4/29(Mon)

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ビジネスに必要な文章力とは?実践できる文章力トレーニングを紹介

<目次>
1:文章力とは?
2:悪文・読みにくい文章の特徴
3:文章力を磨くために鍛えるべき「7つの力」
4:課題別・文章力トレーニングを紹介
5:伝わる文章を書くための5つのステップ
6:ビジネスに必要な文章力を学べるSchooのおすすめ授業
7:まとめ

文章力は文字を通じて他者に情報を適切に伝えるために必要不可欠なスキルであり、ビジネスの場でも必須となる能力です。ここではSchooオリジナル授業『人を動かすおとなの文章力教室』の内容を交えて、全てのビジネスパーソンにとって大切な、実践的な文章力の身につけ方をご紹介します。

『人を動かすおとなの文章力教室』

< コース概要 >

このコースでは、国語講師で著述家の吉田裕子先生に「自分の文章で相手の心を動かし、実際に行動に移してもらうための文章を書ける力」を鍛える方法を教えていただきます。読み手にうまく伝わらない・長くなりすぎてしまう・表現が単調など、文章力の悩みを抱える全ての大人の方にみていただきたい授業です。

先生プロフィール

吉田 裕子

吉田 裕子(よしだ ゆうこ)
国語講師。大学受験塾やカルチャースクールで古典文学を教えるほか、航空会社や銀行などで、敬語・言葉遣い・文章力を指導する研修講師も務める。下は小1、上は90代までを教える中で、分かりやすく楽しく話すことを追求している。近著に『大人らしく和やかに話す 知的雑談術』(日本実業出版社)、『たった一言で印象が変わる大人の日本語100』(ちくま新書)など。

 

文章力とは?

文章力とは?

文章力とは、読み手に書き手のメッセージやその意図、感情などが正しく伝わる文章を書く力のことです。文字を使ったコミュニケーションは子どもから大人まで年齢を問わずとても身近なものなので、文章力は誰にとっても大切なスキルと言えるでしょう。

またSchoo授業『人を動かすおとなの文章力教室』にご登壇の国語講師・吉田裕子先生は、「大人に必要な文章力」は以下の3つの力で構成されると紹介しています。

  • ①実用的な文章をTPOに応じて書く力
  • ②読み手の実行につながる文章を書く力
  • ③短い時間で効率よく書く力

メールや文書作成など、ビジネスシーンでもテキストを使ったコミュニケーション機会は非常に多く存在します。そのため大人にとっての文章力は、ビジネスにおけるコミュニケーションの効率性や成果にダイレクトに影響するという意味でも重要だと考えられます。

 

いい文章とは

小説やブログ・ビジネス文書など、書くシーンによって必要とされる文章は千差万別です。では、文章力向上を通じて目指すべき「いい文章」とは、いったいどのようなものなのでしょうか。

前項でも述べた通り、文章には読み手に意図やメッセージを正しく伝えたり、行動を促したりする目的があります。また、ニュースサイト・コミックナタリー初代編集長の唐木元氏は著書の中で「良い文章とは完読される文章である(※)」と説明しています。

つまり「いい文章」とは、読み手に書き手の言いたいことが伝わる・完読してもらえるなど、書き手が立てた目標(読み手にしてほしいこと)を達成できる文章のことだと言えるでしょう。

※参考文献:唐木元.新しい文章力の教室 苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング.インプレス,2015,14p.

 

悪文・読みにくい文章の特徴

悪文・読みにくい文章の特徴

世の中には印象に残る名文がたくさんある一方で、読解するのにストレスを感じるような文章、すなわち悪文に触れる機会も少なからず存在します。Schoo授業『大添削!悪文ビフォーアフター』では、悪文の特徴を更に以下の5つに分類して詳しく紹介しています。

  • 1.変な日本語…二重敬語やら抜き言葉などを使った文章
  • 2.長い…句読点や句読点がないなど、一文が長い文章
  • 3.読みにくい…専門用語や読者が知り得ない言葉を含むなど読みにくい文章
  • 4.分かりにくい…読み込んでも内容を理解しにくい文章
  • 5.つまらない…読んでいても惹きつけられない、面白みのない文章

