7/13(Sat)

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デジタルマーケティングとは?主な種類・重要視される背景も解説

<目次>
1:デジタルマーケティングとは
2:デジタルマーケティングの主な目的
3:デジタルマーケティングが注目される背景
4:デジタルマーケティングを取り巻くトレンド
5:デジタルマーケティングの主な手法
6:デジタルマーケティングの目標設計
7:デジタルマーケティングの参考事例
8:デジタルマーケティングの授業を紹介
9:まとめ

スマートフォンの世帯普及率が90%を超え、誰でも簡単にインターネットにアクセスできるようになった現代において、デジタル技術を活用したマーケティングは重要度を増しています。

ここではデジタルマーケティングとは何かを知るためにデジタルマーケティングの手法や目的について詳しく解説していきます。また、本稿ではビジネスでの活用事例もご紹介するので、デジタルマーケティングについて知り、実務で役立てたいと考える方はぜひご覧ください。

※参照:令和5年度版 情報通信白書

 

デジタルマーケティングとは

デジタルマーケティングとは

デジタルマーケティングとは、文字通り「デジタル技術を用いたマーケティング」のことを指す言葉です。つまり、マーケティングの中でもインターネットやIT技術を駆使して行われるものを意味します。

そしてその前提となる「マーケティング」という言葉も、様々な表現で定義されてきました。ここではその中で、有名なものを3つご紹介します。

「マーケティングの理想は、販売を不要にすることである。マーケティングが目指すものは、顧客を理解し、製品とサービスを顧客に合わせ、おのずから売れるようにすることである。」(P.F.ドラッカー)
「どのような価値を提供すればターゲット市場のニーズを満たせるかを探り、その価値を生み出し、顧客に届け、そこから利益を上げること」(フィリップ・コトラー)
「マーケティングとは、顧客、依頼人、パートナー、社会全体にとって価値のある提供物を創造・伝達・配達・交換するための活動であり、一連の制度、そしてプロセスである」(アメリカマーケティング協会)

ここからマーケティングとは、「社会や顧客のニーズを捉え、価値のある製品・サービスを生み出し、それを届けていく活動やプロセス」であることが分かります。そしてこの活動を、デジタル技術を手段に用いて実現するものがデジタルマーケティングなのです。

デジタルマーケティングの手法はさまざまで、例えばデジタル広告やSNSなどのWebサービスを中心にした活動に加え、ポッドキャストやIoTなどそれ以外の手法も含まれます。

また、デジタルマーケティングと従来のマーケティングの違いは、デジタルを起点とした顧客接点があるかどうかです。従来のマーケティングと言えば新聞や雑誌、チラシなどオフラインの活動が中心でした。一方で社会のIT化が進み人々の生活様式が変わるに伴い、マーケティングの手法も変化してきているのです。

※引用1:P.F.ドラッカー(2001)『マネジメント【エッセンシャル版】』(上田惇生)ダイヤモンド社
※引用2:フィリップ・コトラー(2004)『コトラーのマーケティング講義』(木村達也、有賀裕子)ダイヤモンド社
※参照:What is Marketing? — The Definition of Marketing — AMA

 

デジタルマーケティングの特徴・メリット

デジタルマーケティングの特徴・メリット

上でもご説明したように、デジタルマーケティングは社会のIT化やデジタル技術の発展に伴い普及してきました。ここでは、数あるマーケティング手法の中でデジタルマーケティングを利用するメリットとその特徴について、次の3つの点から解説します。

  • ・情報発信が低コストでできる
  • ・ターゲットを絞ったコミュニケーションをしやすい
  • ・効果検証が行いやすい

情報発信が低コストでできる

デジタルマーケティングは旧来のマーケティング手法に比べ、比較的低コストで多くの消費者に情報を届けることができるという特徴があります。

例えば、自社サイトの制作・運用を全て自前で行うのであれば、必要なのはサーバーやドメイン取得の費用に限定され、比較的低コストで運用できます。またSNS運用も、多くのプラットフォームは無料で利用することが可能です。

もちろんデジタルマーケティングにおいても広告を手段として用いれば、広告費はかかることになります。しかしテレビや新聞などのマスマーケティングに比べて小規模予算から始めることが出来るので、まとまった予算がない時にも広告を使ったプロモーションを打つことが可能です。

