方向キー(カーソルキー)でアクティブセルを最終行列へ移動させます。上の画像では下に移動していますが、上下左右それぞれ移動できます。行数列数が膨大な数になった時にもこのショートカットキーを覚えておけば、ワンタッチで入力範囲の端まで移動できるのでとても便利です。

 

Ctrl+S(保存)

Ctrl+S(保存)

CtrlとSを同時に押すと、編集中のエクセルファイルを保存してくれます。最初の保存時には上の画像のように名前をつけて保存する画面が表示されますが、上書き保存する際はこのショートカットキーを押すだけですぐに保存してくれます。こまめに保存しておくと、エクセルを編集途中で誤って閉じてしまい、作業中のデータが消えるなどのトラブルも防げます。

 

Ctrl+C(コピー)

複製したいセルを選択した上でCtrlとCを同時に押すと、簡単にセルに入力されているテキストや数字、数式をコピーすることができます。また、セルの範囲を指定すれば、複数セルをまとめてコピーすることも可能です。なお、コピー&ペーストの紹介箇所でも触れたように、この操作ではセルの書式もコピーされます。

 

Ctrl+V(貼り付け)

Ctrl+Vでクリップボードにコピーされたテキストや関数などを、任意のセルに貼り付けることができます。上でご紹介したCtrl+Cのショートカットキーと併用することが多く、どちらも非常によく使う操作です。また、貼り付けの対象はテキストだけでなく、コピーした画像なども可能です。

 

Ctrl+V(切り取り)

その他基本のショートカットとしてCtrl+Xで行う「切り取り(カット)」があります。切り取りとは元データをコピーして張り付けるのと同時に、元のデータは削除する操作を指します。

アクセティブセルの上でCtrl+Xを押すと、緑色の枠線は点線になります。切り取りを押した時点ではセル内の数字や文章はそのまま残るので、一見操作ができていないように感じるかもしれませんが、その状態で他のセルに貼り付けを行うと元のセルの中身はなくなり、セル間のデータの移行が完了します。

 

Ctrl+Z(戻る)

入力や削除などの操作を誤った時、CtrlとZを押せばエクセルを一つ前の状態に戻すことができます。また、Ctrl+Zを複数回押下すると、2つ前、3つ前と押した回数だけ操作を戻すことができます(100回まで)。

この操作はセル入力の内容にも使える他、行や列の削除・挿入などの操作も元に戻すことができます。但し、ワークシート削除の場合はこのショートカットキーでも復元はできないので、注意してください。

※参照:操作を元に戻す、取り消した操作をもう一度行う、操作を繰り返す - Microsoft サポート

 

Shift+方向キー(最終行列への移動)

Shift+方向キー(最終行列への移動)

アクティブセルの上にカーソルを合わせてShiftと方向キーを同時に押せば、セルだけではなく範囲を選択することができます。この操作を先ほどご紹介したCtrl+CやCtrl+Vの操作と併せて使うことで、表をそのまま範囲選択してコピー&ペーストするなどの操作が可能です。Macユーザーの方はカーソルキー+方向キーで操作してください。

 

四則演算の方法

四則演算の方法

次に計算の基本である四則演算をエクセルではどのように使うのかをご説明します。四則演算とは足し算・引き算・掛け算・割り算の四つの計算方法のことを指します。エクセルではそれぞれ以下の記号を使って表します。

  • 足し算(+)…+(プラス)
  • 引き算(ー)…-(マイナス/ハイフン)
  • 掛け算(×)…*(アスタリスク)
  • 割り算(÷)…/(スラッシュ)

具体的には、セルまたは数式バーに「=1+2-1*2/4」と入れると、1+2-1×2÷4なので、セルには2.5と表示されます。

また、数値を直接入力するのではなく、セルを参照する形での計算も可能です。例えば上の画像では、G3のセルには「=B3+C3-D3*E3/F3」と入力されています。B3~F3のセルにはそれぞれ数値が記入されているので、この数値を参照して計算していることになります。

 

覚えておきたい基本の関数

四則演算の方法

エクセルには特定の計算を行うための数式が予め準備されており、これらを関数と呼びます。関数を使うと、所定の書式に従ってデータを入力するだけで、自身で計算式を書くことなく様々な計算が可能です。