日々の仕事の中でも、気をつけていなければこれらの要素が文章に含まれてしまうことはよくあることです。例えば社外の人も読む文章に社内用語を使ってしまったり、「おいでになられる」などの二重敬語を使ってしまったりすることが挙げられます。

 

文章力を磨くために鍛えるべき「7つの力」

文章力を磨くために鍛えるべき「7つの力」

ここまで文章力の概要について見てきました。一方で文章力を高めたいと思っても、ざっくりとしていて何から手をつければ良いのかわからないと感じる方も多いのではないでしょうか。

Schooオリジナル授業『相手の心を動かす文章上級者になるための7つの力』では、講師の吉田裕子先生が文章力を以下の7つの力に分解して解説しています。

  • 1.語彙力:単語を知り、使いこなす力
  • 2.文法力:国文法を適切に用いる力
  • 3.構成力:文章全体を組み立てる力
  • 4.要約力:端的にまとめ、伝える力
  • 5.選択力:情報を取捨選択する力
  • 6.調整力:読み手に合わせて表現方法を調整できる力
  • 7.表現力:工夫された個性的表現の力

以降ではこの7つの要素を詳しくご紹介していきます。文章力に課題感をお持ちの方は、どの要素が特に不足しているのかなどに注目しつつご覧ください。

 

語彙力:単語を知り、使いこなす力

語彙力:単語を知り、使いこなす力

文章力を構成する力の1つに語彙力があります。語彙力とは、単語の意味や使い方を理解し、使いこなす力のことです。つまり語彙力には、単語に触れたときに「読み方や意味が理解できる」という知識としての側面と、「自身の表現にそれらを使うことができる」という運用の側面があるのです。

語彙力があると場面に応じた言葉選びができるので、書き手は自分が言いたいことを適切に表現でき、読み手は書き手の意図することを理解しやすくなります。つまり語彙力向上には、他者とのコミュニケーションを円滑にする効果が期待できます。またさまざまな言葉を使いこなせると、周囲から知識が豊富で思考力があると思われやすくなるメリットもあります。

 

文法力:国文法を適切に用いる力

文法力:国文法を適切に用いる力

文法力とは、言語を用いて文章を書くときのルール(文法)を守り使いこなす力のことです。文法は語彙と同じく言語を使う上で土台となるものであるため、この力が不足していると誤った日本語でコミュニケーションを取ってしまい、周囲に稚拙な印象を与えてしまうことにつながります。

授業では文法力の要素として①敬語を正しく使えること、②幼稚に見えやすい「ら抜き言葉」や活用ミスなど口語表現を用いないこと、③主語述語・呼応などを適切な組み合わせにすること、を紹介しています。

正しい文法を使うのは一見当たり前のように感じますが、例えば複雑な文章を書いているうちに主語述語の組み合わせがおかしくなったり、メールに誤った敬語を書いてしまったりすることは、ビジネスの現場でも実際に起こりがちです。

 

構成力:文章全体を組み立てる力

前提として文章構成とは、序論・本論・結論や起承転結などの、文章における話の展開の順番のことを指します。本や論文で言えば目次に該当するものですが、ビジネス上の依頼文など比較的短い文章においても、何をどの順番で記述するかの構成は伝わりやすさを左右する大切な要素になります。そしてこの文章構成を執筆の目的に照らして適切に組み立てる力が「文章構成力」です。

文章構成がしっかりと作られていると、論理の飛躍がなくなって文章の説得力が上がり、読み手の理解や行動を促進することにつながります。そのため文章執筆をする上では、実際に書き始める前に構成を練ることが非常に重要なステップとなります。

 

要約力:端的にまとめ、伝える力

要約力とは伝えたいことを端的かつ明確な文章にまとめる力のことです。要約力がある人は、自分が伝えたいことの要点を簡潔にまとめて文章化することができます。また自分の言葉だけでなく、議事録やレポートなどで他人の発言や文章をまとめ直す時にも必要なスキルです。

文章を上手く要約するには、まずその文章で最も伝えたいことは何かを見定めることが大切です。またその上で必要な情報を適切に盛り込み、簡潔でありながら読み手が十分理解できる状態にすることもポイントです。

これらができるようになると文章の読みやすさが格段に上がる他、情報整理が上手になるためビジネスパーソンとしてのスキル向上にもつながります。

 