ターゲットを絞ったコミュニケーションをしやすい

デジタルマーケティングには、特定のターゲットに絞ったコミュニケーションや相手のニーズに合わせたコミュニケーションがとりやすいという特徴があります。

従来のマーケティングは、テレビ・雑誌といった媒体を活用し、不特定多数に対して画一的なアプローチをとる手法が中心でした。一方、デジタルマーケティングではデータ活用によってさらに対象を細分化することが可能です。例えば年齢や性別といった属性情報や、Webサイトの閲覧傾向などに応じた広告配信を行うことが可能です。

このようにターゲットを絞ったコミュニケーションをすることで、同じ商材でも相手によって異なる訴求ができるなど、よりきめ細やかなコミュニケーションがとれるのがメリットと言えるでしょう。

効果検証が行いやすい

加えてデジタルマーケティングには、施策効果をデータで定量的に取得することができ、効果検証が行いやすいというメリットもあります。

例えばテレビ広告では主に出稿する番組の視聴率を元にどの程度のボリュームで情報が届けられるかを予測しますが、実際に何人の視聴者が広告に反応したかを測るのは困難です。一方、Web広告であれば広告の閲覧回数やクリック数などを計測し、マーケティング活動の効果を定量的に検証することができます。

このように、従来のマーケティングと比べて施策の反響や投資対効果を測りやすい特徴があるため、これもデジタルマーケティングの取り入れやすさにつながっていると言えるでしょう。

 

他のマーケティングとの関係性

他のマーケティングとの関係性

既にご紹介した通り、マーケティングは非常に広い概念であり、そこには多様な手法が含まれます。

上の画像はデジタルマーケティングとその他のマーケティングの関係性を整理したものです。デジタルマーケティングは「デジタル技術を用いたマーケティング」手法のことですが、それに含まれない手法には、テレビや雑誌・新聞などのマス広告や、展示会やオフラインのセミナー、電車の中吊り広告などが挙げられます。

また、近年はデジタル手法を使ったマーケティングを一律に「デジタルマーケティング」と呼ぶことが多いものの、それを更に区分し、一部を「Webマーケティング」と呼ぶことがあります。

Webマーケティングは、デジタルマーケティングと混同されやすい言葉です。以降ではデジタルマーケティングとWebマーケティングの違いについて解説します。

Webマーケティングとの違い

Webマーケティングとデジタルマーケティングの違いは、WebサイトやWebサービスで顧客接点を作るかどうかです。例えばWebマーケティングの手法には、自社サイト運用やそこへの広告を通じた集客、メルマガ配信やSNS運用などがあります。また、それに含まれないデジタルマーケティングとしてIoTやアプリの活用などが挙げられます。

インターネットが普及しはじめたのは1995年頃と言われていますが、その当時はWebサイト運用がデジタルマーケティングの中心でした。一方、2000年代の終わり頃からはスマートフォンやアプリが普及するなど、Webを接点としない手法も大きく普及しました。その結果、Webマーケティングは全体を表す言葉として不十分になり、近年はまとめてデジタルマーケティングと呼ぶことが一般化しています。

 

デジタルマーケティングの主な目的

デジタルマーケティングの主な目的

ここまではデジタルマーケティングが何かを知るために、デジタルマーケティングの定義や特徴、メリットついて詳しく解説してきました。ここからはデジタルマーケティングを行う主な目的についてお話しします。

 

売上拡大やリードの獲得

デジタルマーケティングを行う主な目的の1つは、売り上げの拡大やリードの獲得です。リードとは問い合わせなどを通じて得る見込み顧客の情報を意味し、最終的に営業担当による商談が必要な商材などで重要視される指標です。

売上拡大やリード獲得を目的としたデジタルマーケティングの例としては、ECサイトにおける広告での集客施策や、BtoB市場におけるホワイトペーパーの配布などが挙げられます。特にオンライン上で直接的に購入や申し込み・問い合わせなどのアクションを行えるサービスにおいて採用されやすい目的と言えるでしょう。

 

顧客接点の拡大

デジタルマーケティングの主な目的の2つ目は、ユーザーや顧客との接点を最大化させることです。言い換えると、顧客とのコミュニケーションの機会を増やすことで、より顧客に商品やサービスを想起してもらいやすい状態を作ることです。  

デジタルマーケティングで活用できるチャネルはWebサイトやSNS、アプリケーションなど多様なものがあり、これら手法を組み合わせることで顧客とより多くのコミュニケーションをとることができます。

これにより顧客接点を拡大すると、商材の認知度の向上や関係の深化、購入機会の増加などのさまざまな効果が期待できるのです。

 

顧客との関係構築

デジタルマーケティングを行う主な目的の3つ目は、ユーザーや顧客との関係を深め、強固にすることです。企業と顧客の間の関係構築が成功すると、商品のリピーターやファンを生み、口コミを通じた新たな顧客開拓にもつながるなど、大きなメリットが期待できます。

