10/12(Sat)

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メタバースとは?VRとの違いや活用事例など基本を解説

<目次>
1:メタバースとは
2:メタバースとVRは何が違うのか
3:メタバースが注目される背景
4:メタバースが活用される分野と事例
5:メタバースを使うメリット
6:メタバースを使うデメリット・懸念点
7:メタバースの始め方
8:メタバースに関連するおすすめ授業
9:まとめ

デジタル技術の向上やリモートワークの普及によってビジネスやゲームなどの領域で活用されるようになったメタバース。しかしその仕組みや活用方法を知っている人は多くありません。ここではSchooのオリジナル授業「メタバースは教育をどう変えるか」を踏まえてメタバースの仕組みをわかりやすく解説し、活用に必要な情報をまとめてご紹介します。

 

メタバースとは

メタバース とは

メタバース(meta-verse)とはデジタルキャラクター「アバター」を使って利用するインターネット上に構築された仮想の3次元空間、またはその技術を用いたサービスです。アバターを用いた非言語コミュニケーションが付加されることでより豊かな社会的ネットワークが構築できる「SNSの未来形」と言われており、ビジネスシーンでの活用も期待されています(※)。この章では基礎知識である、メタバースの概要と仕組みをわかりやすく解説します。

※参照:『メタバースの概要と動向 ~ビジネスシーンでの活用に向けて~』

 

メタバースの語源

メタバース(meta-verse)はmeta(超える、高次の)と universe(世界、領域) を組み合わせた造語です。その語源はアメリカの作家ニール・スティーヴンソンが1992年に発表したSF小説『スノウ・クラッシュ(Snow Crash)』で描かれる架空の仮想空間サービスの名称だと言われています。ここで『スノウ・クラッシュ』で表現されているメタバースに関する文章を見てみましょう。

「現実には存在しない通りを、何百万という人間が行き来している。」

「通りは幅が百メートルあって、その中心を細いモノレール路線が走っている。このモノレールはユーザーが素早くスムーズに位置を変えるためのものだ。」

上記の文章からメタバースの概念を生んだ『スノウ・クラッシュ』では一度に多くの人がインターネットにアクセスできる環境が整っている時代において、インターネット上に構築された空間の中で人々が社会生活を営んでいる空間を「メタバース」と定義していると分かります。

 

メタバースの構成要素

メタバース 仕組み

ここからはオンライン上につくられた仮想空間「メタバース」をより正確にイメージできるよう、メタバースを構成する要素について解説します。メタバースは学術用語ではないため様々な定義が存在しますが、Schooの授業「メタバースは教育をどう変えるか」では次のように構成要素を整理しています。

< バーチャル空間 >

1つ目のメタバースの構成要素が「バーチャル空間」です。バーチャル空間とはコンピュータやネットワーク上に作られたデジタルの仮想空間を指します。さらに詳しく解説するとバーチャル空間はUnityをはじめとしたVR(バーチャル・リアリティ)開発ソフトで合成された3次元空間で、オフラインの空間と同じように通りや施設が用意されており、ユーザー同士の交流や経済活動の場として使われます。

< 人間 >

そして2つ目の構成要素が、バーチャル空間を行き交うアバター化した人間(ユーザー)です。私たちは物理的にバーチャル空間に入ることはできませんので、アバターを通じてバーチャル空間に実体化し、様々な活動を行います。

< 社会システム >

3つ目の構成要素は社会システムで、これがメタバースの概念の特徴です。社会システムとは、個人・グループ・組織などにおいて、特定のルールのもとで秩序付けられた状態のことを指します。

メタバースでは仮想空間でコミュニケーションがとれるだけでなく、現実の社会と同じように、物を所有したり、売買したり、投資したりという経済活動が行えます。バーチャル空間で他のユーザーと交流や経済活動をする上で必要なのが、法律や売買ルールなどの社会システムです。

例えばバーチャル空間内で所有する土地は現実空間のものではありませんが、バーチャル空間で現実と同じように社会生活を送ることが目的なのであれば、土地の売買に何らかの対価を支払う必要性があるでしょう。メタバースは現実と同じような活動をバーチャル空間で行えるため、このような社会システムとセットになっており、一つの構成要素と言えるのです。

 