選択力:情報を取捨選択する力

選択力とは、その場の目的に応じて伝達する情報を取捨選択する力のことです。上で解説した要約力と関係が深いスキルで、情報伝達の目的に照らして必要でない要素を省き、必要な要素を適切に文章に取り入れる役割があります。

前提として、文章の情報量の多さと読みやすさは比例しているわけではありません。むしろ情報が多すぎると読み手は文章の中から自分にとって重要な情報を探しにくくなり、読みにくさを感じます。一方であまりに簡潔すぎても伝わりません。伝わる文章を書くには、相手の知識量や状態を踏まえて情報量をコントロールすることが肝要です。

 

調整力:読み手に合わせて表現方法を調整できる力

調整力:読み手に合わせて表現方法を調整できる力

調整力とは、その文章を書く目的と想定読者に照らして適切な表現を用いる力のことです。

例えば会社のホームページに出す文章と社内向けにビジネスチャットで送る文章では、書く目的も読み手も異なります。前者は不特定多数の人が読むことを前提に失礼が無いかしこまった文章を書きますが、後者の場合送る相手によって表現が硬すぎると威圧感が感じられたり、伝わりにくかったりしてコミュニケーションを阻害してしまう可能性もあるでしょう。

仮に同じことを伝える場合でも、書きぶりによって文章が与える印象は大きく変わります。つまりこれらのイメージをコントロールすることで、情報伝達の目的を果たせるようにするのが調整力の役割だと言えます。

 

表現力:工夫された個性的表現の力

表現力:工夫された個性的表現の力

表現力とは、伝えたい思考や感情を適切に言い表す言葉・その組み合わせを選択し、文章化する力のことです。この力があると自分らしい言葉選びができるため、より相手の心に響き、読み手の頭にスッと入ってくる文章を書けるようになります。

表現力というと、ライターやクリエイターなど文章を書く仕事をする人にとって不可欠だというイメージがありますが、多くのビジネスパーソンにとっても重視すべき力です。例えば「借りてきた言葉」という言い回しがあるように、誰かの受け売りに聞こえる言葉や陳腐化した表現はその人の真意として受け取られにくくなりがちです。つまり表現力は、ビジネスにおいてもコミュニケーションの品質を高め、より円滑に物事を進めていく上で大切なスキルだと言えます。

 

課題別・文章力トレーニングを紹介

ここまで文章力を7つのスキルに分解して解説してきました。そして文章力を鍛えていくためには、これらスキルのうちどこに課題があるのかを見定め、それぞれにアプローチしていくことが大切です。

ここからは、これら文章力の構成要素別にトレーニング方法をご紹介していきます。前の項でスキルの詳細を確認しつつ、ご自身の課題に合わせてぜひ取り入れてみて下さい。

 

語彙力の鍛え方

語彙力の鍛え方

Schooオリジナル授業『月刊:大人の語彙力を身に付ける #1 お礼・褒め言葉 編』では、語彙力を鍛えるには①言葉の読み・形を覚える、②意味を理解する、③実感を持って理解する、の3点が重要だと紹介しています。

また上でも解説したように語彙力とは、言葉を「使いこなす力」です。そのため語彙力を高めるには言葉をインプットするだけでなく、アウトプットを積極的に行うことで、対象の言葉を自分のものにしていく必要があります。

授業では語彙力の鍛え方として、場面に合わせ文章表現を適切なものに言い換えアウトプットするワークを紹介しています。例えば「課長、なかなかやりますね!感心いたしました。」という文を、目上の人に向けた文章としてふさわしいものにするには、どのように変換すべきでしょうか?

語彙力の鍛え方

この文章は「やりますね」「感心」という言葉が使われており目上の人に対して適切な表現になっていません。そのため「やりますね」は「見事ですね」や「さすがですね」、「感心」は「敬服」などに言い換えることで、その場にあった適切な言葉遣いとなります。

授業では他にも複数の言い換えワークを紹介しているので、語彙力を上げたいと考える方はぜひご覧くださいね。

 

文法力の鍛え方

前項では、文法力に関わる代表的な課題として①敬語のミス、②ら抜き言葉などの口語表現の使用、③主語述語・呼応など係り受けに関するミス、をご紹介しました。中でも③の係り受けに関するミスは「一見問題無さそうで読みにくい文章」につながりやすいため、ここでは修飾語を適切に使うポイントをご紹介します。