顧客との関係構築には、継続的なコミュニケーションや顧客満足の向上が必要です。デジタルマーケティングを活用すれば、様々なチャネルを用いて顧客に情報を提供できるだけでなく、顧客によりスムーズな連絡窓口を提供できたり、顧客毎にパーソナライズされた体験の創出によって満足度を高めたりすることができるのです。

 

デジタルマーケティングが注目される背景

デジタルマーケティングが注目される背景

近年、マーケティングにデジタル手法を用いることは当たり前化してきています。それを表すように、インターネット広告に投じられる費用はマス四媒体(テレビ・ラジオ・新聞・雑誌)の広告費を2021年から上回るようになりました。

ここからは、このようにマーケティングにおけるデジタルシフトが大きく進んでいる背景として、①デジタル機器の利用が当たり前になったこと②顧客の購買行動が変わったこと③デジタルデータの蓄積が出来るようになったこと、の観点から詳しく解説していきます。

※参照:「日本の広告費」の歴史から読み解く、時代の変化 | ウェブ電通報

 

デジタル機器の利用が当たり前になった

デジタルマーケティングの活用が広がる背景には、インターネットやスマートフォンをはじめとしたデジタル機器の普及があります。

例えば日々の生活を振り返っても、天気予報をアプリで確認する、駅に設置されたディスプレイに広告が流れる、メッセージアプリで家族や友人とやりとりするなど、私たちは1日を通じて至る所でデジタル機器やITサービスに触れています。特に、スマートフォンは1日中肌身離さず持ち歩くという方も多いのではないでしょうか。

このように個人の生活がIT技術なしには成り立たないような環境だからこそ、効果的なマーケティング活動を行うためにはデジタル技術の活用が欠かせなくなっているのです。

※参照:Digital 2023: Global Overview Report — DataReportal

 

顧客の購買行動が変わった

デジタル機器の利用が当たり前になったことで、私たちの購買行動にも変化が生じています。

例えば、日本におけるEコマースの市場は拡大を続けており、オンラインでの買い物は当たり前になりつつあります。また商品を購入する前に、WebサイトやSNSで評判を確認してから意思決定する、という方も多いのではないでしょうか。

実際、EC・通販サイトの構築や自主調査を行なっている株式会社エルテックスの2022年の調査によると、EC・通販での商品購入者の約半数(49.5%)がSNSを購入のきっかけや参考としていると回答しています。このような顧客の行動の変化は、情報の提供場所や販売の場所をオンライン上に移すことの大きな理由だと言えるでしょう。

※参照:エルテックス 第 20 回通信販売調査レポート 「通信販売に関する【消費者調査】」

 

デジタルデータの蓄積が出来るようになった

デジタルテクノロジーの進化によって、我々個人の生活も企業活動もIT化が進みました。デジタルマーケティングが注目される背景には、これらIT化によって様々なデータが取得・活用できるようになったことも挙げられます。

例えば近年では、クレジットカードや会員カードをスマートフォンで管理したり、写真や動画をCD/DVDに焼かずクラウド上で保存したりする人が多いです。また企業活動においても、顧客の購入履歴やプロフィール情報など、さまざまなデータを経営の改善に活かしています。

デジタルマーケティングは基本的にこれらデータをもとに施策を打ち出していくことが多く、活用可能なデータが豊富にある環境だからこそ、打ち手としての有用性がより高まっていると言えます。

 

デジタルマーケティングを取り巻くトレンド

デジタルマーケティングを取り巻くトレンド

デジタル化が進み、年々高度な技術が登場しているため、それに対する法律の整備など、日々デジタルマーケティングを取り巻く環境は変化し続けています。

ここからは移りゆく環境に対応するために、デジタルマーケティングを取り巻くトレンドについて詳しくご紹介します。

 

個人情報保護・Cookie規制

社会のデジタル化により、企業は多くの情報を集めることができるようになった反面、プライバシー侵害のリスクも高まり、個人情報保護やCookie規制の動きが強まっています。

Cookieとは、Webブラウザに保存される認証情報、閲覧履歴などの記録のことです。そしてCookieは、ログイン状態を維持するなどユーザビリティ向上の目的で使われる他、サイト解析や広告配信の目的でも多く活用されてきました。

Cookieには様々なプライバシーに関わる情報が保存されます。そのため、利用の広がりとともに個人情報保護の観点で規制の必要性も謳われるようになってきたのです。

例えば、EUでは2018年にGDPR(EU一般データ保護規則)という法律が出され、企業等の個人情報保護に対する取扱いルールが厳格化されました。また、同様の動きは世界中に広がっており、2022年4月には日本でも、Cookieを通じて収集される一部データを個人関連情報とし、規制の対象にするなどの法律改正が行われています。

※参照:What is GDPR, the EU’s new data protection law?

