4/28(Sun)

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CSSとは?意味や基本の書き方・使い方を初心者向けに解説!

<目次>
1:CSSとは
2:CSSを書く場所は3パターン
3:CSSの書式・基本の書き方
4:代表的なCSSプロパティ一覧
5:簡単なCSS作成をやってみよう
6:マルチデバイス対応について
7:CSSの身につけ方とポイント
8:CSSが学べる授業を紹介
9:まとめ

CSSとは、誰もが見やすいと感じるWebページを制作する上で必要不可欠な技術です。この記事では、CSSでできるデザインの解説と、使い方について詳しく説明していきます。

趣味でWebページを作りたいという人や、Webデザインに興味があり学んでみたいという方は是非ご覧ください。

 

CSSとは

CSS レイアウトの変更 display:flex;

CSS(シーエスエス)とは正式名称をCascading Style Sheet(カスケーディングスタイルシート)と言い、Webページ上のデザインを定義する際に用いる技術のことを指します。簡単に言えば、Webページのデザインを整えるために使用されるもので、例えば文字の大きさやフォント、色、余白などを変えることができる技術です。Webページのデザインに使われるので、Webページ自体の制作に必要なHTMLとセットで使われます。

CSSやHTMLと聞くとプログラミングを思い起こす場合もあるかもしれませんが、これらはプログラミング言語ではありません。CSSはスタイルシート言語、HTMLはマークアップ言語と呼ばれ、プログラミング言語とは計算処理があるかどうかという点で異なります。

難易度としてはスタイルシート言語やマークアップ言語の方が低いため、Web制作をしてみたいと考える人は、まずはCSSやHTMLを学んでみることがおすすめです。

 

CSSでできること

CSSでできることは大別すると、①情報を見やすく装飾する、②レイアウトを変更する、③軽微なアクションを入れる、の3つです。それぞれ、具体的にどのようなことができるのかを次で詳しく見ていきましょう。

情報を見やすく装飾する

CSSの役割の一つ目は、情報を見やすく装飾することです。CSSはHTMLで書かれた情報を、大きさや背景の色・配置を変えるなどの方法でメリハリをつけ、重要な情報を分かりやすくすることができます。

レイアウトを変更する

CSS レイアウトの変更 display:flex;

2つ目は、レイアウトを変更することです。Webページを構築する際に、HTMLだけを用いると直線的になってしまいますが、CSSを用いることで以下の画像のように、画像や文字列を横に広げたり、バランスを考えて配置することができるようになります。

軽微なアクションを入れる

CSSを使えば、Webページに軽微なアクションを入れることができます。例えば、クリックすると文字の色が変わったり、画像を回転させることができたりします。これらの動作をWebページ上に入れることで、ページを見る人を惹きつけたり、良い印象を持たせたりすることができます。

 

HTMLとの違い

CSSとHTMLの違い

先ほども記載の通り、CSSとセットで使われる言語として、HTML(Hyper Text Markup Language)があります。CSSは見た目を整えるための言語であるのに対し、HTMLは主にページの構成と内容を作ることが役割であるという違いがあります。

HTMLはそれ単体で使用することができますが、HTMLだけでWebページを作ると、ワードのような簡素な見た目になったり、ブラウザによっては崩れた見え方になったりします。一方、CSSはデザインのみを定義する言語なので、装飾の対象となるHTMLがなければ、単体で成り立ちません。

そのため、Webページ上の見やすさを向上し、どのブラウザで見ても分かりやすい見え方にするためにはHTMLとCSSをセットで使うことは欠かせないのです。

まずはhtmlについて詳しく学びたいと考える方は、以下のコラムもぜひ参照してみてください。

※参照:HTMLとは?初心者向けに基礎知識を分かりやすく解説

 

CSSを書く場所は3パターン

ここまでCSSはWebページを作る上で欠かせない言語であり、HTMLとセットで使用することを解説しました。では具体的に、CSSはWebページのどこに記載されているのでしょうか。CSSを書く場所には「インライン」「内部スタイルシート」「外部スタイルシート」の3つのパターンがあるので、次でそれぞれ説明します。