関数の入力方法は複数あります。一つは「数式」のタブから選択する方法です。その他、数式バー左の「fx」を押下しても関数機能が立ち上がります。またセルや数式バーに直接関数を入力することも出来るので、よく使う関数であればこの方法が効率的でしょう。

ここからはエクセルでよく使われる、主要な関数について紹介します。数式バー左のfxを押下すると関数機能が立ち上がり、それぞれの関数名を検索すると該当の関数を見つけることができます。

 

SUM関数

SUM関数

SUM関数とは、数値の合計を出すことができる関数です。

【SUM関数の書き方】

=SUM (合計したいセル範囲)

上の画像では「=SUM(D2:D8)としていますが、D2からD8に記載された売上金額の合計値を算出しています。合計範囲の選択の際は、画像のように範囲で指定することもできる他、=SUM(A1,A2,A3…)のような形で合計したいセルをカンマ区切りで設定することも可能です。

 

AVERAGE関数

AVERAGE関数

AVERAGE関数を使えば、数値の平均を出すことができます。

【AVERAGE関数の書き方】

=AVERAGE (平均を出したいセル範囲)

これも先ほどのSUM関数同様に範囲選択すれば平均値を出すことができます。例えば、=AVERAGE(A1:A25)と入力すると、A1からA25までのセルに入った数値の平均を出すという指示になります。上の画像ではD2からD8 までの範囲を指定しており、売上金額の平均値を算出しています。

 

COUNT関数

COUNT関数

COUNT関数は、その名の通り数を数えるための関数で、指定した範囲内に数値を含むセルの個数がいくつあるかを数える際に使用できます。

【COUNT関数の書き方】

=COUNT (数字の入ったセルを数えたい範囲)

例えば、上の画像は生徒別のテスト点数の一覧ですが、生徒ごとのテストを受けた回数を知りたい場合は=COUNT(セル番地の範囲)を入力することで、数字が入っているセルをカウントすることができます。

 

IF関数

IF関数

IF関数は予め指定した条件に対して、その条件を満たしているかどうかの判定と、条件を満たす・満たさないに応じて異なる処理ができる関数です。

【IF関数の書き方】

 

=IF (論理式,真の場合,偽の場合)

 

IF関数の構文は上の通りで、「理論式」には判定の対象とする条件を、「真の場合」には条件を満たした時に表示する値を、「偽の場合」には条件を満たさない時に表示する値を記入します。

例えば上の画像ではC列にIF関数が入っており、B列の内容が「東京都」かそれ以外かを判別しています。C2 セルには「=IF(B2=”東京都”,”A”,”B”)」と書かれており、この場合B2セルが「東京都」であればA、異なる場合はBを表示します。

 

MAX関数

MAX関数

範囲内にある数値の最大値を知りたいときは、MAX関数を使用します。

【MAX関数の書き方】

=MAX(最大値を算出する範囲)

例えば日別売上の1年間のデータの中で最も高い売上がいくらかや、対象期間で最も高い気温は何度かなどの算出が簡単にできます。上の画像では、値段が一番高い商品の金額を探すために、商品がある列全てを選択しているため、=MAX(B2:B27)と式を立てています。

 

MIN関数

MIN関数

MIN関数はMAX関数とは正反対の関数で、範囲内にある数値の最小値を知りたいときに役立ちます。

【MIN関数の書き方】

=MIN (最小の数字を見つけたい範囲)

例えば全商品の中での一番安い価格を知りたい時はこの関数を使用すればすぐに探し当てることができます。上の画像の場合、価格を記述しているB列を範囲に取り、=MIN(B2:B27)と入れれば、この中で最も低い価格が出力されます。

 

VLOOKUP関数

VLOOKUP関数

VLOOKUP関数は、Vertical Look Upの略で、データ表から特定のデータ値を検索してそれに対応する値を取り出すための関数です。

【VLOOKUP関数の書き方】

=VLOOKUP (検索値 , 範囲 , 列番号 , 検索方法)