下の画像の「初めて応援する高校生になった次男のユニフォーム姿」という文章は、授業『誤解の無い文章を書く技術』で係り受けが複雑な文章の例として提示されているものです。一見なんとなく意味は伝わりますが、よく見ると「初めて応援する」が高校生にかかるのか、次男にかかるのかが不明瞭です。また後者の場合、次男に対して「初めて応援する」と「高校生になった」の2つがかかっており、複雑です。

文法力の鍛え方

授業では、このように言葉がどこにかかっているのか分かりにくい文章の改善方法として、以下の3つをポイントとして紹介しています。

  • ①箇条書きのように一文をなるべく短い文章にする
  • ②どこに何がかかるのかを見直す作業を挟む
  • ③使わなくても意味が伝わる修飾語は削る

上の例文で言えば、例えば「初めて応援する」を後ろに回し「高校生になった次男のユニホーム姿を初めて応援する」などとすると、係り受けが明確になり誤解されにくい文章に改善できます。

また今回は係り受けに関連する授業をご紹介しましたが、敬語の使い方については『月刊:大人の語彙力を身に付ける -改めて敬語を学ぶ-』、ら抜き言葉への対策は『わかる「微妙な日本語」』でご紹介しています。気になる方はぜひ参考にしてみてください。

 

構成力の鍛え方

上でもご紹介した通り、全体の構成を決めずにいきなり文章を書き進めてしまうと、まとまりのない文章になりやすくなります。そのため分かりやすい文章を書くためには、執筆前の構成作成を癖付けることが重要です。

その上でSchoo授業『構成力・要約力・選択力を磨く』では、よく使用される代表的な文章構成の型と、その型と相性のよいシーンをセットで把握して実践する「型稽古」をお勧めしています。よく使われる文章の型には、PREP法・起承転結・時系列などさまざまな種類があります。

構成力の鍛え方

型稽古のポイントは、それぞれの型がどんなシーンに適しているのかを見極めることです。この観点を見落とすと、型に従って文章を書いているのに伝わりにくい、という事態に陥ります。

例えば結論から話に入るPREP法は効率性が求められるビジネス上のやり取りに、背景や導入部分に厚みが出る起承転結は広告や営業提案などのストーリー性のある文章作成に適しています。

そのため構成力を高めるには、自身の日々の活動や業務内容に照らして頻度高く使える型を選定し、それを繰り返し練習すると良いでしょう。

 

要約力の鍛え方

要約力の鍛え方

授業『構成力・要約力・選択力を磨く』では、要約力を鍛える方法として①結論をピックアップする、②具体例を排除する、の2つのアプローチを用いて文章を要約することを紹介しています。

「①結論をピックアップする」とは、その文章で最も伝えたいことを文中から探し出すということです。結論を見つけるのが難しいと感じる場合は、結論が含まれやすい見出し・冒頭・文章の最後に着目したり、文中の5W1Hに注目するのがおすすめです。

また通常具体例は文中で補助的役割を担っていることが多いパーツです。そのため文中に具体例がある場合は、一旦削って文章をコンパクトにすることで、書き手の最も伝えたいことのみを残し要約することができます。

自身で文章を書く時や人の書いた文章に冗長さを感じる時など、これら要約のアプローチを実践して修正文を検討することで、主張は明確でありながらも簡潔な文章を書く力が身につきます。

 

選択力の鍛え方

私たちは情報を相手に伝えるとき、①情報収集、②情報整理、③情報伝達の3つのステップを踏んでいます。選択力とは上でご紹介した通り、伝達に必要な情報を過不足なく選び抜く力なので、このステップのうち情報整理の段階に特に関係の深い力です。

そしてこの「情報を整理する力」を磨くために日々できるトレーニング法として、授業『9割捨てて10倍伝わる「要約力」』では具体化グループ思考を紹介しています。

選択力の鍛え方

具体化グループ思考とは、情報の抽象度によってグループ分けを行う思考のことです。上図のように、同じカテゴリの情報を抽象度のレベルに応じて階層化し分類・整理します。

授業にご登壇の山口拓朗先生は、人は自分の趣味など好きな領域の場合は情報の分類を自然に出来るようになっているのに、仕事や関心の低い領域においては意識しないと未整理状態の脳になってしまうことが多いと指摘します。情報伝達の際に抽象度の異なる内容が並列に扱われると混乱の元になるため、具体化グループ思考を通じて整理力を強化すると、情報伝達の質を上げることにつながります。