方法 メリット デメリット
インライン
  • 一つのHTMLシート内で完結する。
  • 各タグにそれぞれ指示が出せる。
複数のタグや複数のシートにまとめてデザイン適用ができない。
内部スタイルシート
  • 特定のHTMLファイル内のスタイルを管理するのに便利。
  • 小規模のファイルであれば見やすい。
  • 複数のWebページを同時にデザインすることはできない。
  • 記述量が増えると読みづらくなる。
外部スタイルシート
  • CSSファイルが独立しており管理しやすい。
  • 複数ページのデザインをまとめて管理できる。
HTMLファイルから別のファイルとして読み込まれるため、ページ読み込みが僅かに遅くなる可能性がある。


インライン

インライン

方法の1つ目はHTML内に直接CSSを書き込む、インラインという形式です。インライン形式では、図のように各HTMLタグ(pタグ、divタグなど)の中に「style属性」と呼ばれる記述を書き加え、ここに直接デザインを指定します。

この方式だとタグごとにそれぞれ指示を出せることに加え、別でCSSファイルを用意する必要がないのが特徴です。

例えば、pタグで囲んだ文章のデザインを変更したい場合は以下のように記述します。

<p style=”CSSで設定したいデザイン”>デザインを変更したい文章</p>


内部スタイルシート

CSS 内部スタイルシート

方法の2つ目は内部スタイルシートという方式です。スタイルシートとはドキュメントやページの見栄えを定義したファイルのことで、CSSはスタイルシートに記述する言語の一つです。このスタイルシートを、HTMLとファイルを分けずに書き込むことを、内部スタイルシートと呼びます。

HTMLにはheadとbodyと呼ばれるパートがあります。私達が通常Webぺージで目にするコンテンツはbodyに書かれており、headにはWebブラウザや検索エンジン向けの情報が書かれているため、headの内容はブラウザに表示されません。

内部スタイルシート方式ではこの<head>部分にCSSを記載し、ページのデザインをまとめて指示することができます。


外部スタイルシート

CSS 外部スタイルシート

3つ目は外部スタイルシートという方式です。この方式は上の二つとは違い、HTMLファイルの中にはCSSを書き込みません。代わりにCSSのファイルを別で作成し、HTMLファイル内から呼び出すことでデザインを適用します。

ファイルが独立しているのでWebページの見せ方を変更したい時、CSSのシートのみを変更すれば全てのページを一括で変更することができます。そのため、慣れてきた方や多くのWebページを制作している人にはおすすめの方式です。

 

CSSの書式・基本の書き方

CSS セレクタの種類 タグセレクタ classセレクタ idセレクタ

次にCSSを使う前に知っておきたい、CSSの書式と基本の書き方についてご説明します。

詳細はこの後詳しくお伝えしますが、CSSは基本的に上図のようにセレクタ・プロパティ・値をそれぞれ指定して記載します。上図はテキスト記載に使用するpタグに対して、フォントカラーを赤にする書き方の例です。このセレクタ・プロパティ・値を書き分けることで様々なデザイン調整が可能になるのです。

 

セレクタ

セレクタ 説明

セレクタとは、CSS書式の一番左、中かっこ(ブレース)の前におくテキストを指します。セレクタという名前の通り「何に対して指定のデザインを適用するか」を示すパーツです。セレクタを指定することで、例えば同じタグが複数あるような場合でも、まとめてデザインの反映をすることができるようになります。次に取り上げるタグセレクタ、classセレクタ、idセレクタは非常によく使うので、内容をそれぞれ解説します。

タグセレクタ

タグセレクタとは、上図でpタグを指定したように、HTML内の特定のタグに対してデザインを指定することができるものです。例えば、CSSでp{marigin-top:20px:}と記載すると、HTMLのなかの<p>で囲まれたすべての文章の上に20ピクセルの余白を設定することができます。

classセレクタ

次に、classセレクタについてご説明します。class属性とは、HTML内の要素に特定の名前をつけてそれらをまとめて扱えるようにするためのものです。そしてこのclass属性を使ってCSSを適用する要素を指定するのがclassセレクタです。書式は上の図のように、ドット+class名と書きます。

classセレクタを使用すると、HTML内で特定のclass属性を付与した要素に対して、まとめてデザインを設定できます。例えば、HTMLに使う画像(imgタグ)に「class=”photo”」というclass属性を付与し、CSSに.photo {marigin-top:20px;}と指示を出すと、「class=”photo”」と記述したすべての画像(imgタグ)の上に20ピクセルの余白が生まれます。

idセレクタ

id属性とは、class属性と同様に要素に名前をつけて判別できるようにするためのものです。そして、このid属性を用いて要素を指定するときに使うのが、idセレクタです。書式は上の図の通り、「シャープ+id名」と記載します。