メタバースとVRは何が違うのか

メタバース VR 違い

メタバースとは現実空間をインターネット上で再現した「仮想の空間」なので、ゴーグルやヘッドセットを通して限りなく現実に近い「仮想現実」を体験できるVR(Virtual Reality)と混同しやすいかもしれません。しかし厳密には以下のような違いがあります。

 

VR(バーチャルリアリティ)とは

VRとは「人工現実感」や「仮想現実」と訳される言葉で、言葉の通りコンピュータ上の仮想世界をまるで現実のように感じさせる技術を指します。さらに解説すると、具体的な手法としてはゴーグルやヘッドセットなどのデバイスを通して現実に近い体験ができる技術を言い、以下3つの要素が含まれています。

  • ・三次元の仮想空間
  • ・ユーザーの行動に対して空間が変化する相互作用
  • ・仮想空間に没入できる自己投射性

 

メタバースは必ずしも「リアルな体験」ではない

「現実を再現する」技術が用いられている点でメタバースとVRは同じですが、両者の違いはメタバースが「再現された仮想の空間」を指すのに対して、VRが仮想の空間で「リアルな体験をするための手段」を指す点にあります。例えばMetaが開発したヘッドセット(HMD)Meta Quest2はVRであり、Meta Quest2を用いて自身のアバターで参加した会議(バーチャル空間)はメタバースです。

前述のようにメタバースはインターネット上でユーザーが社会生活を送るためのバーチャル空間なので、利用目的によってはVR技術を用いたリアルな体験は必要ありません。例えば議論や情報共有を目的にしたメタバースではVR技術が提供するリアルな体験よりも、円滑なコミュニケーションが優先されるでしょう。

 

メタバースが注目される背景

メタバースはエンターテインメントやビジネスの分野で既に取り入れられており、そのきっかけはデジタル技術の進歩と大企業によるビジネス活用にあります。ここではメタバースが注目されるようになった4つの背景を見ていきましょう。

 

大企業のメタバース事業の参入

株式会社日本総合研究所先端技術ラボの調査『メタバースの概要と動向 ~ビジネスシーンでの活用に向けて~』(2022)によれば、メタバースサービスは2000年代から存在しており、その先駆けがLinden Lab社の『Second Life』(2003)です。ゲーム分野ではMojang Studios社の『MINECRAFT』(2011)やEpic Games社の『FORTNITE』(2017)が火付け役になりました。

その後、2021年にFacebook社がMeta Platformsへ社名改称したのを機に、メタバースが再注目されたのです。さらにMicrosoft社やTencent、Alibabaをはじめとした世界の大手Tech企業や、ソニーやパナソニックなど日本の大企業も相次いで参入しており、メタバースの注目度が高まっていることが伺えます。

 

オンラインコミュニケーションの普及

新型コロナウイルス感染症の流行により、2019年以降は対面での会話が制限される機会が増え、TeamsやSlackなどのオンラインコミュニケーションツールが利用されるようになりました。メタバースもその1つです。ハーバード・ビジネス・スクールの上級マネジメントプログラム(AMP)の2017年度卒業生がメタバースで同窓会を開催した事例や、メタバースを利用したバーチャルオフィスサービス「RISA」がその代表例でしょう。

 

VR・ARを使ったサービスの普及

特にゲームやソーシャルコミュニケーションの分野において、VR・AR技術を用いたデバイスやサービスが身近になった点もメタバースが注目された背景の1つだと言われています。理由は主に以下の2つです。

  • 1.VR・AR技術(総称でXR:Extended Realityと言われる)はメタバース技術の基礎だから
  • 2.VR・ARサービスで気軽にアバターを作成できることからメタバースへの参加ハードルを下げる効果があったから

アバターでバーチャル空間内にログインしてコミュニケーションする『VRChat』やMetaQuestが開発した『Horizon Worlds』などがVRサービスの代表例だと言われています。

また拡張現実を意味するAR(Augmented Reality)は現実の地形や景色にバーチャルの資格情報を重ねて表示する技術であり、専用機器はグラスやスマートフォン・タブレットなどです。代表的なサービスには『ポケモンGO』や『Snap Chat』が挙げられます。