 

AI活用

2022年に登場したChatGPTがその性能の高さから世間を大きく賑わせたことは記憶に新しいですが、このようなAI技術の発達はマーケティングの観点でも注目されています。

例えば生成AIを活用することで、画像や文章の作成、データの分析、顧客とのコミュニケーションなど、さまざまなマーケティング活動の効率化が図れます。その他、Bingをはじめとした検索エンジン内にAIチャットの機能が搭載されるなど、プロダクトへのAI機能の搭載も増えています。

AIによってマーケターが活用できる手段も増える一方、人の生活様式や行動自体が変化する可能性も示唆されており、その観点でも注目を集めています。

 

デジタルマーケティングの主な手法

デジタルマーケティングの主な手法

「デジタルマーケティングとは」の項目で触れた通り、デジタル領域は広く、さまざまな手法が存在します。ここからはより理解を深めるために、デジタルマーケティングの代表的な10個の手法について、詳しく解説していきます。

 

デジタル広告

デジタル広告とは、WebサイトやSNSなどのオンラインプラットフォームで表示される広告の総称です。新聞広告やテレビ広告といった、オフライン広告との対比でよく使用される言葉でもあります。

デジタル広告は事業や商品・サービスの認知拡大や集客などを行うことを目的として使用されます。また、デジタル広告にも複数の種類が存在し、代表的なものとしてはリスティング広告・ディスプレイ広告・SNS広告・純広告などがあります。

リスティング広告(SEM)

リスティング広告(SEM)

リスティング広告(SEM)とは、GoogleやYahoo!JAPANなどの検索エンジンで、特定のキーワードを検索した時にその検索結果に連動して表示される広告です。広告主は、広告がクリックされた場合に費用を支払います。

上の画像の通り、リスティングの広告枠は検索結果ページの上部に設定されており、出稿することで特定のキーワードを検索する人に確度高くアプローチできることが魅力です。一方表示枠は限られており、競合性が高いキーワードの場合は広告主の入札単価などをもとに、オークション形式で表示有無や位置が決まる仕組みとなっています。

ディスプレイ広告

ディスプレイ広告

ディスプレイ広告とは、Webページやアプリの広告枠に表示される画像や動画・テキストのことです。具体的には、Webニュースやブログサイトなどでメインコンテンツの間に挿入される広告などが該当します。

リスティングが検索キーワードに対して出稿するのに対し、ディスプレイ広告はターゲットの属性や掲載面などを設定して配信できます。また、配信できる面は各広告の製品によって異なりますが、幅広い人にアプローチできるのが特徴です。例えばGoogleの広告ネットワーク(GDN)では、世界で3,500万ものWebサイトやアプリと連携しており、これらを配信先として活用できます。

その他、リターゲティングと呼ばれるWebサイトを訪れたことがある人をターゲットにした配信も可能であり、広告配信の目的や商材によって柔軟な設定が行えます。

※参照:ディスプレイ広告と Google ディスプレイ ネットワークについて - Google 広告 ヘルプ

SNS広告

SNS広告とは、Facebook・LINE・Instagram・X(旧Twitter)・TikTokといったソーシャルプラットフォーム上に配信する広告のことです。

SNS広告は、ユーザーが各プラットフォームに登録している年齢・性別・住んでいる地域などの属性情報の他、SNSの利用傾向などに合わせた広告を出すことができるのが特徴です。

また、SNSはそれぞれのプラットフォームで利用者層が異なるという特徴もあります。例えば総務省情報通信政策研究所の調査によると、Facebookの主な利用者は30~40代、TwitterとInstagramの利用者は10~40代が多いことが分かっています。そのため、SNS広告はプラットフォームを使い分けることで、より商材に合ったターゲットにアプローチできるという特性も持ち合わせています。

※参照:令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書 <概要> 令和5年6月​​

純広告

純広告とは、特定のWebメディアの広告枠を買い取り、その場所に動画や画像、テキストなどの形式の広告を一定期間掲載してもらうタイプのものを指します。代表的な純広告には、Yahoo!のトップページ右側にある、ブランドパネルと呼ばれる大きな広告枠などがあります。