一見使い方がclass属性と似ているように見えますが、idセレクタは1つのファイル内で重複して使うことができず、class属性は複数使うことができるという違いがあります。そのため、特定のHTML要素を識別することが必要なシーンではid属性を使用します。


プロパティ

次に、プロパティについてご説明します。プロパティとはCSS書式の中でセレクタに続いて記載するテキストであり、セレクタで指定した箇所に対して何を行うのかを指定する役割を持ちます。例えば、p{color:red;} の「color」部分はフォントカラーの指定を、p{marigin-top:20px;}の「margin-top」は要素の上の余白を指定していることになります。


値とは、プロパティによって指定されたものの大きさや長さ、色など具体的な指示を指定するものです。例えば、p{marigin-top:20px:}というコードは20pxの部分が値を示しており、入れる余白の幅は20ピクセルにするという指示を表現しています。

また値として用いられるのはpxだけでなく、exや%をはじめとしさまざまな種類があり、各プロパティで対応する値の種類が決まっています。そのため、CSSを書く時はそれぞれの用途や環境に応じて適切なものを選択することになります。

 

代表的なCSSプロパティ一覧

ここまではCSSを実践するために学ぶべきポイントとして書式と基本の書き方について見てきました。ここからは、代表的なCSSプロパティとその内容について、項目別でご紹介します。

 

フォント関連(font-size、font-weight、font-family、color)

種類 プロパティ 説明(何を変更するか)
フォント関連 font-size 文字のサイズ
font-weight 文字の太さ
font-family 文字の字体(フォント種別)
color 文字の色

 

文字関連(line-height、vertical-aligntext-align、text-decoration)

種類 プロパティ 説明(何を変更するか)
文字関連 line-height 行間の広さ(文字列の高さ)
text-align 文字の水平方向の位置(左寄せなど)
text-decoration 文字の装飾(下線など)

 

要素のサイズ関連(box-sizing、width、height)

種類 プロパティ 説明(何を変更するか)
要素のサイズ関連 box-sizing 要素のサイズ計算方法の指定
width 要素の横幅
height 要素の縦幅

 

要素の配置関連(display、position、float、right、left、z-index)

種類 プロパティ 説明(何を変更するか)
要素の配置関連 display 要素の表示形式・レイアウト調整
position 要素の配置方法(右寄せ左寄せなど)
float 横の配置を調整する(浮動配置)
right 要素の右からの位置指定
left 要素の左からの位置指定
vertical-align 行内における垂直方向の位置(下揃えなど)
z-index 要素の重なり順の指定

 

背景関連(background、background-color、background-image、background-size)

種類 プロパティ 説明(何を変更するか)
背景関連 background 背景の設定(一括指定用)
background-color 背景の色
background-image 背景の写真
background-size 背景の大きさ

 

余白関連(margin、padding)

種類 プロパティ 説明(何を変更するか)
余白関連 margin 要素の外側余白の指定
padding 要素の内側余白の指定

 

境界線関連(border、border-color、border-radius、border-width、border-style)

種類 プロパティ 説明(何を変更するか)
境界線関連 border 枠線の設定(一括指定用)
border-color 枠線の色
border-radius 枠線の丸さ
border-width 枠線の太さ
border-style 枠線の種類(点線など)
 

簡単なCSS作成をやってみよう

ここまで、CSSの書式から使用頻度の高いプロパティの例までを見てきました。ではここからは、上で学んだセレクタやプロパティ、値を使いながら実際にコードを組んでいきましょう。

お時間のある方は、パソコンでVisualStudioCodeやメモの機能などを開いて一緒にWebページを作成してみて下さい。

 

事前準備

CSSを使ってWebページを作る前に、環境を整える必要があります。次の2点を準備しましょう。

  • ・テキストエディタ
  • ・Webブラウザ

テキストエディタはパソコンのメモ機能を使うこともできますが、コード記述専用のソフトを使うと記述の補助機能が充実しておりおすすめです。マイクロソフト社のVisual Studio Codeは無料で使えるので、気になる方はダウンロードしてみてください(※今回のデモ画像でもVisual Studio Codeを使用しています)。ブラウザの種類は、ここではgoogle Chromeを使いますが、普段お使いのもので大丈夫です。