IDCの調査『Worldwide Quarterly Augmented and Virtual Reality Headset Tracker』によれば、2022年第1四半期の世界市場におけるVR/ARヘッドセット出荷台数は、前年同期比で実に241.6%と大幅に伸長しており、VR/AR市場の拡大を示していると言えます。

このようにVR/VR市場の拡大は、生活者にとってバーチャル空間が身近になっていることを表しており、間接的にメタバースの注目度に影響を与えていると言えるでしょう。

 

NFTやブロックチェーン技術の普及

メタバース NFT ブロックチェーン

メタバースと深い関係にあるのがNFTやブロックチェーンなどの技術です。前の項でも記載の通り、メタバース空間の中で私たちは現実と同じように社会経済活動が行えます。一方、バーチャル空間でそのような活動を行うにはセキュリティ面での課題も大きくなるため、安心してメタバースを利用するための仕組みが必要です。その仕組みに寄与しているのが、NFT(Non-Fungible Token:非代替性トークン)とブロックチェーン技術です

メタバース NFT 

NFTとは「代替不可能な証拠」を意味する言葉で、デジタルデータの複製や改ざんを防ぐブロックチェーン技術によって固有の価値がついたデジタルデータを指します。つまりNFTやNFTを実現するブロックチェーン技術によってメタバース上で保有しているアイテムや通貨は不正にコピーされたり、改ざんされる恐れがない状態になります。

NFTやブロックチェーン技術が普及したことで、メタバース上でユーザーが安心してコンテンツを生成できるUGC(User Generated Contents)環境が整い、メタバースの活用がさらに進むようになりました。例えば世界的なファッションブランドであるバーバリーが、メタバースゲームであるブランコスブロックパーティーの中でNFTコレクションを発表するなどしています。

 

メタバースが活用される分野と事例

メタバース 活用

ここからは実際にメタバースが活用されている事例を分野別にご紹介します。

 

ゲーム

メタバースゲームは複数のユーザーが同じ空間で活動できる点が特徴で、代表的なメタバースゲームは以下の通りです。

・Axie Infinity (AXS)

P2E(Play To Earn:プレイして稼ぐ)ゲームの代表です。架空のモンスター「アクシー」を操作し、対戦の成績によって獲得した通貨はビットコインをはじめとした他の仮想通貨に交換できます。2022年8月時点でのアクティブユーザー数は80万人(※参照:公式サイト)で、人気のNFTゲームです。

・The Sandbox(SAND)

特定の目標が設定されておらず、プレイヤーが自由に遊べるサンドボックス型ゲームです。自作したキャラクターやアイテムの販売や土地を所有することで収入を得られます。

・FORTNITE(Epic Games)

世界最大のオンラインゲームで、保有した土地に建物を建築することも可能です。また最近ではメタバース内で音楽フェスが開催され、アーティストの宣伝の場に使われるなどビジネス領域での活用も注目されています。

 

eコマース

eコマースの分野でもメタバースの活用が進められています。代表的なサービスは以下の通りです。

・バーチャルマーケット

メタバース上の会場でアバターをはじめとしたデータ商品や洋服・PC・飲食物などのリアル商品が売買される世界最大のVRイベント。2018年から毎年開催されており、世界中から100万人以上のアバターが来場します。出店する店舗はBEAMSをはじめとした洋服メーカーから一般のサークルまで幅広いことが特徴です。

・Gucci Town

オンラインプラットフォーム『Roblox(ロブロックス)』内にGucciが展開するデジタル空間です。Gucci Town内にはGucciのアイテムを販売するバーチャルショップやカフェがあり、Gucci Shopで販売されるGucciのデジタルアイテムはRobloxのアバターで着用できます。

 

医療

医療の分野では医師と患者のコミュニケーションや医師同士の意見交換の場として、メタバースが活用されています。代表的なサービスは以下の通りです。

・順天堂大学病院「順天堂バーチャルホスピタル」

順天堂大学病院と日本IBMの産学連携によって開発中のバーチャルホスピタルです。産学連携によって設置された「メディカル・メタバース共同研究講座(講座代表者:順天堂大学医学部長・研究科長 服部信孝)」ではメタバース技術の活用によって、時間と距離の制約を超えた医療サービスが研究されています。

・メンサポドクター

メンサポドクターはデジタルヘルスケア・産業保健事業を手掛ける株式会社comatsunaが提供する法人向け医療サービスで、メタバース上でアバターを介して産業医やキャリアコンサルタントと面談ができます。