具体化グループ思考を鍛えるには、日常生活や仕事の中で触れる情報に対して、その情報の大分類は何か、またはさらに小分類に分けると何になるのか、などツリー図に書き出してみるのがおすすめです。

 

調整力の鍛え方

前項にて調整力とは「読み手に合わせた文章を書く力」だとお伝えしました。そしてこの力を鍛える方法として、Schoo授業『ターゲットに刺さるための文章調整』では同じ内容を多様な言い方で表現する「表現言い換えトレーニング」を紹介しています。

具体的には、硬い文章を柔らかい文章に、そして柔らかい文章を硬い文章に変える練習を行います。次の画像は授業内で紹介している例題の一つですが、記載の「硬い文章」を、柔らかく表現するにはどのように書き換えればよいでしょうか。

調整力の鍛え方

絶対的な正解があるものではありませんが、例えば授業では次のような言い換えを紹介しています。

調整力の鍛え方

授業では他の例題や、より詳細な文章調整の手順を説明しているので調整力に課題感のある方はぜひ本編も確認してみてくださいね。

 

表現力の鍛え方

自分らしい文章を書くために表現力を鍛えたいと考える方は、Schoo授業『表現力不足で悩んでいるあなたへ「文章脳をつくる基礎トレーニング」』で紹介されている「1テーマ2視点トレーニング」を取り入れるのがおすすめです。このトレーニングは「自分以外の視点で書いてみる、あるいは自分が一回書いたものと反対側の視点で書いてみる」というものです。

例えば友人や家族の誰かになりきった日記を書いてみるなど、方法はさまざま考えられるでしょう。ご登壇のひきたよしあき先生は「1テーマ2視点トレーニング」をする場合は、ただ自分が思ったことを書くのではなく、他人になりきってその人が考えそうなことや感情を考え、盛り込んで書くことをポイントとして挙げています。

このトレーニングを取り入れると1つの事柄にもさまざまな視点を持てるようになり、表現のバリエーションを豊かにすることに繋がります。

 

伝わる文章を書くための5つのステップ

伝わる文章を書くための5つのステップ

ここまで、文章力を構成するそれぞれの力の伸ばし方について解説してきました。それに加え、相手に伝わりやすい文章を書くためには一定のプロセスが存在します。

ここからはSchoo授業『「相手に伝わる」文章を書く技術 ①』を参考に、分かりやすい文章を書くための基本の5つのステップをご紹介していきます。

  • ステップ1:テーマを決める
  • ステップ2:思考を整理する
  • ステップ3:文章を書く
  • ステップ4:読み返す
  • ステップ5:リライトする

 

ステップ1:テーマを決める

ステップ1:テーマを決める

伝わる文章を書くためにはまず、文章を書くための準備を念入りに行うことが重要です。そこではじめにすべきことは、テーマの決定です。

テーマを決めるとは、誰に・何を・どんな目的で書くのかを明確にすることです。これらを明確にしないまま文章を書き始めてしまうと、論点がぶれて伝達効果が薄い文章になってしまいがちです。

また講師の中吉 智子先生は授業内で、「誰に」「何を」までは設定ができていても、「何のために」が抜けることが多いと指摘しています。文章には読み手にどう動いてほしいのか、どんな結果を生みたいのかなどの目的があるはずです。この目的によって同じ内容でも伝え方が変わってくるため、あらかじめ目的を意識しておくことが大切です。

例えば風邪による欠勤報告をする場合でも、ただ状況を共有するために入れる連絡と、取引先に対して打合せの延期をお願いする連絡では目的が明確に違います。これらは頭の中で意識するだけでも効果がありますが、普段この工程を踏まずに文章を書いてしまうという方は、例えば以下のように書き出して簡単に状況を整理すると良いでしょう。

  • 誰に:取引先に対して
  • 何を:風邪で今日出勤できそうにないこと
  • 何のために:商談の日時を延期したい

 