※参照: Visual Studio Code

また、作業場所としてデスクトップに1つ新規のフォルダを用意してください。フォルダ名は任意の名前で問題ありません(※例では「ポートフォリオ」という名前のフォルダを使っています)。

 

対象となるHTMLファイルを作成

次に、CSSでデザインしていくための土台となるHTMLファイルを用意します。今回は素材として、趣味の写真をオンライン上でポートフォリオとして見るためのHTMLを使用します。

下記が今回使用するHTMLのコードです。よろしければコピーしてそのまま使ってみてください。

<!DOCTYPE html>
    <html lang="ja">
    <head>
        <meta charset="UTF-8">
        <meta name="viewport" content="width=device-width, initial-scale=1.0">
        <link rel="stylesheet" href="style.css">
        <title>ポートフォリオ</title>
    </head>
    <body>
        <header>
            <h1>ポートフォリオ</h1>
        </header>
        <section id="about">
            <h2>自己紹介</h2>
            <p>ここに自己紹介のテキストや情報を追加してください。</p>
        </section>
        <section id="portfolio">
            <h2>ポートフォリオ</h2>
            <h3>写真1</h3>
            <img src="https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/i.schoo/images/article/matome/1676_20.jpg">
            <h3>写真2</h3>
            <img src="https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/i.schoo/images/article/matome/1676_19.jpg">
        </section>
    </body>
    </html>

 

まず、準備したテキストエディタを開き、上のコードを貼り付け(または記述)します。ソースコードを記述したら、パソコンがこれをHTMLファイルと認識するように、ファイル形式を.htmlで保存していきます。今回は作成したフォルダの中に「index」という名前で格納しています。

下の画像はmacOSにおけるVisula Studio Codeの場合のファイルの保存方法です。このツールを使うときは、ファイル形式を選択してから保存してください。また、メモ帳を使う場合は、ファイルの種類を「すべてのファイル」とした上で、ファイル名を「index.html」と拡張子ごと記載して保存をしましょう。

CSS 実演 ファイル形式の選択

CSS 実演 ファイルの保存場所

保存したHTMLファイルを現段階でブラウザで開く(※保存したHTMLファイルをダブルクリックする)と、以下のような見た目になります。

html 実演 ポートフォリオ


CSSファイルを作成

続いてCSSファイルを作ります。今回は上のHTMLを土台として、①背景の色の変更、②文字の色の変更、③写真の配置と調整をCSSを用いて行っていきます。また、CSSファイルは外部スタイルシートとして作ります。

先ほどのHTMLの<head>部分に<link rel="stylesheet" href="style.css">という記述がありますが、ここでCSSファイルを呼び出しています。そのため、この記述に対応させるために、CSSファイルは「style」という名前で作成します。

CSS HTML URL内蔵

テキストエディタで新規ページを作成し、次のようにファイル形式をcssに指定して、同じフォルダに格納していきましょう。

CSS 実演 ファイル形式の選択

HTMLファイル同様にCSSファイルをフォルダ内に入れた状態は、以下のようになります。

CSS 実演 ファイルの保存場所

ここからCSSファイルの中を記述していきます。①背景の色の変更、②文字の色の変更、③写真の配置と調整の順に解説します。

背景色の変更

CSS 背景色の変更

背景の色を変更するには、background-colorのプロパティが使用できます。ここでは全体の背景の色を黒にすることで、写真を目立たせましょう。全体のデザインを一括で変更したい場合、セレクタはbodyタグを使用します。bodyタグを使うと、Webページを開くときに見える文章や画像などの全ての範囲を指定できます。


    body {background-color: black;}
   

文字の色の変更

このままでは背景と文字の色が同じになって見えなくなるため、文字の色を白に変更していきます。こちらも全体の文字色を変更するため、セレクタはbodyタグを使用します。


    body {color:white;}
   

また、今回の文字色設定は背景色設定と同じセレクタ(bodyタグセレクタ)を使用しているため、一つの中括弧の中に入れることができます。そのため、ここでは背景色の記述と合わせて以下のように記述してみましょう。


    body {
        background-color: black;
        color: white;
         }
   

写真の配置と調整

次に、写真を横並びに変更していきます。今回は、他の部分に影響が出ないよう、写真紹介のパーツ(画像赤枠)にのみ適用していきます。そのためbodyタグセレクタではなくclassセレクタを使います。