 

教育

メタバース 教育

実際の生活で必要な課題解決力を培う教育の分野でも、メタバースの活用が期待されています。メタバースを活用した教育のメリットは登下校がないことによる安全性と学習への没入感、交流の簡易化です。事例を交えて詳しく見ていきましょう。

・ドワンゴ学園(N高等学校・S高等学校)

ドワンゴ学園はニコニコ動画等を提供するIT企業ドワンゴと出版社の角川がインターネット技術と通信制高校の制度を活用して設立したネットの高校です。メタバースにアバター化した生徒が集まり、現実空間では実施が難しい実験や古代生物の観察などを体験できる特長があります。

・AEON VR

日本での生活では英語を日常的に使う場面は多くありませんが、AEON VRはメタバース上に海外の空港や飲食店が展開されているため、実践的な英語力を培える特長があります。またアバターを活用してレッスンが進むので、英会話に対する不安が軽減されるメリットもあります。

 

アート

メタバースには実際に存在する物体を模した品物やデザインが存在します。実際に触れることが難しい高価な物でも仮想空間ならより近くで品物を見られるでしょう。この特長を活かしてメタバースを利用している分野がアートで、次の事例があります。

・MiraVerse®(ミラバース)ミュージアム

MiraVerse®(ミラバース)ミュージアムは凸版印刷株式会社が開発したアート分野におけるメタバースの一例であり、メタバース上に高精細な美術館や博物館を構築するサービスです。このサービスは実際の作品を精巧に模したバーチャル作品を間近で見られるだけではなく、アバターを介して学芸員とのコミュニケーションが取れる新感覚のアート体験を提供しています。

 

バーチャルオフィス

メタバースはインターネット環境が整っていればどこからでもアクセスできるので、新型コロナウイルス感染症の流行をきっかけに企業への導入が進んだ在宅勤務でも、バーチャルオフィスを利用する際にメタバースが活用されています。

内閣府の『新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査』によれば「テレワークで不便な点」で最も多かった回答は「社内での気軽な相談・報告が困難」(34.2%)でした。この課題に対して、アバターを介して気軽にコミュニケーションが取れるバーチャルオフィスはリモートワークのデメリットを改善できる手段だと言えます。サービス例は次の通りです。

・Gather(ギャザー)

代表的なバーチャルオフィスサービスの『Gather』は可愛らしいドット絵で構成されており、バーチャル空間をさまざまなオブジェクトで装飾できる特長があります。またマイクやカメラが自動でミュートになる仕組みが実装されているので「うっかりマイク(カメラ)を切り忘れた」と焦ることもありません。さらに大人数が集まるスペースでも特定の1人に話しかけられるなど、現実でのコミュニケーションに劣らない利便性の高いサービスです。

 

メタバースを使うメリット

メタバース メリット

メタバースはアバターを作れば簡単に利用できるサービスが多いので、実際に使ってみたいと考えている方もいるでしょう。ここではメタバースサービスを利用する前に知っておきたいメリットとデメリットをご紹介します。

 

場所や距離の制約がなくなる

現実空間で交流する場合、同じ建物や同じ部屋にいる必要があります。しかしメタバース上で交流する場合は、インターネット環境とメタバースにアクセスする端末が揃っていれば場所や距離の制約がありません。そのため企業は遠方に居住している人も採用しやすくなるでしょう。

 

オンラインでも臨場感のある体験ができる

メタバースではアバターを介してユーザーが同じ空間に集まり、音声に加えて非言語コミュニケーションも取れます。現実さながらのコミュニケーションによって、物理的な距離やサポートの遅延による孤独感も軽減させられるでしょう。

また「メタバースが活用される分野」の項目でもご紹介したように、バーチャル空間にアバターでアクセスし、時にVRゴーグルを使うことで、目の前に物体が存在するかのように感じられるので臨場感のある体験ができる点もメタバースの大きなメリットです。

 

非日常体験がしやすい

バーチャルオフィスをはじめとしたメタバースサービスはバーチャル空間で日常を送るための手段になります。その一方で、非日常体験ができる点もメタバースの特長です。ゲームの分野では自分の風貌とは異なるアバターでユーザーとコミュニケーションを取ったり、自由なアクションができます。また海外に住んでいる方と簡単にコミュニケーションを取ることも可能なので、異文化に触れることで非日常的な体験ができるでしょう。