ステップ2:思考を整理する

ステップ2:思考を整理する

文章を書く際のテーマを決めることができたら、次に思考を整理していきます。思考を整理するとは、伝達する情報の洗い出し・整理・取捨選択をし、伝える順番を考えることです。このステップを踏まずにいきなり文章を書き始めてしまうと、情報の過不足や論理の不整合が発生して伝わりにくい文章になってしまいがちです。

授業では思考の整理の1つの方法として、簡単なマインドマップを作成して何をどの程度書けば良いのかを確認する方法を紹介しています。

  • ①メインテーマとなるキーワードを真ん中に書く
  • ②関連する単語やフレーズを周囲に書き出す
  • ③関連性のあるものを線でつないでいく
  • ④実際に書く(伝える)順番を決める/いらないものは棒線で消す

以下は「Schoo授業への登壇依頼」のメールを書く場合を想定したマインドマップの例です。このように箇条書きでいいのでまずは書き出し、思考を整理してみてくださいね。

ステップ2:思考を整理する

 

ステップ3:文章を書く

ステップ3:文章を書く

テーマを決め、盛り込む情報の取捨選択を行ったら、ここからは実際に文章を書く工程に入ります。

執筆の目的やシーンによって求められる文章は変わるため一概にルール化は難しいものの、この工程では、①結論を最初に書くこと、②論理的な構造で書くこと、③簡潔な文を書くことの3つを意識すると、伝わる文章にしやすくなります。

文章を書く目的は、通常結論部分で表現されることが多いものです。そのため文章の読み手も先に結論が何かを知ることで、その他の情報を効率的に整理しながら読むことができるのです。また情報が過度にあると相手をかえって混乱させてしまいます。前の工程で整理したマップを利用しながら、伝えるべき情報の優先度を確認しつつ執筆をすると簡潔にまとめやすいでしょう。

 

ステップ4:読み返す

文章が完成したら全体を読み返し、内容を精査していきます。そしてこの工程における最大のポイントは、書き手(主観)から読み手(客観)に視点を移すこと、新たな視点で読み返すことです。

ステップ3までは書き手として伝えたいことを考え文章に起こしてきましたが、書き手の視点で終わりにしてしまうと相手には伝わりにくい文章となってしまうことがよくあります。相手の前提知識や立場を踏まえて読み返した時に、意図した内容が伝わるかどうかをよく確認しましょう。

またこの工程ではなるべく新鮮な視点で読み返す方が客観的な視点を持てるため、可能であれば書き上げてすぐに読み返すのではなく、少し時間を置いてから読み返すのも効果的です。

 

ステップ5:リライトする

また前工程と並行して行うことも多い内容ですが、文章の誤字脱字や言葉の使い方などテクニカルな要素も確認し、必要に応じて文章の加筆・修正を行っていきます。

授業「相手に伝わる」文章を書く技術 ②』では、リライトの工程でチェックすべき項目として以下を挙げています。いずれもミスが発生しがちなポイントであるため、注意深く確認しましょう。

  • ・誤字/脱字はないか
  • ・言葉の使い方は正しいか
  • ・統一されていない呼称・用語・表記を使っていないか
  • ・長すぎる文章になっていないか
  • ・同じ意味の異なる単語を使っていないか
  • ・かなと漢字のバランスは適切か
  • ・改行と段落分けが適切に使えているか
  • ・伝わらない専門用語/業界用語を使用していないか

その他授業では、ここで挙げたチェック項目の具体的な例と修正の仕方についても詳しく解説しているので、ご自身で文章を書く際は合わせて参考にしてみてください。

 

ビジネスに必要な文章力を学べるSchooのおすすめ授業

ここからは大人に必要な文章力について学べる、Schooのおすすめ授業をご紹介します。ぜひ本稿と合わせて参考にしてみてくださいね。

 

人を動かすおとなの文章力教室

人を動かすおとなの文章力教室

< コース概要 >

本稿でもご紹介したこちらの授業では、国語講師で著述家の吉田先生に「自分の文章で相手の心を動かし、実際に行動に移してもらうための文章を書ける力」を鍛える方法を解説いただきます。文章を書いても、読み手にうまく伝わらない・長くなりすぎてしまう・表現が単調などの悩みを抱える全ての大人の方にみていただきたい授業です。

 