同じくWebページ上で広告を配信するものに運用型広告があります。運用型広告とは、広告主が予算を決め、その予算内で配信内容・期間を柔軟に調節しながら行う広告です。例えば、上でご紹介したディスプレイ広告は運用型広告にあたります。一方、純広告は表示場所を一定期間買い取って広告を出すため、より従来の新聞や雑誌の広告などに近い手法と言えます。

 

SEO

SEO

SEO(Search Engine Optimization)とは「検索エンジン最適化」のことで、検索エンジン経由の集客を増やし成果向上につなげる一連の施策を指します。具体的には、特定の検索キーワードに対して自社のコンテンツがなるべく検索結果上の上位に表示されることを目指します。

検索エンジン経由の集客を増やすという意味ではリスティング広告と類似していますが、SEOはサイトやコンテンツの改善を通じて検索結果での上位表示を目指すため、広告費がかからないというメリットがあります。一方、出稿すればすぐに検索結果上部に表示できるリスティング広告と比べ、施策効果が現れるのに時間がかかるのは注意点です。

※参照:SEOって何?SEOの目的と意義、取り組み方の全体像〜前編

 

SNSマーケティング

SNSマーケティングとは、InstagramやX(旧Twitter)、FacebookなどのSNSを活用したマーケティング手法を指す言葉です。SNSを使って認知の拡大や顧客を獲得することを主な目的として実施します。

SNSマーケティングの内訳には先程ご紹介したSNS広告も含まれますが、それ以外にも公式アカウントの運用や、SNSを通じたキャンペーンの打ち出しなどがあります。

広告などのマーケティング手法は高額になりがちですが、SNSを自社運用すれば基本的に無料で多くのユーザーに情報を届けることができます。また、SNSは情報の拡散性が高いのが特徴で、普段は届かないようなユーザーにも情報が行き渡り、売り上げに繋げられる場合もあります。

 

動画マーケティング

動画マーケティング

動画マーケティングとは、映像コンテンツを使って情報発信を行うマーケティング手法です。例えば、Youtubeの視聴中に流れる動画広告や、Webサイト上で動画を使って行う商品説明、SNSでの動画投稿などがあります。

動画は制作に一定の手間や費用がかかる一方、短い時間でも多くの情報を伝達することができ、見た人の記憶に残りやすいのが魅力です。

近年、通信技術の向上で日常的にYoutubeやAbemaTVなどの動画視聴をする人が増えています。それを反映して動画マーケティングの市場も拡大傾向にあり、動画広告市場は2023年には7,209億円、2026年には1兆2,451億円に達する見込みであるとされ、注目を集めています。

※参照:サイバーエージェント、2022年国内動画広告の市場調査を実施

 

インフルエンサーマーケティング

インフルエンサーマーケティングとは、インフルエンサーと呼ばれるSNSやメディアなどで大きな影響力を持つ人に、商品やサービスのPRをしてもらう手法です。主に、商品の認知度を高めたり購買意欲を促進したりすることを目的として行います。

インフルエンサーマーケティングのメリットとして、インフルエンサーが消費者目線で商品のPRを行うことで、消費者の共感や興味関心を引きやすいことが挙げられます。また、依頼するインフルエンサーの人気やフォロワー数によって、パフォーマンスが左右されるのも特徴です。

一方で、消費者に広告・宣伝と気付かれないように行うステルスマーケティングは景品表示法で禁じられていたり(※)、依頼したインフルエンサーがバッシングを浴びることがあれば、自社にまでその影響が及ぶこともあるなどの注意点もあります。

 

メールマーケティング

メールマーケティングとは、メール配信を通じて顧客とコミュニケーションを取ったり、集客を行ったりするマーケティング手法です。メールマーケティングは古くから行われてきた代表的なマーケティング手法の一つであり、現在でも多くの企業がメールマガジンやニュースレターを配信しています。

また、インターネット技術の発達により、メールの見やすさの向上や開封率・URLのクリック率の確認が可能になるなど、メールマーケティングで出来ることも増えてきています。また近年は顧客データを用いたメールの出し分けなども多く取り入れられており、メールマーケティングは代表的な手段でありながら、より戦略的な運用ができるようになっています。

 

コンテンツマーケティング

コンテンツマーケティングとは、有益な情報を提供し、既存及び潜在的な顧客に企業のビジネスにつながる行動を起こしてもらう手法です。例えば、商品の活用方法を紹介するメールマガジンや、お役立ち情報を発信する企業ブログなどが挙げられます。

良質なコンテンツの制作と提供は企業の信頼性を高め、見込み顧客の獲得に役立ちます。一方それらの効果を得るには、質が担保されたコンテンツをある程度の量や頻度で更新していくことも重要となるため、中長期的なコンテンツの制作やメンテナンスなどにコストがかかるというデメリットもあります。