 

経済活動の場や機会が広がる

特に新型コロナウイルス感染症で開催の難易度が挙がっている音楽フェスティバルや展示会は、メタバースの活用で経済活動の場や機会を広げられるメリットがあります。例えばFORTNITEで2020年に開催された期間限定バーチャルライブイベント「Astronomical」では、ラッパーのトラヴィス・スコットが新曲を披露しており、メタバースでのパフォーマンスが楽曲の宣伝に活用されていることが伺えます。

日本国内ではエイベックス・テクノロジーズがメタバース領域への参入を進めており、アーティストの配信ライブやファンミーティングの実施、NFTアイテムの販売などが検討されていることからも、メタバース上の経済活動の可能性は広がりを見せていると言えるでしょう。

 

メタバースを使うデメリット・懸念点

メタバース デメリット

現実さながらの没入感を覚えるメタバースでの体験はメリットにもなる一方で、デメリットにも繋がると言われています。ここではメタバースを利用する際に生じるデメリットをご紹介します。

 

依存症が懸念されている

メタバースゲームでは依存症が懸念されており、中国伝媒大学教授のRuiChenによれば「VRゴーグルやVRヘッドセットなどを用いてプレイするゲームはPCでプレイする場合と比較して依存性が44%高い」と言われています。中でも脳の発達が未熟で社会との交流機会が比較的少ない若年層において依存症のリスクが高まるようです。

 

セキュリティ面の課題

メタバースではユーザーの情報やユーザーが制作した空間・オブジェクトのデータはサーバーに保管されます。これらのデータを保護するセキュリティへのサイバー攻撃の件数は増加傾向にあり、メタバース上の資産や個人情報が悪用されるリスクがあるのです。

メタバースにおけるセキュリティ課題に関してはアプリケーションやネットワークをセキュリティで保護するためのモデリング手法「STRIDE」に当てはめると以下の状況が考えられます。

・Spoofing(なりすまし)

アカウント情報の漏洩や勝手にコミュニケーションを取られることで他ユーザーからの信頼を失う

・Tampering(改ざん)

バーチャル空間を改ざんすることで不快な画像が表示される場合がある

・Repudiation(否認)

攻撃者の特定ができないよう操作履歴のログなどが消去される

・Information disclosure(情報漏洩)

バーチャル空間内での盗聴盗撮

・Denial of service(サービス拒否)

表示させるとデバイスがクラッシュするアバター、接続すると表示が停止される空間

・Elevation of privileg(権限昇格)

盗用した一般アカウントを管理者アカウントに昇格させ、管理機能を不正に利用する

 

利用のための環境整備が必要

メタバースは基本的にPCやスマートフォン、タブレットなどの端末があれば利用することができます。しかし、実際に目の前にバーチャル空間を出現させるゲームや授業コンテンツを利用する場合はVRゴーグルやVRヘッドセットなど6〜7万円程度の専用機器が必要です。

このように環境整備の手間や専用機器を購入する費用がかかる点はユーザーの状況によってはデメリットとも言えるでしょう。

 

子どもの利用などルール整備が必要

メタバースではアバターを介して他のユーザーと会話をするため、ユーザーの性別や素性が隠されている場合もあります。メタバースは匿名性の高い特性から、出会ったユーザーから性的または侮辱的な言葉をかけられる可能性もあるので、未成年が利用するにはルールの整備が必要だと言えます。

このようにバーチャル空間を活用することで得られるメリットだけではなく、メタバースが発展途上である故のデメリットを知った上でメタバースを始めることで、安全にメタバースを使えるようになります。次では実際にメタバースを始める方法をご紹介します。

 

メタバースの始め方

メタバース 始め方

「メタバースが活用される分野と事例」でご紹介したように、メタバースは私たちの身近なサービスとなりつつあります。ここではメタバースを利用するパターンを5つご紹介します。