相手に負担をかけない伝わる文章術をはじめよう

相手に負担をかけない伝わる文章術をはじめよう

< コース概要 >

編集者でライターの赤羽先生が講師を務めるこの授業では、ビジネスメールや社内のコミュニケーションツールなどでも使える、仕事をスムーズに進めるための文章の書き方をご紹介いただきます。文章を書くことに苦手意識を持っていて、ビジネスの場で文章を書くのに時間がかかりがちだという方はお見逃しなく。

先生プロフィール

赤羽 博之

赤羽 博之(あかばね ひろゆき)
伝わる文章の書き方講師/耕文舎代表。「日経電子版」企画制作ディレクター、イオンカード会員向け月刊生活情報誌「mom」編集長など、25年を超える編集・制作現場での経験をベースに、2007年から文章力アップをテーマに講師として活動。2017年7月~18年6月の1年間には企業・団体研修などで105日間登壇。著書に『すぐできる!伝わる文章の書き方』『きちんと伝わる!センスのよい文章の書き方』(ともに日本能率協会マネジメントセンター刊)がある

 

「相手に伝わる」文章を書く技術

「相手に伝わる」文章を書く技術

< コース概要 >

本稿の伝わる文章を書くための5つのステップの項でご紹介したこの授業は、5つのステップを使い、相手に伝わる文章を書くための方法を分かりやすく解説しています。文章力の7要素全てを日頃から意識して伸ばそうとするのは難しくても、この授業を見れば誰でも一目置かれるような文章が書けるかもしれません。特に、すぐに文章を書かなければならず困っているという方にはぴったりの授業です。

先生プロフィール

中吉 智子

中吉 智子(なかぎり ともこ)
出版エージェント オフィスカレン代表 多摩美術大学・早稲田大学卒業。㈱リクルート→アメリカ留学を経たのち、1997年より出版社に書籍編集者として勤務。国内外エンタテインメント・実用を中心に、企画立案・編集を手がけた書籍は250冊を超える。数多くのベストセラーを手がけ、㈱ソニー・マガジンズでは3冊のミリオンセラーを担当。 2011年、オフィスカレン設立。変化の時代に必要なメッセージを持つ著者の発掘&サポート業務をスタート。

 

言葉が「思いつかない」「まとまらない」「伝わらない」がなくなる授業

言葉が「思いつかない」「まとまらない」「伝わらない」がなくなる授業

< コース概要 >

この授業は、『5日間で言葉が「思いつかない」「まとまらない」「伝わらない」がなくなる本』など数々のヒット作を著書にもつスピーチライターのひきたよしあき先生が講師を務めます。Schooでも大人気の本コースでは、文章が上手くなるためのコツをはじめとする、あらゆるシーンで活用できる“思いを言葉にする力”を伝授いただきます。博報堂スピーチライターによる渾身の授業が気になる方はぜひ一度Schooをのぞいてみてくださいね。

先生プロフィール

ひきた よしあき

ひきた よしあき
1984年、早稲田大学法学部卒。 博報堂に入社後、CMプランナー、クリエイティブプロデューサーとして、 数々のCMを手がける。 政治、行政、大手企業などのスピーチライターとしても活動し、多くのエグゼクティブからの指名が殺到している。 また、大学の講義では「就職後まで役に立つ」「一生ものの考える力が身につく」と学生からも支持を集める。 日本語の素晴らしさ、コミュニケーションの重要性を様々な角度から アプローチし、広い世代に伝えている。

 

これだけは覚えたい文章の整え方

これだけは覚えたい文章の整え方

< コース概要 >

この授業にご登壇いただくのは文筆家・文章コンサルタントの前田先生です。前田先生は新聞社に勤め十数年執筆していたご経験を活かし、社会人として覚えておきたい文章の整え方を教えてくださいます。簡潔な文章を書くためのポイントがふんだんに盛り込まれた授業は、テレワークが浸透しつつある今、テキストベースのコミュニケーションをもっと得意になりたいと考える方に刺さること間違いなしです。