 

ウェビナー・オンラインイベント

ウェビナー・オンラインイベント

ウェビナーとは、ウェブ(Web)とセミナー(Seminar)を組み合わせた言葉で、オンライン上で行うセミナーのことです。内容は業界トレンドやノウハウに関するものなど様々で、特に新型コロナウイルスの流行後、対面でのイベントに代わる施策として多く活用されるようになりました。

ウェビナーやオンラインイベントのメリットは、オンライン上で開催するため会場や設備への投資が少ないことと、全国から集客がしやすいことです。また、ウェビナーには題材となる特定のテーマに興味を持つ人が参加するため、情報収集段階の見込み顧客とつながりを持つことにも役立ちます。また、良いウェビナーを開催できれば顧客は企業への安心感を高め、信頼関係を構築することにもつながるでしょう。

 

マーケティングオートメーション

マーケティングオートメーション(MA)とは、マーケティング活動の生産性を向上するための自動化・効率化の仕組みを指す言葉です。

マーケティングの自動化とは、例えばMAツール上でオンライン・オフラインそれぞれの顧客情報を一元管理し、各顧客の行動に応じたメールやコンテンツが自動で配信されるようにすることなどが挙げられます。MAを使うことで、顧客ステータスの可視化やそれに応じた適切なアプローチ、データの効率的な管理・分析が可能になり、企業活動の生産性を向上できるメリットがあります。

一方、自動化を行うためには業務フローやステップを明確に設計する必要があること、一定の導入コストがかかることなどは注意しておくべき点でしょう。

 

アフィリエイト

アフィリエイトとは、外部のWebサイト上で商品・サービスを紹介してもらい、その宣伝によって成果が出れば報酬を支払うタイプのマーケティング手法です。そのため、成果報酬型広告と呼ばれることもあります。

具体的な例として、個人がSNSや自身のブログで商品のPRを投稿し、その投稿から商品が売れた場合、企業が対価として報酬をPRした本人に渡すことなどが挙げられます。

アフィリエイトを使った宣伝を行う場合、商品の紹介やPR文などはそれを掲載するサイトの運営者が作成するため、広告主側が作成する手間がかかりません。また成果報酬型なので費用対効果が高いこともアフィリエイトのメリットです。

一方、宣伝のされ方を完全にコントロールするのは難しいことや、成果報酬とは言えASPと呼ばれる仲介業者を使う場合はシステム利用料などがかかることは、気に留めておくと良いでしょう。

 

デジタルマーケティングの目標設計

デジタルマーケティングの目標設計

デジタルマーケティングの施策成果を最大化させていくためには、マーケティング手法に合った目標を設計し、PDCAを回すことが大切です。

以降では、デジタルマーケティングの目標設計について、①目標設計の考え方、②代表的なKPIの例、の2つの観点からご説明していきます。

 

目標設計の考え方

企業におけるマーケティングの目的とは、顧客に価値のある情報や商材を届け、会社の目標を達成することにあります。そのためデジタルマーケティングの目標も、事業や経営観点から逆算して設計する必要があります。

例えばECサイトを運営しておりその売上拡大を目指す場合、マーケティング目標を定める前にまず現状を分析し、何が課題なのかを特定する必要があります。サイトの売上課題の背景にあるのが集客力の低さなのか、または来訪したユーザーの購入率なのかでは打ち手が全く変わってくるためです。そしてこれら課題が明確になると、改善すべき指標や水準・優先度が判断できるようになるので、通常これらをKPI(※)として設定し、目標や手段を決定していきます。

このように、デジタルマーケティングの活動をより事業インパクトのあるものにしていくためには、事業の目標や課題から逆算的に設計していく視点が重要です。

※KPI:Key Performance Indicator(重要業績評価指標)。売上などの最終的なゴール(KGI)の達成を左右する、中間的な指標のこと。上の例では、集客数や購入率がそれにあたる。

 

代表的なKPI例

上でもお伝えしたように、デジタルマーケティングの目標は事業や経営的な観点から逆算して決めていきます。そして目標を達成するためには、色々な手法を組み合わせて施策を行うことが一般的です。そのため目標管理の観点からは、各施策ごとにもKPIを設定し、PDCAを回せる状態にすることが望ましいでしょう。

