10/7(Mon)

今日の生放送

登場人物


かいせつ先輩

ずっと卒業しない先輩。なんでもわかりやすく解説するのが趣味。


猫田くん

好奇心は強い方だが、面倒くさがりですぐ人に聞いちゃう人。聞き方は失礼だが、なぜか憎めない。


 

「リクルート流CRM戦略のコツ」。それが“CMS担当者”にオススメの授業

かいせつ先輩

効率的な経営方法として、CRMに取り組む企業が増えているよ。

でも、CRMといっても幅が広いし、何から手をつけて良いかわからないって人もいるよね。

そこでCRMについて知りたい人にオススメしたい授業が、「リクルート流CRM戦略立案のコツ」。

本授業では、CRMについて0から学ぶことができるよ。

「CRMってそもそも何のこと?」という1歩から始まって、じゃらんやホットペッパーで有名な株式会社リクルートホールディングスが実際に行っているCRM戦略の事例も確認できるよ。

これからCRMを担当する人や、CRMの知識を身につけたい人も、一緒に学んでみよう。


先生のご紹介

宮内 純枝 リクルートライフスタイルNB本部CRMユニット マネジャー

株式会社リクルートライフスタイルで、CRMとブランドマネジメントを担当。雑誌の編集、じゃらんの「にゃらん」のプロモーションを経験後、ホットペッパー等のWebサイトでコンテンツマーケティングに従事。現在はリクルートグループ横断のCRMを推進している。


CRMとは

猫田くん

そもそも、CRMって何スカ?

かいせつ先輩

CRMとは、Customer Relationship Managementの略称だよ。日本語では「顧客関係管理」とか、「顧客関係性マネジメント」と訳されることが多いね。

顧客が嬉しいと思える、必要としているサービスを提供することで、リピーターやファンになってもらうような経営がCRMだよ。

どんなに素晴らしい製品やサービスを提供していても、それを購入してくれる顧客がいないとビジネスはできないよね。

だから、顧客の満足度を高めることを重視して製品やサービスを購入してくれる人を増やすCRMは、経済効率が良い経営手法として注目されているんだ。

CRMでは顧客の情報を詳しく把握して、マネジメントに活かすことが大切だよ。製品を購入したときのデータや嗜好などをきちんと把握することで、より満足度を高められるサービスを提供できるからね。


CRMのメリットとは

猫田くん

ほうほう。では、CRMには、どんなメリットがあるんスカね?

かいせつ先輩

CRMのメリットは、企業と顧客の両方が利益を得られることだよ。たとえば、とあるレストランで食事をしたあと、店員さんに「お食事いただいたお客様にサービスです」とお花を渡されたとしよう。

お客さんはお花をもらえて嬉しいと思って、「また利用しようかな」という気持ちになるよね。そしてリピーターになってくれたら、企業は新しくお客さんを呼び込むための宣伝費をかけなくてもお客さんを獲得できて、売上を上げられるんだ。

つまり、顧客が製品を購入したりサービスを利用したりする回数と単価を積み上げることで、企業は売上を増やすことができるんだね。

CRMは、取り組み始めたらすぐ効果がでるものではないよ。手間や時間、経費がかかるからね。少しずつ効果を出せるように、まずはCRMに成功した企業の事例を学んだり、自社の顧客データを管理するところから始めよう。
 

【じゃらん/ホットペッパーに学ぶ!】リクルート流CRM戦略立案のコツ

かいせつ先輩

ここでは、授業内で先生が話してくれた、実際にリクルートが行っているCRM戦略の事例を紹介するよ!

じゃらんやホットペッパービューティーといった有名なサービスで、どんなCRM戦略が取られているのかが見られるよ。実際に顧客データをどう活用して効果的なサービスを提供しているのか、チェックしてみてね!

宮内先生:リクルートの事例からCRMを学んでいきましょう。

まずは、「じゃらん」から。じゃらんは、宿泊予約を中心とした、旅の総合予約サイトです。じゃらんの例で見ていくのは、関係性の構築です。

対面ですと関係性の構築ってイメージつくと思うんですけど、Webサービスでどうやって良好な関係性を気づけば良いんだろうってところを簡単にお話します。

今日は、三連休前の金曜日です。仮に明後日から旅行に行くとして、何を知りたいですか?

受講生代表:まず天気が気になりますね。台風なので。あとは、交通情報も気になります。

宮内先生:じゃらんはですね、宿泊の2日前に「いってらっしゃいメール」を送っています。ここには、荷造りをはじめたくらいのカスタマーを想像して、宿の詳細や地図、周辺情報、交通手段。これらを送っているんですね。「便利だね」って言っていただけることも多いです。

意外と「どの宿予約したっけ?」と、宿の予約が完了したときに送られてくるメールが見つからなくなってしまうことがあるんですね。なので、こういう良いタイミングで必要だと思う情報を提供するってことは、関係性の構築に効いてくるんだと信じて、我々地道に、いろんな手段を取っています。

人 が含まれている画像

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受講生代表:これ絶対、気が利くなって思いますね。ありがたいです。

先生:ありがとうございます。1つ目の事例は以上です。次は、ホットペッパービューティー。美容院やネイルサロン、リラクゼーション施設の予約サイトです。こちらの事例でお話していきます。

皆さん美容院、もしくは理髪店に行くと思いますので、カスタマーのことをご自身に置き換えて、知っていきたいと思います。皆さんは、何カ月に1度ヘアカットに行きますか?