・バーチャル世界を探索する

マインクラフトやどうぶつの森などバーチャル世界の生活を楽しめるゲームでバーチャル世界を探索する使い方です。

・バーチャル世界で開催されるイベントに参加する

メタバース上で開催されるアーティストのフェスティバルや企業の展覧会などのイベントに参加する使い方です。

・メタバースで売買されるコンテンツのクリエイターになる

Z世代を中心に人気がある『ZEPETO』Metaが運営する『Horizon Worlds』など、アバターやアイテムなどのコンテンツを制作し、販売できるメタバースアプリでクリエイターとして利用する方法です。

・NFTの買い物をする

ファッションブランドや一般ユーザーが販売するアバターやアイテムを購入する方法です。

・ブロックチェーンゲームで遊びながら稼ぐ

Axie Infinityなどのブロックチェーンゲームで遊び、稼いだ金額を他のビットコインに換金することで遊びながら稼ぐことができます。

このように、メタバースの使い方はさまざまです。「現実ではできない体験をしてみたい」「好きなアーティストのイベントが気になる」そんな興味から気軽に体験してみることがメタバースを楽しむきっかけになるでしょう。

 

メタバースに関連するおすすめ授業

最後にメタバースの概要や活用方法を体験しながら学べる授業を3つご紹介します。記事でご紹介した内容の復習にも役立つので、気になる授業があればぜひ受講してみてくださいね。

 

メタバースは教育をどう変えるか

メタバースは教育をどう変えるか

< コース紹介 >

このコースではゲームやNFTなどの文脈で取り上げられることが多い「メタバース」を学校教育やビジネスで活用することによって拓ける可能性について学びます。メタバースの基礎をおさらいしたい方や仕事やプライベートの学びで活用したい方におすすめです。

先生プロフィール

矢野 浩二朗

矢野 浩二朗(やの・こうじろう)
大阪工業大学情報科学部 准教授。1973年生まれ。千葉大学医学部医学科卒業後、マンチェスター大学生物学部大学院で修士号、リバプール大学医学部生理学科大学院で博士号取得。2004年よりケンブリッジ大学医学部生理学科博士研究員、2006年より同大学ペンブルカレッジ シニアリサーチフェロー。2011年に大阪工業大学へ着任し、現在へ至る。主要研究テーマはVRの教育分野への応用。

 

「NFT」とは何か?これからどうなるか?

NFTとは何か?これからどうなるか

< コース紹介 >

このコースでは最先端のデジタル技術を学ぶことでデジタル技術を活用できる人材を目指します。第1回目の授業ではブロックチェーン技術の啓蒙及び事業モデルの創生・推進をしてきた、奥達男さんの解説でNFTやブロックチェーン技術の仕組みについて学びます。

先生プロフィール

奥 達男

奥 達男(おく・たつお)
アステリア株式会社 ブロックチェーンエバンジェリスト。ブロックチェーン技術の啓発及び技術適用された事業モデルの創生・推進、コンサルティング、POC、サービス構築を担う。ブロックチェーン推進協会(BCCC)トークンエコノミー部会部会長。

 

Gatherという仮想空間の楽しみ方

Gatherという仮想空間の楽しみ方

< コース紹介 >

このコースではレトロRPGゲーム風の仮想空間『Gather』の楽しみ方やツールの使い方について学びます。インターネットの繋がりに味気なさを感じている方や『Gather』の使い方をまとめて学びたい方におすすめのコースです。

先生プロフィール

永田拓也

永田拓也(ながた・たくや)
株式会社DIVE INTO CODE コミュニティマネジャー。 2015年に新卒で採用コンサルティング企業のシーズアンドグロース株式会社へ就職。 2018年株式会社StartGateを立ち上げ、執行役員として従事。2020年に株式会社DIVE INTO CODEへ入社。オンラインで学べるプログラミングスクール「株式会社DIVE INTO CODE」にてコミュニティマネジャー兼人事を務める。

 

まとめ

メタバースは「中央集権的な情報管理システムからの解放」を目指すWeb3.0を象徴する分野であり、ゲームやオフィスをはじめとした身近なサービスにも活用されています。VR・AR・MRを包括するXR、そしてメタバースをはじめとした進化するデジタル技術を駆使してビジネスやプライベートの可能性を広げてみるのも面白いかもしれません。

SchooではNFTやメタバースをはじめとしたテクノロジーに関する授業が月額980円で受け放題です。ぜひ活用してくださいね。

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