上の関数式の「検索値」は検索対象となる値を、「範囲」はデータを検索する範囲のことを指し、VLOOKUP関数では範囲の一番左端の列から値を検索します。また、列番号は、検索した値があった場合にそれに対応する何列目のデータを返すのかを示します。最後の検索方法にはTRUEかFALSEを入力し、前者は近似値を、後者は完全一致を示しますが、殆どのケースではFALSEを使います。

画像は、入力された商品名を左の表から検索し、表の4列目の値(売上)を表示するVLOOKUP関数の例です。「みかん」を入力するとその売上である「6000」が表示されています。

Vlookup関数については以下の授業で詳しく紹介しているので、動画で確認しながら学びたいと考える方はぜひご覧ください。

■関連授業:Excel実践第2回 ~XLOOKUP関数について

 

その他便利な機能

ここまで、主要な関数について解説し、その具体的な使用方法などについても紹介してきました。上記したようにエクセルには多くの機能がありますが、その他にも便利な機能が多数備わっています。ここからはその機能について詳しく解説していきます。

 

オートフィル

オートフィル

オートフィル機能とは、連続するデータを自動入力したり、セルをコピーする時に使える便利機能です。アクティブセルの右下に現れる四角い印にカーソルを合わせ、横や下にスライドさせるだけなので、試してみてください。

 

セル番地入力

数式バーの左にはアクティブセルのセル番地を表示する場所があります。その場所に表示したい番地を入力すると、指定の場所にアクティブセルを移動させることができます。そのため、行数や列数が多くスクロールしてデータを探すのが大変な場合や、ホームポジションに戻す際など、この機能を使ってアクティブセルを移動すると便利です。

 

クイックアクセスツールバー

クイックアクセスツールバー

クイックアクセスツールバーとは、エクセルの左上にある自動保存やホームボタンなどがある場所のことを指します。クイックアクセスツールバーは、その右側にあるメニュー選択ボタンからカスタマイズができるので、普段よく使う機能はこの場所に入れて見えるようにしておくと効率的に作業を進めることができます。

画像はMac版エクセルでのクイックアクセスツールバーの表示となります。Windowsユーザーでクイックアクセスツールバーが表示されていないという方は、リボンの一番右の下部にある下三角のメニューを開くと、「クイックアクセスツールバーを表示する」という選択項目があるので、ここから表示ができます。

 

PDF出力

エクセルでレポートを作成したときや、作ったファイルを編集できない形で他の人に共有したい場合には、エクセルファイルをPDFで出力すると便利です。PDF化は、Windows版の場合、ファイルタブにある「エクスポート」の中で操作できます。また、Mac版ではCommand+Pで印刷の画面を出し、そこからPDFで出力することが可能です。

PDF化する際は印刷するのと同じ設定が適用されるので、見切れてしまったり表示が小さすぎるなど上手く表示ができない場合は、印刷設定から調整する必要があります。

以下は印刷設定について解説している授業です。実際の動作を詳細に解説しているので、ぜひご覧ください

■関連授業:Excel入門3 印刷の設定

 

マクロ・VBAについて

クイックアクセスツールバー

エクセルはここまで見てきた通り非常に多機能で便利なツールですが、これにマクロやVBAを使用すると、更に自動化や効率化を図ることができます。

マクロとは、エクセルの操作を自動化する機能のことで、この機能を使うとボタン一つで予めプログラムされた内容通りにエクセルを自動操作することができます。

そして、VBA(Visual Basic for Applications)とはExcelに搭載されたプログラミング言語のことを指し、マクロを機能させるプログラムを書くための言語です。

エクセルをデータ管理に使用していると毎日や毎週など定期的な更新作業が発生することはよくあります。このようなルーチン作業をプログラム化しておくと、効率化が実現できるのです。次ではマクロ・VBAが学べる授業も紹介しますので、興味のある方はぜひ覗いてみてください。

 

エクセル(excel)が学べるSchooの授業を紹介!