ここでは、仮に60日と置かせていただきます。髪を切るという行動は、どうやらカットとカットの間に60日程度あるようだと。髪を切るという行動には、周期性があるんですよね。いつのタイミングでっていうのが予測しやすそうじゃないですか?

今度は、実データを覗いてみたいと思います。AさんBさんCさん、3人の履歴です。カットのところはホットペッパービューティーのデータベースにあったカットの日付ですね。ここから、CRM業務をはじめたとして、どんなことがいえそうでしょうか?

人, 女性 が含まれている画像

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私の推測では、Aさんは髪を切ったばっかりなので、しばらく行かないだろうなと。あとは、3回も使ってくれているので、次回もホットペッパービューティーを使ってくれるんじゃないかという気がします。

Bさんは、先ほど60日というのがありましたので、もうすぐ60日を迎えますので、もうすぐカットに行くのではないかと思います。そしてCさん。Cさんは残念ながら、ホットペッパービューティーを使わずにカットをしてしまったから、データにログがないんじゃないかなとか、もしくは髪を伸ばしているのかもしれないですね。こんなふうに仮説が立てられます。

ただこれ、実は3人だったから1人ひとり丁寧に見て仮説が立てられたんですね。多分授業を受けていらっしゃる皆さんも、自社の顧客データが100、1000ってなってくると、同じ作業をするのは難しくないですか?

受講生代表:難しいですね。

先生:そうですよね。そんなときに、このフレームを使うことをおすすめします。「RFのフレーム」ですね。横がRecencyといって、最新予約からの経過期間。縦がFrequencyで、累積の回数です。さっきのAさんとBさんとCさんを、ここに当てはめてみますね。

人, 女性 が含まれている画像

自動的に生成された説明

Aさんは3回過去に利用してくれていて、直近で髪を切りに行っていましたよね。なのでこの箱に入ります。Bさんは90日より手前で、過去に1回利用してくれている。

Cさんは90日超えていましたね。結構ご無沙汰になっている。で、過去に1回利用してくれている。こんな分類を、100でも1000でもこの箱に入れることはできるんじゃないでしょうか。

それで、似たようなグループを作る。そうすると、その箱ごとに仮説を立てて打ち手を考えられるので、100とか1000とか万の顧客データを目の前にして、どうしようとなったときは、まずRFのフレームで整理をしてみることをおすすめします。

最後の事例は、再びじゃらんです。みなさんと、カスタマーのことをさらに知っていきたいと思います。皆さん、旅行にはどんなサイクルで行きますか?

多分これ、髪を切るみたいなサイクルが見出しにくいのかなと思います。もう1つ聞いてみましょう。皆さん、誰と旅行するか決まっていますか?

多分この行動の違いが、ヘアカットと旅行にあるのかなと思うんですよ。なのでちょっと整理してみますね。

行動特性の比較として、ヘアカットと旅行ではサイクルがありそうなものとなさそうなもの。あと人数ですね。ヘアカットは1人で行きますよね。

旅行は場合によるでしょう。旅行は、多くの変動要素を含み、固定化しづらい行動なんですよね。タイミング、同行者、目的、場所、予算も違うかもしれません。

もう1つ質問させてください。宿を予約する前の検討期間はどのくらいですか?これも場合によりますね。

これまでのお話を整理しますと、旅行におけるカスタマーのタイミングって、検討開始があって、固定化しづらい、場合によるんですが、なんだか期間はありそうだ。

そして予約をして、何日後かに宿泊の日が来る。こんな感じじゃないですかね。

こういう読みづらい旅行という行動のときに、どうやってレコメンドをしたら良いんでしょう。検討開始の兆しが見えたら、そのときの顧客に合ったレコメンドを発動するんです。

時間軸で見てもらうと、検討を開始、じゃらんの閲覧ですね。じゃらんの閲覧をしはじめたぞとわかったら、我々リクルートはレコメンドを発動します。

たとえばEさんへのCRM施策。

こんな方に対してどんなレコメンドをしていけば良いでしょうか。こんなことをしています。

Eさんは箱根を見ていたので、「箱根の予約をしませんか?」ともう1回プッシュのメールをします。ここで決まってくれれば以上なんですけども、予約に至らなかった場合には、箱根と同様に横浜の住所から2時間以内の周辺温泉をレコメンドしてみます。

それでも決まらなかったら、デートの王道・舞浜のリゾートエリアをレコメンドします。それでも決まらなかったら、予算が難しいのかなと思って今度はお得特集みたいなことをレコメンドするというふうに、ドリルダウン的に、ズラしてレコメンドを行っているんですね。

属性やログ、あとは仮説から、そのときのEさんに刺さるであろう旅を提案しています。これはいわゆる1to1マーケティングと呼ばれるものです。「あなたにはこれ?もしくはこれ?」とレコメンドしていって、予約に結びつけるわけです。

Eさんに行ったことは、顧客をマスではなく、「特定の個人」としてコミュニケーションを取ったことです。あとは要望に応えるだけでなく、「予測」を含めてサービスを提供したわけです。

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