ここでは、主なデジタルマーケティングの手法別に、よく利用されるKPIの例をご紹介します。

デジタル広告
  • ・コンバージョン数
  • ・平均コンバージョン単価(CPA)
  • ・クリック率
  • ・インプレッション数
SEO
  • ・自然検索時の順位
  • ・セッション数
  • ・コンバージョン数
SNSマーケティング
  • ・コンバージョン数
  • ・クリック数
  • ・インプレッション数
  • ・フォロワー数
  • ・いいね数
メールマーケティング
  • ・配信数
  • ・到達数
  • ・開封数
  • ・開封率
  • ・クリック数
 

デジタルマーケティングの参考事例

デジタルマーケティングの参考事例

ここからは、上でもご紹介したようなデジタルマーケティングを使った事例をご紹介します。以下の例を参考に、企業でのデジタルマーケティングの活用の仕方を掴んでみてください。

 

日本マクドナルド

日本マクドナルドは、アプリマーケティングやコンテンツ運用をはじめとするデジタルマーケティング手法を組み合わせ、売り上げを伸ばし続けている企業です。

日本マクドナルドがコロナ禍も乗り越え売り上げを伸ばした背景には、アプリを活用した集客や体験の向上があります。具体的には、マクドナルドのモバイルアプリで顧客の購入履歴に合わせた商品を紹介したり、顧客の利用頻度に応じてクーポンやポイント付与をしたりといった施策が挙げられます。また、アプリでのモバイルオーダーに対応したことにより、顧客体験の向上も実現しました。

また、マクドナルドのモバイルアプリは使いやすさに定評があり、MAU(マンスリー・アクティブ・ユーザー)は2022年12月時点で約2,500万人にのぼるなど、日頃から多くの人に活用されています。

このように日本マクドナルドは、デジタルマーケティングを活用したことでユーザーとの接点を拡大し、興味や関心を持ち続けてもらう仕組みを作ることができたと言えるでしょう。

※参照:事業内容 | 会社を知る | 日本マクドナルド株式会社

 

クラシコム(北欧暮らしの道具店)

クラシコムはデジタルマーケティングを活用することで、創業以来業績を伸ばし続けている企業です。特にコンテンツ作りを軸として、ユーザーとの関係値を深めてファン化を図る手法に強みがあると言われています。

例えばクラシコムが運営する北欧アイテムのECショップ「北欧暮らしの道具店」は、サイトを購入場所としてだけではなく、自社の世界観や商品の良さに共感してもらう場所と位置づけてコンテンツが作り込まれています。また、いち早くInstagramの運用に力を入れアカウントのフォロワー数を拡大したり、動画や音声コンテンツを取り入れたメディアアプリを構築したりと、新しいツールや手法を積極的に取り入れ、事業を成長させてきました。

このように、時代の変化に応じて柔軟にデジタルマーケティング手法を使いこなし、多くのチャネルを活用してユーザーとの接点を持つことで、クラシコムは継続して業績を伸ばすことに成功しています。

※参照:北欧、暮らしの道具店

 

デジタルマーケティングの授業を紹介

ここからはデジタルマーケティングについてさらに体系的に学びたい方に向けて、デジタルマーケティングが学べるSchooオリジナル授業をご紹介します。

 

デジタルマーケティング基礎

デジタルマーケティング基礎

< コース紹介 >

この授業では、全8回の授業を通じて、デジタルマーケティングの基本について学習できます。授業ではデジタルマーケティングとは何かといった概論の部分から、広告・コンテンツマーケティング・SEOなどの個別手法にも焦点を当てて解説しています。マーケティング関連の業務をこれから担当する人だけでなく、デジタルマーケティングの基礎知識をインプットしておきたい全ての方におすすめの授業です。

先生プロフィール

垣内 勇威

垣内 勇威(かきうち ゆうい)
東京大学経済学部卒業後、株式会社ビービット入社。大手クライアントのWeb改善コンサルティングに携わる。2013年、株式会社WACUL入社。現在は代表取締役兼WACULテクノロジー&マーケティングラボ所長として、さらなるノウハウの構築と新規プロダクトの創出を担当。3万サイト超の分析とユーザ行動観察から得たデジタルマーケティングの知見を発信し、マーケター・コンサルタントから経営者・マネジャーまで幅広い層から支持を集める。

 

マーケティングの実務:誰が何をやるのか

マーケティングの実務:誰が何をやるのか

< コース紹介 >

このコースでは、企業や組織におけるマーケティングチームの仕事とその内容について詳しく学んでいくことができます。実際に自社のマーケティングの担当者が普段何をしているのか分からないという方や、マーケティングを仕事にしてみたいと考える方はぜひご覧ください。