ここからは、エクセルについてより詳しく学べる授業を紹介します。エクセル初学者の方から上級者向けのものもあるので、レベル感に合わせてご覧くださいね。

 

Excel入門

Excel入門

< コース説明 >

この授業はエクセルを初めて使う人に向けて、ツールの基本的な見方・使い方について詳しく解説しています。他の授業を見る前にエクセルの操作方法を復習したいと考える方にもおすすめの授業です。

先生プロフィール

榊 裕次郎(さかき・ゆうじろう)

榊 裕次郎(さかき・ゆうじろう)
職業訓練校のMicrosoft Office講師としてキャリアをスタート。10年以上にわたって大学・省庁・企業におけるExcelの指導・教育に従事し、2012年よりフリーのExcel講師として独立。 現在では、さまざまな現場における業務の課題解決のために、日本全国で活動。著書に『スピードマスター 1時間でわかるエクセルの操作』(技術評論社)、『時短しながらミス撲滅! Excel無敵のルール』(インプレス)がある。

 

Excel基礎

Excel基礎

< コース説明 >

エクセルの操作方法や見方はわかっているけれど、仕事で使ったことがないという方は、この授業がおすすめです。また、この授業では関数の使い方やグラフの作成方法などを学ぶことができます。

 

Excel実践

Excel実践

< コース説明 >

操作方法に加え、ある程度の関数やグラフの生成はできるが、より難しい関数や、Excelのバージョン2021から搭載された新機能や関数を使いこなしたい方にはこちらの実践の授業をおすすめします。業務でもデータをかなり扱うという方はこの授業でエクセルを使いこなせるようにしましょう。

 

Excelピボットテーブルのビジネス活用法

Excelピボットテーブルのビジネス活用法

< コース説明 >

操作方法に加え、ある程度の関数やグラフの生成はできるが、より難しい関数や、Excelのバージョン2021から搭載された新機能や関数を使いこなしたい方にはこちらの実践の授業をおすすめします。業務でもデータをかなり扱うという方はこの授業でエクセルを使いこなせるようにしましょう。

先生プロフィール

木村 幸子

木村 幸子(きむら・さちこ)
IT Olive代表。電機メーカーでのマニュアル開発業務、編集プロダクション勤務を経て独立。講習で教えた人数は8,000人、Office関連の著書は50冊を超える。近著に「Excelピボットテーブル データ集計・分析の「引き出し」が増える本(翔泳社)」「スピードマスター 1時間でわかる エクセルVLOOKUP関数[改訂2版](技術評論社)」「もっと早く知りたかった! Excel 暗黙のルール(マイナビ出版)」など。

 

Excel マクロ/VBA基礎

Excel マクロ/VBA基礎

< コース説明 >

エクセルの上級者向けの授業として、マクロとVBAについて学ぶものも用意しています。エクセルをかなり使っており、業務の効率をもっとあげたいと考える人は受講してみてはいかがでしょうか。

先生プロフィール

米津 弘子(よねづ・ひろこ)

米津 弘子(よねづ・ひろこ)
IT技術系 企業研修講師として、年間約200日登壇。 ITツールを活用した業務効率化をテーマにした研修の登壇多数。 DXに関する研修を多数担当。 研修内容はOffice研修、プログラミング研修(ExcelVBA、Java、Python...etc)、RPAツール(WinActor、Uipath、PowerAutoMate)研修、データベース研修、Web研修など幅広く担当。

 

田中亨先生がみんなの悩みを華麗に解決する「今月のExcelテクニック」

田中亨先生がみんなの悩みを華麗に解決する「今月のExcelテクニック」

< コース説明 >

この授業では、Microsoft社が優れた技術者として表彰もした田中先生に毎月エクセルのテクニックを分かりやすく教えていただきます。一万人以上がお気に入り登録をする、Schooのとっておきの授業です。

先生プロフィール

田中亨(Office TANAKA)

田中亨(Office TANAKA)
Microsoftが優れた技術者へ授与するMVP(Most Valuable Professional)では、日本人で初めてExcel部門を受賞。各地でExcelに関するセミナーや講演を実施し、受講者は50000人を超える。「Excel 関数/数式 完全制覇パーフェクト」「Excel VBA 逆引き辞典パーフェクト」など著書多数。

 

まとめ

エクセルは、データを効率的に分析したり、可視化するための便利な機能を多数兼ね備えたツールです。多くの企業で使用されているため、使いこなせればどこでも役立てることができます。

Schooではエクセルの使い方を始めとした、ビジネスで使える授業が8000本以上あります。是非みてみてください。

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