CSS 

要素のレイアウトを変更するために、displayプロパティを使用します。画像は<img>タグを使って埋め込まれていますが、これらが収まっている<div>タグはブロック要素と呼ばれ、初期値では横一列をいっぱいに使用する性質があります。そのため、そのままでは縦に写真が並ぶことになります。

ここで、displayプロパティの値としてflexを使用します。display:flexとすることで、その中の要素は横並びに配置されます。

加えて、写真と見出し文字の間がピッタリとくっついてしまうことを防ぐため、余白設定用のmargin-topを加えます。ここでは10ピクセルの余白を指定しています。

.portfolio_img {display:flex;  margin-top:10px;}

下記が今回作成したCSSファイルの完成版です。確認されたい方はご覧ください。


    body {
        background-color: black;}
     body{color: white;}
    
     .portfolio_img {
     display: flex;
     margin-top:10px;
    }
    


完成!ブラウザで確認

CSSでWebページに加えたい変更点を記述し上書き保存をしたら完成です。この状態で再度HTMLファイルをブラウザで開いて、どのような変化があるのかをみていきましょう。前項で作成したCSSを反映させると、以下のような変化が加えられました。

CSS 

before/after

CSS 

今回は練習なので、細かいところまで装飾をしていませんが、4つコードを作成するだけで大きな違いを生み出すことができます。

ぜひ上記のコードも活用しながら、手元でCSSによる変化を試してみてください。

 

マルチデバイス対応について

次に、Webページを制作する上で必要不可欠となってきているマルチデバイスへの対応について説明します。マルチデバイス対応とは、スマートフォンやPC、タブレットなど、どんなデバイス・ブラウザからでも見やすくWebページを閲覧できる状態にすることを指します。

近年はスマートフォンの利用率も非常に高く、シーンによってデバイスを使い分ける人も多くいます。全てのデバイスに対応することで、多種多様な人が情報にアクセスし利用することができるため、近年のWebサイトにおいてマルチデバイス対応は必須事項の一つと言えるでしょう。


マルチデバイス対応の方法

CSS 

マルチデバイスに対応させ、どの端末でも快適にWebページを見れるようにするためには、3つの方法があります。

一つ目は、デバイス毎に別々のファイルとURLを用意する「セパレート」と呼ばれる方法です。スマートフォンで開く時はスマートフォン用のファイル(URL)を、パソコンではパソコン用のファイル(URL)を表示させることで対応します。

2つ目は、デバイスによらずURLは一つしか用意しませんが、HTMLはデバイス毎に作成するダイナミックサービングという方法です。ユーザーがアクセスするデバイスをサーバーで判別して、それぞれのHTMLを出し分けします。

そして3つ目は、URLもHTMLもデバイスによって分けない、レスポンシブという方法です。CSSを上手く使うことによって、どのデバイスでアクセスがあっても表示内容が崩れないようデザインをする手法で、多くのサイトが採用しています。

レスポンシブを取り入れてファイルを分けずにマルチデバイス対応をするためには、主に①ビューポート設定②メディアクエリ設定の2つを行います。

ビューポート設定

ビューポートとは、その名前の通り、表示領域のことを指します。これを設定することでデバイスごとの表示サイズが最適化されるようになります。

もしビューポートを設定しなければ、それぞれのデバイスやブラウザによってデフォルトの表示領域が適応されるため、ユーザー環境に応じたWebページのサイズ調整ができず、マルチデバイスに対応できなくなってしまいます。

メディアクエリ設定

メディアクエリとは、画面サイズやデバイスの条件に基づいて、CSSを適用するための方法です。例えば次のような書き方をCSS内で行います(※HTMLに書く場合は記述方法が変わります)。

body { @media screen and (max-width: 768px) { /* 指定のCSS */ }

この例では、ビューポートの幅が768ピクセル以下の場合に、指定のCSSを適用しています。このメディアクエリを使うことによって、画面サイズが大きい時、小さい時などそれぞれのシーンに応じてデザインの調整が可能になるのです。