先生プロフィール

前田 安正

前田 安正(まえだ やすまさ)
大学卒業後、朝日新聞社入社。朝日新聞元校閲センター長・元用語幹事。朝日新聞では、ことばや漢字に関する特集・コラム・エッセイを十数年執筆していた。現在「情報としてのことばを伝える」をテーマに、企業・自治体で広報文の研修・文章コンサルティングなどを展開。大学のキャリアセミナーにも出講。テレビ・ラジオなどのメディアにも数多く登場している。また、文章コンサルタント養成講座「マジ文アカデミー」も開催している。『マジ文章書けないんだけど』(大和書房)、『きっちり!恥ずかしくない!文章が書ける』(すばる舎、朝日文庫)など、著書累計約30万部。

 

9割捨てて10倍伝わる「要約力」

9割捨てて10倍伝わる「要約力」

< コース概要 >

文章を簡潔に書く上でも、仕事をスピーディーにこなすためにも欠かせない力である要約力。この授業では「9割捨てて10倍伝わる 「要約力」(日本実業出版社)」ほか多数の本を執筆されている山口先生に要約力の伸ばし方を詳しくご解説いただきます。要約力を高め、ビジネスの場で更に活躍したいと考える方におすすめしたい授業です。

先生プロフィール

山口 拓朗

山口 拓朗(やまぐち たくろう)
出版社で編集者・記者を務めたのちに独立。27年間で3700件以上の取材・執筆歴を誇る。現在は執筆活動に加え、講演や研修を通じて「好意と信頼を獲得する伝え方の技術」や「伝わる文章の書き方」等の実践的ノウハウを提供。アクティブフォロワー数400万人の中国企業「行動派」に招聘され、北京ほか6都市で「Super Writer養成講座」も定期開催中。著書に『伝わる文章が「速く」「思い通り」に書ける 87の法則』(明日香出版社)『9割捨てて10倍伝わる「要約力」』ほか25冊以上。

 

「接続詞」を駆使してすらすら文章を書く技術

「接続詞」を駆使してすらすら文章を書く技術

< コース概要 >

文章がダラダラと長くなってしまいがちな方や文章を書く手が止まってしまいがちな方は、接続詞の使い方の見直しも必要かもしれません。この授業では普段何気なく使っている接続詞の使い方について学ぶことができ、自身の文章力をもう一段アップさせることが可能になります。書きたいことはあるけれど、思い通りの文章が書けず悩んでいる方はぜひご覧ください。

先生プロフィール

石黒 圭

石黒 圭(いしぐろ けい)
国立国語研究所研究系日本語教育研究領域代表・教授、一橋大学大学院言語社会研究科連携教授。一橋大学社会学部卒業。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。専門は文章論。著書に『文章は接続詞で決まる』『「読む」技術』『日本語は「空気」が決める』『語彙力を鍛える』(以上、光文社新書)、『「予測」で読解に強くなる!』(ちくまプリマー新書)、『この1 冊できちんと書ける! 論文・レポートの基本』(日本実業出版社)、『正確に伝わる!わかりやすい文書の書き方』(日本経済新聞出版社)、『心を引き寄せる大人の伝え方集中講義』(サンクチュアリ出版)など多数。

 

愛されるWebライティング -インターネットで読まれる表現力の高い文章の書き方

愛されるWebライティング -インターネットで読まれる表現力の高い文章の書き方

< コース概要 >

この授業では、複数ネットメディアにてコラムを寄稿・連載を行なっているエッセイストの紫原先生に、表現力が高く、読まれやすいコラムの書き方と執筆に際して持っておくべきマインドについて解説していただきます。ネット上のメディアやご自身のブログでコラムを書いてみたい方や、基本的な文章は書けるがもっと表現力を高めたいと考えている方にぜひみていただきたい授業です。

先生プロフィール

紫原 明子

紫原 明子(しはら あきこ)
「家族無計画」(cakes)、「世界は一人の女を受け止められる」(SOLO)など複数ネットメディアにてコラムを寄稿・連載中。結婚・家族・女性の生き方を得意とする。

 

まとめ

本稿では日常生活やビジネスの場で誰もが必要とする文章力の要素や鍛え方、良い文章の書き方について詳しく解説してきました。

文章力は生まれ持った才能ではなく、練習を重ねることで確実に伸ばすことができます。ぜひご紹介した方法なども活用して伝わりやすい文章を書けるようになりましょう。

Schooでは文章力の向上をはじめとするビジネスで役立つスキルを学べる授業が月額980円で受け放題です。ぜひ活用してくださいね。

今日の生放送

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