先生プロフィール

飯田 剛弘

飯田 剛弘(いいだ よしひろ)
南オレゴン大学卒。インサイトテクノロジー入社。ソフトウェア共同開発や、プロジェクトマネジメント協会の標準本の出版翻訳に携わる。また、データベース監査市場にて2年連続シェア1位獲得に貢献 (ミック経済研究所)。外資系製造企業FAROではマーケティングやプロジェクトに責任者として取り組み、人材育成や多様性のあるチーム作りにも力を入れる。現在は、マーケティング支援や人材育成(研修・講習・執筆)など多方面で活動中。

 

おさえておきたい「動画系SNSマーケティング」の心得/VBA応用

おさえておきたい「動画系SNSマーケティング」の心得

< 授業紹介 >

この授業では、動画系SNSの特性や仕組みについて紹介し、効果的にマーケティング活動をするための心得について学べます。動画を使ったマーケティングに関心がある方はもちろんのこと、運用に難しさを感じている方や、デジタルマーケティングを学びたいと考える方にぜひご覧いただきたいです。

先生プロフィール

小里 雄平

小里 雄平(おり ゆうへい)
Webデザイナーを経て、東証一部上場総合広告代理店に入社。全社トップセールスに選ばれ、支社長へ就任。官民問わず様々なキャンペーンPRの戦略立案・実行を行い、事業領域の拡大・顧客ロイヤルティの向上に貢献。マネジメント分野では業務改善を目的とした社内システムの導入や、研修実行、制度設計、新商品開発などを推進。株式会社inglowを設立し、多くの企業にデジタルマーケティング、企業SNSの運用サポートを行う。YouTuberや高等学校の講師としても活躍中。

 

SEOライティングの実践的ノウハウ〜検索ユーザー起点の思考法

SEOライティングの実践的ノウハウ〜検索ユーザー起点の思考法

< コース紹介 >

この授業は、SEOに関心があり、SEOライティングについてより深く学びたい方や、SEOライティングを実際にできるようになりたいと考える方におすすめの授業です。授業では、消費者の検索理由や意図を理解し、それらに応える文章を書く方法について詳しく学べます。

先生プロフィール

松尾 茂起

松尾 茂起(まつお しげおき)
関西学院大学 経済学部を卒業、2010年に株式会社ウェブライダーを設立。検索集客を軸としたWebコンサルティングやコンテンツ制作を多数⼿がける。これまでにプロデュースした主なコンテンツは「沈黙のWebライティング」など。沈黙シリーズは書籍化され、専門書にもかかわらず、電子含めて累計21万部を超えるベストセラーに。講師としても活躍しており、最大公約数的な視点と独自の着想力を用いて、多くのユーザーから支持されるコンテンツを生み出し続けている。

 

SZ世代のSNSコミュニケーションからひも解く「共感消費」

Z世代のSNSコミュニケーションからひも解く「共感消費」

< コース紹介 >

Z世代とは1990年半ばから2010年代生まれの世代の若者のことを指す言葉です。この授業では、Z世代の若者がインターネット、特にSNSをどのように活用しているのか、どんな消費傾向があるのかについて学びます。企業のSNS担当者になった方や、ターゲット層がZ世代の商材を扱う方など、幅広い方におすすめの授業です。

先生プロフィール

りょかち

りょかち
1992年生まれ。学生時代より各種ウェブメディアで執筆。新卒でIT企業に入社し、アプリやWEBサービスのマーケティングに従事。 現在では、若者やインターネット文化について幅広く執筆する。著書に『インカメ越しのネット世界』(幻冬舎刊)。その他、朝日新聞、幻冬舎、宣伝会議(アドタイ)などで連載。

先生プロフィール

長田 麻衣

長田 麻衣(おさだ まい)
株式会社SHIBUYA109エンタテイメント マーケティング戦略部 エキスパート SHIBUYA109 lab.所長。総合マーケティング会社にて、主に化粧品・食品・玩具メーカーの商品開発・ブランディング・ターゲット設定のための調査やPR サポートを経て、2017年に株式会社SHIBUYA109 エンタテイメントに入社。SHIBUYA109 マーケティング担当としてマーケティング部の立ち上げを行い、2018 年5月に若者研究機関「SHIBUYA109 lab.」を設立。テレビコメンテーター・その他メディア寄稿・掲載多数。

 

まとめ

デジタルマーケティングはデジタル化が進む現代において、顧客のニーズに応える商品やサービスを届けるためには欠かせないマーケティング手法です。マーケティングの担当者だけでなく、ビジネスに携わる全ての方が持っていて損がない知識なので、ぜひ学んでみてください。

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