 

CSSの身につけ方とポイント

CSS 身につけ方

ここまでCSSの基本の考え方や実際の使い方をご紹介してきました。ここからは、より実践的にCSSを身につけたいと考える方に向けて、学習のポイントと方法について説明していきます。


実際に手を動かすことが大切

CSSを学び身につけるためには、実際に手を動かしてみることが早道です。CSSには、デザインを設定するための多種多様なプロパティがあります。プロパティの中には似たような領域を定義するためのものもあるため、自分でコードを組んでブラウザに反映させながら慣れていくことが大切です。


インプットの方法とメリット・デメリット

CSSはスクールで学ぶ場合もありますが、独学の場合は本やサイト、動画などでも学習をすることができます。

以下の表では、本/サイト/動画/スクールの4つそれぞれのメリットとデメリットを確認できます。ご自身のライフスタイルやゴールにあった方法でインプットすると良いでしょう。

  メリット デメリット
  • 成り立ちや、機能などが詳細に書かれている
  • 信頼性が担保されている
  • 自分のペースで学べる
  • 最新技術の対応がゆっくり
  • 実際の動作が見て確かめられない
サイト
  • アクセスしやすく、コストも低い
  • サンプルコードや例が多くある
  • 内容の正確性が担保されていない場合もある
  • 情報が分散しており体系的に学びにくい
動画
  • 再生/停止機能によって自分のペースで学べる
  • 視覚的な解説やデモを見て学べる
  • コースがあれば体系的に学べる
  • 質疑応答ができない、または回答が遅いことが多い
  • コースでの用意がないと、体系的に学びにくい
スクール
  • 先生に質問・相談できる
  • 体系化された教材から学べる
  • 情報の正確性と新しさが担保されている
  • 費用が他手法よりも高い
  • まとまった時間が必要
 

CSSが学べる授業を紹介

ここまで、CSSを身につけるための具体的な方法とそれぞれのメリット・デメリットについて詳しく解説していきました。最後に、本稿で解説してきたCSSを動画で学んでみたいという方に向けて、Schooのおすすめ授業を紹介します。

HTML・CSS基礎

HTML・CSS基礎

< コース説明 >

このコースでは、HTMLと、HTMLを彩るCSSの記述の仕方の両方を繋ぎ、体系的に学ぶことができます。HTMLからWebデザインを学びたいという方や、HTMLを復習してからCSSを続けて学びたいという方におすすめの授業です。

先生プロフィール

こばやす

こばやす
独学からIT企業インハウスのWebデザイナーへ転身。個人では講師業や初学者のメンターとして制作アドバイスも行っている。印刷・Webサイトデザイン、コーディング、ディレクター、採用担当、フリーランスを一通り経験。twitterでは様々な立場になって分かったWeb制作実務の話やデザイン初学者に向けた学習のヒントを発信。 主な著書として『実践ディベート研修』(生産性出版)、『はじめてのディベート』(あさ出版)、『『議論力」が身につく技術』(あさ出版)などがある。

 

HTML・CSS応用 ~BEMを使ったCSSの命名規則~

HTML・CSS応用 ~BEMを使ったCSSの命名規則~

< コース説明 >

こちらのコースは、HTMLとCSSをある程度理解していて、より高度な知識をつけたいと考えている方にぴったりの授業です。BEMという設計を考慮したスキルを学ぶことで、コーディングの正確性やスピードをあげたいと考えている方は、ぜひご覧ください。

先生プロフィール

庄崎 大祐

庄崎 大祐
企業・官庁・自治体の社員、職員を対象としてディベート、プレゼンテーション、傾聴技法、メンタルタフネスなどのコミュニケーションスキルやメンタルヘルス各種研修講師を務めている。全国教室ディベート連盟。理事産業カウンセラー・論理療法士。 主な著書として『実践ディベート研修』(生産性出版)、『はじめてのディベート』(あさ出版)、『『議論力」が身につく技術』(あさ出版)などがある。

 

まとめ

本記事では、CSSは分かりやすいWebページを制作する上で必要不可欠であること、そしてCSSの基本的な知識と学び方について解説してきました。

SchooではCSSを含む、幅広い分野に関する生放送授業を無料で公開しているので、ぜひ活用してくださいね。

今日の生放送

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